平成14年5月20日判決言渡
平成9年(ワ)11614号保証債務履行請求事件
平成14年3月4日口頭弁論終結

   判  決

原告 株式会社ユーエフジェイ銀行
上記代表者代表取締役 寺西正司
上記訴訟代理人弁護士 山崎 馨
同          工藤一彦
同訴訟復代理人弁護士 諏訪圭子

被告 K・Y
上記訴訟代理人弁護士 田口哲朗
同          山田裕明
同          田門 浩
同          守屋典子

   主  文
1 被告は、原告に対し、金363万4789円及び内金362万円に対する平成8年2月7日から支払済みまで年14パーセントの割合による金員を支払え。
2 原告と被告との間に置いて、原告が別紙物件目録記載1及び2記載の不動産を目的とする別紙根抵当権目録記載の根抵当権を有することを確認する。
3 訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求
 1 主文第1項ないし第3項同旨
 2 主文第1項につき仮執行宣言
第2 事案の概要
 1 本件は、原告(旧商号・株式会社三和銀行)が、被告に対して保証債務の履行及び根抵当権の存在確認を求めた事案である。これに対し、被告は、先天的聴覚障害者であるのに、原告担当者が手話通訳者を通じて契約内容を説明しなかったため、契約内容を理解することができず、契約締結の意思がなかったから契約は不成立であるか、又は錯誤により無効であると主張して争っている。
 2 前提事実
 以下の事実は、当事者間に争いがないか、末尾に掲記の各証拠によって容易に認定できる(証拠を掲げていたに事実は当事者間に争いがない)。
 (1)当事者
 原告は、銀行業を営む株式会社である。
 T工機株式会社(以下「T工機」という。)は、工作機械、工具の修理、販売を業とする株式会社である。
 Y口・T(以下「Y口」という。)は、T工機の代表者であり、被告の妹であるY口Y子(以下「Y子」という。)の夫である。
 (2)ア 原告は、T工機に対して、平成6年3月25日付けで、下記の約定で金500万円を貸し付けた(甲B1,2)。
 (ア)元金 最終弁済期を平成12年3月24日とし、平成6円4月から平成12年2月まで毎月24日(但し、同日が銀行の非営業日の時は、翌営業日)限り金6万9000円宛支払い、最終弁済期に金10万1000円を支払う。
 (イ)利息 利率は年3.2パーセント(年365日の日割計算による)とし、上記借入日にその日から平成6年4月24日までの利息を支払い、平成6年4月25日以降は、毎月24日(但し、同日が銀行の非営業日のときは、翌営業日)限り、その日の翌日から翌月の24日(但し、同日が銀行の非営業日のときは、翌営業日)までの利息を支払う。
 (ウ)遅延損害金 年14パーセント(年365日の日割計算)
 (エ)期限の利益の喪失 T工機が、手形交換所の取引停止処分を受けたときは、原告からの通知催告等がなくても、原告に対する一切の債務について当然に期限の利益を失い、直ちに債務全額を弁済する。
イ 被告は、原告に対し、前項の契約に基づき、T工機が原告との取引によって現在及び将来負担する一切の債務について、保証する旨の平成6年3月25日付け契約書(甲B2,6)に署名押印した(以下これらが証する契約を「本件保証契約」という。)。
ウ 被告は、原告に対し、別紙物件目録記載1及び2の不動産(以下「本件不動産」という。)を目的とする別紙根抵当権目録記載の根抵当権を設定する旨の同日付け契約書(甲B3)に署名押印した(以下これが証する契約を「本件抵当権設定契約」、本件保証契約と本件抵当権設定契約を総称して「本件各契約」、甲B2,3,6を総称して「本件各契約書」という。)。
エ 後記(3)のとおり、T工機は、平成8年2月6日経過によって、期限の利益を失ったが、同時点において、T工機の上記アの債務は、残元金362万円、未払利息金1万3307円、確定損害金1482円の合計金363万4789円であった。
(3)T工機は、平成8年2月6日、手形交換所の取引停止処分を受け(甲A10)、同日の経過により、原告に対する上記全ての債務について期限の利益を失った。
3 主な争点
 (1)本件角形役の成否
 (2)本件各契約は錯誤により無効か
 (3)被告の重過失の有無


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