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霧の英国ロック ★英国マニア【つぎの一枚】
60s 70s BRITISH ROCK REVIEWS (70年代のブリティッシュ・ロックを中心に紹介します) |
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掲載しているアルバムの写真とデータは英国アナログ原盤です。 画像はGIFで粗いですが、高画質の印刷データもあります(ご相談ください)。
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★レヴューは毎日更新しています(土曜休日を除いて)★TODAY'S REVIEW★ ★「SINGLES」にDAWN(EP)を追加しました★03/06/14★ |
TODAY'S REVIEW 2004/3/11
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NEIL ARDLEY, IAN CARR AND
DON RENDELL/GREEK VARIATIONS ――――――――――――――――――――――――――――――― ★70年にリリースされた英国ジャズ・メンによるギリシャをテーマにした競作アルバム。A面をニール・アードレーが作曲し、B面の半分をイアン・カーが作曲、残りの半分をドン・レンデルが作曲するという形で、それぞれメンバー構成も異なる変則的な作品だ。A面全面を使ったアルバム・タイトル曲は、69年にカーとレンデルを含むチェンバー・ジャズ・オーケストラのためにアードレーが書いた組曲。複雑なスコアを持つエキゾティックな前衛作品で完成度はかなり高い。カーの曲は、すでにニュークリアスを結成していた時期なので、ここでの演奏もクリス・スペディングやジェフ・クラインといったニュークリアスのメンバーで行われている。サウンドはもちろんニュークリアスだが、やや中道的。レンデルの曲は、クインテットからカーが抜けた編成でのレコーディング。純ジャズ路線を邁進するレンデルの情念と英国的叙情が感じられる好演が収められている。(藤崎 登) |
1970 Columbia (Lansdowne Series) SCX 6414 (Silver & Black) |
TODAY'S REVIEW LATEST 20
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JOAN
ARMATRADING/WHATEVER'S FOR US ――――――――――――――――――――――――――――――― ★ほとんど語られることのない黒人女性のシンガー・ソングライターのジョアン・アーマトレイディングだけれど、あまりにも過小評価されているのはないだろうか。彼女は、ときに心に共鳴するメロディを書く。それは、理屈を超えて感動を与えてくれるもの。きっと、彼女のなかにゴスペル的な厳粛なスピリットが底流しているのだろう。彼女の歌を聴いて涙した人も多いと思う。彼女の書くメロディとヴォーカル・スタイルには、エルトン・ジョンの女性版のような響きと存在感があり、プロデュースをガス・ダッジョンが担当するのも納得だし、デイヴィ・ジョンストンが全面的に参加しているもの自然な気がする。詩人のパム・ネスターとパートナーを組んでいるのも、エルトンとバーニー・トーピンの関係と同じである。英国的というよりはエンターテインメントな可能性を持ったアーティストだ。(藤崎 登) |
1972 Cube (Decca) HIFLY 12 |
| DARIEN
SPIRIT/ELEGY TO MARILYN ――――――――――――――――――――――――――――――― ★マリリン・モンローの動く唇で有名なダリアン・スピリット。グループというよりは、ジャック・マックアリスターとハリー・マクドナルドのシンガー・ソングライター・デュオと捉えたほうが自然な感じ。本作をレコーディングするために、フランク・リコッティなどのリズム・セクションが加わったのではないだろうか。バンド・アンサンブルの主張はまったくなく、あくまでもメインはメロディ・ラインの美しさと流れるような重厚なストリングスなのだ。それが彼らのサウンドの特徴になっている。霞みがかかったような優しいメロディ・ラインとジェントルなヴォーカル・ハーモニーは、実に英国的でメランコリック。バックの包み込むようなストリングスもいい感じで、彼らのヴォーカル・サウンドをドラマティックにしている。シンガー・ソングライターの佇まいというよりは、英国ポップやMORに近いけれど、フォーク・ファンやロック・ファンにもアピールできるセンスもある。(藤崎 登) |
1973 Charisma (B&C) CAS 1065 (Mad Hutter) |
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SPRING BOARD (JEFF CLYNE,
IAN CARR, TREVOR WATTS, JOHN STEVENS) ――――――――――――――――――――――――――――――― ★英国ジャズ界を代表する4人による夢のような共演。SME(スポンティニアス・ミュージック・アンサンブル)の3人、ジョン・スティーヴンス、トレヴァー・ワッツ、ジェフ・クラインに、イアン・カーが加わってレコーディングした興味深い作品である。69年リリースにされているが66年のレコーディングらしい(革新派とフリー・ジャズのサウンドはむしろ69年の雰囲気が強いけれど)。イアン・カーは当時、ドン・レンデルと双頭のクインテットを組んでおり、66年には名作『ダスク・ファイアー』を発表している。純ジャズのレンデル・カー・クインテットと対極に位置するグループのSMEに参加して、本作のようなフリー・ジャズの先鋭をセッションしたことは、のちのニュークリアスの結成に大きく影響しているのだろう。本作は4人が競作する形でレコーディングされており、強烈な個性の激突がテンションを高めると同時に、ヨーロッパとは一味違う英国フリー・ジャズの方向を示している。クールな先鋭と叙情性が共存するサウンドは、のちのアマルガムやニュークリアスの布石になっている。(藤崎 登) |
1969 Polydor 545 007 |
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THE BRIAN ROGERS ORCHESTRA/PLAYS THE MELODIES OF
GALLAGHER&LYLE AND ANDY FAIRWEATHER LOW |
1977 A&M AMLH 68424 (Silver) |
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CHOPYN/GRAND SLAM |
1975 Jet JETLP08 |
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SAMMY/SAMMY ――――――――――――――――――――――――――――――― ★オーディエンスのキース・ゲメル、ジン・ハウスのジェフ・スターキー、クオーターマスのミック・アンダーウッドらによって結成されたブルース・ロック。メンバーの経歴に恥じない個性的なグループだ。ソウルフルでブラックなスターキーのヴォーカルは素晴らしく、それにオーディエンスの影を残すゲメルの木管やヘヴィにサウンドを締めるミックのドラムスが絡み、一味違うサウンドを構築している。それはR&B、ハード・ロック、ブルース、プログレッシヴといった要素を交えたフリーキーでパワフルなR&Bなのだが、強烈なインパクトを持っている。なかでも「70 デイズ」のようなブラスをフィーチャーしたヘヴィなハード・ロックは絶品。また、メンバーの3人がブラス・ロックのロイ・ヤング・バンドと関係を持つことからもわかるように、全体にブラス・アレンジが効いているのも特徴だ。ブルースがハード・ロックへと進化を遂げる過渡期の愛すべきグループ。(藤崎 登) |
1972 Philips 6308 136 (Black) |
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McGUINNESS FLINT/RAINBOW ――――――――――――――――――――――――――――――― ★4人の連名によるディランのカヴァー集『ロウ・アンド・ビホールド』を挟んでリリースされたマッギネス・フリントの3作目。初期2作でギャラガー&ライル、前カヴァー作品でデニス・クールソンが脱退。代わりにディクスター・ディーンとルー・ストーンブリッジが参加して、この新生マッギネス・フリントが誕生している。前2作はギャラガー&ライルのキャラクターがメインにでた作品だったので、トム・マッギネスとヒューイ・フリントの2人が霞んでいたけれど、なんだか本作を聴いていると、ここにある少し骨太でなよっとした感じのアメリカ憧憬フォークが、もともとのマッギネス・フリントの味ではないかと思う。微妙なナイーヴ感はなくなっているのだけれど、アメリカ哀愁の英国サウンドをスワンプリーに表現しているあたり。それが、ほのぼのとした牧歌的なパブ・ロックの雰囲気を醸しだしていて、実に味わい深い。また、1作目のジャケット写真をカラーにしたような海が見える丘からは、新たな意気込みも感じられる。(藤崎 登) |
1973 Bronze (Island) ILPS 9244 (Bronze) |
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HARRIS CHALKITIS (Fra)/HARRIS
CHALKITIS ――――――――――――――――――――――――――――――― ★アフロディティス・チャイルドの大傑作アルバム『666』に参加していたマルチ・インストゥルメンタリストのソロ・アルバム。『666』はヴァンゲリスの作曲の才とデミス・ルソスのヴォーカルが開花したユーロ・ロックのエポック・メイキングだったが、その陰にはハリスの好サポートもあったはず。彼は、ヴァンゲリスやルソスと同じギリシャ人で(生まれはエジプト)、音楽一家に育ち、若くから多くのソングライティングを手がけている才人だ(ルソスの「ウィ・シャル・ダンス」などのミリオン・セラー・ヒットもある)。本作は、ハリスが29歳のときに制作したもので、キーボード、ホーン、木管楽器、パーカッションのほとんどをひとりで担当している。基本的には、プログレッシヴ感の少ない歌ものポップス・アルバムなのだが、浮遊感のあるノスタルジックでエキゾティックなポップ・サウンドはとても斬新。ギリシャのフォークロアが彼のアイデンティティに組み込まれており、カリフォルニアとは違った夢みる開放感がある。この地中海情緒たっぷりの泣きのメロディ・ラインは日本人好みかも。(藤崎 登) |
1975 Barclay (France) 80 565 |
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CHATTON/PLAYING FOR TIME ――――――――――――――――――――――――――――――― ★フレイミング・ユースやジャクソン・ハイツに参加していたブライアン・チャットンのソロ作品。彼は両グループでは中心的存在ではなかったけれど、とても重要な役割を担っていた。壮大な概念を持った前者のアルバムを難解になることなくライト・ポップ感覚に仕上げたり、プログレ・ポップの後者をモダン・ポップに持っていった影の功労者がチャットンである。本作は、彼のそんな卓越したポップ・センスが爆発した快作。80年というニューウェイヴ時代の作品なので、やはりサウンド的にはそちらに振られているが、底流するポップ感覚が70年代の英国モダンの香りを残している。オールドウェイヴとニューウェイヴの狭間で浮遊しながら、時にドキッとするほど感動的なメロディを聴かせるのだ。セヴンス・ウェイヴをもっとポップにした感じで、サッド・カフェやヴォイジャーよりもカラフルで先鋭。メンバーはフィル・コリンズをはじめ、旧友で固められているようだが、なかでも音沙汰がなかったキングダム・カムのアンディ・ダルビーの参加は驚き。(藤崎 登) |
1980 RCA LP 5058 (Black) |
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WISHBONE ASH/NUMBER THE
BRAVE ――――――――――――――――――――――――――――――― ★81年に出た本作はMCA期のラスト・アルバムで、内容の良し悪しに関係なく、アッシュ自身にとってもファンにとっても特別な作品かもしれない。なんといってもオリジナル・メンバーでベースとヴォーカルを担当してきたマーティン・ターナーの脱退がショックだったし、新しいベーシストとして加入したのがなんとジョン・ウェットンだというのも衝撃的な出来事だった。しかし、ウェットンが加入する以前に、このアルバムのコンセプトはほとんど出来上がっていたため、彼はセッション・ベーシスト的な扱いに留まった。プロデューサーはポリスなどを手がけてきたナイジェル・グレイで、時代の影響もあってビート色の強い仕上がり。ファンキーな曲やポリス的な雰囲気もある反面、ところどころに昔のアッシュをしのばせるフレーズも聴こえてくるが、もう1曲くらい「Underground」のような曲が欲しかった。なお、ウェットンも1曲だけ提供し歌っている。そして再びクレア・ハミルもコーラスで参加。その後、ウェットンは「エイジア」を結成して成功したのはご存知のとおり。一方、アッシュは以後インディーズ・レーベルからの発売になり少し寂しい思いが残る。(らん) |
1981 MCA (EMI) MCF 3103 (Rainbow) |
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PETER FRENCH/DUCKS IN FLIGHT |
1978 Polydor (Ger) 2417 117 |
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MATTHEW ELLIS/AM I ? ――――――――――――――――――――――――――――――― ★1作目から1年も経ずしてリリースされたマシュー・エリスの2作目。前作と同様、クリス・ウォーカーのオーケストラ・アレンジとエリスのキーボードを軸にしたジェントルな叙情的作品である。バックをクリス・スペディングやクレム・カティーニといったヴェテラン・セッションメンが固めており、ギターが主張する場面やリズム・セクションが立つ曲もあり、前作に比べてややロックよりにシフトした感じ。といっても、内省する感性とマイナー調のメロディ・ラインはそのままなので、瑞々しいシンガー・ソングライターの佇まいは失われていない。エルトン・ジョンを意識したような曲やゴスペルっぽい女性コーラス(レスリー・ダンカンも参加)などには、エンターテインメントなテイストがあり、ブレイクに向けた意気込みを感じることができる。しかし、一方で前作のような脆さや儚さは薄れている。(藤崎 登) |
1971 Regal Zonophone (EMI) SRZA 8505 (Red) |
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VOYAGER/HALFWAY HOTEL ――――――――――――――――――――――――――――――― ★英国モダン・ポップの代表的作品のひとつ。シングル・カットされた「ハーフウェイ・ホテル」にノック・アウトされたポップ・ファンも多いはず。甘酸っぱいポップ・フィール、時代を反映したモダンな雰囲気、英国ポップの王道を疾走するメロディ・ラインなど、それは何回聴いても鳥肌が立つ感動の名曲だった。本作は、その「ハーフウェイ・ホテル」を軸にしたファースト・アルバム。高水準の演奏と先鋭ポップ・センスは卓越した完成度に結びつき、ウィットに富んだ曲想と広い音楽観は10ccやセイラーなどと同じ知的さを表現している。まさに英国ポップの理想形といえるもの。79年というニューウェイヴ期に70年代ポップで勝負をかけたのは、ジャズ・ロック・バンドのトントン・マクート出身のポール・フレンチが、地道にソングライターやセッションをしながら培った英国ポップのアイデンティティに自信があったからだろう。(藤崎 登) |
1979 Mountain (Phonogram) TOPS 124 |
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MATTHEW ELLIS/MATTHEW ELLIS ――――――――――――――――――――――――――――――― ★「ストレンジ・デイズ」誌でもお馴染みのニッチ通の鈴木裕さんが、バンク・ドガーとマシュー・エリスの同一人物説のもとに行き着いたのが、オビー・クレイトンだったらしい。エリスは、リーガル・ゾノフォンで2枚のアルバムをレコーディングし、オビー・クレイトンと名前を変えてDJMからアルバムをリリースしている人物だったのだ。本作はそのエリスの1作目で、彼の瑞々しい感性とマイナー調のメロディ・ライン、そして優しいヴォーカルが全編を包む感動のシンガー・ソングライター作品である。初期のエルトン・ジョンに近い叙情だ。それをドラマティックに盛り上げるストリングスも甘くならず、とにかくエリスの痛いほどの青い感性が先立つアルバムなのである。メンバーのクレジットも、バンドよりもストリングスやブラス奏者のほうが先にあり、管弦楽を大切にしているのがわかる。(藤崎 登) |
1971 Regal Zonophone (EMI) SRZA 8501 (Red) |
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KILLING FLOOR/ ORIGINAL KILLING FLOOR |
1973 Spark (Replay Series) ARLM 2004 (Yellow & Blue Thunder) |
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FLASHER/SECRET IN THE CUPBOARD ――――――――――――――――――――――――――――――― ★センターから開く観音開きのジャケットに真っ赤なレコード、インサートも付属という自主制作盤とは思えない豪華な作品。まったく無名のグループのようだけれど、実は、T・レックスのキーボードを担当していたディノ・ダインズのバンドである。ディノは、また、キーフ・ハートレー・バンドやミラー・アンダーソンのヘムロックに参加していたピーター・ダインズと同一人物。本作は、そのヴェテランといえるディノが気ままに制作したニッチな1枚。時代を反映したファンキーなポップ・サウンドを実にのびのびと楽しんで演奏している。根っこにはブルースがあり、同時期のエリック・クラプトンあたりに近いAOR風味のヴォーカル・アルバムだ。ブラス・セクションがフィーチャーされた曲もあるけれど、トリオ編成による音数の少ないストイックなファンクネスが小気味よい。(藤崎 登) |
1979 Rabbit Records RRUK 8197900 |
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DAVE CARLSEN/PALE HORSE |
1973 Spark SRLP 110 (Yellow & Blue) |
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KINGDOM COME/JOURNEY ――――――――――――――――――――――――――――――― ★セカンド・アルバムでキングダム・カムの完成したサウンドを見せたアーサー・ブラウンだったが、この3作目では早くも違う次元のサウンドを追求している。それは、キーボード奏者にヴィクター・パライノを起用し、リズム・マシーンをフィーチャーした狂気と暗黒に満ちたダーク・サウンドだ。リズム・マシーンの反復と変速・変調を巧みに操り、不気味さと不安感を強調する一方で、シュールで幻想的な音世界を構築している(いま聴いても不思議と古臭くないというのはすごい)。ソウルフルで硬質なブラウンのヴォーカルも、このヘヴィ・メタリックなシンフォニック・サウンドにマッチしていて、前2作のように音のコラージュとバトルすることなく、力強く主張している。プログレ系ファンには1作目だが、ハード系やメタル系のファンには本作がベストだろう。この後、ブラウンはメジャー志向になりソロに。パライノは、キングダム・カムの名前を引き継ぎ、活動を続けた。(藤崎 登) |
1973 Polydor 2310 254 |
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GARY & STU/HARLAN FARE |
1971 Carnaby (Phonographic) 6302 012 (Red Crab) |
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KINGDOM COME/KINGDOM COME ――――――――――――――――――――――――――――――― ★前作は、アイデアとエネルギーのヴォルテージが高すぎて1枚のアルバムにそれらを詰め込むのに無理があり、結果、怒涛のコラージュ作品になってしまった(いい意味で、パンキッシュな衝撃を与えた作品だったけれど)。その反省からなのか、レコード会社の思惑なのか、2作目の本作では、幾分整然と抑えられたものになっている。曲構成もわかりやすく、前作のようにアルバム全体でコンセプトを表現するという複雑な作風ではなく、それぞれの曲ごとにストーリーを完結させたもの。極度なコラージュもなく、サウンド面に重点を置いた聴きやすい作品だ。しかし、やはりステージなどでは、人間信号機、8本の足を持つ船、電話機などといったグロテスクで滑稽なカブリものを用意して、ライヴ・パフォーマンスを行っていたらしい(笑)。前作のアヴァンギャルドなイメージを残しながら、ベクトルを音楽に向けたという点で、本作がキングダム・カムの本質を素直に表したアルバムといえるだろう。(藤崎 登) |
1972 Polydor 2310 178 |
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CARMEN/DANCING ON COLD WIND ――――――――――――――――――――――――――――――― ★傑作シングル「フラメンコ・フィーヴァー」を経て、74年に制作されたフラメンコ・ロックのカルメンの2作目。前作同様、トニー・ヴィスコンティのプロデュース。デヴィッド・ボウイのTV番組に出演しグラム系のファンも獲得、絶頂期といえる時期の作品である。楽曲、テクニック、構成、アレンジ、そのすべてが卓越していることから、プログレッシヴ・ロックの好例のひとつといえるだろう。ポップ・フィールと叙情性は抑えられ、エキゾティックでエモーショナルなグルーヴが強調されたもので、それに鉄人的技巧がミックスされ驚異的な完成度につながっている。彼らを追随したくても、並みのグループではきっとできないだろう。そんな独創に満ちたサウンドである。その要は中心人物のデヴィッド・アレンの感性と知識、そして揺るぎない志向だと思う。本作リリース後、米国ツアーを経て、3作目の『ザ・ジプシー』(英国では未発売)をレコーディングするも解散してしまう。(藤崎 登) |
1975 Regal Zonophone SLRZ 1040 (Red) |
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KINGDOM COME/GALACTIC ZOO
DOSSIER ――――――――――――――――――――――――――――――― ★「ファイアー」のライヴ・パフォーマンスにおいて、燃えさかる炎の王冠と麻痺したようなダンスで、聴衆の度肝を抜いたクレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン(アトミック・ルースターを結成するヴィンセント・クレインとカール・パーマーも在籍)。キングダム・カムは、その中心人物のアーサー・ブラウンが非コマーシャリズムに向けて結成した次のグループである。本作は71年にリリースされた1作目で、彼らの爆発的なエネルギーが凝縮されている。サウンドとヴィジュアルのパフォーマンスはかなりパンキッシュで、関係はないだろうけれど、マーク・ステュワートを擁したポップ・グループのサウンド・コラージュとパンク・パワーの衝撃度に近い。ロック、ジャズといった音楽ジャンルだけでなく、ポエム、演劇、アートなどをボーダーレスに表現した作品。コンセプト・アルバム、内側カバーのコラージュ・アート、特大歌詞ポスターなど、既成のスタイルに収まりきれないパワーがみなぎっている。英国プログレッシヴ・ロックの名盤だ。(藤崎 登) |
1971 Polydor 2310 130 |
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CARMEN/FANDANGOS IN SPACE ――――――――――――――――――――――――――――――― ★フラメンコ・ロックで唯一無二の個性を打ち出したカルメンの1枚目。中心人物のデヴィッド・アレンは、8歳のときからステージに立ち、15歳のときには女性シンガーのバックを務め、自作曲も提供している才人だ。妹のアンジェラとともにグループを米国で結成し、米国から英国に移るとともに、ジョン・グラスコックなどの鉄人メンバーによる新生カルメンを編成している。フラメンコ調のソングライティング、鉄壁のリズム・セクション、エロティックでシアトリカルなヴォーカル、それにサウンドではわからないけれどもフラメンコ・ダンスによるパフォーミングなどが一体化した強力な個性。それがカルメンである。叙情的なメロディやドラマティックなメロトロンの導入などはプログレ・ファン好みのものだが、組曲的な構成とテクニカルな演奏がかなり複雑な印象を与えるので好みが分かれるところかも。これが気に入れば熱烈なファンになるはず。トニー・ヴィスコンティのプロデュース。(藤崎 登) |
1973 Regal Zonophone SRZA 8518 (Red) |
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WISHBONE ASH/JUST TESTING ――――――――――――――――――――――――――――――― ★なんとハードなアッシュだろう。80年に出た第11作目になるこのアルバムを聴いての第一印象だ。マーティンが全曲ボーカルをとり、プロデュースも手がけ、前作がローリーのアルバムだとすると、本作はマーティンのアルバムと言っていいかもしれない。前作よりかなりハードな面を押し出して、まさしくブリティッシュ・ギター・バンドの趣の強いアルバムになった。そのハードさ、端正さもアッシュの魅力であり、本作はそれらと叙情面が凝縮された名盤である。アンディとローリーの計算されたギターが絡み合い、マーティンのベースが唸り、さらにボーカルもまるで楽器のように一体となって独特のウェット感を作り出していく。結成10周年を迎え、バンドとしては最高の円熟期であったにもかかわらず、当時注目されなかったのは、ニューウェイブの嵐の真っ只中という不運があるからだろう。なお、クレア・ハミルがコーラスで参加していて、「Living Proof」はローリーとの合作曲。彼女は30周年記念コンサートにも出演している。その後、アッシュ・ファンには悲しい出来事が待ち受けているわけだが、それは次作でお話しすることにしよう。(らん) |
1980 MCA (EMI) MCF 3052 (Rainbow) |
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HOLLIES/HOLLIES ――――――――――――――――――――――――――――――― ★久々にバンド名を冠したタイトルは内容保証の表明か?米国で最大のヒットを記録した「喪服の女」の続編的サウンドが聴ける「THE DAY THAT CURLY BILLY SHOT DOWN CRAZY SAM McGEE」や、優雅な「THE AIR THAT I BREATHE」などの代表曲を含む74年作。サウンドがスワンプ風やR&B(ソウルではない所がポイント)寄りになり、アラン・クラークの歌の比重が高いので60年代を好む向きには黙殺されたりする作品だけど、最初期はコースターズ(SERCHIN`)やゾディアックス(STAY)のカヴァーで人気を博したR&B通であった事を忘れてはいけない。彼らが大事にしているのは"歌"そのものであり、ある意味70年代のエルヴィスなどにも共通していると思う。"時代に迎合した音"という評論を見ることがあるがそれならロック/ソウル寄りの音にすればいい訳だし。むしろ頑固なまでのヴォーカル・グループへのこだわりが光る原点回帰の1枚。(七院知好) |
1974 Polydor 2383 262 |
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THE CARAVELLES/THE CARAVELLES ――――――――――――――――――――――――――――――― ★ウィスパー・ヴォイスの女性デュオ(マスコミからは、2人のペギー・リーがオブラートを通して歌っているようなサウンドといわれた)、カラヴェルズの63年唯一のアルバム! そのささやくようなヴォーカル・ハーモニーとフォークでもジャズでもないキュートなガール・ポップは、ビートルズよりも前に全米 3 位のヒットを飛ばし、ブリティッシュ・インヴェイジョンの先駆けとなっている(これは再評価すべき)。このコケティッシュなシックスティーズ・ガール・ポップは、ドリーミーでラウンジ風のうえに、とっても知的でお洒落な印象がある。ふわふわ感のなかにも落ちつきと知性が感じられるのは、ビートニクの影響も受けていたのからだろうか。他作と自作が半々くらいだが、自作曲が切なくも愛らしく実にいい感じなのだ。年甲斐もなく胸がキュンとなってしまう。60年代フォークの夢みる女性ヴォーカルが好きな人には、お薦めのポップス・アルバム。(藤崎 登) |
1963 Decca (Ritz) LK 4565 (Red Ear Round) |
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