ジョン

私が5歳の頃だった。家族全員で車で長崎へ行った。
誰かの家を訪問した後だったた゜ろうか?車に乗ろうとすると、一匹の白い小犬がいた。それがジョンだ。
子供にいたずらされたのだろう。顔中クレパスで落書きをされていた。

我が家では初めての犬である。昔、父は飼っていたそうだが…。一番下の弟も2歳。そろそろ犬を飼っても大丈夫、と思ったのだろう。おそらく上の兄と姉が父に「飼おう。」とせがんだに違いない。私は1人、この犬がおそろしく、それでもこわいものみたさで、何故か興奮していた。

ジョンは家に連れて帰り、お風呂にいれられた。兄と姉がわいわい言いながら、風呂場にいたのだか゜、私は物陰からこっそりとしかみる事ができなかった。ジョンが我が家の一員になっても、私はジョンがつながれていないと、さわることができなかった。
ある日、従兄弟が遊びに来ていて、何故かジョンが放されていた。ジョンは私と遊ぼうと私と従兄弟の愛子ちゃんの方へ走ってきたのだが、あまりのこわさに2人して溝にはまってしまった事がある。

それから数ヶ月後、「誰も世話をしない。」と母が怒り、ジョンは田舎の方に捨てられた。(この辺が昔の犬の飼い方だ。)

ジョンがいなくなって、最初のお正月。私たちは家族で車に乗り、親族の集まりに行き、その帰り道だっただろうか?
突然、兄が「ジョンだ!」と叫んだ。後ろを振り返ると、ジョンが走って車についてきている。捨てられたのに、一生懸命私たちの事を探していたのだ。私は子供ながら、感動していた。家族全員が同じ気持ちだった。
ジョンは再び、我が家の犬になる。

そして私は、ジョンが大好きになり、さわれるようになった。
一年もしないうちに、ジョンは誰かに毒を飲まされ、死んでしまう。