鰺・鯵[鯵]魚偏8

鰺・鯵(アジ)魚偏8

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鰺・鯵(アジ)魚偏8

マアジ
40cm。日本各地の沿岸、朝鮮北東部以南。

シマアジ
1m。本州中部〜南部。日本の魚の中でもおいしいものの一つ。

ムロアジ
30cm。本州中部〜南部。干物としてよく使われる。



 鯵の声日も精進も落る頃
 二尺ほど日かげが出来てあぢの声
 水うったあとに涼しきあぢの声
 夕鯵も天秤棒も上へ反り
 夕鯵の声は売人も生きてはね
 鯵売が来べき宵なり茄子を買ひ
 鯵を呼ぺやいとたらひの中でいい
 老いこと盥(タライ)の中で鯵を呼び
 物見から鯵よ廻れの品のよさ
 夕鯵は丸提灯で選って取り
 腰越の鯵にも藁のふくみ状

 アジは旧暦の三月より旬となるので、魚偏に参と書くという説は誤りである。鯵の
字は生臭い魚という意味である。またアジは群遊する習性があるので魚偏に集とも書
くことがある。竹筴魚(チクギョウギョ)と書くのは体側に顎から尾まで竹筴という
厚い鱗の線があるからである。
 鯵の旬は、孟蘭盆(ウラボン)の精進(体を浄めるため肉食をしないこと)の義務
が終了する夏までで、鯵を売る肴屋は鮮度を吟味して太陽が西に傾き始めるとピンと
反り返っている鯵を売りに来た。それでも中毒を懸念する人は毒消に茄子を一緒に食
べることを忘れない。
「わが背子の来べき宵なりささがにの、蜘のふるまひかねてしるしも」と詠んだ衣通
姫の気分になって、鯵の売声を待ちかねている人々は、行水の盥の中から肴屋をよび
とめるが、物見台から「台所に廻れ」とよぶのは品格のよい人であり、夜になっで提
灯をかざして魚を選っているのは売れ残りを安く買いたいと思う長屋の女房であろう。
 弁慶の「勝越状」で有名な鎌倉の腰越では、鯵の干物を土産に売っているが、口に
藁を通しているので、歴史を知っている人には藁が含状(生存中の意見や恨み言を書
き死ぬときに口にくわえる書状)のように見えたであろう。





時は過ぎ

「静岡県・沼津のアジの干物の現況」
 沼津産のブランドと言えば、やっぱりアジの干物。脂がのり、コクのある風味が絶品
だ。だが、かつては半分を超えていた全国シェアも現在、30%台。他産地の台頭や消
費量の減少傾向など、向かい風は一段と強くなっている。沼津アジのPRに取り組む沼
津魚仲買商協同組合の理事長の生き残り策。 

 ―組合の業務は。
 容器販売や冷凍保管、運輸など。組合員は鮮魚と加工に大別でき、アジの干物の生産
者は約七十軒です。沼津アジの統一PRなど、組合は生産者個々ではできないことに取
り組んでいます。

 ―沼津産のアジの干物の特徴は。
 まずは、鮮度のいい、脂ののった旬のアジを使っています。一年中消費者に提供でき
るよう、各地から良質のアジをそろえます。そして潮風を含んだ西風と、太陽の光で乾
燥させます。今は、冷風乾燥機でも天日干しと同じ効果が出せるので、大部分は機械乾
燥。もちろん、機械化で生産量も増えました。

 ―アジの干物を取り巻く環境をどうとらえていますか。
 厳しくなっています。昭和六十二年度で全国シェアは54%でしたが、平成十二年度
は37%まで落ち込んだ。茨城県の大洗、千葉県の千倉、神奈川県の小田原など、沼津
以外の産地の台頭が主因です。

 ―アジの干物を含む水産加工品の表示も、最終加工地から原料原産地に変わりました。
 生産量が増えているのに、国内の漁獲量が落ちているため、原料は海外に依存してい
ます。表示も、ノルウェー産、沼津加工、というふうになるのでしょうか。正直つらい
が、プラス思考で考えないと。沼津の名をかたるからには、生産者が自信と責任を持っ
て良い製品を作ってほしい。そうすれば、他の市場に対して優位に立てる。個々の生産
者が自己責任を果たさないと、自分で自分の首を絞めることにもつながりかねません。

 ―消費量も減少気味です。子供を中心に、魚を敬遠する向きもあると聞きます。
消費拡大に向けたアイデアは。
 食べれば「おいしい」と言うはずなんです。とにかく、食べてもらうことです。学校
給食に取り入れてもらうのも一案です。肉に比べて高単価な上、調理時間の問題もあり
ます。


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