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■兜町事件簿(14巻)■

---目次---
  • ゼクーの架空増資?と100倍分割(前編)
  • ゼクーの架空増資?と100倍分割(後編)
  • 経産省キャリア官僚のインサイダー取引
  • アソシエントの上場廃止
  • 駿河屋の架空増資事件(前編)
  • 駿河屋の架空増資事件(後編)
  • メディア・リンクスの風説の流布事件
  • 宮入バルブ株の買占め(松佳による)(後編)

  • (2005/6/5)
    ゼクーの架空増資?と100倍分割(前編)

    2004年8月30日、ゼクーの第三者割当増資の申込みが終了したとの発表がありました。参考1

    農業組合法人・北海道コスモに対して20,000株、原田漁業に対して10,000株が48500円で割り当てられたのです。

    ゼクーは、14.55億円の資金を得た訳です。

    ・・・ところが、約1ヶ月後の9月30日・・・
    北海道コスモは解散の決議を行ないます。参考2

    実は、参考3によれば、9月3日に北海道コスモは、次表の25人に20000株を相対取引で売却しています。 売却単価は48500円で、割り当て価格と一致します。申込みが終了した日から、わずか4日後に転売したわけです。

    北海道コスモの売却先
    株数
    松本康隆 2400
    森下恵子 2000
    エイトランドコーポレーシオン 代表取締役池田良樹 2000
    金岡秀司 2000
    神商代表取締役永本悠人 2000
    望月昭弘 1400
    吉澤信男 1000
    ベンチャー・プロジェクト代表取締役田原泉 800
    三崎正敏 800
    宋本政文 700
    トレトレジャパン取締役・竹内英樹 600
    山口実 500
    遠山恵三 500
    曽根純子 500
    曽根一恵 500
    斎須茂雄 500
    南昇竜 300
    遠藤好昭 300
    金亨東 300
    鈴木康生 200
    吉田晶博 200
    グローバルサプライ代表取締役田中常弘 200
    廣岡聖二 100
    大石清利 100
    工藤靖之 100
    合計 20000

    6月1日付け読売新聞インターネット版は
    「昨年8月に実施した第三者割当増資で、新株2万株(9億7000万円)の 引き受け先とされた北海道の法人が、引き受けたすべての株を増資直後に譲渡し、まもなく解散していたことが31日、わかった」とした 上で

    「大阪府警もこうした経過を把握し、ペーパー法人を迂回(うかい)させた『架空増資』だった疑いがあるとみて、資金の流れなど について情報収集を進めている模様」と報道じました。

    さて、報道されたように、本件は架空増資の可能性が強いと私は思います。もし、架空増資なら、巨額損失が発生するか、不良資産が必ず残るはずです。

    ゼクーの前渡金は、2004年6月末には270百万円でした。

    ところが、2004年9月末には1394百万円に増加しています。参考4

    監査法人のアスカは、この前渡金の資産性に疑念を持ち、2004年12月14日に辞任していています。参考5

    後を引き継いだのは、公認会計士の武田剛氏と細野幹夫氏です。

    ◆◆さて、この株を馬鹿高値で売るのに貢献したのが、例の100倍分割です。◆◆

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    (2005/6/6)
    ゼクーの架空増資?と100倍分割(後編)

    2004年10月13日、ゼクーは10月末に100倍分割を行なうことを発表します。参考6
    大規模な分割を発表すれば、人気化して株価は高騰するのは、必然です。

    同社の場合は、フライング。
    発表前の12日、インサイダー疑惑のある買いにより、株価はストップ高となります。この件は、証券取引等監視委員会にぜひ調査していただきたいです。

    ゼクーの発行済株数は、分割前で103,875株です。

    5月の第三者割り当て増資で、プライムパートナーズに対して30,000株(32,000円)、8月の第三者割り当て増資で北海道コスモに対して20,000株(48,500円)、原田漁業に対して10,000株(48,500円)が発行されています。

    合計60000株は、発行済株数の57.76%を占めています。

    これらの実態のない三社は、ほとんどの株を相対取引で、2次取得者に売却したのでしょう。

    14日〜25日のゼクーの出来高累計は、170,886株で発行済株数の1.65倍です。
    19日以降は、大量の売物を浴び、不思議なことに4日連続ストップ安です。

    この絶好のタイミングで、2次取得者は高値で売り抜けた、と私は推定します。

    というより、この分割は、2次取得者に売り抜けのチャンスを与え、個人投資家に嵌め込ませるのが目的である可能性が強いと思います。

    14日〜25日のゼクーの推定VWAPは、59,760円です。

    まともな増資なら、48%の儲け・・・

    59760÷40250=1.48

    分割発表後のゼクーの株価の推移
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高 出来高/発行済株数
    2004年10月8日 50,200 50,300 49,600 50,200 2,211 2.13%
    2004年10月12日
    (インサイダー疑惑)
    50,700 55,200 50,300 55,200 9,113 8.77%
    2004年10月13日
    (100倍分割発表)
    58,000 60,000 55,800 57,800 10,191 9.81%
    2004年10月14日 62,300 62,800 59,800 62,800 30,063 28.94%
    2004年10月15日 63,300 67,800 63,100 67,800 24,048 23.15%
    2004年10月18日 72,800 72,800 72,200 72,800 8,839 8.51%
    2004年10月19日 76,800 78,900 62,800 62,800 27,928 26.89%
    2004年10月20日 57,800 58,900 57,800 57,800 19,223 18.51%
    2004年10月21日 56,300 57,000 52,800 52,800 17,142 16.50%
    2004年10月22日 49,000 53,200 47,800 47,800 28,651 27.58%
    2004年10月25日
    (権利付最終日)
    48,200 49,800 43,800 44,350 14,992 14.43%

    もし、全てが架空増資なら、投資資金ゼロ、35億8000万円のぼろ儲けです。 同社は、代表取締役・伊藤雄一氏の申し出により、6月1日に監理ポスト入りしました。

    ◆◆大型分割を悪用した、このような嵌め込みは、◆◆
    ◆◆絶対に許されるべきではありません。◆◆

    ◆◆ 大阪府警など関係官庁は、厳しく対処してほしいものです。◆◆

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    (2005/3/14)
    経産省キャリア官僚の
    インサイダー取引

    中原拓也は、その時、商務情報政策局情報通信機器課の技術係長の地位にありました。 彼は、キャリアといっても、いわゆる技官。キャリア事務官に比べると、ポストも少なく恵まれた地位とはいえません。

    彼の仕事の一つに産業活力再生特別措置法という法律に関するものがありました。

    中原は、コダックの関連会社(KJDPD)がチノンをTOBすることを公表前に知ります。

    TOBの後、KJDPDは、産活法の特例を用いて株式交換を行うことで、チノンを100%子会社社化しようとしていました。

    チノンに関し、彼は産活法の審査、認定を担当していたのです。

    TOB価格は350円で、現状の株価より約2割増・・・
    誰も気がつかないうちに、チノンを買いたい!

    禁断の甘い誘惑。

    中原は、妻名義の口座を使い、16日〜22日の間41,000株を購入します。
    私の推定では、平均買値は、280〜290円ぐらいでしょう。

    総投資金額は、1100万円台に達します。
    信用取引が使われたのかもしれません。

    1月22日の市場終了後、このチノンのTOBは、公表されます。参考
    株価は、TOB価格の350円近くに鞘よせされます。

    中原は、月末までに売却。
    たちまち、280万円の利益を稼ぎます。

    チノンのTOBに係るインサイダー取引
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2004年1月8日 259 290 259 288 67,000
    2004年1月9日 280 288 277 287 40,000
    2004年1月13日 285 285 276 276 29,000
    2004年1月14日 267 279 266 279 18,000
    2004年1月15日 279 279 268 269 28,000
    2004年1月16日 インサイダー買い 280 285 271 271 11,000
    2004年1月19日 インサイダー買い 272 279 272 275 26,000
    2004年1月20日 インサイダー買い 288 289 275 280 61,000
    2004年1月21日 インサイダー買い 281 288 281 287 22,000
    2004年1月22日 インサイダー買い 286 294 285 290 44,000
    2004年1月23日 TOB発表直後 360 360 348 348 1,244,000
    2004年1月26日 348 349 348 348 701,000

    現役の経産省キャリア官僚が、許認可業務を行う際、知り得た情報でインサイダー取引を行ったわけです。
    史上最悪のインサイダー取引の一つといえそうです。

    2005年3月14日、証券取引等監視委員会は、中原拓也(31)を東京地検特捜部に告発します。 株価の動きを見るとそれほど事前に上昇しているわけでもありません。

    ◆◆同委員会は、「いい仕事をした」といえそうです。◆◆
    ◆◆ 甘い誘惑に負けた中原には懲戒免職が待っています。◆◆

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    (2004/12/2)
    アソシエントの上場廃止

    アソシエントが12月2日から整理ポスト入りして、来年1月2日から上場廃止になるそうです。

    同社は、2004年7月期の有価証券報告書を期末から3ヵ月後(10月31日)までに提出できませんでした。 こうした場合、1ヶ月の猶予期間(12月1日まで)が与えられ、それでも提出できないときは、上場廃止になります。
    上場廃止基準第2条第1項第10号)

    提出できない理由は、同決算に対して、監査法人が適正意見をつけないためです。
    もちろん、粉飾が行われているわけです。

    どんな手口かはよく分かりませんが、スルー取引と前渡金が、悪用されたようです。

    スルー取引とは、「受注をそのまま外注にまわす取引」のことです。

    前渡金とは、「一定の契約に基づき継続的に役務の提供受けるために支出した費用のうち当期の事業年度終了までにまだ役務の提供を受けていない役務に対応するもの」を言います。

    詳細は不明ですが、おそらく同社のスルー取引は実態は架空取引で、前渡し金として計上された資産は、虚偽のものだったのでしょう。

    同社の発表によれば、2003年7月期の売り上げは、修正前は11億7958万円だったのが、スルー取引分が減少され、修正後は5億3452万円になってしまいました。

    純利益は、架空の前渡金がなくなり、1億791万円の黒字から、5441万円の赤字に転落しました。

    同社が、東証マザーズに上場したのは、2003年6月30日です。粉飾は、上場前から実施されていました。

    同社の貸借対照表は、現金預金が多く、不正が分かりにくい気がします。

    しかし、監査法人や東証は、粉飾決算を審査で見抜けなかったのでしょうか?

    ◆◆幹事証券はHS証券、監査法人は中央青山です。◆◆
    ◆◆ 新規公開企業の審査は、もっと真剣にしてほしいですね。◆◆

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    (2004/11/15)
    駿河屋の架空増資事件(前編)

    駿河屋は、540年前(室町時代)に創業した和菓子の老舗で、東証2部と大阪2部に上場しています。長期間に渡り、売り上げは低迷し、赤字が連続します。 株価も低迷し、時価総額10億円を割りこみます。

    2003年5月6日、東証は、駿河屋が上場廃止の猶予期間に入ったことを発表します。参考

    月間平均上場時価総額及び月末上場時価総額が10億円以上となれば、上場廃止は回避されます。

    この当時の発行済株数は1060万株ですから、株価95円を死守しなくては、いけません。

    10億円÷1060万株=94.34

    猶予期間は、書面を提出すれば9ヶ月です。

    6月9日、駿河屋の株価は、95円(+30)と突然跳ね上がります。

    その後も高値引けの連続です。
    終値が最高値となったケースは14日間もあり、全体の70%を占めます。

    不自然ですね。この株価の推移は・・・
    6月の平均終値は、98.3となります。

    6月の実績が認められ、7月1日、東証は駿河屋の猶予期間入りの解除を発表します。

    駿河屋の時価総額基準・猶予期間入りから解除までの株価推移
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2003年5月7日(猶予期間入り) 58 58 55 55 4,000
    2003年5月8日 55 55 55 55 2,000
    2003年5月12日 55 55 54 54 6,000
    2003年5月13日 54 54 54 54 9,000
    2003年5月14日 54 54 54 54 2,000
    2003年5月15日 54 55 54 55 2,000
    2003年5月16日 56 56 56 56 2,000
    2003年5月19日 55 55 55 55 6,000
    2003年5月20日 56 56 56 56 1,000
    2003年5月23日 55 55 55 55 1,000
    2003年5月26日 60 60 60 60 14,000
    2003年5月27日 63 69 60 60 12,000
    2003年5月28日 60 60 60 60 4,000
    2003年5月29日 62 68 62 68 4,000
    2003年5月30日 67 70 67 70 5,000
    5月終値平均 57.8
    2003年6月2日 67 70 61 65 20,000
    2003年6月3日 69 70 69 70 13,000
    2003年6月5日 71 71 71 71 3,000
    2003年6月6日 70 70 65 65 16,000
    2003年6月9日 73 95 73 95 59,000
    2003年6月10日 95 95 91 91 9,000
    2003年6月11日 81 95 81 95 75,000
    2003年6月12日 91 95 91 95 44,000
    2003年6月13日 93 99 92 99 180,000
    2003年6月16日 99 99 92 98 11,000
    2003年6月17日 93 97 92 97 30,000
    2003年6月18日 95 98 92 97 21,000
    2003年6月19日 95 97 95 97 15,000
    2003年6月20日 97 97 97 97 3,000
    2003年6月23日 97 108 93 108 51,000
    2003年6月24日 108 110 108 110 20,000
    2003年6月25日 111 125 111 125 38,000
    2003年6月26日 125 135 117 135 38,000
    2003年6月27日 139 139 123 127 10,000
    2003年6月30日 122 129 121 129 8,000
    6月終値の平均 98.3
    2003年7月1日(東証解除を発表) 118 118 112 113 30,000

    ◆◆解除されたとはいえ、株価を維持しないと、再び時価総額は10億円を割り込むでしょう。◆◆

    ◆◆ 駿河屋の架空増資事件の動機に、◆◆
    ◆◆この上場廃止基準が関係したのは、間違いないと思います。◆◆

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    (2004/11/16)
    駿河屋の架空増資事件(後編)

    時価総額10億円を満たすために、駿河屋は増資を計画します。 S証券から、引き受け先として紹介されたのは飯倉HDの社長・上田高嗣です。

    しかし、この会社は、東京の中国料理店(民事再生手続き中)を約1億5000万円で買い取りを行い、資金を持っていません。 2003年10月1日、駿河屋は、飯倉HDが第三者割当増資を引き受けて経営参画することを発表します。

    金もないのに、いったいどうするのか?

    12月12日、飯倉HDは、あおぞら銀行から「見せ金」12億円の融資を受けます。
    担保として、ある投資家(テレクラ経営者)の個人預金7億円が同銀行に提供されました。

    一株122円、940万株の第三者割当11億4680万円は、無事に駿河屋のあおぞら銀行口座に払い込まれます。

    ・・・それから3日後・・・

    駿河屋の口座から、増資の払込金が全額引き出されます。

    駿河屋は、価値のない中華料理店を飯倉HDから買取り、代金5億円を支払います。
    そして、飯倉HDに代わり、投資家(テレクラ経営者)にも約6.5億円を支払います。

    つまり、駿河屋には、現金が1円も残りませんでした。
    これは、明らかな架空増資です。

    あおぞら銀行は、融資金額12億円を無事に回収します。手数料は280万円でした。
    さて、株券はどうなったのでしょうか?

    この増資に際して、「2年間継続保有」が契約されましたが、守られるはずはありません。 会社四季報によれば、2004年3月の飯倉HDの持ち株は670万株で、270万株ほど不足しています。

    170万株は、飯倉HDの関係者に名義変更されていますが、100万株は行方不明です。 2003年12月25日、飯倉HDは「預けていた株券を司法書士に持ち逃げされた」と警視庁に被害を届け出ます。

    見え透いた芝居ですね。

    100万株は、その後売却されたのは、間違いないでしょう。
    2月下旬に株価は、122円から90円まで暴落しています。株主は、被害を受けました。

    2004年4月、駿河屋も不思議な行動に出ます。

    駿河屋は、約9億円の返還を飯倉HD側に求めて、東京地裁に提訴したのです。
    こんなことで、追求から逃げられると思っているのでしょうか。

    ◆◆あおぞら銀行の責任も重大だと思います。◆◆

    ◆◆ 2004年11月13日、駿河屋の岡本良晴社長、飯倉HDの上田高嗣・社長ほか2名が、◆◆
    ◆◆架空増資(電磁的公正証書原本不実記録・同行使)容疑で逮捕されます。◆◆

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    (2004/11/3)
    メディア・リンクスの
    風説の流布事件

    さて、毎度お騒がせ企業のメディア・リンクス(元ヘラクレス上場、2004年5月1日上場廃止)の証券取引法違反のニュースが以下のように流れました。

    虚偽情報流し会社役員逮捕 メディア・リンクス株操作

    大阪市のコンピューター関連会社「メディア・リンクス」のインサイダー取引事件で、大阪地検特捜部は31日、増資したなどと 虚偽の発表をしたとして、証券取引法違反(風説の流布)の疑いで埼玉県戸田市の会社役員河野鉄明容疑者(58)を逮捕した。

    調べでは、河野容疑者は売買目的で同社の株をつり上げようと計画。同社社長新堂吉彦容疑者=同法違反(インサイダー取引) 容疑で逮捕=と共謀、昨年8月26日、大阪証券取引所で河野容疑者が経営する会社がメディア・リンクスの10億円の社債を 買い取ったとする虚偽の文書を発表。

    また9月12日ごろ、うち7億円分について株式の転換が完了し、約3億5000万円の資本金が増加したとする虚偽の事実も メディア・リンクスのホームページで公表し、同社の株価を不当につり上げようとした疑い。

    (共同通信) - 11月1日1時53分更新



    下の表は同社の株価の動きです。

    2003年8月26日は、「第一回円貨建転換社債型新株予約権付社債の払込完了のお知らせ」(削除された)というのがHPに公表されたようです。

    このニュースは、倒産の可能性の高いのある企業なら、買い材料となるでしょう。
    しかし、この虚偽の発表に対して株価は無反応でした。

    そういえば、新堂が山口組系暴力団との関係を示しながら、株券を預けた男に暴力をふるったのも8月ですね。

    この上場社長の暴力事件は、後に(10月21日)発覚し、同社の信頼は、完全に失墜します。

    二人は、執拗に株価の吊り上げを画策します。

    9月12日ごろ、転換社債の7割について、株式の転換が完了したとの発表がなされます。

    週明けの16日、17日、株価は連続ストップ高となります。
    しかし、虚偽の発表だったわけです。この週の出来高は、38658株。

    河野と新堂は、株を被害者に嵌め込んだのでしょうか?

    虚偽の発表とメディア・リンクスの株価の動き
    日付 始値 高値 安値 終値 出来高
    2003年8月21日 14,000 14,000 12,520 12,810 1,742
    2003年8月22日 12,810 13,070 12,700 12,900 545
    2003年8月25日 12,900 13,400 12,800 13,210 682
    2003年8月26日
    (10億円の社債買取発表)
    12,910 12,990 12,250 12,560 1,320
    2003年8月27日 12,760 12,760 12,300 12,300 660
    2003年8月28日 12,700 12,700 12,300 12,350 335
    2003年8月29日 12,360 12,360 11,000 11,620 967
    2003年9月1日 11,010 11,110 10,200 10,800 1,030
    2003年9月2日 11,400 11,400 10,000 10,400 1,093
    2003年9月3日 10,100 10,200 9,810 10,030 918
    2003年9月4日 9,810 9,810 8,810 9,000 2,016
    2003年9月5日 9,100 9,490 8,900 9,080 752
    2003年9月8日 9,090 9,400 9,000 9,300 783
    2003年9月9日 9,990 10,300 9,800 10,300 3,930
    2003年9月10日 10,300 10,300 9,340 9,700 1,276
    2003年9月11日 10,170 10,170 9,400 9,670 566
    2003年9月12日
    (この頃7億円について株式転換完了と発表)
    9,500 10,000 9,200 10,000 643
    2003年9月16日 10,400 12,000 10,400 12,000 1,197
    2003年9月17日 14,000 14,000 13,700 14,000 4,717
    2003年9月18日 14,200 16,000 13,600 14,350 10,911
    2003年9月19日 14,000 14,000 12,350 12,600 13,359
    2003年9月22日 12,700 14,000 11,990 14,000 8,474
    2003年9月24日 14,000 14,000 12,500 13,690 7,394
    2003年9月25日 12,600 13,590 12,200 13,500 11,499
    2003年9月26日 13,000 13,000 11,500 11,500 6,950
    2003年9月29日 9,500 9,500 9,500 9,500 5,069
    2003年9月30日 10,500 10,500 8,500 9,150 15,224

    メディア・リンクスは、その後、銀行取引停止となりますが、上場し続けます。
    逃げ出した監査法人の後釜も見つからず、有価証券報告書(2003年度)も、3ヶ月以内に提出できません。

    大証は、これを受けて2004年5月1日から上場廃止にします。
    4月30日の最後の取引価格は、単元株数1株なのに、たったの238円!

    ◆◆この会社が、ナスダックジャパン(グロース)に上場したのは、◆◆
    ◆◆わずか2年前の2002年10月8日なんですね。 ◆◆

    ◆◆ 大阪証券取引所、コスモ証券(幹事)、新日本監査法人に問題はなかったのでしょうか?◆◆
    ◆◆(参考 上場の時の資料)◆◆

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    (2004/6/3)
    宮入バルブ株の買占め
    (松佳による)(後編)

    4月21日、松佳側は、共同保有の届出を行います。

    松佳側の保有割合は、34.76%に達することが、明らかになります。この日の株価は、51円高の1000円となります。

    慌てたのは、大山一族を初めとする会社側です。

    5月18日、会社側は乗っ取りの対抗手段を取締役会で決定して、翌日公表します。 770万株の株式を新規に発行して、外国人・陳得喜氏に割り当てるという内容でした。

    払込期日は6月3日、割当価格は393円でした。この価格は、2003年7月〜10月の加重平均株価と考えられます。また、3月を過ぎているにもかかわらず、6月開催の59回株主総会の議決権が付与されていました。

    発行済株数が1630万株から2000万株に増加することで、松佳側の保有割合は34.76%から28.33%に叩き落されます。 第三者割当増資を会社側株主に対して行うことは、極めて有効な防衛手段なのです。

    この日株価は、どう動いたか?

    5月19日の株価は、1090円(+85円)と暴騰します。議決権を付与するとの第三者割当増資には、無理があり、会社側の焦りがかえって鮮明になったとみなされたのです。

    5月21日、松佳は、第三者増資の発行差し止め仮処分の申し立てを行います。その事実は、翌日公表されます。

    週明けの24日、宮入バルブは、人気化して、今年新高値の1200円を記録します。
    しかし、その後は、反落です。

    払込日の2日前(6月1日)東京地裁は、「宮入バルブの決めた割当価格は、適正でない」との理由で、増資を差し止める仮処分を決定します。

    東京地裁は、「割当価格に直近6ヶ月の株価終値平均を10%下回る価格を用いる」という証券業界の自主ルールに一定の合理性があるとの判断を下します。



    2003年11月17日から2004年5月17日までの宮入バルブの終値平均は722円。
    その10%引きは、650円です。

    割当価格が、393円でなく650円なら、この増資は成立したでしょう。
    このニュースが報じられた6月2日の株価の動きです。

    株価は、一時ストップ高の1230円。
    しかし、ここは天井でした。材料の出尽くしで、翌日は大幅安です。

    ◆◆今月開催の株主総会は、天下分け目の関ヶ原。◆◆

    ◆◆委任状の争奪戦が既に開始されています。◆◆
    ◆◆ ボクシングのタイトルマッチを観戦するようです。◆◆

    ◆◆ しかし、もともと200円台の株ですからね・・・◆◆

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