| 許永中と石原産業手形詐欺事件 (中編) |
キョート・ファイナンスのオーナーは、京都で黒幕的存在だった、山段吉春という男でした。 彼は、京都銀行、京都財界、京都府警などに隠然たる力を持っていました。
しかし、同社は、許永中や暴力団に対する貸し出しで、経営危機にありました。 山段は、石橋産業を取り込むことで、影響力の維持を図ろうとしたようです。
しかし、彼の影響力の凋落は、食い止めることができません。 1996年10月、山段は、キョート・ファイナンス会長を辞任して、石橋会長の義弟が後任につきます。
石橋産業は、キョート・ファイナンスに会長を送り込めて、安心したでしょう。
しかし、ここで不思議なことが起こります。
|
キョート・ファイナンスが担保に取っているはずの新井組1120万株が、忽然と消えます。 この株は、許永中が手に入れてしまうのです。 180億円の手形も、許永中が持ったままです。 |
・・・・・・・・・・・・・・
1997年1月末、許永中関連の企業から、大阪や京都の中小証券会社約20社に対して、信用取引による大量の新井組の買い注文が出されます。
2000円台の指値でした。
知らぬ者がいない買い本尊の注文です。
許永中のバックには、石橋産業が控えているのです。
証券会社は、多少無理をしても受けてしまいます。
ちょうど同金額の指値売りが大量にあり、取引は成立します。
もちろん、売り手も許永中ですが、誰も気がつきません。
しかし、許永中は、約束の資金を証券会社に入れません。 彼は、キョート・ファイナンスから取り戻した新井組を高値で売ろうとしたのです。そのために、鉄砲を仕組んだのでした。
蜂の巣を、つついたような大騒ぎとなります。
2月12日、詐欺にあった証券会社の処分売りで、終値は680円まで暴落します。この日の出来高は、513万株でした。
◆◆20社の被害総額は、日本レースの鉄砲も含めると◆◆
◆◆100億円近いといわれています。◆◆
◆◆
1997年夏、大阪の老舗・小川証券が廃業します。◆◆
◆◆
許永中の鉄砲行為で14億8500万円の損害を出したことが原因でした。◆◆
| 許永中と石原産業手形詐欺事件 (後編) |
許永中は、石橋産業から搾取した180億円の手形も、善意の第三者を通じて換金します。 他にも、石橋産業から騙しとった現金があり、この事件で彼が得た利益は400億円を超すといわれています。
当時の彼は、3,000億円が闇の世界に消えたイトマン事件で、特別背任罪に問われていました。
| 石原産業手形詐欺事件が起こった時期は、イトマン事件に関して6億円の保釈金を払い、保釈中の身だったのです。 |
許永中は、危険が迫ってくるのを感じ始めます。
1997年9月27日、許永中は、大阪地裁の許可をとり、妻の実家の法要のため、韓国に旅立ちます。
そして、手形事件の捜査を恐れて、そのまま逃亡します。
11月、東京地検特捜部が、手形事件の捜査を本格的に開始します。
しかし、犯人が逃げてしまっては、どうすることもできません。
・・・・それから、2年後・・・・
1999年11月5日の深夜。
東京臨界副都心のお台場の30階建の高級ホテルP。
初老の男が、愛人と宿泊していました。
プールで遊んだり、高級レストランで食事する優雅な毎日だったそうです。
二人の部屋を警視庁の捜査員が襲います。
許永中と愛人・金美佐子がついに発見されたのです。
彼は、直ちに収監されます。
2000年3月、石原産業手形詐欺事件の容疑がかたまり、許永中は逮捕されます。
6月、いわゆる「5億円の許永中マネー」から8000万円を受け取った中尾元建設相が斡旋収賄罪で逮捕されます。
他にも、この闇の資金から献金を受けた大物政治家が二人いるようです。
企業を食い物にして、何千億円もの金を不正に搾取する男、許永中。
判明しただけで、12人が彼の逃亡を助けています。
彼らは、消えた資産の行方も知っているかもしれません。
◆◆隠し財産は、地球の果てまで探し出して、没収してほしいと思います。◆◆
◆◆
許永中のような男は、無期懲役がふさわしいでしょう。◆◆
◆◆残念ながら現行刑法では、詐欺罪は10年以下の懲役にすぎません。◆◆
◆◆再び世間に、血に飢えた虎を放ってはいけません。◆◆
| 銀行が売った変額保険 (前編) |
変額保険とは、株などに運用され、その成績が顧客に直接跳ね返る、ハイリスク、ハイリターンの保険です。 変額保険は、1980年代後半に、人気がでました。
しかし、この保険は、バブル崩壊後、大幅に元本割れして物議をかもしだします。 自己責任ですから仕方がないとも思いますが、ちょっと売り方に問題があったようです。
この保険を売ったのは、大手都銀と言われています。
・・・・・・・・・・・・・・・
Tさんは、東京の青山に3階建てビルを持つ高齢者です。1〜2階をテナントに貸し、3階を自宅として使い豊かな生活を送っていました。ある日、銀行マンUがTさんを訪れ、融資型変額保険を熱心に勧めます。
青山の土地は高騰してますから、このままでは、相続税の支払いが大変です。 相続税は、変額保険で支払う対策を講じるとよいですよ。
一時払い保険料を支払うのに必要な資金は、M銀行で責任を持って融資します。 土地とビルさえ担保にしていただければ、全面的に協力させていただきます。
このとおり、変額保険は9%で回っていますから、借り入れ金利よりずっと高く差益がでます。Uは、Aさんに9%の数字が入ったパンフレットを手渡します。
当時の大手都銀は、今よりずっと信用がありました。
彼らが、危ないものを勧めるはずない。
Tさんは、変額保険が元本割れするとは、夢にも思わなかったようです。
Tさんは、契約に調印して、1億6000万円の融資を受けます。
細かい字で書かれた契約書や約款は、ほとんど読みませんでした。
1億円は保険料、6000万円は諸費用に当てられまました。
諸費用とは、登記手数料、火災保険料、D信用保証への保障委託料、それに5年分の金利でした。
5年分の金利は、定期預金としてM銀行に預けられました。
銀行自身も変額保険の高利回りと、土地神話を信じていたのでしょう。
◆◆1990年バブル崩壊・・・翌年から土地も値下がりを始めます。◆◆
◆◆契約を推進したUは、転勤になります。◆◆
◆◆
・・・・・・・・契約から5年が過ぎました・・・・・・・・◆◆
◆◆
この続きは、明日発表します。◆◆
| 銀行が売った変額保険 (後編) |
1995年になると、金利支払い用の預金が底をつきます。
担保の土地は暴落し、変額保険の実績は大きく元本割れします。
銀行は、変額保険を解約して融資を返済することを強く迫るようになります。
「それでも、返済しきれない分は娘さんを保証人にして、30年ローンで返済してください」
と銀行は、主張します。
「資金は、死ぬまで返さないでよいはずでは?」
Tさんは、Uから聞いた話を繰り返しますが、通じるはずがありません。
長い話し合いの結果、交渉は決裂します。
・・・・・・それから4ヵ月後・・・・・・・
D信用保証から、「当社がM銀行に対して代位弁済しました」との通知がTさん宅に届きます。
いよいよ、自宅が競売にかけられるのです。
驚いたTさんは、他の被害者と一緒にM銀行の本店でビラを撒き抵抗します。
マスコミにも取り上げられ、M銀行は、競売を一時的に中止します。
Tさんは、M銀行とD生命を相手取り、裁判で争いますが、結果は思わしくありません。
2001年1月一審で敗訴、現在控訴中です。
和解する場合も、銀行の主張に近いものを受け入れるしかないようです。
「金を返せないなら目玉を売れ」といって悪名高い商工ローンは、裁判にめっぽう強いそうです。
銀行が、変額保険事件に関して、裁判で勝つ理由もこれと共通でしょう。
Uが説明に使った9%の利益がでると書いてあるパンフレットは、裁判では重視されません。
|
裁判は、契約書万能主義。 Tさんが読んだことがない約款には、細かい字で 「株価運用の成果は契約者に帰属する」と書かれていました。 裁判官は、約款を読めば分かるはずと考えているようです。 |
「そんな約款などもらった覚えはない」と言いたくなりますね。
この主張も、徒労に終ります。
◆◆契約書には、約款の受領印がキチンと押されています。◆◆
◆◆
判を押す前に、約款は読まないといけませんね。◆◆
| 恐るべし、高校生ジョー |
アメリカには、ポンプ&ダンプという株式用語があります。
この恐るべき高校生の行為は、まさにポンプ&ダンプの典型でしょう。
15歳の米ニュージャージー州の高校生ジョー(仮名)は、ある銘柄を大量に買い込みます。
その銘柄は、低位株で、取引量の少ない株でした。
つまり、僅かの買いで価格が乱高下しやすい株を、彼は選び抜いたのです。
Yahooの掲示板など数十回の投稿を行い、徹底的に買い煽ります。
「この株は2ドルだが、直ぐに20ドルになる」
「こんなに割安に評価されている株はない」
まったく、根拠のない風説の流布です。
しかし、高校生は、投資家の心理をつかむのが上手だったのでしょう。
ネットの威力はたいしたものです。欲に目がくらんだ大人の短期資金が殺到して、株価は暴騰します。
|
ポンプで水を高いところに吸上げるように、 買い煽りにより株価を人為的に吊り上げる。 |
出来高も株価も52週間で、最高の水準となります。
少年は、登校する前に、指値をしていました。
|
帰宅すると、株は、すべて高値圏売却に成功! まるでダンプカーから土砂を落とすような、素人への嵌め込みです。 |
たった1回の取引で74000ドル(950万円)の利益でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2000年9月20日、SECは、低株価の品薄株を幅広く購入し、インターネットで11回にわたる株価操作を行い、272,826ドルの不当な利益を得た15歳の少年を、民事詐欺で告発します。
1999年8月23日(当時14歳)から2000年2月4日までの半年間、取引は行われ、掲示板を利用した株価操作がなされました。
各取引ごとの利益は、11,000から74,000ドルでした。
高校生は、株式で不当に得たとされる285,000ドル(利息を含む)を支払うことで和解します。 28.5万ドルの和解金は、未成年者によるものとしては、SEC開設以来の最高額です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて、この高校生のその後の発言が、テレビで取り上げられたそうです。
「少年は80万ドル近い利益を出しており、和解金を支払っても
まだ50万ドル以上の預金を持っている」
「うそをついたわけでなく、僕は値上がりすると思って株を買ったのだから
何も悪いことはしていない」
と、和解金を支払ったことを後悔しているそうです。
◆◆SECの調査は、甘かったですね。◆◆
◆◆
この高校生は、大物投機家として再登場しそうです。◆◆
アマポーラさんの訳とsagasiya3さんの情報を参考にさせていただきました。
| 志村化工の株価操作事件(前編) |
志村化工は、ニッケル事業が88%を占める赤字会社です。株価は、200円前後で低迷していました。
その不思議な増資が実施されたのは、2000年3月のことです。
ジャパン・クリサリス・ファンドという海外ファンドが、55億円の第三者割り当て増資を205円で引き受けたのです。
|
このうち41.3億円の資金の使い道は、三栄化成という会社から、永久磁石の特許実施権を購入にあてます。 こうして画期的な事業を立ち上げようというのです。 |
増資の払込が確認されると、株価は、次第に上昇していきます。
そして、決定的なインパクトを投資家に与えたのは、あの日の記事でしょう。
志村化工の10年チャート 
・・・2000年4月14日、日刊工業新聞の一面トップに問題の記事が掲載されます。・・・
三栄化成(東京都葛飾区東立石、佐藤広治社長)は、金属の原子・分子のナノ 制御技術の実用化に成功、 従来比約1・5倍の69・8M GOeと世界最大のエネルギー積を持つ次世代型磁石を開発した。
量産装置も完成しており、国内の製造販売権を志村化工に供与、今年度内に商品化する。
これにより 新発電システムや、超電導関連製品の代替が可能になる。 また、同技術は磁石以外の金属にも応用でき、水素吸蔵合金、触媒、 電極など新機能材料の開発が一気に加速するとみられる。志村化工が約30億円を投じ、月50トンの生産体制を整える。
・・・さあ、大変です。・・・
最近の志村化工の値上がり材料の全貌が、姿を現したのです。
夢のナノテクによる次世代磁石。
この日の志村化工の株価は、1350円まで上昇します。
しかし、そこが天井でした。
週明けに、不思議なことに大量の売り物が殺到し、
ストップ安の900円売り気配、出来高はゼロでした。
いったい、何故?
たまたま、14日の市場終了後、「日経平均225から志村化工が除外された」とのニュースも影響したかもしれません。
しかし、除外売りのピークは除外前日の21日のはずです。
翌18日、二日連続のストップ安の800円で寄り付きます。
この週は、夢の銘柄が値ごろ感のある価格(800〜900円)になり、個人投資家の買い意欲は強く、3265万株も取引されました。
◆◆しかし、個人投資家達は巧妙に嵌め込まれた可能性があると思います。◆◆
◆◆
INDEX投信以外で、この時期に株を大量に売ったのは、いったい誰か?◆◆
◆◆証券取引等監視委員会 に調べていただきたいですね◆◆
◆◆
赤字企業に関する、この種の記事は、◆◆
◆◆新聞社は慎重に書いて欲しいと思います。◆◆
| 志村化工の株価操作事件(2) |
さて、今日はストリーと少し離れて、三栄化成の発明について、私なりの調査結果を発表したいと思います。
先ず、志村化工のHPから磁石金属事業部のナノコンポジット磁石に関する説明が参考になります。
まさに、前途洋々。
ナノマイザー装置を御殿場工場に新設して、ナノコンポジット磁石を開発中のようです。
しかし、よく読むと、次の部分が、もっとも重要でしょう。
「ナノレベルの酸化亜鉛(又は亜鉛)微粉末をNd2Fe14Bをベースとする希土類系の磁性粉と混合し、酸化亜鉛の分解温度以上で真空中において熱処理を行うことにより、in situ(その場)で局所的にナノレベルの希土類酸化物を析出させることに成功いたしました。」
私なりの解釈では、不純物を多く含んだ形で、球状強磁性合金粒子(多分50μ以下)を検出したのでしょう。
しかし、低コストで純度を高めて精製した上で、これを焼結して、強力な磁石を開発しなくてはなりません。
日刊工業新聞が指摘した新発電システムや超電導関連製品の代替への道のりは、かなり遠いのではないでしょうか?
次に、特許の関連を調査しました。
「三栄化学」&「ナノコンポジット磁石」で検索すると次の5件が出てきます。 いずれも出願されただけで、特許はまだ成立していません。
驚いたことに、審査請求さえされていません。
重要かつ成立の可能性の高い出願なら、審査請求がなされるのが一般的です。
4と5は、2000年3月13日に出願されており、志村化工が増資で手に入れた実施権の中身でしょう。
出願しかしていない技術に、年間売上(78億円)の半分以上の41.3億円を払う?
私の疑惑は、深まります。
なお、日刊工業新聞によれば、三栄化学はアメリカで、この特許を取得しているそうです。
さて、その後の特許を調べれば、志村化工の今後の企業戦略が分かるかもしれません。
2は、前述の2特許より後に出願された「球状強磁性合金よりなる磁石を使用した磁気治療器に関する特許」。
1は、最近公開された「同磁石を繊維中に均一に分散させた特許」です。◆◆おいおい、ピップエレキバンや磁石入り肌着に次世代磁石を使う気ですか?◆◆
◆◆
私は、素人。勘違いもあるかもしれません。◆◆
◆◆
この件に関して有識者の掲示板での反論をお待ちします。◆◆
| ホームへ |