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「観光丸」の概念設計

「観光丸」とは日本最初の蒸気船の名前です6)。 幕末にオランダから贈られ、
長崎海軍 伝習所長の永井玄蕃頭尚志が、中国の易経の句「観国之光…」に
因んで命名しました7)。(蒸気船、観光丸)
文明開化の先駆けとなったこの船にあやかり、
「宇宙という海原に乗り出して地球や星の光を観る船」 という意味で、
私達の宇宙機も「観光丸」と呼ぶことにしました。
永井尚志は、 大政奉還の建白書を起草し、製鉄所や造船所を創設して近代工業の基を築きました。私の4代目前の先祖に当たる人で、不思議な因縁を感じます8)。

宇宙旅客機「観光丸」の外形は、直径18m・長さ22mの どんぐり型です。 (外形)
内部は上から、客室・燃料タンク・酸化剤タンク・エンジン室の4層構造になって
います。エンジンは、液体水素を燃料とするロケットで、何時どのエンジンが故障して
も安全なように、12基を円周上に配置します。
この内、上昇時と下降時に使う ブースター4基は、ジンバル付の固定ノズルです。
残りのサステナー8基は、 大気中と 真空中の両方で使うため伸展ノズルを備え、
大気圏突入時は蓋で 保護します。

大気圏での減速と姿勢制御には、4枚のボディーフラップを使います。 4本の脚は着陸専用です。離陸時は地上設備で機体を支持します。
機体の主構造は、炭素繊維/エポキシ樹脂の複合材ハニカムです。表面に チタン箔のマルチウォールを貼って主構造を熱から守ります。エンジン室の下面は、大気圏再突入時に 1,100℃になるため、超合金の構造を金属複合材の ハニカムで覆います。

重量(ton) 重量比(%)
空虚重量 51
乗客・乗員
燃料 (水素) 71 13
酸化剤(酸素) 424 77
離陸重量 550 100
着陸重量 60 11

表、観光丸の重量構成

離陸重量は550tonで、その90%を酸化剤と燃料が占め、着陸時には60tonになります。観光丸で宇宙へ行くためには、体重の100倍の酸素が必要です。将来空気吸込式極超音速エンジンが実現すればこの値は半減することでしょう。
  乗客定員は観光バス並の50人、乗員は操縦士・スチュワーデス各2人です。 客室は2階建で、すべての旅客が座ったままで窓から外が見えるように、客席は外向きで円形に配置します。2階には操縦室と宇宙ホテルへの出入口が、1階には離着陸時の出入口2箇所とトイレがあります。無重力遊泳空間は1・2階吹き抜けになっていて、大きな窓がついています。2階の出入口は2重になっており、 宇宙服を着れば機外活動もできます。(内部)

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