
Chapter5 Моя Дома/マイ・ホーム
どうしてここのタイトルはロシア語なのか?その答えは下で!
8時に宿舎前に集合して現場に向かう。
昔日本人の考古学者が取ったという図面を、実際の石材とつき合わせる作業を行う。
書き込みに必要なデータは直径(半径)、角度など。
これらの数値と図面を元に、古代の墓の姿を復元することが、今回の私たちの使命なのである。
今日は手元に道具がなく、何も作業ができなかったので、
Nさんと先生が昼からデルフィの遺跡に道具を取りに行くことになった。
そのため、お昼からはほとんどフリータイムとなった。

お昼ご飯は村に一軒のタベルナ「Ιθωμη」(イソーミ)で頂く。
お昼のメニュー
・フェタチーズ(ヒツジのチーズ)
・バトラーダ(グリーンビーンズをトマトやにんじんと一緒に煮たもの)
・スブラキ
肉だらけの食事が続いたここ数日、グリーンビーンズの煮物は特においしく感じた。
大家のおばあさんと話をした。英語は全く通じず、ギリシア語もさっぱりわからない。
こちらがギリシア語の本を見ながら話しても、何も理解してくれない。
しばらく彼女の言葉に耳を傾けていると、何とも聞き覚えのある単語が。
何と彼女はロシア人だった。
一応ロシア語を学習していた私は、しばらく片言のロシア語で会話した後、
たまたまもっていたロシア語の本、プーシキンの『青銅の騎士』を持ってきて話をすることにした。
ロシア語の本を見るのも久しぶりなのか、おばあさんはうれしそうに本を見ると、『青銅の騎士』を暗誦し始めた。
やはりロシア人にとって『青銅の騎士』という作品は特別な意味を持つ作品なのだろうか。
それにしても、こんなところでロシア語の実践を行う機会があるとは夢にも思わなかった。
おばあさんの話では、今は娘さんが仕事を取りしきっており、英語も話すことができると言う。
今朝私が部屋の中にカギを閉じ込めてしまって開けてもらったとき、来てくれた人がその娘さんだろう。
そういえば、面影があるような気がするが。

あまりに暇なので、少し左ハンドルの車になれるようにアルカディアゲートまでドライブに出かける。
しかし、いまだにぎこちない運転。できれば運転はしたくないものだ。
6時ごろからカラマタの街に買出しに行く。
私のねらいはただひとつ。ホテルに入ってメールのチェックをすること。
しかし、一軒目のホテルでは30分ほどの滞在と聞いただけで「空き部屋なし」、
やっと見つけた2軒目のホテルではモデムの電源が入らず更新不能。
その上宿泊費10000ドラクマも取られてしまった。
チリのごとく消えた5000円…
これは私にメールをあきらめギリシアでの生活にどっぷりつかってしまいなさい、という神のいたずらなのか…
絶望に打ちひしがれたまま帰りの車を運転。
ウィンカーを出すつもりでワイパーを動かすし、
看板の文字を読もうとして(行き先がわからなかったのです)カーブにぶつかりそうになるし…
なお、後日、この私がぶつかりかけた魔のカーブは"メガロン・コーナー"と名付けられた。
夕食もまたタベルナで頂く。
今晩のメニュー
・ ザジキサラタ(ヨーグルトにたまねぎやマスタードなどを混ぜたペースト状のもの。パンにつけて食べるとおいしい)
・ フェタ
・ ビフテキ(ハンバーグ)
・ サラダ
みんな肉だらけの食事にうんざりしており、食が進まない。ただひとりを除いて。
今日はタベルナの店員ニックと友達になる。
彼は21歳。おそらく私と同じ年だろう。年は変わらないのに背はかなり高くて英語も達者。
日本隊のメンバーなんて、誰も彼の英語力にかないません。
ともあれ、ギリシア語しか話せない大人たちの中、英語を話せる人間がいることは非常にありがたいことだ。

食事の後、今日もベッドを宿舎の外に出して星を見ながら寝ることにした。
外はかなり風が強く、少し肌寒いほどだ。
私がここで寝たいと思うのは、単に暑さを避けるためだったのだろうか。いや、そうではないだろう。
少なくとも、私がここで孤独になれる空間を、そして日本と繋がっていられる空間を欲していたことは否定できない。
ひとり星を眺めながら音楽を聴いていると、日本の記憶がまざまざとよみがえる。
イヤホンの中のカノンだけが、心の中に寂しく響いていた。
私は吹きすさぶこの風の中を、迷いながら歩きつづける。
その道でいつの日か、ここに来た意味を見つけることができるだろう。
それは誰の助けによるものでもなく、私一人の力で見つけねばならないことだ。私自身のために。
次第に音楽も聞こえなくなってゆく。
満天の星空の下、いつのまにか深い眠りへと誘われていた。
☆本日の現代ギリシア語講座☆
・ おはよう カリメーラ(Καλημερα)
・ おはようございます カリメーラ・サス(Καλημερα
σαS)
・ こんにちは・こんばんは カリスペーラ(Καλησπερα)
・ こんにちは(ハロー) ヤス!(Γεια σου)
・ ありがとう エフハリスト(Ευχαριστω)
・ Excuse Me・You're
welcome パラカロ(Παρακαλω)
・ すみません、ごめんなさい シグノーミ(Συγγνωμη)
・ Yes ネー(Ναι)
・ No オヒ('Οχι)
・ さようなら アディオ!(Αντιο)
・ おやすみ カリニフタ(Καληνυχτα),もしくはカロオニロ=よい夢を!