
| ●わしのはいったコース |
Professional Docotrate in Fine Art course これが私のはいった博士課程の正式名称。オーストラリアではもう認知度は高いらしいが、イギリスではまだまだである。 うちの大学が草分け的存在で今、あちこちの芸術大学で同じコースが増えてきている。 「PhD(Philosophy of Doctor)とどう違うの?」 よく聞かれることであるが、与えられる称号は「ArtD」で、大きな違いはPractical(実践)ベースであるということ。 プロのアーティストとしての実践活動がより重視される。 一方、PhDはよりアカデミック本位。紙の上での研究論文のみである。 だからといって、ArtDは書く方(論文)が“すっげー楽”なのかーと思ったら大間違いであるので要注意。 フルタイムコースは3年間。パートタイムコースは5年間。博士論文が通らなかったりでそれ以上の年月を費やす生徒がほとんどである。 ちなみにパートタイムの生徒の方が圧倒的に多い。フルタイム生はそれしか取れない留学生がほとんど。年齢層はもちろん高く、若くて30代前半。 博士課程はコースに入ったからといってまだ正式な博士課程の生徒ではない。 これはどうゆうことかというと、BA(学士)やMA(修士)と違い、大学が用意したコース内容に沿い、不可なく終われれば学位をもらえるのではなく、個人の研究テーマが「博士号」に値する研究内容であると査問委員会にまず認められないと「正式に博士課程(on course)」とはいえないのだ。 というわけで最初の1年間はプロポーザルを書くのに費やされてしまう。 1年間で終わればいい方で、2年・・パートタイム生だと3年くらいかかる人もざらにいる。 プロポーザルというのは博士課程に置いて「何を研究するか」というテーマを提案する提示書であるが、研究テーマは極端に言えば、「イギリスであなたひとりしか研究してない」くらい、固有のテーマでなくてはならない。 それを、「Methodology(方法論)」に沿って(1年生は教授より週に1回講義がある)プロポーザルを書いていく。 プロポーザルはおおまかにいって次のような構成だ。 1. Background 2. Context and relevant practice to the Research 3. Core Issue and Research Methodology 4. The Research Project 5. Objectives Studio Practice Professional practice Theory 6. Outcomes (Exhibitions) 7. Time scale and Weighting 8. Facilities required 9. Proposed schedule 10. Bibliography 1番の「Background」は今までやってきたことだからまだ簡単。1500Wordくらい。「次週書いてきて、読上げてね」とゆわれてもがんばれる。(すげー必死だが) 2番はちとややこしくなる。2000Wordくらいで「次週書いてきて読上げてね」なーんてゆわれたら泣きそうになる。 3・4番はプロポーザルの核となる部分だからすげー大変である。が、最初書き上げるのはとりあえず2週間くらいしかくれんかった。 5番以降はつけたしみたいなもんなので後回し。 Methodologyの講義を受けだしてから(10月半ば)1ヶ月半で4番までとりあえず大筋つくる。 年明け一番に完成品として第1段提出。 総Word数は大体7〜8千くらいにしあげねばならぬ。あまり長いと読む審査員がいやになるからである。 わーいできたぁと喜ぶのはまだ早い。。ここからが長いのだ。 あとは教授やスーパーバイザーから校正、校正、校正の嵐だ。「参考にしているアーティストをもう少し増やせ」とか「○×△についてもう少し分析を」とか 書き直しやらけずったりやら付けたしやらが果てしなく続く。。 プロポーザルを査定するCommitee Boardは年2回開かれる。2月と9月だ。 期を逃すと次は半年おあずけとなる。教授が「これでOK」と太鼓判だしだって、査定委員会で落ちる場合も多々ある。 よって1年以上かかるのが普通ぅ。。。 プロポーザルをやってる最中は制作はほとんど手につかない。すっげーくるちい。 わしの場合も2月くらいには教授から「もう完成」を言われつづけ、結局 Boardに通したのは2003年9月。めでたく1回にて合格。1年かかりましたぁ。 が、プロポーザルが終わったら「わーい」と喜ぶわけにはいかない。 やっと制作に打ちこめるぅと思ったらそうでもない・・ すぐに今度は「Advanced Methodology」がはじまる。Thesis(卒論すなわち博士論)に取りかかる。 週に1回、2人づつくらいでリサーチ内容・分析結果などの論文を章ごとに読んだり、プレゼンしたり、個々の進み具合によってバラバラである。 出席できる生徒はみな同席し、意見を述べる。フィードバックをもらってそれをまた反映させるためだ。 そしてそれとは別に制作面でのプレゼンがはいったり、ショー形式にきちんと展示したうえで、外部大学から客員教授やアーティストをまねいてクリティックをしたりともりだくさん。。。 ほんでもってキャリア上、とっても大事なプロフェッショナル・アーティストとしての活動もやんなきゃいけない。 リサーチ内容にもよるが、それを踏まえてどこか企業や学校とのコラボをしてみたり、オーソドックスなグループ展や個展も忘れては行けない。 パートタイム生は仕事や家庭を持っている人がほとんどだから、はっきしいってフルタイム生とどっちがしんどいかと聞かれたら、どっちもどっち・・・ 最終的には卒業制作(ショー形式)で審査官がそれを見た上で口頭査問がある。論文もその時点で提出。 ここまで書いてきて、なんだかとてつもなく不安になってきた。だいじょうぶかいな、とれんのかいなArtD(芸術博士号)。ははは。 |