ガム・シロップ
甘く喉に絡みつく
君の名前はガム・シロップ
冷えたセイロンティーに溶かして
美味しく戴くとしようか
くるくる渦を作り
底に沈んでは舞い上がる
おどりを踊っているのかい
微笑んで見つめていると
彼女が妬いてしまうから
ちょっと待ってて
彼女だって君のことが大好きなんだよ
僕が彼女と絡み合ってるとき
僕たちのシロップはとても甘いなんてもんじゃないから
君のようならって
いつだって思ってる筈だよ
口に含めば甘く香る
すこしくらいべとべとしても
君の味なら構わないさ
思う存分愛しあえると思うんだ
身体のどの部分も口に含んで
微妙な振動を彼女は愉しめる
僕を愉しませてくれる
僕らの快感はそれでも一つになることはないんだけどね
いつだったか君が教えてくれた
二人して秘所を舐めあえる体位でも
快感を感じるたびに愛撫は中断されてしまうから
甘い夢は見たさ
僕と彼女が同時に天国にいけるその瞬間を
生きながらにして永遠を手に入れられる
けれどそれは無理だった
僕たちは一人に生まれて来れなかった
だから
もういいんだ
苦しみつづける生にはもう飽きてしまった
これからも満たされない日々が続くとしたら
耐えられないから
今これから僕たちは二人で天国に逝ける
永遠を手にすることが出来る
だから最後のお願いだ
彼女に薬の苦味を味わわせたくないんだ
君が必要なんだ
どうかやすらかに
僕たちを逝かせて欲しい
ほら乱暴にかき混ぜたりしないよ
君の思うままに
優しく緩やかに
テーブルに光の環をつくろう
グラスがほら汗をかいてきた
そろそろ刻が近付いてる
ガム・シロップ
君がどうか僕たちを見送って欲しい
君の甘い味をふたり
愉しみながら最期まで
「いただきます」