01/08/15
戦争について、どのように考えていますか。
自然に起こるものと考えていますか。 正義の戦争があると思いますか。
戦争とは、そのほとんどが防げるものであり、起きてしまう場合は、望まれ起こされるのです。
防ぐ事を意図的に怠り、誘発させられるのです。
そして、全ての戦争は、基本的に悪です。
時間的に近い戦争を言うと、湾岸戦争が浮かびます。
「イラク軍が国境近くに集結しております。」に始まり、報道されました。
そして、「いま、イラク軍が、国境線を破り、クウェート領内に侵攻しました。」と、開戦が伝えられました。
その後の報道でも、なぜイラク軍がそのような行動に出たのか、全く報道される事がありませんでした。
もちろん、イラク軍の集結を伝える報道以前に、イラクの情報が伝えられる事はありませんでした。
ここで、その経緯を書いておきましょう。
1980から1988まで、イラクはイランと戦争をしていました。
領土問題と、イランで起こったイスラム革命が国内に波及するのを恐れたイラクが、戦争を仕掛けました。
戦費調達のための石油輸出を、各国に協力により、
トルコ・サウジアラビアからパイプラインを借りる事、
クウェートから原油の名義貸し、
アメリカのペルシャ湾警備などの協力により、
(1988、このアメリカの軍事行動で、イランのエアバス機が撃墜されたニュースを覚えているかも知れません。)
戦争を遂行してきました。
この戦争は、事実上イラクの勝利で終結しますが、領土的・経済的な戦利を一切もたらしませんでした。
その結果、イラクは、戦争による多額の負債と、戦後、国民や徴兵解除予定兵士の不満を抱え込む事になります。
ではここで、身近な北朝鮮に、目を移しましょう。
イラク同様、独裁体制を敷く北朝鮮を、暴発させないように、韓国や我が国は外交努力をしています。
独裁体制は、内部に不満が高まると、外部に逸らさなければならない宿命にあります。そのほとんどが戦争に。
全ては独裁者の名において行なわれているので、失政は独裁者の責任になり、独裁者が批判される事となり、その態勢が崩れるからです。その地位を追われるからです。
干ばつに見舞われ、飢饉に陥っている北朝鮮に、食料援助をするのは、人道上の理由と共に、国民の不満を和らげ、上記の戦争を防ぐ政治的意味があります。これが外交努力です。
ここでまた、イラクに目を戻してみましょう。
イラクの状況は、上に書いた通り、多額の負債を抱え、不満が高まっていました。
その為、イラクは、ほとんど唯一の収入源である石油の、高値安定を望みます。
そのような状況下、近隣諸国は何をしたか。
クウェートとアラブ首長国は、石油の増産をはかり、石油価格を引き下げる行動に出ました。
このような行為は、どのような意味を持っているでしょうか。
負債と不満に満ちている、独裁体制の国に、更なる圧力を加える事は。
イラクを見る時に、考慮に入れなければならない事は、フセインが文民の人だと言う事です。
侵略戦争を起こすのだから、軍事独裁だろうと、思いこみやすいですが、そうではありません。
軍事政権や軍部の干渉が続いてきたイラクを、バース党が権力をとり、軍部の干渉を排除し、独裁体制を築き、やがてフセイン独裁になります。その手法は、秘密警察・思想警察など、思想的民衆支配を通し確立しました。
(国軍と別の大統領警護隊という、精鋭の軍隊があった事を覚えているかも知れません。)
こうした国内の支配構造を考慮に入れると、戦利が無く、軍隊の不満が大きいと言う事は、軍隊出身では無い独裁体制にとって、より不安定で危険な状況だということです。
もし、このような状況を我々が伝えられていたら、経済大国の我が国として、戦争を防ぐ為に、やるべき事・正しい事は何でしょうか。
石油の増産を止めるよう働きかけ、価格の安定化を求める。
お金だと軍事転用される恐れがあるので、粉ミルクや医薬品などを中心に、経済援助をする。
これらが、戦争を防ぐ為の、具体的行為になるはずです。
(もちろんこれらは同時に、独裁体制を維持する効果があります。しかし、戦争とどちらがよいでしょうか。)
近隣諸国も、国連も、国際社会もそのような事をせず、イラクがオペック協定無視の増産を止めるよう主張しても、事実かどうか知りませんが、クウェートが斜め堀でイラクの油田から盗掘していると訴えても、それに対して、何ら対策をとる事をしませんでした。
誤解のないように書いておきますが、イラクの侵略行為を免罪するものではありません。
問題は、侵略戦争を始める危険性のある状態に対して、防ぐ行為を行なったのかどうかです。外交的努力をしたかどうかです。
イラクに対しては、全く逆の事が行なわれ、結果、イラクは侵略に及びます。
そして、防ぐ事はしなかった国連は、疾風のようにイラクの行為を非難し、アメリカは軍を集結させ、多国籍軍が編成され、武力行使が容認され、空爆が開始され、地上戦に突入し、圧倒的な軍事力の差で、イラク兵は大量に殺されます。
フセインにしてみれば、不満の高かった軍隊を、老朽化した武器と一緒に、アメリカに殺してもらい、大統領警護隊は無事で、国民の不満もアメリカに行ったし、イスラエルを攻撃する事により、アラブの大儀を実行し男を上げる事も来ました。戦前よりはいい状態かも知れません。
アメリカにしてみれば、ボール爆弾、気化爆弾、劣化ウラン弾、等々、ABC兵器以外のあらゆる残虐兵器を実戦使用出来て、さながら兵器の見本市でした。サウジアラビアに戦闘機を売りつける事に成功し、アラブ社会への軍事的影響力が増しました。破壊したクウェートの戦後特需も受注しました。日本から戦費を調達したし、自衛隊の掃海艇を出す事にも成功し、海外派兵の前例を作り、日本を軍事的に利用しやすくなりました。
以上が、湾岸戦争の経緯です。
侵略は悪です。しかし、この殺されたイラク兵達は、何者でしょうか。
ここからが、戦争の本質ですから良く考えてください。
イラクは、戦前の日本や北朝鮮同様の独裁国家です。
信任率97%、その投票は食料配給券が身分証となる、記名投票です。批判する事は許されません。
前線に送られ、戦い死ぬのは常に、庶民であって、騙され強制され、家族を人質に取られ、逃げられずに戦争に赴くのです。
騙されて、聖戦と言って、戦争を肯定し、積極的に行動したとしても、前線に送られ死ぬのは、常に、名も無く、権力もなく、利権もない、庶民だと言う事です。
権力を持つ者、利権にありつく者達は、常に安全な所にいて、のうのうと生きて、優雅に富を貪ります。
だから、まず、我々がしなければならないのは、情報を集め、戦争を未然に防ぐ為に、あらゆる外交努力をしなければなりません。
世界の情報公開を進め、不平等をなくし、人権を確立し、民主主義の普及に務めるべきです。
それが、戦争を防ぎ、平和な社会を築く為の、唯一の道です。
ところが、我が国は何をやっているのでしょう。
そうした努力を怠り、自ら侵略戦争を糊塗し、戦争指導者を免罪し、歴史を隠蔽し、法を踏みにじり、人権を蔑ろにしています。
そのようにして、片方では国際貢献だといい、海外派兵を進めようとします。
我々が、海外に出て行き、殺しに行くのは、常に、名も無く、権力もなく、利権もない、庶民であり、とくに、自分を確立して居ない、騙されやすい若者だと言う事です。
国内において考えれば、先の戦争で死んだ、戦没者と同じ人々です。
これが、戦争というものです。戦争が悪である理由です。やってはならない理由です。
我々は、まず、何をしなければならないのでしょうか。
海外派兵をする事でしょうか。
8/13、小泉純一郎が歴史的犯罪行為をしました。
日本では、正義、論理、倫理、法律、が機能していない事を、世界中にアピールしました。
しかし、逆に、なぜこれほど、国内外から批判起こるのかと、問題に興味を持つ人々が増えました。
どうか、自分の為に、考えを深めて頂きたいと思います。
8/15敗戦記念日の今日、全ての戦争犠牲者と共に、騙され、強制されて、死んでいった人々に、この文章を捧げます。
01/08/15
追記 01/08/18
首相の戦没者慰霊祭での発言と、恥ずべきNHKの敗戦記念日特別番組に出演していた、元官僚の発言を聞けば、これから展開される、議論の持って行き方が判ります。
過去の戦争責任は認める。→だけれども、過去の事だから、それに対しては責任はとれないと言い、補償など具体的には何もせず。→責任を取る為には、これから国際社会で責任を果たしていかなければならない。→紛争に対して、他国の若者は汗を流しているのに、我が国はお金だけで良いのか、汗を流して、責任を果たすべきではないか。→自衛隊を派遣するべきだ。
このように世論を持っていくのでしょう。
戦争の責任を取る為に、戦争をするんだそうです。
そうやって若者に、血を流させるのです。人殺しをさせるのです。
今の若者は、「日本人の現状」に見た様に、とても空虚です。自分が無いと言う事です。自分がない人間は、自分を支える為に、何かしらの価値観を他に求めます。
ブランド品で身を固める女性達、どっから湧いてきたのか判らないサッカーファンなどは、そういう例でしょう。
そのような若者に、靖国神社参拝で、国の為に死んだら、英雄にしてやると、軍国主義を吹き込み、それに対する中国を初めとするアジアからの抗議を通し、「間違った国際化」で見た様な、コンプレックスの裏返しとしての、アジア蔑視の偏狭なナショナリズムを煽っています。
これらの行為が、そのような意味になりえるのは、掲示板に書き込まれた御意見にある通り、小林よしのり等が、側面から支え、偏狭なナショナリズムを煽って、若者の支持を得ているからです。
扶桑社の教科書も、同様の目的で作られましたが、市民団体の抗議なども有り、ほとんど採択されませんでした。
しかし、子供達に渡せないと、運動をした、親御さん達は、日本が上記のような理論で「危惧される事」のような道を歩むつもりでいて、徴兵制が近づいている事に気づいているのでしょうか。
01/08/18