プ−ケットの休日

*特別版*

康泰(ホンタイ)トラベルのわな(どんでん返し)

(香港発:超エコノミープ−ケットツアーに参加して)

*まえがき*

*康泰トラベルって何?*

ホンコン大手旅行会社の一つ。

康泰(泰はタイ国の泰デス。)というぐらいだから、タイ方面に強く、信頼と実績を持っている、と胸を張って受付のお姉さんは言っていた。(それは参加した人のみぞ知る)。

そのモットーを引っさげてホンコンヤンたちの間で熱い支持を得ている。プライスも恐いくらい安く、超エコノミーなツアーパッケージをメインに扱っている。(参加した人は「やっぱりね」とうなづくであろう)。

そして不況に強い。香港で石を投げれば康泰に当たるというぐらいあちこちに支店がある。

どんでん返し その1

*一件もキャンセルのでなかったその年、1997年の2月*

『康泰ツアー4泊5日プ−ケット行き、お一人様HK$5、288ー也』

プ−ケットはこのときすでに2回程行っており、目をつぶってでも行ける(行けたらすごいよね)と自負しているリピーター夫婦が、一体ド−ユウわけでこの超エコノミー、ローカルピ−プル御用達の康泰ツアーに参加してしまったのか。

つまり、朝晩食事付き、観光付き、香港からのツアーガイド付きという、いたれリつくせり、初めての人でも安心していけるこの超ビギナーツアーに何ゆえ足を踏み入れてしまったのであるか。

それは、その年の旧正月休みを香港から脱出する手段は、この方法しかなかったからなのでした。

人口過密すぎるこの都市で、ホンコンヤンたちと張り合って、休暇の旅行の予約をするのは至難の技なのです。旅行出発日の半年前からこの戦いは密かに始まっているといいます。そんなだから、我々は毎年わざと間際に申し込んで、「キャンセル待ち」というおこぼれをちょうだいしていまして、うまく毎年行けていたのです。

それが、です。その年は違いました。

「FULLY BOOKING」がいつまでたっても「FULLY BOOKING」なのです。 困った、こんなはずじゃなかったのにー!慌てて、他の旅行会社をあたってみても、おねえさんは事務的に一言、「ハイ、マダ満席です。」

そしてやっと見つけたのが、この「康泰ツアー」でした。藁にもすがる気持で申し込んでしまったわけです。

どんでん返し その2

*泊まるまでわからなかったホテル側の罠*

1ホテル滞在型バケーションだとばかり思っていた我々夫婦は一体どこに泊まるのか気になって、パトンかカタかカロンか知りたくて問い合わせたけど、答えは「まだ決まっていない」で出発するまで教えてくれませんでした。

知ったのはホテルに向かうバスの中。「お疲れ様でしたぁ−。えー、これから今夜お泊まりの『メリンホテル』にお連れいたしまーすぅ。」地図を広げて、パトンビーチにあることを確認。

夜の11時出発だった我々の飛行機は、2時間ほど遅れて、今明け方の3時だ。ホテルに着くのは4時になってしまうであろう。そしてまもなく、明日のピーピー島行きは、6時起きの8時出発だと聞かされる。

「みなさーん、わかりましたかぁー」

みんなボケた頭で無言でうなづくのでした。

なぜこんな無茶なスケジュールになるかと言うと、ホテル側は、ツアー客を追い出した後、他のツアー客を入れると言う、「ところてん方式」を採用しているからなのでありました。おそらく、我々が8時に追い出された後、別のツアーがチェックインするのでしょう。そうやって、安い料金で採算をあわせているのだと、私は思ったわけですが、実際のところはどうなのか、ナゾです。

どんでん返し その3

*明日からのツアー、キャンセルしていいですか?*

こんな素泊まり状態(ヨーロッパツアーじゃあるまいし)では体が参ってしまう。早くもこのツアーに見切りをつけた我々は、思いきって、ツアーキャンを申し出ることにしました。

「すいません、妻の具合がよくないので、もう一晩ここに泊まって、ピーピー島行きをキャンセルしたいのですが、、。」と朝一で弱々しく言う夫。(人に面倒なことをお願いする時は、その人の素晴らしい一日が始まるであろう朝に、朝一でお願いしてはいけない、と常日頃言っている夫であったが、、。)

渋るホンコンヤンのツアーガイド。お膳立てされた、秒刻みのスケジュールがちょっとでも崩れてしまうのを恐れている様子。

更に、夫は「二人分へったら楽になるよ。帰りの空港には遅れずに行くからさー。」

「えっ?す、すべてきゃんせるですかー?」

「そっ。全てキャンセル。最終日空港で待ち合わせね。」

「それは、、、。」

(我々はリピーターであり、労力が二人分減るのに、チップはちゃんとくれるという、美味しい言葉に今にも「うん」と言いそうなツアーガイド。ホンコンヤンもチップには弱い人種であった。

このツアーガイド、機内の中で、座席の半券を回収してしまい、再度バラバラに配ったので、最初の座席番号をうろ覚えに覚えている人と、新たに半券を持たされた人とが重なってしまい、我々のツアー客だけ、しばし席につけなかった、と言う初歩的なミスをやっており、添乗員としての信頼をいっぺんに失ってしまった男である。

「あんたなんかに着いて行ったららこの先どうなるかわからないからね。」

と、一言吐き捨ててもよかったのですが、それはお互い楽しい旅をする為の、言ってはいけない禁句。暗黙のルールーというやつです。喧嘩、いがみ合い、暴言は極力避けたいものです。

そして2分後、ツアーガイドは言いました。

「わかりました。でも3日目に泊まるホテルは、5スターでラグーナ地区の新しいホテルなので、そこは泊まるべきだと思います。その日の夕方またこのホテルに戻ってきて下さい。」

「O.K.」と夫。

出発バスを確認した後、ニンマリする二人。晴れて自由の身になった二人でありました。

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