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PC-9821V166/V200パーフェクトマニュアル
グラフィックアクセラレーター編


■デスクトップ型のグラフィック周りの拡張

V166/V200は標準グラフィックアクセラレーターにMGA-1064SG(Mystique相当品)を採用しています。 当時としてはかなり高速で、PC-98デフォルト搭載としてはかなり上等な部類でしたが、 現在では2Dの描画性能はまだそこそこなのですが、3Dの描画性能は芳しくありません。 おまけに、VRAMが2MB(4MB)しか搭載されていないDirect 3Dの対応が恐ろしく貧弱なので、今流行の3Dゲーム等を快適に遊ぶことが出来ません。 いっそのことVRAMの容量が大きくて2D/3D共に高性能なボードに差し替えてしまいましょう。 V166/V200のデスクトップ型は、NECお得意の「抜かないでくださいボード」を抜いて、 別のPCIカードを差すことが出来ます。 (タワー型は標準グラフィックアクセラレーターに DOS画面の描画回路まで乗っているため抜く事が出来ません。)

抜いた後のMGA-1064SGは大事に取っておいて下さい。取り外したMGA-1064SGが他機種への流用が出来ません。 これは通常使用しないPCIの信号線に描画データをスルーさせているためです。

注1:)「抜かないでくださいボード」を他のボードに差し替えた時点で NECの保証は打ち切られます
注2:)「抜かないでくださいボード」は内側(Cバス寄り)のスロットでのみ動作します
注3:)NECは「抜かないでくださいボード」が刺さっているスロットをPCIスロットとは公言していません

コラム:「抜かないでくださいボード」
 NECが得意とする、似非PCIスロットに搭載されているグラフィックアクセラレーターを指す言葉。 そのほとんどはDOS画面の描画回路を内蔵しているので、抜いてしまうと起動(ピポ音)すら しなくなってしまいます。一部のボードに限っては、他のボードに差し替えることが出来ます。 (下のコラムを参照)  また、「抜かないでくださいボード」の刺さっているPCIスロットは、PCIバスマスタ関連が間引かれているらしいです。 本来ならば抜いてしまった時点で保証は打ち切りになるのですが、1MBFDドライブの増設時に限り、抜いても良い事になっているようです。 (詳しくはマニュアルに記載されています)

コラム:「差し替える事の出来るグラフィックアクセラレーター」
 デスクトップ型のV166/V200には関係有りませんが、以下は別のボードに差し替える事の出来る 「抜かないでくださいボード」の条件です。 ”DOS用の描画回路を搭載していない” というのが最低条件です。これは、”マザーボード上にディスプレイ出力用端子が付いているかいないか” で見分けることが出来ます。端子が存在しない場合は素直に諦めて下さい。端子が存在する場合は交換が可能です。


お薦めグラフィックボード集

 現時点(02年1月現在)で差し替えることに意味がある(と思われる)GAを紹介します。 MGA-1064SGは元々ある程度の性能を持っているので、交換するアクセラレーターによっては遅くなってしまうことがあります。 現在入手可能なボードはあまり多くありませんが、どうしても交換したい人には、以下のボードがお薦めです。

I/Oデータ機器 GA-S2K32/PCI
 高速性:★★★★
 オススメ度:★★★

定価29,800円
実売25,000円程度
S3社製Savage2000を搭載したPC-98対応最新GAです。 下のGA-SV432/PCIのSavage4がSavage2000に変更された程度ですが、安定度は向上しています。
GA-SV432/PCI (GA-SV408/PCI)
 高速性:★★★★
 オススメ度:★★

定価29,800円
実売25,000円程度

生産/出荷終了
S3社製Savage4を搭載したPC-98対応最新GAです。対応ドライバが公開されましたが、 安定して使えているユーザーはほんの一握りです。あまりの対応状況の悪さから、 早くも次期PC-98対応GA登場の噂も出ているほど。
 Savage4のウリは、卓越した3D描画性能(32bitリアルタイムレンダリング、テクスチャ圧縮機能)、 DVD再生支援機能、液晶ディスプレイ対応(但し、切り替え機を使わなければではDOSが使えなくなる)、 高速性はともかくとして、高機能がウリのボードです。2Dの性能は、GA-PIIH8/PCIに毛が生えた程度だそうです。 ベンチマーク上の速さを求めるなら迷わずGA-VDB16/PCIを選びましょう。
GA-VDB16/PCI
 高速性:★★★★★
 オススメ度:★★★★★

定価34,800円
実売27,000円程度
生産/出荷終了
性能はPC-9821対応GAの中でも最強クラス。Voodoo Bansheeのお陰でGlideゲームやDirect 3Dゲームが快適に遊べます。2D描画も高速。それほどの高性能ながら、 8bitパレットの扱いは激遅。店頭での入手は非常に困難です。個人売買でも手に入れにくいので注意。
GA-PII8/PCI
GA-PIIH8/PCI

 高速性:★★★
 オススメ度:★★★★

定価34,800円(GA-PIIH8/PCI)
中古で10,000円程度
生産/出荷終了
生産終了で登場から時間も経っている為、中古での入手がお買い得。 多少の制限付きでTV出力も可能。この製品のデバイスドライバの出来は、同社のデバイスドライバ開発力の高さを 見せつける結果となりました。豊富な細かい設定を簡単に行えるディスプレイエフェクトも定評があります。 しかし、最新の製品と比べると少々力不足の感は否めません。 ですが、PC-9821でのパーソナルユースにおけるOpenGLの性能については現時点では最強のボードです。

株式会社メルコ

WGP-FX8N/PCI
WGP-FX16N/PCI

 高速性:★★★★
 オススメ度:★★★★

定価24,800円(WGP-FX16N)
実売19,800円程度
生産/出荷終了
Voodoo Bansheeを搭載したメルコ製GAです。 実売価格で2万円を下回る価格設定で買いやすいのが嬉しいですね。
WHP-PS4(S)
WHP-PS8(S)

 高速性:★★★
 オススメ度:★★★

定価33,000円(WHP-PS8S)
実売価格:不明
生産/出荷終了
基本性能はGA-PIIシリーズと殆ど同じですが、 TV出力が出来ない点で差を付けられています。良くないと言われ続けたビデオメモリやデバイスドライバも現在では改良され、 GA-PII(H)8/PCIとの差も埋まりつつあります。
日本電気 PC-9821X-B03
 高速性:★★★
 オススメ度:★★

定価58,000円
実売価格:不明
生産/出荷終了
フルカラーウインドウアクセラレータX2、通称Millennium。 PC-9821最強の2DGAと評された名GAです。SAMSUNG(韓国の三星電子)製のWRAMを装備し、Windows 3.x時代の製品とは思えない性能を叩き出したことで有名。Direct X5以上と併用して使うことでさらなる高速化が可能。 AT互換機の世界ではRIVA128が登場するまでは文字通り2D最速を誇っていました。 今でも根強いPC-9821マニアが好んで使う事が多く、中でもHDBENCHマーカー御用達の1枚となっています。(笑)
PK-UG-X003E
 高速性:★★★
 オススメ度:★★

定価39,800円
実売価格:不明
生産/出荷終了
ボードからドライバまでメルコのWHP-PS8SのOEM製品です。しかし、Windows 98版のNECのドライバの出来はあまり良くない様子。

  
「性能よりも付加価値!」 というマニアックな貴方には以下のボードがお薦めです。俗に言うイロモノボード達です。(笑)

I/Oデータ機器 GA-RUSH6/PCI
 マニア度:★★★★
 オススメ度:★★★
定価29,800円
実売9,800円程度
生産/出荷終了
Voodoo系チップの異端児であるVoodoo RUSHを搭載した唯一のPC-9821対応製品です。3Dの描画性能はVoodooらしく高速で美麗ですが、 2Dのアクセラレータチップのドライバがヘボな為、2D描画性能は今一つな製品です。 GA-VDB16/PCIが登場してから3D描画の優位性には?が付いてしまいました。
カノープス Power Window GMX
 マニア度:★★★★★
 オススメ度:★

定価298,000円
実売価格:不明
生産/出荷終了
こんな価格のボードは個人レベルじゃ買えません。 使っている人が居るかは不明。(いたら教えて下さい ^^;;) 描画チップがS3 ViRGEというのが泣かせますが、3DlabsのGLINT MXとGLINT DELTAのおかげでOpen GLではワークステーションレベルの性能を提供してくれます。 PC-9821での対応はWindows NTに限られますが、プロフェッショナルを目指すならコレしか! (・・・ないと思う ^^;;)
Power Window GX/4VC
 マニア度:★★★
 オススメ度:★★★

定価49,800円
実売価格:不明
PC-98接続用キット別売
生産/出荷終了
手頃な価格でビデオキャプチャーをするならこれがお薦めです。 描画チップがS3 ViRGE/GXなので2D描画は落ち込みますが、3D描画はMGA-1064を凌ぎます。 また、ビデオメモリが4MBに増えるため高発色高解像度での使用が可能です。

 

■タワー型のグラフィック周りの拡張

残念ながらタワー型は全機種交換不可になっています。 これは、DOS画面を出力する為のチップが「抜かないでくださいボード」に集約されているためです。 このボードを抜いてしまうと、全く動作しません。

ですが悲観することはありません。標準グラフィックアクセラレーターでPCIスロット1つが埋まってしまっていても、 タワー型にはまだPCIスロットが2つ空いているのです。 ここに3D専用のグラフィックアクセラレーターボードを搭載したり、別途2D/3D兼用アクセラレーターを 増設してマルチディスプレイ環境を作ったり(Windows 98以降が必要)する事が出来るのです。

  

■標準搭載のMGA-1064SGを使い倒す!

 基本的に全ての部品は、安定動作をさせるために若干のマージン(余裕)をもって動作しています。 ここで紹介する方法は、このマージンを削ってMGA-1064SGを高速化させるものです。

この方法は危険が伴います。 Windows保護エラーでWindowsが起動しなくなる事や、MGA-1064SGが壊れてしまうことも十分に考えられます。 その為、壊れても構わないという覚悟と、細心の注意を払って設定を変更されることをお薦めします。


MGA-1064SGのクロックアップ

1.SYSTEM.INIのバックアップを取って下さい

クロックアップはハードに手を加えることなく、SYSTEM.INI を書き換える事によって行います。あらかじめSYSTEM.INI のバックアップを取って置いて下さい。(検索を使うと楽に探し出せます。通常はWINDOWSフォルダ内にあります)

2.SYSTEM.INIに文字列を書き加えて下さい

下の通りの文字列を書き加えて下さい。SYSTEM.INI 内であればどこに記述しても構いませんが、他の項目に重なるようには絶対に書かないで下さい。(当方では責任を持てません)

[AMTX95.DRV]
MCLK=xxx
PC_RECTANGLE=On

MCLK=xxx には、175〜190程度の数字を入れるのが比較的安全かと思われますが、 各マシンの個体差によって上限が変わってきます。熱暴走によるゴミ(画面内に表れる書き換えられない箇所) やノイズ等が出ない程度でとどめておくのが無難な選択かと思われます。 ある程度までクロックを上げ続けると、性能が落ち込むばかりでなく、 MGA-1064SGが破損する恐れがあります。冷却用のファン等を取り付けるのも熱暴走やチップ破損対策としては効果的です。 火傷をする恐れがある為、使用直後のチップ類には触らないようにして下さい。
PC_RECTANGLE=On は、矩形の描画速度を高速化させる方法です。MCLKの変更ほどの高速化は期待できませんが、心持ち高速化するようです。

3.再起動して下さい

基本的に、システムに関わる箇所の設定を変更させ、それを反映させるにはマシンの再起動が必要になります。
ここでは、マシンが正常に再起動するかどうかを確認して下さい。 起動途中で止まってしまう場合はWindowsを一旦SAFEモードで起動して、SYSTEM.INI を以前の状態に戻すか、MCLK=xxx の値を今よりも小さな値にして再起動して下さい。

4.無事にWindowsが再起動したら、 MGA-1064SGのクロックアップは成功です

注1:)システムファイルをいじるので、必ずバックアップを取って下さい
注2:)MCLKで指定するクロックは200を限度と考えて下さい
注3:)この方法はMGA-1064SGにかなり無理をさせています


MGA-1064SGのDirect Drawの高速化

 多くのグラフィックアクセラレーターはリフレッシュレートとDirect Drawは同期を取って動作しています。ベンチマークテストで毎秒74フレーム前後しか出ていないのはこのせいなのです。 これを非同期に変更して、ボードの出せる限りの値で使ってやる方法を説明します。

1.レジストリのバックアップを取ります

スイマセン、レジストリのバックアップの方法をお教え下さい。ド忘れしてしまいました。(^^;;;;;

2.レジストリエディタを起動します

[スタート] から [ファイル名を指定して実行(R)] を選び、[名前(O)] の欄に、”REGEDIT” と入力すると、レジストリエディタが起動します。

3.キーと文字列を付け加えます

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Matrox\PowerDesk\Current Settings” というキーを作ります。
キーの作り方は、[編集(E)] から [新規(N)] を選び、[キー(K)] を選択して下さい。
”HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE” に移動してから、 ”\Matrox” を作り、その中に ”\PowerDesk” を作り、またその中に ”\Current Settings” を別々に分けて作成していって下さい。その後、”Flip On VBlank” という文字列を作り、そこに ”0” という値を入れます。
文字列の作り方は、[編集(E)] から [新規(N)] を選び、[文字列(S)] を選択して下さい。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Matrox\PowerDesk\Current Settings” に移動してから、”Flip On VBlank” という文字列を作ります。
値 ”0” を入れるには、”Flip On VBlank” を選択し、[編集(E)] から [変更(M)] を選び、[値のデータ(V)] に ”0” を入力します。

これで毎秒150フレーム程度まで描画速度がアップします。手順がいまいちつかめない方や、面倒な方はここからレジストリを書き出したファイルがあるので、 これをダウンロードして実行すれば自動的にレジストリに書き込めます。(このファイルの使用は自己責任に置いて行って下さい)

注1:)レジストリを直接いじるので、必ずレジストリのバックアップを取って下さい
注2:)この方法はMGA-1064SGに無理をさせている可能性が大きいです


《おまけ》

MGA-1064SGのドライバ

MGA-1064SGのドライバは、DirectX5.0〜6.1a(PC-98用)の中に同梱されています。

MGA-1064SGのVRAMは増設出来ないの?

結論から言うと、以下の通りになります。
青札デスクトップ型 増設不可
青札タワー2MB型 増設可能
流星デスクトップ型 増設可能
 この様になっています。同じMGA-1064SGという名前でも、基盤の作りが全く違うのです。(後日写植予定)
流星モデルでは増設に成功された猛者がおられます。それもそのはず、 ディスプレイドライバは4MBのVRAMを持つ一部のタワー型と共有ですし、 VRAM増設用のパターンも基板上には存在しています。 但し、装備されているものと全く(?)同じVRAMを入手して来なければいけない事と、 かなり高度な半田付け技術が必要になります。 また基本的に完全にメモリIC(チップ)単位での購入、増設になります。 流星デスクトップ型はAT機のMGA-1064SG(Mystique)用の増設用VRAMスロットと同じ形なのでやり方次第ではそのまま使えるかもしれません。

■Windows2000で、PC-AT互換機用高速グラフィックボードを使おう!

当然ながら動作保証外ですが、Windows2000を使うことで、 PC-AT互換機用のグラフィックアクセラレータを使うことも出来ます。

AGP用GAを使う

PC-98シリーズには、AGPスロットがありません。ですが、ちまたではグラフィックボードといえばAGPという 時代です。そこで登場したのが、玄人指向CHANGE-AGP2PCI・CHANPON-ZERO2・CHANPON-ZERO3です。
この製品を使うことによって、PCIスロットにAGPボードを差す、というとんでもないことが可能になりました。
ただし、条件は厳しいです。
  • WindowsNT/Windows2000限定 「PC-98用ドライバ」でなくても動くOS限定です。 (当然、そのグラフィックボードに対応OSのドライバがあることが条件です)
  • 動くボードと動かないボードがある 無理矢理動かすわけですし、 AGPにあってPCIにはない配線などもあるでしょうから、動かないものもあるのは当然です。全て自己責任にて試してみましょう。
  • 物理的対策が必要 規格にあわないボードを無理矢理差すわけですから マシンがかなり不格好になるばかりでなく、場合によっては筐体に加工が必要になります。
  • NoggyさんによるNoggy Factory 98「AT機用GAを動かそう」に動作実績表などがありますので、参考にさせていただきましょう。

    PC-AT互換機用PCI用GAを使う

    AT互換機用PCIグラフィックボードも、通常はPC-98に差して使おうと思っても起動しません。 それはAT互換機用のVGA-BIOSがPC-98の起動を阻害しているからです。 そこを何とかしてやれば起動は出来るようになりますので、あとは動くかどうかの問題になります。 こちらの方法も、条件はすごく厳しいです。
  • WindowsNT/Windows2000限定 「PC-98用ドライバ」でなくても動くOS限定です。 (当然、そのグラフィックボードに対応OSのドライバがあることが条件です)
  • 動くボードと動かないボードがある 無理矢理動かすわけですし、 「PC-98とPC-AT互換機」というアーキテクチャの違いもあるため、動かないものもあるのは当然です。 全て自己責任にて試してみましょう。
  • 高度な知識や技術が(場合によっては動くPC-AT互換機も)必要 動作させる方法はボードによって千差万別です。 VGA-BIOS書き換えや、ボードのROMの改造が必要になったりします。
  • こちらもNoggyさんによるNoggy Factory 98「AT機用GAを動かそう」に動作実績表などがありますので、参考にさせていただきましょう。


    PC-9821V166/V200パーフェクトマニュアル - グラフィックアクセラレーター編
    執筆:しぶや@自宅 加筆 : KAZ+α たーぼ 編集:しぶや@自宅 たーぼ  校正:KH、雄太郎、RNN14   (順不同、敬称略)


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