都市部におけるごみ屋敷と関東北部におけるごみ屋敷の相違に関する考察
飛騨の姉小路 北関東帝國大学大学院
HidanoANEKOUJI The University of Kitakanto
ABSTRACT
近年,家庭・事業ごみの増加が社会問題となっているが[1],ごみを溜め込むごみを排出しない人が少なからず存在していることが確認されている。 このような人たちは地域,環境に関わらず全国的に偏りなく存在していることが明らかになりつつある。[2]そこで,本稿ではごみ屋敷の地 域別による特性とその活用法について提案する。
KeyWard 1.ごみ屋敷 2.地域性 3.北関東
1.ごみ屋敷とは
ごみ屋敷の定義は明確ではないが,一目して「これは!」と感じたらそれがごみ屋敷である。以下の図1,図2に代表的ななごみ屋敷を示す。図1は都市部(東京都区部)におけるごみ屋敷であり,図2は北関東におけるごみ屋敷である。このように「ごみ屋敷」とは一般家屋との違いが一目瞭然速攻で判別が可能である。ごみ屋敷は,自治体のごみ収集量を減らし,ごみ減量の一助となっている反面,潜在的なごみの量を増やしていることも考えられる。さらに近隣住民への迷惑,住居環境の悪化なども報告されている。
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| 図1.都市部のごみ屋敷 | 図2.北関東におけるごみ屋敷 |
2.目視による地域別ごみ屋敷の違い
まず,地域特性の検討として目視によるごみ屋敷の違いを検討する。以下に示す図3は図1を詳しく解析したものである。同様に図4は図2を詳しく解析したものである。これらの図から,都市部,北関東のごみ屋敷の特徴を挙げたものを表1に示す。表1より,都市部では主に生活ごみが多いことが分かり,北関東では粗大ゴミが多いことが確認できる。この原因として,都市部は自家用車の所持率が地方より低いので車によるダイナミックなごみ収集ができる可能性が低い(ごみ屋敷の主が車を持っている可能性が低い)ので,徒歩・自転車等による小規模なごみしか収集できないことが考えられる。さらに人口密度が高いので,通行人・近隣住民がごみ屋敷に生活ごみを密かに捨てる可能性も高い。また,都市部は中山間地域(俗に言う里山)とは異なり,土地不足のために粗大ごみの不法投棄されている場所が無いに等しいのでこのような場所からごみを収穫してくることもできない。図3の中央に見られるスポーツ新聞は独身サラリーマン,競馬に負けたオヤジに捨てられたとものと考えられる。一方,北関東では大型の粗大ゴミが目立つ。これは,自家用車によるごみ収集の効果だと考えられる。またFT(フィールドテスト)ポイント近くには不法投棄場所があるので,そこから車の使用により容易に収穫が可能である。以上の結果より,都市部では生活ごみ・北関東では粗大ゴミがごみ屋敷に多く存在することと,都市部では徒歩・自転車,北関東ではマイカーによるごみ収集が多いこという地域性が考察できる。
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| 図3.都市部詳細解析結果 | 図4.北関東詳細解析結果 |
| 表1.都市部・北関東におけるごみ屋敷の特徴(1) |
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3.シミュレーションによる地域別ごみ屋敷の違い
ここではシミュレーションにより地域別ごみ屋敷認知度を解析し,その地域性を検討してみる。シミュレーションにはC言語を使用した。シミュレーション条件として,都市部では人口密度9000[人/km2][3],北関東では400[人/km2][3]とした。シミュレーション結果を以下の表2に示す。この結果より,都市部の方が人口密度が高いにも関わらず認知範囲が狭いことが明らかになった。これは地域の繋がりが疎縁であることによるものと考えられる。認知人数は人口密度が多い分都市部のほうが多くなった。しかし,北関東でも幹線道路沿いにごみ屋敷があれば,かなりの認知人数増加の可能性が考えられる。このシミュレーションより,地域別の認知範囲の大小は確認できなかったが,シミュレーション条件を再検討することにより異なった結果が得られる可能性は十分に考えられる。
| 表1.都市部・北関東におけるごみ屋敷の特徴(2) |
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(注)認知人数は認知範囲外に住居している人数も考慮
4.ごみ屋敷の有効活用方法
これらの結果より,ごみ屋敷の有効活用方についての検討を行う。まず,ごみ屋敷はその地域のごみ収集屋としての役割が考えられる。これは地域的な資源のリサイクルを促進させるものとなり,ごみ減量につながる可能性がある。また,ごみ収集日以外でもごみ屋敷に置いてくればよい(いつでもごみを捨ててOK!)などの行政では到底行えないようなサービスを提供することもごみ屋敷にはできるのである。次にその地域の目印・待ち合わせ場所になることも考えられる。ごみ屋敷は例えば,新宿のアルタ前,渋谷のハチ公前,上野のパンダ前のような代表的な待ち合わせ場所に匹敵するようなものになる可能性すら秘めているのである。
5.まとめ
本稿では各種データによりごみ屋敷の地域性を解析を行った。これにより今まで明らかにされなかったごみ屋敷の地域性が明らかになった。さらに,ごみ屋敷の有効活用方法についても言及した。今後はさらに多くのサンプル数を解析して,人間環境分類である都市部・地方部のごみ屋敷の地域性,地形分類である平野部・中山間地域・山間地域のごみ屋敷の地域性についての検討をさらに詳細に検証する必要がある。
参考文献
[1] 秘密
[2] 2000年度廃屋白書:偽内閣府発行
[3] 秘密
| 飛騨の姉小路 | |
| 1970年8月茨城県生まれ。1992年北関東帝國大学工学部システム環境工学卒業。1994年北関東帝國大学環境工学研究科環境物理システム専攻修了。1997年,同大学院博士課程修了。博士(工学),修士(廃屋学)。1997年八丈島大学工学部助手,2001年蕨大学院工学研究科助教授を経て2002年北関東帝國大学大学院環境工学研究科助教授。日本廃屋学会,IHS,中山間地域研究会所属。1994年日本廃屋学会論文賞。1996年日本廃屋学会若手研究員奨励賞。 現在は廃屋を取り巻く環境,中山間地域における廃屋の増加現象とその有効利用法についての研究に従事している。 |
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