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Historical If THE
HISTORY
THERE MAY BE
KM, Orlyonok & Lun
USSR: WIG Crafts
連が表面効果を利用したエクラノプランと呼ばれる航空機(と船舶の相の子のような乗り物)を熱心に研究していたことはVVA-14の項で既に述べました。
 その中心人物のひとりが亡命イタリア人科学者のヴァルティーニだったわけですが、ソ連内にもWIGの可能性に気づいていた技術者がいなかったわけではないのです。それどころかドイツのリピッシュとともに早くからWIGの可能性に着目していたのがソ連のラスチスラフ・アレクセーエフという人物でした。

 従ってソ連のWIG研究にはヴァルティーニ系とアレクセーエフ系とが存在したことになりますが、ヴァルティーニは70年代に死去しているため、実質的にソ連のWIG研究はアレクセーエフが中心となって進められていくことになります。
 今回紹介するのは、その”アレクセーエフの息子たち”と呼ぶべき、異形の巨大WIGたちであります。
the First,
"KM"
レクセーエフは当初、1-10人乗り程度の比較的小型の実験艇を用いて実験を進めていましたが、船体が大型のほうが安定性が高いことが分かり、次第に大型の実験艇を建造するようになってゆきます。
 小型のSM-1から始まってSM-8でかなり大型化しますが、「巨大」という形容詞で呼べる最初のWIGは1963年から製造が開始された"KM"でありましょう。
 全長92m、離水重量544t、海面上での速度は400-450km/h。要するにコルヴェットが空を飛んでいるようなものと考えてよいでしょう。
 ソ連が開発した一連の巨大WIGを通称”カスピ海の怪物”と呼びますが、KMはその最初の「一匹」であります(1980年に事故により沈没)。
the Second,
A90-150 "Orlyonok"
うして基礎的なデータを収集したアレクセーエフ設計局は、より実用型に近い2つのWIGの開発にとりかかります。
 まず建造されたのは強襲揚陸型エクラノプラン、A90-150”オリョーノク”(Орлёнок:鷲の子)でありました。
 これはスホーイと共同で開発されたもので、全長58m、最大離水重量は約120tとかなり小振りになったものの、機首をヒンジで開いて装甲車などを海岸に直接上陸させる能力を持ち、コクピット後方には12,7mm連装機銃まで装備しておりました。かなり実用性を意識していたことを伺わせます。
 オリョーノクの試験は1972年から(つまりVVA-14と同時に)開始され、その後、様々なテストを経た後に海軍の所属となりました。海軍はこれを120隻建造するという計画を立てましたが、おそらくは運用コストの高さのためにこの計画を断念しました。北海道に押し寄せるオリョーノクの群れとか、見てみたかったんですが。

 なお、1993年にはすべてのオリョーノクが退役したと信じられていましたが、2000年代に入ってからカリーニングラードで行われた演習に姿を見せています。
the Third,
Project903 "Lun"
三の巨大WIGは攻撃型エクラノプラン「ルン」(Лун)であります。
 これはエクラノプランの背中にSS-N-22/P-80対艦ミサイルのチューブを6発並べたという豪快極まりないもので、1989年に1機だけが海軍に引き渡されました。
 船体はKMをもとにやや小型化(離水重量350t)したものですが、形状がより洗練された上に各種のレーダーを搭載しているため、より実戦的な印象を受けます。

 さすがにゴルバチョフ政権下でこんなバケモノの量産が行われたとは考えられませんが、島影に身を隠した無慮数十機のルンが一斉に米機動部隊に襲い掛かる様などは想像するだけで興奮モノであります。
 ただ実際には波浪に弱く、外洋での運用には疑問符がつくようです。
Variant; "Spasatel"
ンにはヴァリアントとして救難型のスパサーチェリ(Спасателъ:救助者)があります(写真左)。
 これは1989年に起こった原潜「コムソモーレツ」沈没事件の教訓として高速救難機の必要性が痛感された結果、建造中だった”ルン”2号機を急遽改造したものでありました。たしかに高速力・捜索能力・救難設備の収容力を持ち、なおかつ海上への着水・ステイが可能なWIGは救難機としてなかなか魅力的ではあります。
 しかし改造中にソ連が崩壊したため資金がストップし、現在は半完成状態で放置されているようです。
Reading List
 回の参考文献を右に。日本語で読めるものとしては文中で挙げた『軍事研究』誌内の江畑氏の記事くらいでしょうか。

 他にはVVA-14と同様、以下のサイトにお世話になりました。
 
Test Pilots.ru
 The WIG Page
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