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スミゴコチ日記

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1121 おまつ帰り亀虫楽日

朝からバイト。昨日の続き。
私は先に眠ってしまい、テーブルの上には2枚の手紙があった。
昨日の夜私が眠った後におまつが書いたものだった。
私はいやな予感がしてその手紙をそのままバックに仕舞い出勤の準備をした。
今日おまつの帰る日だ。声が出ないので筆談で朝は過ごす。
朝一緒に家を出発して駅まで二人で歩いた。
いつもならくだらない話をたくさんするのだが今日はその言葉も一切交わされない。声が出ないから黙って二人で歩く。たまにアイコンタクトで道を選んだり信号待ちをしたりしながら黙って歩く。
前回おまつと別れた品川駅のホームで私は泣いてしまったので、今回はその
失態を繰り返すまいと、出来る限りあっさり別れようと思った。「じゃあね」というと、「いづみさんが乗る電車のホームまで見送る」という。そんなことされたらまた泣いてしまうのは目に見えているので断った。
手紙を電車の中で読んだ。予感は的中した。

嵐のように現れて嵐のように去っていく松倉如子。
彼女はどんどん大きく成長していくだろう。その過程で挫折もあるかもしれないけれど、私はそれでいいと思いました。もっともっといっぱいいろんな気持ちを知って豊かな人間になってそしていつかは大好きな歌で自分の大好きな世界を表現できるようになるだろうと思う。
お互いに私達は成長していけたらいいと思う。
彼女を見て、私自身これからももっともっといっぱい成長していけると思った。
本当にそう思った。
誰にも分かってもらえない時間や誰にも伝わらない時間は微々たるもので、もっともっと大きな何かに包まれているとして、くだらないと分かっていながら振り向いてしまう自分の愚かさと重ねて、相手や世界は自分の思っているほどにやさしくないことや、それでもなお大切に思う相手や世界や、大切なものは一何だろうかという問いや憎しみ悲しみも含めて、たったひとりの人を大切にしたり、私が愛するすべてのものを信頼するとか、そういうものひっくるめて、裏切られたとか思わないで、幸福な時間を大切にしていこう、心からそう思いました。
ありがとうございました。また会う日まで。

次の東京路上ライブの予定は来年の初めになりそうですよ。
まだわかんないけど。

「亀虫」千秋楽の為池袋シネマロサへ。
今日は高山玲子や、ペンギンプルペイルパイルズオールツーでいつもお世話になっている矢野愛ちゃん、井苅智幸くん、大人計画の近藤公園くん、それからつめきりで共演したオハーこと小原くんが来てくれた。どうもありがとう。
舞台挨拶は声も出ずに本当に申し訳ないことをしたのだが、私はとりあえず何かまともなことを言おうと思い、「最後に出演する私の顔は他の登場人物の顔と違うということに気が付いた」というようなことを話した。つまり他の登場人物は兄弟であり親戚であり何らかの繋がりを持っているわけだが私は彼らと何の繋がりもない人間として登場する。それは顔にも表れていてとても面白いなと思ったということだ。
私の顔は明らかに他の5人の主要人物と顔の種類が違う。何と言ったらいいか、出身が種族が違う感じ。だから五本目の「台なし物語」は何だか見ていてすがすがしいのかもしれない。冨永くんがどこまで考えてキャスティングしてくれたのか難しいところだけど。嘘。彼はすべて計算している。はず。だろう。きっと。
最後シネマロサの支配人さんが声を駆けてくれて、「僕もおなじようなことを思っていました」と言ってくださった。

そしてとても面白い映画だ思う。参加できてよかったな。これから10億円かけて冨永くんが映画を撮る事になったりする恐ろしい未来がやって来ても、まあもちろんその映画に私は出演すはずなんだけど根岸としえのような顔をして、でも私は亀虫のような夏休みの宿題を愛するかもしれない。
皆さんありがとうございました。感謝します。

次は鈴木龍一郎監督「悶絶」だ!これはねえ・・・。ちょっと怖いよ見るの。何たって私のセクシー芝居っていいますか、何というか、ねえ・・。まあ、楽しみに待ちますか。その恐怖の瞬間を。


それにしても声が出ない。直らないなあ。







1120 鈴木慶一さんとおまつ

朝からバイト。津田沼でワインを売る。何たって今日はボジョレーヌーボーの解禁日。
学生時代にやっていた試飲販売バイトの事務所からこの時期決まって電話が掛かってくる。
本当はあまり気が進まないバイトなんだけどお金もないしと、引き受けてしまった。
今年のボジョレーは「百年に一度の美味しさ」らしい。今年死者もだしたほどの猛暑で、フランスの葡萄の糖分が今までになく高いかららしいんだけど、私はワイン飲めないからあまり興味なし。しかしそんな情報がニュースで流れたからか、お店にはボジョレーを購入しにきたお客さんが溢れる。1本2000円くらいするボジョレーがみるみるうちに売れていく。財布緩めすぎじゃねえの?100本買っていくお客さんも出現、いよいよ混沌としてきた酒売り場で私は自身の異変に気が付く。声が何だかおかしいのだ。そりゃ何時間も「ボジョレーいかがですかー」って張り上げてるからちょっとは枯れてもおかしいことではない。むしろよく頑張っている方だろうとさえ思う。こういうバイトで力を抜けない私はついMAXの大きさで「ボジョレーヌーボーいかがですか」と叫んでしまう。それも無駄に声を出すのはもったいないからいせゆみこから習ったクラシックバレエの立ち方で腹式呼吸を使い、いうなれば発声練習を兼ねてボジョレー販売をする、ただでは起きない女だ。しかしだんだん声というか喉の震え具合が変わってきた。だんだん不安になり声を小さくするも、違和感が残る。その店を19時に出て、おまつの待つ新宿へ。今日は300本以上売った。

新宿では宮沢さんと松倉さんがゴハンを食べていた。
宮沢さんは元気そう。昨日に引き続き日記を読むとかなお疲れのご様子だったのでおまつと二人で心配していたが良かった。殺人的な忙しさらしい。
この後鈴木慶一さんと合う約束をしていたので、皆で青山円形劇場に向かう。
「欲望という名の電車」出演中の鈴木慶一さんを出待ちし、宮沢さんの車で南青山のデニーズへ。

今日慶一さんに時間を作ってもらったその理由は、まず一つに選曲のお礼。
慶一さんに「ムーンライダーズの曲でおまつが歌ったらよさそうなものありますか」と聞いてみると、「うーん」と唸りしかしにこにこしながら考えていた。何がいいかな?
そしてもう一つは『おまつの悩み相談』である。

私は役者でおまつは歌を歌う女の子だ。
おまつは私にも様々な相談をしてきてくれる。とても嬉しいが私はミュージシャンではないのでその道のことは何も知らないし答えられないのだった。そこでプロもプロ、ものすごいプロであるムーンライダーズの鈴木慶一さんに聞けば全て一発で答えてくれるだろう!と考えた。私を経由して慶一さんとおまつは何度かコミュニケーションを取ったことはあるが直接きちんと話したことはないのでおまつはまたもや緊張しているが慶一さんはとても優しい人なので大丈夫だよ。

しかし慶一さんの話はミュージシャンとかそういう次元を越えた話だった。
まず発声方法から音程の話、そういった技術的なこと。おまつは慶一さんの言うことすべてをメモしはじめた。表声と裏声を交互に言ってみる練習等々。そこから様々な話になった。例えば「いい音楽をたくさん聴きなさい」ということは「自分の好きな曲を見つける」という作業であり、それは何よりの勉強になるということや、あまり人の真似していてはいけないということ、自分流を見つけるということ、「ノラ・ジョーンズは一人でいい、松倉如子も一人でいい」という言葉。鈴木慶一が唯一無二の存在であるように宮沢章夫が唯一無二の存在であるように、松倉如子もたった一人しかいないということだ。笠木泉も一応一人しかいないのだという事実。
慶一さんの話はとても興味深くそしてためになったなあ。いろいろ考えさせられた。
それにしても驚いたのはおまつだ。
話を聞いているそばから顔が晴れやかに変化した。
きっと慶一さんの言葉から何かをつかんだのだろう。言葉からというよりその存在からか。
メモを覗き見すると、すごくでっかく「一人」っ書いてある。興奮して書いたはいいがこれじゃ何のことかわかんないのではあるまいか、おまつよ。
慶一さんは「いやー、こんなこと誰にも教えたことないよー」と笑った。
私も隣りでお話が聞けて凄く幸せだった。心のメモ帳に留めた言葉を頼りに、頑張るぞー。

帰り、宮沢さんに車で船橋まで送っていただく。
宮沢さんに送ってもらう時の湾岸道路はいつも雨だ。悪夢が再び。
明日の「富士日記」に船橋のことが書かれるとすればそんなひどい言い回しが採用されるのだろうかと考えた。

それにしても声が出なくて、私が「おかまみたいですよねー」というと、「酒焼けした50歳くらいのスナックのママのようだ」との声が。スナックゆかりを思い出した。あんなにはなりたくない。真剣にあんな風にはなりたくないと思った。
おまつが私の声を心配して「明日のバイトを休んでください」と言うも、休めない。
私の声は戻るのか?
かすれているというより、もう出ていない。息漏れの音しか聞えない。

それにしてもとても贅沢な話ではないか。宮沢さんに教わり、鈴木慶一さんレクチャーを受け、来年の1月には大学で観世英夫演出の公演に出演するらしい。太田省吾演出の舞台もあるし、何だかおまつはとてもしあわせものだねと私が言うと、下を向き「うん、うちはしあわせものや」と笑った。
私はこの子が何故幸せものなのか何となくわかってきた気がした。
私もとてもしあわせものだ。
慶一さんありがとうございました。本当によかった。







1119 新宿の夜

夕方、松倉路上ライブをする為に一緒に新宿へ。
ゴハンを奢るというと、遠慮してか「おにぎりみたいなものが食べたい」という。
似ているということで二人で回転すし屋へ入った。おまつ回転すし初体験。私達はあまり食べないで外に出た。あんまりいい店じゃなかったし。
ライブの前にギターのタナカサンと練習する予定を入れてあったので、その時間までということでカラオケボックスに入って声だしをする。練習とはいえ松倉さんの歌声を独り占めできてとても幸せな時間を過ごすことが出来た。今回初めて歌う「ひこうき雲」とか「dont know why」とか有名な曲はカラオケに入っているのでそれで練習。さすがに「ガス」はない、当たり前だけど。おまつ、カラオケボックスという場所に戸惑っている様子だった。歌い終わりまた違う歌を歌うその合間の時間に流れる最近の流行曲(この言い方古いな)がちょっと耳障りだったみたい。決して口には出さないけどね。
「いづみさんもうたってー」というおまつだが、さすがの私も恥ずかしくて彼女の前で歌えない。とか何とか言って「悲しくてやりきれない」を歌った。歌うこと自体、というかもういろいろ恥さらしである。でもおまつといると楽しいので歌ってしまう自分がいる。「悲しくてやりきれない」。
タナカさん、タカモリさん(松倉ライブの『ダブルT』)、マリ嬢が新宿に到着。
タナカさんがアンプとギターをカラオケボックスに持ち込み、軽く音合わせ。
二人とも前回と比べて息が合ってきて、練習も楽しそう。やっぱり信頼関係って重要だなあと思うのだ。お互いに意見を出し合い、何とか今日のライブの曲順も決まる。少しずつ彼女は成長している。

歩いて新宿駅南口に向かう。
今日は平日だと思ってちょっと油断していた。
新宿バンド戦争に平日も休日もなかったのだ。
ボーカルの人が歌いながらドラムによじ登っていたバンドの演奏終了を待ち、その後に順番待ちしている見た目さわやかな人達(メンバー内メガネ率高し)バンドの後におまつのライブが出来るようにタカモリさんが交渉する。
そんなこんな準備している間に様々な人たちが集まってきた。
宮沢さんは韓国から帰ってきたばかりでお疲れかと思ったが元気そうで安心。
桜井圭介さん、南波さん、三坂さん、淵野くん、夢、小沢さん、岩崎さん、鈴木くん、それからオールツーのメンバー、「知覚の庭」で共演した大島君、白水社のWさんも駆けつけた。Wさん、前回見れなかったんだ、そういえば。
それから友人餡ちゃん、くまちゃん、「亀虫」の大河原さん、夫、タム、岸健太朗くん、紹介しきれないくらいの人達、そして私の全く知らない宮沢さんの「富士日記」を読んできてくださった人達、そして通りすがりの誰か。
おまつは案の定緊張していた。一ヶ月半ぶりのライブである。緊張しないわけがない。
ライブ開始。声が伸びずに少し上ずっているように思うがやはりとても気持ちのいい瞬間。外で歌を歌うってとても幸せなことじゃあないですか。
この人は本当に幸福だなと思った。そして彼女に関わった全ての人間が幸福になっていく。多くの人が彼女を見守っていると同時に彼女から大きな何かをもらっている。
本当に不思議な女の子だよ、この人は。
声もだんだん落ち着いてきた。今日はいつもより体を動かし踊っている。首や腰、下半身を使って踊るおまつ。運動神経は全くないという。そんなことはどうでもいいんだなあとまた一つ感慨深い事実。

ユーミンの「ひこうき雲」。上手く歌えるかなと最後まで不安だったこの曲がとても良かった。

  「空に憧れて
  空を駆けていく
  あの子の命はひこうき雲」

というサビではたまに新宿の空を見上げる。空を歌うときに空を見上げるというその仕草が、とても心に残った。新宿の空は狭い。
一度休憩。桜井さんがおまつにいくつかのアドバイスをする。音程のことなど。

ドラムによじ登るボーカルのいるバンドの終了を待ち、再びおまつライブ。

さらにダンスは激しくなった。楽しそうだな。おまつは楽しそうなのが一番だとそう思う。
苦しそうなのが一番いいよって人もたまにいるけど。おまつは笑っているのが一番だ。
道行く人が脚を止める。おまつのキャロル・キングに耳を傾ける。酔っ払いのおじさんがへらへらしながら歌のリズムに身を任せる。私は即席でつくった「松倉如子チラシ」(「松倉ライブ日記」のURLが書いてある)を配るがつい歌を聞いてしまい、仕事が疎かになる。
おまつの歌声は何かに包まれている。
何かに包まれた声。
私の声とは対照的な声だ。







ライブ終了。声も顔も対照的な二人。







帰り道、夫が「人が成長していくその過程を見れることは幸せだ」というようなことを言った。

おまつはこの日見知らぬ通りすがりのおじさんからおひねりをもらった。
彼女はその1000円を大事に楽譜ファイルの中に納めた。






1118 おまつ来たるそして告知

17日、京都からおまつがやって来た。新宿西口にまたもや仁王立ちして私を待っていた。

松倉如子、23歳。冬の装いであります。前回に比べると女の子らしい感じがした。その夜はタカモリさんとギターの田中さんと路上ライブの打ち合わせをする。家に帰りムーンライダーズの鈴木慶一さんが「松倉さんに合うんじゃないかな」とセレクトしてくださったランディ・ニューマンの曲を聴く。凄く気に入ったみたいで感激している。しかもその曲には慶一さんの意訳付!「男っぽい訳になっちゃってるから、松倉さんが気に入ってくれるかわかんないけど・・」と慶一さんは言っていたのだが、その意訳がとても素晴らしくて、さすが慶一さん!ムーンライダーズの「幸せの洪水の前で」をおまつに聴かせたくてそこからムーンライダーズ祭りが始まった。

おまつが来ると毎日が楽しい。いろいろな話をして時間が過ぎる。風景を見てその話をする。ご飯を一緒に食べる。歌を歌う。芝居の話をする。ふたりで悩む。そしてよくわからないけど笑ってしまう。

いろいろあるけど、今日はとりあえず告知です。
明日19日夜10時から、新宿駅南口Flags正面あたりで松倉如子の路上ライブをやります。
お時間ある方は是非見にきてください。
彼女の歌声はとても遠くまで響きます。
近くにも響きます。
あらゆるものに響き渡るといいなと思う。
是非是非、見にきてください。
私はたぶんスタッフとして何かやっています、そのあたりで。
宮沢章夫氏の「富士日記」でも告知がされています。





1116 関寛之と言う変人

訳あって朝から稲毛へ。
用事を済ませ、関寛之とお茶でも飲もうかと呼び出す。
関君は稲毛に住んでいるのだが、その稲毛とはどこかというと船橋からさらに千葉の中心に向かって20分ほど行ったところ、さらに彼の家は駅から徒歩1時間弱。
僻地の香りが漂う。関君も苦労しているんだな。

関寛之という人物をご存知か(反語)。
遊園地再生事業団「ゴーゴー!ガーリー」で初めて共演した。その後彼は様々な舞台に出演、ニブロールでは海外公演にも参加、岩松了プロデュース等々気がつけば何だか幅広い男。浅野晋康監督の映画「クロイツェル」ぐらいから随分と仲良くやっている。

この人は変人である。
言葉尻一つ一つに彼の変人ぶりが伺える。
危険な発言で大爆笑。
そしてしんみり。

彼はいつも自分を笑っている。
頭のいい人だとも思うし、あまりの馬鹿さ加減に涙が出るときもある。
過去腹立たしい発言で随分いらいらしたりもしたんだけど。
長い付き合いだけど、彼は一体何者なのか私はわからないし、わかりたくもないというそんな距離感がきっととても心地いいのだろう。

哀愁の1日。切ない日だった。そんな一日のラストに関君という干からび方が切なさをあおる。






1115 僕とフリマと豊島園で

フリーマーケットを行なった。
豊島園ビックフリーマーケットに参加。
いろいろ面白いことがありまして、そこそこ売れて、オールツーステップスクールの予算も少し稼げたし嬉しかったのだけど、私は風邪が悪化したのです。尋常じゃない震えと吐き気。今年の風邪は危険な香りが・・・。
ピップエレキバンは効きました。
さっすがピップ。
私は昔ピップの「いびきクリップ」のCMに出演していたので、かなり応援してます。ピップ最高。

遊園地再生事業団で知り合ったタヤガキくんが子供を連れてフリマに来ていた。
タヤガキくんはしばらく見ない間に、すっかりカッコよくなっていたのに驚いた。
これは父親の顔なのだろうか?父親のやさしさなのだろうか?
顔はすぐに変化する。
変化していくから面白いものはたくさんある。
変化しない顔っていうのもそれはそれで不気味で面白いけど、人はやっぱりどうしたって歳をとっていくんだから、そのときどきの顔を愛したいものだなあとぼんやり思う。
お子さんはもうすぐ6ヶ月とのこと、肌はむちむちしていてとても可愛かったけど少しご機嫌斜めだったな。





1114 科学へ

ク・ナウカを見に、上野の国立科学博物館東洋館へ。
オールツーステップスクールに参加している本多麻紀が出演。
「マハーバーラタ」とはインドのおとぎ話だ。

ク・ナウカを見るといつも不思議な気持ちになる。
異空間というか、現代なのか過去なのか果たして未来なのかここがどこなのかわからなくなる。
それが醍醐味だ。

今回はいつものク・ナウカとは一味違う印象なのは、何より全てが光に満ち溢れて生きる喜びが表現されているように思えたところだ。
いつもはわりと陰の叙事詩、今回は陽の叙事詩が展開されていた。
それはとても気分のよい世界だった。

本多麻紀は高校の同級生。高下駄履いて「閻魔」役。縦横無尽に舞台を駆ける頼もしい姿が印象的だった。それにしても美加理さんの美しさといったらこれはもう大変だなあ。めくるめく美加理絵巻にうっとりしました。

しかし私は体調不良。
寒気が止まらず肩こりもひどい。
生まれて初めてピップエレキバンを買い上野を後にしました。
下北沢へ行き井苅智幸の家へ。
明日はオールツーメンバーでフリーマーケットイン豊島園。
舞台予算捻出の為に行なうフリマ、果たしてうまく行きますでしょうか?





1111 宮沢さんのこと

昨日の「富士日記」で私のメールが少しだけ紹介されていた。
Macでホームページをつくる場合何のソフトがよいですか?というようなことだ。
宮沢さんは「mi」がよいと書いていたので早速ダウンロードしたが、久し振りにタグ打ちをしたら結構忘れていることが多いことに驚いた。日々死滅する脳細胞のことを思う。死んだ細胞は再生しないらしいがその死骸は一体どこにいくのだろうかとどうでもよいことを考えた。
宮沢さんは日記で次のようなことを書かれていた。「ホームページ作成ソフトよりまず文章を磨くこと」。その通りだ。私は宮沢さんの日記を読むにつれ、自分の文章が面白くないと言われているのではないか?と心配になってきた。子供の頃から書くことはとても好きだった。作文や詩、書けと言われるとわくわくして何枚も書いてしまうようなところがあった。面白いか面白くないかは別としてとにかく好きだったのだから今思うと「下手の横好き」に近かったのかもしれない。というかそれぐらいしか楽しいことがなかったのかもしれないのでよっぽどネクラだったのだろう。あくまでネクラ。表向きは明るかったと思う(言い訳)。
大人になって意図的に文章を書くようになったのは、小説を書き始めた頃だ。
友人にしか喋ったことがなのだが、私は地味に小説を書いている。そんなことは別に公表するほどのこともない。ただ自分の欲求の赴くままに書こうと思ったり、ミステリー書いちゃったりいろいろだけど、書くことで解消される何かが確かにある。手紙もそうだ。誰か大切な人にあてる手紙を書くことは大好きな行為だけど、書くことで解消されてしまい対相手との関係性を見間違えてしまうミスを犯してしまう時も過去にはあった気がする。言葉が持つ大きな力について考えると人間関係一つにとってみてもこれは難しい問題で永遠のテーマだ。

宮沢さんにメールをする。もっと精進しますというような内容。
すぐにお返事をいただいた。そのメールの内容にとても感銘を受けた。
笠木の文章が面白くないとか拙いとかそういうことを書いたのではありませんと前置きがあり(正直ほっとした)、「他者」とは遠い場所にいる誰かのことでその人に向けて書く以上、身の回りの人にはきちんと説明を書いたりリンクを貼ったり、なるべくていねいに仕事を重ねている。よくよく考えると、私はていねいに表現するということを続けているのだ、
というようなことが書いてあり、目からうろこが落ちた。

私はこれまでに数え切れない多くのことを宮沢さんから学んできた。
19歳の時に「箱庭とピクニック計画」を見て衝撃を受け、オーディションを受けにいってから今までの8年間、遊園地再生事業団で学んだことはあまりに多くて深く、そして全ては現在の私に繋がっている。
宮沢さんはいつも走っている。
無我夢中で走っている。
稽古中はゴハンも食べずに、痩せてしまう。
ストイックで、厳しくて、優しい。
私は8年間の間近くで宮沢さんの走っている姿を見ることができて本当に幸せ者だろう。もうこれは絶対的事実。そして私は何とか少し成長することができた。
今日もまた、一つ学んだ。
「学んで、悩んで」。
私も日々を大切に、ゆっくり、ていねいに仕事をしよう。その積み重ね。地図を描くように、少しずつていねいに。
よし。
がんばるぞ。オールツーステップスクールよ、待ってろよ
結局そこか!


 1109 贅沢な1日

今日は「欲望という名の電車」を見に青山円形劇場へ。
前から見たいと思っていたT・ウィリアムス。何故かというと昨年見た岩松了さんの「三人姉妹を追放されしトゥーゼンバフの物語」という芝居がとても面白く心に残っているのだけど、その中に何故かテネシー・ウィリアムスが出てくる。岩松さん本人がその役をやっていたのだが、そこに描かれていたのは一人の作家の「苦悩」で、とてもリアルだなあと思ったからだ。
感想はとにかくブランチ役篠井英介さんに圧倒されっぱなしの3時間だった。
私が今更言うことでもないが、ブランチという役はとても難しくそして危険な役に思える。嘘で塗り固められた女の
みっともなさや、知的なようで抜けている天真爛漫さや、それから狂っていく過程の悲しさや嘘が暴かれていくその瞬間の立ち姿、どれをとっても「難しい」し「危険」。よっぽどの女優さんでないとこの役はできないのだろうなと何となく思う。篠井さんは男性なのである意味「よっぽどの女優さん」なのだとは思う。しかしそれだけでは越えられない何かを感じた。技術でもない、感情でもない、逆に全ては揃っていても足りない何かを探しているように、そこには悲しい物語の中のブランチがいた気がして、とにかく衝撃を受けた。
見てよかったな。
テネシー・ウィリアムスのこと、何も知らない。調べてみよう。
慶一さんは、最後の5分にちらっと登場していると聞いていたが、一番初めのシーンにもやっぱりちょこっとだけ出演していて、その間の2時間45分ほどの時間を一体どう過ごしているのかと気になったり。
終演後本人に聞いたら「パソコン持ってきてるよー。富士日記読んでる」だって。

慶一さんから「おまつに合う曲」をCDでいただく。これをおまつに渡して、曲のレパートリーを増やす作戦。おまつにも見せてあげたかった「欲望という名の電車」。最後に出てくる慶一さん、凄く素敵だった。悲しいシーンだった。おいおい泣いてしまったです。

気分よくそのままGO!「阿修羅のごとく」を見に。
これがまた面白かった。しかしガラガラの映画館。
何が良かったって皆いいんだよ!八千草薫しびれるなあ。その美しさ。それぞれ4姉妹のそれぞれの阿修羅、とその美しさ。あとくだらなさ。深田恭子の違和感も含めよかった。見ながら心に思い出されるのは私の大好きな映画「の・ようなもの」だった。くだらないことやダメな人間の肯定って書くと容易いけど、そうそう上手くはいかないと思う。私は森田芳光監督の映画はとても好きなのだが、何が好きかというと、「どうでもいい」と思えることを拾ってくれる心地よさのような、裏で泣いている人間も皆の前では笑ってるその裏表とか、何か上手くいえないけど、とにかく好きなんだな。「家族ゲーム」も大好きだな。「(ハル)」もとてもいい気分になれる映画だった。「失楽園」は見てないけど。
あと中村獅童。ちょっとどうかと思うくらいなことになってて好きになりました。木村佳乃。本当にくだらない。笑ってしまいました。ああいうのって監督の演出なんだろうけど、本人が一体何をやっているか理解しないとできないだろうな。
好きな役者さんが増えていく。いっぱい増えていく。新しいものに出会い心を動かされる。
今日という瞬間は、とても贅沢な瞬間だと思った。



 1108 亀虫を観に行く

「亀虫」初日。映画を見るのと舞台挨拶するのとで池袋のシネマロサへ。
舞台挨拶って言われても何喋るのかよく分からないのであまり緊張せずに行ったのだが、開場前、見に来てくれた足立智充に「笠木さん、マトリックスと同じ画面に写るんだね、凄いねー」と言われ妙に緊張してきてしまう。
亀虫はレイトショーでその前の時間はマトリックスを上映していたのだった。ただそれだけの話なんだけど。
「亀虫」は5本の連作で、私は前回の冨永昌敬監督作品レイトショーの時に「亀虫の兄弟」、「亀虫の嫁」を見た。その後作られた3本の作品は未見なのでとても楽しみだった。

上映前、冨永君、出演者の安彦さん、杉山彦々くん、尾本くん、木村文ちゃん、冴島さんに会ってビックリ。私以外全員黒い服でキメていたのだ!
「何も聞いてないよ!」とうろたえる私の今日の衣装は黄色いカットソーにただのチノパン。無論ただの普段着。
皆に話を聞くと別に揃えて来た訳ではなく偶然の一致だそうだ。杉山君に至っては黒ジャケットを新調(アローズ)して臨む舞台挨拶。認識の甘さが露呈。まずいぞ私。と思いつつ安彦さんと世間話。共演した漫画家の大久保ニューさんも来て久し振りに会えて嬉しかった。あと大ファンの魚喃キリコさんも。ふふふ(マンガおたくの血が騒ぐ)。
まあそんなこんなで映画が始まった。
私が出演しているのは5話目の「台なし物語」。
はっきり言ってくだらなかった。でも面白かったなと私は思いました。
自分の顔がスクリーンに映る時、たまにビックリするんだけど(クマのえぐさとか、まあいろいろです)、今回はそんなにびっくりしなかったな。ただ声には少し考えさせられた。私はこんなにも鼻声だったのかと、うーん、これはトレーニングが必要だなと。鼻声ってトレーニングで直るのかな?
最後のシーンに私のナレーションが入るのだが、それはストーリーと全く関係ないとある文を朗読している。
私はその文章がとても好きだ。よく聞いているととても哀愁の漂う文章だった。
あと4話の「亀虫の性」、面白かったな。安彦さんとても素敵だった。うん、凄く色っぽくて。
で舞台挨拶は、司会に中原昌也さんが来て下さって、いろいろ喋ってくださったので私はあまり無駄口を叩かずに済んだ。こういうときに気の利いたことを言えずに余計なことばかり喋ってしまうので助かった。
学生時代に冨永君と出逢った頃のことを少々喋って、無事終わった。
終了後、中原昌也さんが「ほんと、ごめんなさいねー。もっときちんと進行できればなー、まったくねえー。本当もう俺ごめんなさいね」と言ってきて下さって何だかビックリして「いえいえありがとうございました」と返した。謙虚な人だな。
そんな中原さんもやはり黒い服だったが、よく見てみると下はジャージだった。
21日も舞台挨拶があります。
よかったら見にきてください。
今日見にきてくださった皆さん、本当にありがとうございました。



 1106 男子はだまってなさいよのイベントに行く


今日は原宿のLAPNETへ。
男子はだまってなさいよ!のイベント「20時間弱コント展」に行くため。
5日から20時間弱のノンストップコント、入場無料。
一体どうなってるのか気になって見にいった。
出演する井苅智幸くんに「差し入れ持ってきて」と言われたので西船橋の美味しいシフォンケーキを片手にイベント会場へ入ると、いきなり「あ!来ました!笠木さんでーす」と大きな声。
気がつけば茶の間になっている舞台に上がってゲスト扱い。ひょえー。
お客さんは20人くらいか?
皆「誰?この人」って思っているのではないかと心配になる。
24時間テレビで言えば出演者も視聴者も疲れのピークがやってくる時間。
昨日も来て今日も朝から来ているお客さんもいるらしい。もう同志の気分だろう。
私が参加したのは、「スプーン曲げ」。
ユリ・ゲラーの「超能力CD」なるものをBGMに皆でスプーン曲げを試みるも失敗。
そのCDが凄い。
よくありがちなヒーリングミュージックのようなものが流れ、その上からユリさんの拙い日本語が。
「ふぉーくでも、すぷーんでもかまいませーん。ただしゅうちゅうするのでーす」
「まがらなくてもおちこんではいけませーん、ただうんがわるかったのでーす」とか何とか。フォークでもいいのか。知らなかった。
「さあーしゅうちゅうしてくださーい」
何か・・・さあ・・・集中出来ませんよそんなの。少なくとも私には出来ませんでした。

何というか、こう、あまり経験したことのない気分になりました。

一度退散し、夜もう一度会場へ(なんたって入場無料)。
ナイロンの峯村さんや猫のホテルの池田さんがゲスト
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