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新古書店などの 著作権問題 |
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| 2001年5月 |
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| 2001年9月 | 2002年7月 | 2003年 | ||||
2001年5月、マンガ雑誌に、「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」緊急アピールが掲載された。掲載誌は、「全国書店新聞」によれば、秋田書店16誌、講談社14誌、集英社14誌、小学館17誌、白泉社7誌の、68誌で、5月1日から6月上旬までの号となっている。5月15日には、記者会見も開かれている。
「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」(以下「考える会」)は、2000年4月26日に、80人ほどで結成されている(発足時は仮称のようである)。呼びかけ人は八名(北見けんいち、さいとう・たかを、ちばてつや、つのだじろう、弘兼憲史、藤子不二雄(A)、古谷三敏、松本零士の各氏。以上50音順)。『新文化』2000年5月11日号には、「現在、講談社・小学館・集英社・秋田書店・白泉社など、有力出版社数社が「賛助会員」としての参加を表明しているという」とある(その後どうなったかは不明)。
緊急アピールは見開き2ページ。アピール文と会員リストからなっている。見出しには、「私たちは新古書店でのコミックスの売買に反対します。」とある。本文では、「漫画文化を脅かしている」ものとして、新古書店のほかに漫画喫茶をあげている。
批判されている新古書店と漫画喫茶は現行法上はまったく問題がない。各種報道によると、「考える会」は法改正を重要な目的としているらしいのだが、アピール文ではなぜかはっきりと主張されていない。
会員リストには215人+1プロダクションと、事務局顧問弁護士の山崎司平氏の名前がある。「このリストは、2001年4月11日までに、「アピール文」をこの形で掲載することに同意した会員の名前です。」とあるが、会員だが同意しなかった人がいるかどうかは不明。
緊急アピールは、9月と翌2002年7月にも、1ページのものが掲載されている。会員リストと同意云々の文章はなく、「コミック作家252名」とのみ記されている。
2001年6月15日には、日本ペンクラブが、「著作権者の権利への理解を求める声明」を発表した。声明では、新古書店・漫画喫茶に加えて、公立図書館の同一作品の大量購入を取り上げている。2002年9月7日には、日本ペンクラブ主催で、シンポジウム「激論! 作家 vs 図書館 ―どうあるべきか―」が開かれた。出版社側の動きとしては、2002年2月に、「出版11社の会」が作られている。
アピール文掲載のしばらく前に発行された、『だれが「本」を殺すのか』(佐野眞一 プレジデント社 2001年)によれば、
「新刊書店の中には、新古書店は著作権料を払わないでタダ儲けしている、盗人たけだけしいにもほどがあるという声もあります。」
という著者の言葉に対し、ブックオフの坂本社長は、
「その問題についても社内で議論しているところです。すでに新古本業界には上場企業もでているので、その問題を無視できないことは十分に承知しています。タダで儲けるつもりは毛頭ありません。売上の何パーセントかを拠出して著作権保護団体などに寄付する。そんなプランがいまあがっています」
と答えている。
2001年12月1日、著作権問題や万引問題に対応するため、ブックオフコーポレーション、フォー・ユー(ブックマーケット)、テイツー(古本市場)によって、リサイクルブックストア協議会が設立された。その後、サンセットコーポレイション(ブックキング)、ドリーム(ほんだらけ)、ブックマートグループ、上昇(ブックスタジアム)の各社も参加している。
『ブックオフの真実』(日経BP社 2003年3月)で、坂本社長は、
「各店舗で何が売れているか、サンプル店やサンプル期間を設け、個々の本の売れ行きデータを集め、全体を類推する仕組みを作れば、金額を推計できる。この計算方法を明確にし、そのうえで著作者の方たちに認めていただけるのであれば、著作料なり印税なりを支払うことにやぶさかではありません。」
と語っている。
しかし、リサイクルブックストア協議会での話し合いについては、
「著作料を印税として払うことは不公平になるからできない。だったら、次の新しい漫画家、作家のためにファンドを集める。奨学金とかそういうものにしようという方向にまとまりつつあります。」
とも語っている。
フォー・ユー社長の新谷幸由氏によれば、
「リサイクルブックストア協議会に基金を設け、若手漫画家に寄付する構想も一時期あった。しかし、それはちょっと違うということになり、実現していない。」(『ドキュメント知財攻防』 日本経済新聞社 2003年8月)
という。そこに至る経緯はわからないが、残念ながら、振り出しに戻ってしまっているようである。
漫画喫茶に関しても、リサイクルブックストア協議会にやや先立って、2001年に、業界団体の日本複合カフェ協会が設立された。2003年5月15日には、考える会、日本雑誌協会との間で、利益還元の暫定合意がなされている。
2003年には、考える会など15団体によって、貸与権連絡協議会が設立されている。
貸与権とは、著作権のひとつで、1980年に始まった貸レコードに対応するために、1984年に新設された。音楽の著作物だけでなく、「映画の著作物」を除くすべての著作物が対象となっている。ただし、本に関しては、附則で「書籍又は雑誌(主として楽譜により構成されているものを除く。)の貸与による場合には、当分の間、適用しない。」と定められていた。
貸与権の対象は、本の場合、貸本などで、貸し出しをしないマンガ喫茶は対象とならない。しかし、以前はなぜか、マンガ喫茶は、附則で除外されているとはいえ、本来は貸与権の対象であると見る人が多かった。
弘兼氏は、2003年2月25日に行った講演「日本のマンガ文化を大切にしよう!!」(PDF)で、マンガ喫茶に関して、「対抗するには、貸与権である。」「ただし、マンガ喫茶の問題は、店舗の外に出さないと貸与権が発生しないという解釈が存在していることである。」と述べている。
日本では、従来の貸本屋は、すでに勢いを失って久しいし、「コミックレンタル」などと呼ばれる新しい形の貸本屋も、2004年現在、それほど発展しているわけではないようである。それに対し、韓国では貸本が深刻な問題となっている。
状況の異なる日本が、はたして韓国のようになる危険性があるかどうかはわからないが、発展するまえに手を打っておこうという動きが起こること自体は不自然ではない。しかし、弘兼氏の発言などを見ると、当初、貸与権獲得運動は漫画喫茶を想定したものであり、途中で貸与権が漫画喫茶へ及ばないことが判明したため、方向転換した可能性もある。
業者側は、同じ2003年にコミックレンタル有志の会を設立し、貸与権の問題点の指摘などを行っている。
2004年6月3日には著作権法が改正され、本にも貸与権が及ぶことになった(施行は2005年1月1日)。
■出版社の権利と活動
著作権者に利益が還元されるようになった場合でも、出版社が著作権を持つ一部の例外を除き、出版社には利益がないという問題がある。
CDメーカーなどは、著作権者ではないが、著作隣接権を持っている。映画の著作物では、著作者と著作権者を別扱いにする特別な規定があり、製作者(映画会社)が著作権を持っている。ゲームソフトなどで職務著作物の場合は、会社に権利がある。 しかし、本の場合、出版社にはそのような権利はない。
「考える会」設立集会では、作家側からの、
「出版社とは微妙に利害が異なる。いずれ対立するのでは」(『新文化』2000年5月11日号)
という意見に対し、出版社側は、
「当面、出版社の利害は外して考えればいい」(同前)
と答えている。
マンガ評論家の夏目房之介氏は、考える会について、その論調には疑問を呈しつつも、次のように述べている。
「協力者の一人に元マンガ編集者がいる。その人の行動が、マンガを愛し、ともにマンガ隆盛を築いた作家への恩義からのものであることは、直接話をすればよくわかる。」
「彼は、日本のマンガをここまで引き上げた作家達に少しでも恩返ししたい、だから出版社は一銭も取らずにやるのだと強調した。」
(『マンガ 世界 戦略』 小学館 2001年)
■影響を受けるのはどの部分か
新古書店問題では、新人漫画家に対する影響がよく語られる。図書館問題では、ベストセラーの複本がよく取り上げられる。それが間違いだとはいわないが、ここでは、少し違った点から見てみたい。
マイナーな本は、新品で売れた数自体が少ないので、それほど古本としては出回らない。もちろん、マイナーな本であっても、古本を期待して買い控える人はいるだろう。また、出版業界が打撃を受ければ、直撃ではなくとも、マイナーな本にしわ寄せはくるであろう。しかし、もっとも影響を受けるのは、かつて大量に売れ、古本として大量に出回っている本のはずである。
マイナーな本のうち、図書館向きの内容で、個人では買いづらいような高い定価をつけている本にとって、図書館は敵であるどころか主要なお得意様である。それに対し、マイナーではあるが、薄利多売を前提とした定価の本の場合はどうであろうか。出版業界全体から見れば、ベストセラーの問題が大きいかもしれない。しかし、それぞれの本を見れば、100万部のベストセラーにとって、ひとつの図書館に10冊置かれる影響よりも、1万部のマイナーな本にとって、1冊置かれる影響のほうが大きいかもしれない。
■許諾権と報酬請求権
著作権者に権利を与えるとした場合にも、どのような権利を与えるかについては意見の対立がある。特に問題となるのが、許諾権か報酬請求権かという点である。
禁止できるのが許諾権で、禁止はできないが、報酬を請求できるのが報酬請求権である。2004年に認められた貸与権は許諾権なので、著作権者は、料金を払うという相手に対しても、禁止することができる。この点を、権利が強すぎるのではないかと批判する意見がある。
実現した貸与権のほかに、公共貸与権(図書館)、消尽しない譲渡権(古本)、展示権の拡大(マンガ喫茶)などが議論されている。これらの権利に関しても、権利が必要かどうかという問題だけでなく、権利の内容も検討する必要がある。
■マンガ喫茶と貸与権
現在では、2001-2003年に文化庁著作権課長を務めた岡本薫氏が、著書『著作権の考え方』(岩波新書 2003年)で断言するなど、マンガ喫茶が行っているのは貸与ではないということがはっきりしてきています。
以下の文章はそれ以前に書いたものですが、記録として残しておきます。
店内での閲覧が、貸与にあたるのかはよくわからない。あたるとすれば、現時点では漫画喫茶に著作権者の権利は及ばないとはいえ、付則の廃止という道がある。しかし、貸与にあたらないとすれば、著作権者の権利が及ぶようにするには、根本的な法改正が必要である。
貸出・閲覧と著作権法上の「貸与」との関係について、『図書館サービスと著作権』(図書館員選書・10 日本図書館協会 1994年)には、「「閲覧」については、著作権法は何の規定もしていない。」(45p)「貸出の上位概念である著作権法上の貸与は、使用の権限を取得させる行為が含まれている場合に使われると、法2条8項に述べてある。利用者に館内で資料を手にして読ませる、あるいは見聞きさせるのに、この種の行為はほとんどとられていない。」(47p)とある。
また、『明解になる著作権201答』(吉田大輔 出版ニュース社 2001年)では、経過措置のため貸与権が及ばないものの、貸本屋は、「一応貸与権の対象と考えられ」るのに対し、マンガ喫茶は、「店内でマンガを読むという行為に対してはそれを押さえる著作権はありません」としている。
「新古書店」という言葉
この問題に関しては、「新古書店」という言葉が混乱を広げている面もあるので、関連する用語も含めて整理しておきたい。
緊急アピールでは、「新古書店」という言葉が使われ、「従来の古書店とは違って、限りなく新刊に近い古書を廉価で売る大規模新型古書店」と説明されている。
しかし、この説明では不十分なようである。『ヘイ・ブルドッグ』でのアンケートによると、「新古書店」を、「出版社が卸している「新古品」の書店だと思っていた」という回答は、だいたいの感じだと、約1割だそうである(5月20・21日の仮装日記)。
また、弘兼憲史氏がシンポジウム「激論! 作家 vs 図書館 ―どうあるべきか―」で、「新古書店というのは発売3日後くらいに書店からあるルートで買い上げて、ほとんど新刊に近い状態で古本として提供するというところです。」(『創』 2002年11月号)と述べているところから見ると、「考える会」自体が、「新古書店」という言葉をうまく定義できていない節がある。
『ヘイ・ブルドッグ』でのアンケートの前置きには、「新古書店というのは、「今までの古書店とは違う、ブックオフ形式のリサイクル古書店」という意味で、そこに出版社・取次・書店が「新刊本」を卸している事実は、私の確認している限りではありません。」とある。
新古書店が扱っている商品の中心は古本であるという点はその通りなのだが、ブックオフ型リサイクル書店が、取次から、売れ残りの「新古本」ではない、新しめの売れ筋を仕入れている例はある。直接確認できた例もあるし、ネット上の情報も総合すると、複数の取次から、複数のチェーン店が仕入れているようである。
利益率の高いわけではない商品を安売するので、それ自体では儲からないか、むしろ赤字になってしまうわけだが、客寄せのための目玉商品と割り切れば、十分意味があるのであろう。また、取次側にとっても、返品なしの買切といった条件をつければ、取引する意味があるのだと思われる。
「新古書店」という名称は、「新・古書店」(新しいタイプの古本屋)と考えられる。 また、「新古書・店」とする見方もある。この場合の「新古書」は「新古本」とは違い、新しめの古本という意味になる。ただし、新しめの古本だけを扱っていても、従来型の古本屋は新古書店とは呼ばれないようである。
「新古書店」という言葉が、いつから使われだしたのかはわからない。「リサイクル書店」よりは新しい言葉だと思う。確認できた例としては、1999年11月に東京都書店商業組合が、「『新古書店』に関する調査のお願い」を配布したというものがある(『文化通信』http://www.bunkanews.co.jp/の「出版業界ニュース バックナンバー」99年11月8日付(3321号)による)。
「新古書店」という言葉は、2000年の「考える会」結成以前から使われているわけだが、あまり普及していたとはいえない。また、「新古本」という、似ているがまったく意味の違う言葉があり、こちらも中途半端に普及している。
「新古本」とは、出版社から流れる新品の処分本を指す言葉である。読み方は、たぶん、「しんこほん」か「しんこぼん」だと思う。『現代用語の基礎知識』(自由国民社)には、「出版社への返本を再販契約を結ばずに古書店が直接買い取り自由に価格をつけることのできる非再販本のことである。新古本は一九九三(平成五)年、出版社が「裁断するよりは安くても売れたほうが」と古書店に持ち込んだことから一般化した。」とある。『ブックオフ革命』(大塚桂一 データハウス 1994年)でも、そのような意味で使用されている。
「新古書店」とは別に、「リサイクル書店」という言葉がある。『知恵蔵』(朝日新聞社)には両方の項目があるが、「新古書店は、新古本店、リサイクル本書店とも呼ばれる。」、リサイクル書店は、「従来の古書店とは区別して新古書店と呼ばれることもある。」とあり、同じ意味の言葉という扱いである。
ブックオフ型の店は、「リサイクル」、「リサイクル書店」、「リサイクルショップ」などの言葉をよく使う。『ブックオフ革命』で紹介されている坂本社長の言葉にも、「リサイクル書店」という言葉が出てくる(102ページ)。また、公式ホームページ『BOOK・OFF』では、「リサイクルメディア(本・CD)チェーン」という表現を使っている。
店側が好んで使う「リサイクル書店」という言葉に対し、「新古書店」という言葉は、外部から、従来型の古本屋と区別する必要があって使われる事が多いようだ。ブックオフ型の店を指していると思われる用例も多いが、『ブックオフと出版業界』に掲載されている「主な新古書店の店舗展開状況」(『出版月報』98年9月号より転載)のように、ブックオフ型以外の店も含んだ広い意味で使われることもある。
「新古書店」と「リサイクル書店」という言葉は、はっきり使い分けがされているわけではないが、使われ方の違いが、言葉のニュアンスに多少影響しているかもしれない。
下の表は、サーチエンジンで検索したヒット数で、左から次のとおり。
goo 2000年 6月26日 goo 2001年 5月27日 goo 2002年 10月14日 2001年 2002年 10月14日
goo 新古書店 26 96 1130 344 2060 新古本屋 5 19 87 69 169 新古本店 0 5 22 22 44 新古書屋 1 1 17 8 24 リサイクル書店 ? 259 358 343 1730 リサイクル本屋 ? 21 61 64 134 リサイクル古書店 ? 26 28 51 190 リサイクル古本屋 ? 10 20 29 37
中古ゲームソフト問題
1999年、中古ゲームソフトに関する二つの裁判で判決が出た。5月27日の東京地裁判決は、中古販売側勝訴。10月7日の大阪地裁判決は、メーカー側勝訴である。
裁判で争われたのは、「映画の著作物」がもつ頒布権の問題である。メーカー側の主張は、ゲームソフトは「映画の著作物」であるため頒布権がある、したがって著作権者が中古販売をコントロールできる、というものである。
いうまでもないが、ゲームは映画ではない。
ただし、著作権法上の「映画の著作物」とは、「映画の効果に類似する視覚的または視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され」たものであり、映画そのものでなくともよいので、ゲームを「映画の著作物」とみなす余地はある。東京地裁は、ゲームソフトを「映画の著作物」と見なさなかったが、大阪地裁は、「映画の著作物」と見なしたわけである。
地裁の判決では、「映画の著作物」にあたるかどうかが問題となった。しかし、「映画の著作物」であれば必ず頒布権をもつのか、頒布権をもったとしても消尽しないのかという問題もある。ほかの著作物には認められていない頒布権という強力な権利が「映画の著作物」にだけ認められているのは、映画館の配給制度を念頭においたものであり、パッケージソフトには及ぼすべきではないという意見があるからである。高裁の判決は、この問題に踏み込むものとなった。
2001年3月27日、東京高裁は、ゲームソフトは映画の著作物ではあるが頒布権はないという判決を下した。二日後の3月29日には、大阪高裁が、頒布権はあるが消尽するという判断を下している。微妙に内容は違うが、どちらも中古販売側勝訴の判決である。
この判決に対しては、映画業界からも反発があった。ビデオソフトもゲームソフトと同じパッケージソフトだからである。
「映画の著作物」以外には、レンタル業に対応して、貸与権という権利が設定されており、レンタルCDはこれによって管理されている。それに対し、貸与権より強力な頒布権をもつ「映画の著作物」には、貸与権は設定されていない。ビデオソフトに頒布権が及ばないとすれば、中古だけでなく、レンタルにも問題が及ぶことになる。
ビデオソフトに関して東京高裁判決は、
「仮に、長く続いた事実関係の尊重その他何らかの理由により,ビデオ・ソフトについては,頒布権の及ぶ複製物に該当するとの解釈が採用されるべきであるとしても,法26条1項の前記立法趣旨に照らすと,それはあくまで,必ずしも合理的でない理由により例外的に認められたものにすぎないと考えるべきであり」
と、微妙な見解を述べている。
2002年4月25日、最高裁は、大阪高裁の判決を支持し、上告を棄却した。
中古ゲームソフト問題は、頒布権問題のため、新古書店問題とは違った道をたどった。メーカー側は、頒布権やデジタルデータである点を挙げ、ゲームソフトの特殊性を主張した。
しかし、東京高裁判決文に記載されている、メーカー側の主張に、
「近年においては,「映画の著作物」以外の著作物においても,複製物の中古品が公衆に対して販売されることによって新品の販売と異ならない著作物の享受をエンドユーザーに与えることが生じてきている。そこで,中古販売業者が新品と異ならない著作物の享受を公衆に提供し,かつ,著作物の公衆への提供行為それ自体によって経済的利益を上げることに対しては,「映画の著作物」以外であっても,著作権者が何らかの権利を行使できるとすべきであるという考え方がクローズアップされてきている」
とあるように、本来、抱えている問題点は、ほかの著作物と共通する点も多いはずである。
東京高裁判決は、この主張に対し、「頒布権を認めるべきであるとする根拠にはならない」としつつも、
「音楽CD,書籍等,頒布権が認められていない著作物について,複製物の中古品が公衆に対して販売されることによって新品の販売と異ならない著作物の享受をエンドユーザー(最終消費者)に与えるような事態が生じている場合に,現行の著作権法が規定する権利のみでは著作権者の保護として不十分であり,このような事態に対処するため,中古品販売による利益を何らかの形で著作権者に還元する立法等の措置を講ずる必要性がある,とする議論は,十分合理的に成立し得るものというべきである。」
と述べている。
資料
2001年
「アピール」 (『百太郎神社』)
アピール原文につのだじろう氏が加筆したものを掲載
2001年6月15日
「著作者の権利への理解を求める声明」 (『日本ペンクラブ』)
2000年5月30日〜
『ありさとの蔵』
リンク集「新古書店での中古コミックスの売買の話」 (2001年5月21日の日記)
「「BOOK・OFF問題」について」 (2000年5月30日の日記)
「「BOOK・OFF問題」から「出版流通問題」へ(日記抜粋)」
(2000年5月31日〜9月27日の日記)
2001年6月
「特集:マンガ喫茶と著作権を考える。」 (『「B館」--極私的マンガウォッチング--』)
2001年7月号
「マンガの読まれ方の変容」 (『maehara on-line』 初出:『潮』 2001年7月号)
2001年9月
「読者・著者・出版社と著作権」小塚昌弘
「「21世紀のコミック作家の著作権を守る会」緊急アピールについて」 みやわき心太郎
http://www.mandarake.co.jp/tv/anime/special_03.html(削除?)
2003年1月18日〜
「図書館は作家を殺す?」 (『みすらぼブログ』)
図書館問題リンク集
2003年11月25日
「マンガ貸本から著作権料」 夏目房之介
『NPO日本文藝著作権センター』
「図書館と公共貸与権」
「レンタル店と貸与権」
「新古書店とマンガ喫茶」
■報道
2000年5月11日
「新古書店、まんが喫茶に反旗 コミック作家の著作権を考える会
設立集会」
(『新文化』 2000年5月11日)
2001年5月23日
「漫画家の著作権を考える会 新古書店での売買に反対 緊急アピール発表」
(「全国書店新聞」 『JPIC財団法人出版文化産業振興財団』)
2001年6月3・4日
<新古書店ショック 変わる出版>上・下 (『asahi.com』)
http://www.asahi.com/culture/bunka/K2001060300232.html
http://www.asahi.com/culture/bunka/K2001060400489.html
2001年6月14日
「【レポート】中古ソフトと新古書店 -- 著作権が投影する現実と法制度の「ズレ」」(『MYCOM PC WEB』)
2001年7月4日
「新古書店は著作権侵害 店頭掲示パネルを配布
コミック作家の著作権考える会」
(「全国書店新聞」『JPIC財団法人出版文化産業振興財団』)
2001年7月14日
「新古書店 公立図書館 出版文化脅かす!?“強敵”台頭」 (『Yomiuri
On-Line』)
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/news/20010714_01.htm
2001年11月
「新古書店と漫画喫茶のコミックス」 (共同通信社配信記事)
2002年11月
「「MANGAサミット」報告」 (共同通信社配信記事)
2002年11月12日
「レンタル商売の夜明け?」 (『新文化』)
2003年1月23日
「講談社や小学館、貸し出し専用マンガ発行へ 貸与権も要求」 (『NIKKEI
NET』)
http://www.nikkei.co.jp/weekend/news/03012401012401170400.html
2003年2月10日
シンポジウム「書籍流通の理想をめざして」開催
「シンポジウムのお知らせ」 『日本文藝家協会』
「本が売れない、何が問題 出版関係者集まりシンポ」 (『asahi.com』)
http://www.asahi.com/national/update/0211/005.html
2003年5月31日号
「「買う」から「借りる」へ マンガ文化 曲がり角」 (『Yomiuri
On-Line』)
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/comic/0531_01.htm
2003年5月16日
「まんが喫茶の漫画、使用料支払いで漫画家、出版社と合意」 (『知財情報局』)
2003年6月20日
「特集:進むマンガの著作権保護 作家ら、貸与権協議会設立へ」
(「まんたんぷれす」『まんがたうん』)
2004年1月23日放送
「対決!漫画家VSレンタルコミック店」 (『MBS 毎日放送 インターネット』)
■図書館問題
2003年1月18日〜
「図書館は作家を殺す?」 (『みすらぼブログ』)
図書館問題リンク集
2000年4月20日
「増加一途の図書館貸出冊数−書籍販売の伸びをおびやかす一要因」 能勢仁
(『新文化』 2000年4月20日)
2000年5月11日
「図書館の貸出増加は書籍販売を脅かすのか」 (『新文化』 2000年5月11日)
2000年12月号
「図書館は「無料貸本屋」か」 林望 (『文藝春秋』 2000年12月号 p294-302)
2001年6月15日
「著作者の権利への理解を求める声明」 (『日本ペンクラブ』)
2001年7月10日
「日本ペンクラブの「著作者の権利への理解を求める声明」について(見解)」
(図書館問題研究会第48回全国大会)
2001年7月14日
「新古書店 公立図書館 出版文化脅かす!?“強敵”台頭」 (『Yomiuri
On-Line』)
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/news/20010714_01.htm
2001年10月号
「図書館栄えて物書き滅ぶ」 楡周平 (『新潮45』 2001年10月号)
2001年10月号
「公共図書館を通じての貸出について」 楡周平 日本推理作家協会会報
2002年2月3日
「おれたちは絶滅するか?」 馳星周 (『馳星周公式サイト「Sleepless City」』)
http://www.hase-seisyu.com/note/020203.html
2002年2月25日
「図書館354件へのアンケート」 (『日本ペンクラブ』)
2002年4月30日
「図書館の「無料貸本屋」論争 ルール作りへまず一歩」 (『asahi.com』)
http://www.asahi.com/culture/book/K2002043001255.html
2002年6月16日
「図書館 自ら考え、学ぶ人のために」 社説 (『Mainichi INTERACTIVE』)
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200206/16-2.html
2002年9月7日
シンポジウム「激論! 作家 vs 図書館 ―どうあるべきか―」 日本ペンクラブ主催
イベント案内「激論! 作家 vs 図書館 ―どうあるべきか―」 (『日本ペンクラブ』)
言論表現委員会シンポジウム「激論! 作家vs図書館 - どうあるべきか -」 (『日本ペンクラブ』)
2002年9月11日
「ベストセラー大量貸し出しめぐりシンポ」 (『Yomiuri
On-Line』)
http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/news/20020911_01.htm
2002年10月7日
「図書館問題をめぐる作家と図書館の大激論」 (『創』 2002年11月号 p98-118)
2002年
「クローズアップ現代 放送記録 11月7日(木)放送
ベストセラーをめぐる攻防 〜作家VS図書館〜」 (『NHKオンライン』)
2002年11月18日
「揺れる図書館(上)貸し出しは出版脅かす?」 (『Yomiuri
On-Line』)
http://www.yomiuri.co.jp/katsuji/news/tosyokan/20021118_01.htm
2002年12月
「NHK「クローズアップ現代」に対する図書館の見解」 町田市立図書館 (『町田市公式Webサイト』)
2002年12月4日
「また、図書館」 馳星周 (『馳星周公式サイト「Sleepless City」』)
http://www.hase-seisyu.com/note/021204.html
2002年12月23日
「私たちのための「図書館」へ」 (『Mainichi INTERACTIVE』)
http://www.mainichi.co.jp/eye/hassinbako/2002/12/23.html
2003年
「本が売れない、何が問題 出版関係者集まりシンポ」 (『asahi.com』)
http://www.asahi.com/national/update/0211/005.html
2003年8月
『図書館への私の提言』 三田誠広 勁草書房
2003年11月8日
シンポジウム「作家・読者・図書館 - 公貸権を考える−」開催
「図書館と公共貸与権」 (『NPO日本文藝著作権センター』)
■CD
2002年4月10日
「日本のレコード産業からの提言」 日本レコード協会
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki/dai2/s_06.pdf
2002年4月
「中古音楽CD「販売禁止を」」 (共同通信社配信記事)
2002年
「「日本のレコード産業からの提言」に関する意見書」 『ARTS』
http://www.arts.or.jp/docs/hanron.pdf
2002年5月21日
「中古ゲームの次は中古CD――レコ協とARTSが対立」 (『ZDNet』)
http://www.zdnet.co.jp/news/0205/21/nj00_used_cd.html
■海外
2001年1月4日
「Amazon.comの古本売買に作家/出版社が抗議
」 (『ZDNet』)
http://www.zdnet.co.jp/news/0101/04/b_0103_39.html
2002年4月12日
「作家団体がAmazonの古本販売に抗議」 (『ZDNet』)
http://www.zdnet.co.jp/news/0204/12/b_0411_17.html
2002年4月17日
「Amazon「古本販売は出版業界に貢献」」 (『ZDNet』)
http://www.zdnet.co.jp/news/0204/17/b_0416_24.html
■掲示板 2001年 〜
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最後に個人的な見解を少し。
利益還元には賛成なのですが、これまでの「考える会」の主張にはあまり賛同できません。
今後、読者(消費者)も含めた形で議論を深めることによって、何とか合意点が見つかればよいと思っています。