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古 本 |
古本屋の種類
古本屋には様々なタイプがあり、はっきり分類できるわけではないが、ここでは便宜上幾つかに分けてみたい。
まず、よく行なわれる分類だが、古書店と古本屋の違いがある。
「古本屋」という言葉は、古書店を含む広い意味もあるが、「古書店」と対比して使われる場合は、古書店を含まない狭い意味になる。
古書店とは、広義の古本屋と同じ意味で使われることもあるが、古書と呼ばれるような、プレミアのつく絶版本に重点を置いている店を指すことが多い。そうでないのが古本屋であるが、はっきり二つに分けられるわけではない。古書に重点をおいていても、商品量や売上では、それ以外が多い場合もあるし、古書店志向を持ち、若干の古書を扱いながらも、立地条件など様々な理由から、古書にそれほど重点を置けない場合もあるからである。
次に、新しいタイプか古いタイプかという違いがある。
従来の古本屋は、狭い店舗で個人経営という場合が多かった。これに対し、1980年代頃から、新しいタイプの古本屋が増えてきている。
新しいタイプの古本屋の特徴としては、会社組織、チェーン展開、大規模店舗といったものがあげられる。この特徴を特に強く備えているのが、後に述べるリサイクル書店である。
古書店は多くが古いタイプに属する。まず、本に対する膨大な知識が必要な古書店は大規模な展開が難しいという面がある。また、ある程度古書に力を入れていても、大規模店の場合、それ以外の本が多いため、店側の意識は別として、印象としては、古書店というよりも古本屋になってしまうという面もある。
新しいタイプの古本屋をすべてリサイクル書店と呼ぶ場合もあるが、ここでは分けて考えたい。リサイクル書店といった場合にまずイメージされるブックオフ型の店とは別に、古書にも力を入れる、新しいタイプの古本屋もあるからである。
古本屋の新しい形がいつ頃から始まったのかはよく知らないが、1980年代の前半には、既に存在していた。
その中のひとつに、まんが堂がある。『まんだらけ風雲録』によれば、まんだらけの店舗を仲介した不動産屋が、まんだらけに、一緒に全国展開のチェーン点をやらないかと持ちかけたが断られたため、独自にはじめたものだという。
その時点でまんだらけに目をつけながらも、古書マンガを扱おうとはしなかった点、フランチャイズ方式で全国展開を狙った点など、後のリサイクル書店を先取りしていたといえる。経営者の親戚で女優の東てる美を店長とするなど話題作りもうまく、マスコミに取り上げられることが多かったのも、ブックオフに似ている。
一時かなりの店舗数を誇ったはずのまんが堂の話を最近はあまり聞かなくなった。その理由はわからないが、外から見た印象だけを元に言えば、方針は新しくとも店から受ける印象はそれまでの古本屋を引きずっており、リサイクル書店に比べ、中途半端だったといえる。
80年代中には、古書も扱う新しいタイプの古本屋が幾つもできており、90年代に入ってからのリサイクル書店とはまた別の流れを作っている。
リサイクル書店
1990年のブックオフ創業が、リサイクル書店の始まりといえる。リサイクル書店とは、徐々に成立したのではなく、ブックオフが成立させた概念だといえるからである。ここでは、ブックオフを中心に、リサイクル書店の特徴を見てみたい。
ブックオフの特徴として、フランチャイズ展開、明るくきれいな店舗、整理された商品ということが言われ、コンビニにたとえられることも多い。しかし、ブックオフでもっとも特徴的なことは、商品の価値判断をしないことであろう。3ヵ月売れない本は100円にするなどの間接的な価値判断や、本の状態による判断は行なっていても、人気商品だから、買値や売値が高くなることはあまり無い。
それ以外の特徴は、ほかの業界でも一般的なことであり、それほど目新しいことではない。また、古本業界でも、やっているところが無かったわけではない。
しかし、商品価値の判断をしないというのは、ほかの業界と比べてみても、かなり特殊なことである。例えば、コンビニが、POSレジを利用して、単品レベルでの売れ筋の細かいチェックを行なっていることに比べると、全く違うやり方だといえる。
古本屋では、あまり古い本や特殊な本は扱わない店であっても、扱う商品の種類は、コンビニに比べて膨大なものになり、これを、コンビニと同じシステムで管理するのは非常に難しい。つまり、ブックオフでは、商品価値の判断をしないというコンビニとは違うシステムを取ることによって、表面的にはコンビニ的な店舗を作ることができたといえる。
古本屋というのは、従来価値判断に重点をおいてきた。古書店では当然価値判断が重要になるし、古本屋でも、売れ筋の判断は重要である。古書を扱わない古本屋は、「扱えない」と言う意味が強かった。 それに対し、ブックオフは、「扱えない」のではなく「扱わない」という姿勢をとったところに特徴がある。
ブックオフ以外のリサイクル書店は、基本的にはブックオフのやり方を踏襲しているが、若干高価買取を取り入れているところが多い。競争の激しい状態では、商品力にも気を配らなければいけないからであろう。
リサイクル書店は、古書店的な意味での商品力は弱いのだが、リサイクル書店が得意としている商品に雑本がある。リサイクル書店の扱っている本はすべて雑本ともいえるが、そのなかでも、あまり魅力の無い本の扱いがうまいのである。
古書に対し雑本は、その名前から見ても、軽く扱われていた。古書が、いい本さえ集めれば、狭い店舗でも魅力的なのに対し、雑本はある程度スペースを取って選択の幅を広げなければ魅力が出にくい。
リサイクル書店は、従来の古本屋より広い店が多く、100円コーナーを大胆に導入することによって、それまでとは違う意味での、商品の魅力を引き出すことができた。従来の古本屋は、商品価値を判断するといっても、雑本に関しては定価にとらわれることが多く、均一コーナーはそれほど広くないのが普通であった。リサイクル書店では、3ヵ月売れなかった本を100円にするという機械的な方法で、一冊ずつではそれほど魅力が無い本に適性価格を与えることに成功したといえる。
本の廃棄問題
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古本事典
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帯
新刊書店では、帯は商品の一部とは言えないが、古書の場合、帯は重要な商品の一部であり、本体より帯の方が価値を持つ場合もある。逆に、リサイクル書店では、わざわざ捨てることも多いようである。
キキメ
全集・シリーズなどの、特に手に入りにくい巻。後期の配本で極端に部数が減ったり、別巻などで特に人気のある内容だったり、問題を起こして回収された場合などに生じる。
組合
古書店と呼ばれるような店が中心となって組織されている。基本的には都道府県単位の組織であるが、入会すると、全国の市に参加することができる。
研磨
日焼けなどで変色した、本の小口部分を削ること。紙やすりを使う場合と、研磨機を使う場合がある。リサイクル書店などで行なわれている。新刊書店からの返品分を、出版社が研磨する場合もある。本を削ることを嫌う人もおり、古書店などで、削った本が安くなる場合もある。
研磨機
リサイクル書店でよく使われている研磨機は、紙やすりのようなものを高速で回転させている。やり方にもよるので、単純に比較はできないが、手作業での研磨よりきれいに仕上がる。また、研磨の際に出る粉を吸引できるようになっており、健康にも配慮されている。ただし、簡単に削れてしまうため、削りすぎたり、削る必要のない本まで削りがちであるという問題点がある。削りすぎると、表紙とカバーのサイズが合わなくなるが、前小口側の表紙を削らないようにするタイプの機械もある。また、ハードカバー用の特殊なものもある。
セドリ
相場より安く古本屋の店頭に並んでいる本を、転売を目的として購入すること。また、その人。
専業としてのセドリは、一旦はほぼ全滅したようである。
現在では、古本屋が他店から抜く場合のほかに、インターネットオークションの発展を背景に、多くの人によって行われている。
元帯
文学賞受賞などで、帯がかけかわった場合の、最初の帯。
元パラフィン
買った人が後からかけたパラフィンではなく、商品の一部として本来ついているパラフィン紙。元パラ。
ヤケ
日焼けなどで小口が茶色くなったり、カバーが褪色している状態。日焼け以外が原因の場合もある。褪色は、特にオレンジ系が激しく、背表紙が真っ白になる場合もある。
最終更新:2006年 5月20日