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出版業界の
原稿管理問題

2005年4月12日更新


 2003年、マンガ原稿の流出事件が起こった。さくら出版から流出した大量の原稿が、古書店まんだらけで売られていたという事件である。ここでは、この事件自体ではなく、その背景となっている、出版業界の問題点を扱う。
 かつては、出版業界では、原稿は出版社のものであるという意識が強かったようである。そして、現在でも、その意識が消えてしまったわけではないようだ。
 『私の岩波物語』(山本夏彦 文藝春秋 1994年)に、原稿返却に関する文章がある(文春文庫では253・254・357・358p)。
 それによれば、
「昭和三十年代まで文でも画でも原稿は返さなかった。」
「洋画家の宮本三郎がやかましく言って、画稿を返させてこのことはなくなった。文芸家協会もまねして戦後、文章の原稿も返せと言いだした。」
「漫画が単行本になりだしたので、昭和四十年代から、さしえカットまで原稿はすべて返すようになった」
ということである。
 ここで興味深いのは、マンガに関しては、返却要求ではなく、単行本化を原因としてあげていることである。すがやみつる氏も、「ぼくのマンガ原稿物語」で、原稿の扱いの変化について、「その最大の理由は、新書判コミックスの登場でした。」と述べている。



リンク・資料

マンガ

すがやみつる:「ぼくのマンガ原稿物語
 ■ぼくのマンガ原稿物語(連載開始にあたって)
 ■マンガ原稿は、本当にゴミも同然だったのか?
 ■マンガ原稿がドル箱になった日
 ■目撃! ゴミとして捨てられていたマンガ原稿
 ■本のオマケになっていた劇画の原稿
 ■ファンへのおみやげになったマンガ原稿
 ■切りきざまれた『二級天使』
 ■消えた『怪傑ハリマオ』
 ■『サインはV!』も『ワイルド7』もトレスした
日本のマンガ・アニメーション、漫画家からの視点」 (『日本財団図書館』)
 2001年9月10日に行われた「マンガ・アニメーションを東京の顔に」の会議録。
オリジナルアート残酷物語」 (『箱男』)
 アメリカの事情の紹介。

 マンガ家による体験談など

唐沢なをき:『百億萬円』 あとがき (アスペクト 2000年)
川崎ゆきお:「川崎ゆきお日誌 02年 3月」 3月17日 (『川崎ゆきおサイト』)
川島れいこ:2003年 6月25日 (水).......原稿紛失事件(その2)
        2003年 6月26日 (木).......原稿紛失事件(その3)
        2003年 8月 6日 (水).......飲み会
        (「書きんこコーナー・・・」 『REIKOの部屋』)
昆童虫:2003/07/05(土) 無題  『針穴日記
士崎多結 :「しさき の ひとりごと」 2001/07/28 (『士崎多結 ■ENDORPHIN■』)
すがやみつる:「「あらし」復刻出版決定!」 (『すがやみつるHomepage』)
鉄観音千夜:「日常のあれこれ」 2月26日 (『殺人社,Inc』)
葉月暘子:◇これは人から聞いた話だけど、 (「勝手に気になるマンガ」 『ぱらら』)
ますむらひろし:「管巻きスネール」 「コスモス楽園記」原稿の動き 恐怖の原稿返却 (『ごろなお通信』)
森生文乃:「うたての小部屋」 3/9 (『まんが畑』)
山本貴嗣:「漫○家残酷物語・漫画家編U」 その12  生原稿U (『あつじ屋』)
ロケット兄弟:「ロケット日記 2001年9月」 9月27日 (『ロケット兄弟HP』)

 裁判報道・判決文

須藤真澄:「日本ユニ著作権センター/判例全文・1998/10/22
岸香里:「損害賠償: 原稿紛失した学習研究社に支払い命じる 東京地裁」
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200208/26/20020827k0000m040116000c.html

マンガ以外

http://www.bent.co.jp/main/personal/ymst/02/naiyo_tx.htm
TSUTSUI YASUTAKA CLUB221 51〜55」 (『筒井康隆ホームページ』)
『戦後「翻訳」風雲録』 185p-196p 宮田昇 本の雑誌社 2000年

参考

『新著作権法問答』 佐野文一郎・鈴木敏夫 新時代社 1970年
 「問132 (原稿、原画の帰属) なま原稿や原画の所有権は出版社にありますか。」

この項では、出版社の権利は明確に否定されている。答えている佐野氏は、現行著作権法起草作業時の著作権課長。

原稿買い取りは著作権譲渡?
外国著作権法令集 イタリア編 第1編 著作権に関する規定」(『社団法人 著作権情報センター』)
詳しいことはわからないが、イタリアの著作権法には、次のような条文がある。
「第43条  雑誌または新聞の発行者または編集長は、送られてきた記事の原稿を保存し、または返却する必要はない。」


2005年 4月12日更新
最終更新2006年3月15日


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