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今夜の番組チェック

FUJITAKEさまより
幕末について

 
幕末。
 大抵は坂本龍馬。
 或いは新撰組。
 まあ、そんなところか。
 いや、一番多かろうと思ったまでで、他の諸氏を無視したわけで
はないので、念のため。

 ところが私の場合、幕末というと何故か思い出すのはNHKの金
曜ドラマ「天下堂々」である。
 といっても、ご存じない方がほとんどであろう。
 その方が都合がいい。(笑)
 かく言う自分の記憶自体が、かなり怪しいのだ。
 確か、篠田三郎と石橋正次が出ていた気がするが。
 そこで、インターネットで検索してみた。
 実はタイトルすら失念していて、「NHKドラマ」でライコスに
教えてもらう。
 なんて便利な世の中になったのだろう。

「天下堂々」
 1973.10.5〜1974.9.27
 演  出:岡崎栄
 脚  本:早坂暁
 キャスト:篠田三郎、高松英郎、村野武範、石橋正次

 なるほど、早坂暁であったか。
 しかし、内容に言及しているものがあまりない。
 天保年間が舞台とあり、幕末なのだろうがやや早いか?
 まあいい、と勝手に納得する。
 主役は篠田三郎演じる、若侍だったと思う。が、当時小学生だっ
た私には、若侍に結構馴れ馴れしい町人だか農民役の石橋正次の方
がカッコよく見えた。

 細かい内容など、まるで覚えていない。
 そういえば水野忠邦が出てきた。
 架空の人物である主人公は、この水野忠邦をはじめ高野長英など
の大物と邂逅しつつ、歴史のうねりに巻き込まれていく・・・・・・って
な感じだったと思う。
 漠然と覚えているのは、主役級の四人の若者たち。
 この四人のうち、篠田=若侍と恋仲なのが秋吉久美子演じる武家
の娘、石橋正次とつかず離れずの微妙な関係なのが桃井かおり、だ
ったと思うのだが。

 はっきりしないこと夥しいが、仕方あるまい。
 この頃だとVTRかフィルムか微妙なところだが、VTRならば
残っていまい。
 NHKはまだ高価であったVTRテープを、OA後に消して使い
回していたからである。
 そんなわけで、記憶を新たにする方法もなければ、この文章の間
違いを指摘する根拠もないというわけだ。(笑)

 なんにしろ、そんな彼らがやけに生き生きとしていて、エネルギ
ッシュだったのは役者の演技力なのか、演出の力か。はたまた、脚
本であったのかはこの際どうでもいい。
 小学生にとっても妙に魅力的な時代、だったような気がするのだ。
 お伊勢参りじゃ、と踊りながら伊勢に向かう人びと。
 いわゆる、ええじゃないか、ってヤツだ。
 ドラマで描かれたそんな世相にも、妙なエネルギーを感じたり。
 ちなみに私は、ええじゃないかというムーブメントと水野忠邦と
いう名前を、このドラマで覚えた。

 さてこのドラマのラストだが、改革(だったと思う)に積極的に
関わっていった彼らのうち、石橋、桃井の二人は死んでいく。
 その二人が命がけで逃がした篠田、秋吉はいかだで日本を脱出。
 このへんは曖昧なんだが、ラストシーンは鮮烈に記憶している。
というより、ちゃんと記憶しているのはラストだけなのだが。

 手傷を負った篠田は包帯に染みた血の痕も痛々しく、愛する男と
一緒にいることを望んだ武家の娘=秋吉は、結果的に家族も祖国す
ら捨てることとなった。
 だが、彼らの表情は悲壮感に満ちていたか?
 否。
 小さないかだの上は、希望でいっぱいだった。
 そして包帯代わりの布をはずして広げると、意外と大きかったそ
の布の真ん中に血痕が丸く・・・・・・。
 日の丸である。

 そういえば、もう一作思い出した。
 NHK少年ドラマシリーズの「幕末未来人」である。
 まあ、これはいいか。
 無名時代の古手川祐子が、出ていたりするが。
 
 幕末って、熱い時代だったんだろうなぁ。
 それに比べて、いまの日本の元気のないことといったら。
 戦争に負けたのに植民地にはならなかったし、分割統治も免れた
この国は最も大切な覇気を奪われたような気がしてならない。

 幕末と聞くと、このドラマを思い出す。
 ラストの日の丸に象徴される、外の世界に向けて漕ぎ出す日本を
暗示したこの結末の期待感と体感温度のようなものが、鎖国という
枷を解き放とうとした若者たちの発する体温と近いのではないかと
感じるからかも知れない。

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