[PR]薬用プロアクティブ公式サイト:実力派にきびケア、60日間返金保証



7月5日(土)

No.37 キューピッド様

■オカルトには結構興味があった。小学生時代は「自分は霊感がある」と信じて、必死になって般若心経を覚えた。修学旅行では肝試しをやることになっていたのだが、もしものときに備えてとあらかじめ購入しておいた1500円の水晶を持って「これがあるから大丈夫」と霊能力者を気取ったりもした。

なのに一向に霊感の「れ」の字も出てこねえんだよな、とそんなことを考えながら久しぶりに某巨大掲示板の「オカルト板」なるものを閲覧していた。面白いことは面白いのだが、ぬぐいきれない背徳感がいつまでもつきまとうのがオツである。

一番初めに見たのは「スプーン曲げ」なるレスだ。スプーン曲げについてのやり方やその真偽などが書き連ねてあったのだが、「オレもできる」「簡単だよ」の書き込みが乱立する中、とうとう切れたある訪問者の言葉。





[11]ブル 02/04/11 2:08 18AkXHM7tju

だ〜か〜ら〜! みなさんのやり方はテコの原理なのですよ。
そんなんコツを掴めば誰でもできます。
本当のスプーン曲げというのは、細い部分より上に触らない
或いは細い部分を軽くつまんだ状態だけで、イメージの力だけで頭の部分を揺らしながら細い部分に亀裂を入れて、曲げるというより切るという感じで折るのです。
イメージの力が大事なのですよ、イメージが!
マリックさんのはハッキリ言ってしまえば「手品」です。





今日も熱い議論が繰り広げられているようであった。

さて自分とオカルトがいかに無関係であるかをちょこっとだけ前述した。もう本当にそういう体験には恵まれていなくて、アルバイトのちょっと霊感ありげな女性から「叢雲クンはホントに霊感なさそう」と笑われたくらい。しかし、そんな小生でも、怖いもの見たさで馬鹿をやったら、本当に怖い目にあったことというのがある。

読者諸君は『キューピッド様』というお遊びを知っているだろうか。上級生から下級生に語り継がれ行く退屈な学校生活に刺激を与える、もはや説明も不要であろう「こっくりさん」。その異名を冠するお遊びだと了解していただきたい。これを中学校の頃、後輩たちに囲まれて、生徒会の教室でやったことがある。(当時小生は生徒会・副会長。対抗馬なしの激戦を勝ち抜いた)

遊び方はこうだ。

入り口、出口、ひらがなの五十音図、はい、いいえ、を書いた紙を用意する。次にペンを入り口の上に置き、 参加者全員がそのペンを持ち合い、「キューピットさん、キューピットさん、出てきて下さい。」と詠唱するのである。で、「キューピットさん、出てきてくれましたか?」と聞いた後、ペンが動き出せば、キューピットさんが降りて来たという事で、この遊びが始まるのだ。

そして、キューピットさんに何かを聞いたり、占ってもらったりと遊び方は色々ありますが、とにかくキューピットさんが教えてくれる事はまず外れないという事が前提である。そして最後に重要なのは、「勝手に終わるのはタブー」ということである。必ず「やめていいですか」とキューピッド様に承諾を得なくては成らない。

はてさて、この調子で小生たちも始めてみたのだが、たしか3度目くらいでペンが動き出したように記憶している。その場にいた全員(たしか四人、見ていたのが一人だったかな)が「えっ」と驚愕の声をあげた。

そこで思うのはまず「誰か動かしているな」ということである。小生もどうせその線だろうと思い、「誰か動かしているだろ」と勝手に動くペンを持ちながら問い詰めてみたのだが、「誰も動かしてない」という答えしか帰ってこない。はっこれだからガキは、とか心の中で毒づいていたのだが、まあそんな状況にもなれ、残りの三人がキューピッド様にお願いをしてみることに。

それでなんだか当時の学生にはありがちな「○○ちゃんの好きな人は誰ですか」「わからない」「○○ちゃんは両思いですか」「はい」といったような妙にかみ合わない「恋の相談話」をぼろぼろとこぼすことになったのだが、驚くことにペンがすらすらと動くのである。まあどうせ誰かが動かしているんだろうけど、と疑いを抱く小生。そして悲劇が起こったわけである。

そろそろネタも尽きてきたので終わりにしようという参加者からの意見。そこで一人が「終わりにしてもいいですか」と質問すると、

いいえ

ぎょっ、である。まあ誰かが動かしている以上予想はしていたのだが、いやはや全く盛り上げるのに必死な連中だな、と思った小生は「おいおい、もうやめようぜ、どうせ誰か動かしてんだろ?」とおどけてみせたのだが、参加者は首を横に振るばかり。そこで女の子が一人、口を開いた。

「もしかして、この中に天罰をくだしたい人がいるんですか」

もうこの時点で「ああ、こいつだな、ペンを動かしていたのは」と確信していると「はい」と答えが。嫌なキューピッドだ。「それは誰ですか」との問いに、「○○○○○」と結構な速度で紙の上をペンがすべる。それは参加者の中でも一番可愛い女の子の名前だった。「ええっどうしよう……」と泣きそうになる少女。そこで女の子が「どうすれば許してくれますか」と答えるのだが、こっからが怖い。

ペンが、まるで目でもついたかのように動いたのである。出てきた文字は、

「い」、「ぬ」、「の」、「ち」、「を」、「の」、「む」

犬の血を飲む!

騒然となる周り。だが小生は怖がるふりをしながら、「なんて物騒な参加者だ」参加者が動かしてると疑う気満々でした

そこで、どうしてもお下がりくださらない参加者キューピッド様に、今度は小生が一案だした。どうせ女の子が動かしてるんだろうと踏んだ小生(参加者は小生以外女の子)。そこでこう質問をした。

「では彼女(恨みを受けた人)が暴露大会をします。そうすりゃ終わらせていいですよね」

はい

やっぱり許した(笑)。女の子の喜びそうなネタだもん。暴露大会なんて。この中の女の子が動かしてる線もありそうだと疑いだす小生……それは置いといて「早く暴露しちゃいな」と小生にせかされた後輩は「○○クンが好きです!」と顔中を赤面させながら答え、一幕を閉じたわけである。

「途中でひやっとしたけどさ、お前ら……結構残酷なことするよな」と小生は後輩を横目で睨む。だがやはり誰も「あたしじゃないわよ!」の一点張り。「はいはいわかりましたよ」と大人らしく肩をすくめて、あの場で唯一傍観していた男の後輩と学校を後にしたのだ。

帰り道、後輩も小生もめずらしく興奮した様子で「女って怖い」と笑いながら歩いていたのだが、ふと小生は疑問を感じた。あの「犬の血を飲む」の場面である。

質問に、即座にペンが動き、まるでペンに目がついたかのように動いていたときのことだ。

「い」から「ぬ」までの移動時間が、人が動かしたにしては早すぎはしなかったか? 例えば諸君も試してほしいのだが、ペンを持った状態で五十音順の一文字一文字を丸く囲い、ペンを紙につけたまま他の文字を囲いに行く行為を繰り返すとき、必ず「次の文字はどこか」を目で追わなければならない。ここでいったんペンの動きは停止する、百歩譲っても一瞬遅くなるはずなのだ。あるいはそれをしないと、あさっての方向にいってしまい、下手をすればいったりきたりをする羽目になる。

それがなかったのである。小生の記憶が確かならば、全て等間隔。つまり、「い」の次は即座に「ぬ」へいったし、「の」のつぎは同じ速度・一直線で「ち」にペンは向かった。

また、「何をすれば許されるのか」という質問を受けてからペンが動き出す時間が「即座」であった点も、ちょっと考えれば変だ。その子が質問する内容を予想でもしないかぎり、即座に答えるということは難しいのである。百歩譲って誰かがこういう展開に陥れようとしてたとしても、先ほど述べたペンの動きが一直線だったこと。これの説明がつかない。

つまり、実はペンは誰も動かしてなかったという発想が、小生の中で現実味を帯びてきたわけである。げげっ。

当然、暴露をした少女は次の日も元気そうに顔を見せてくれたのだが、今思えばなかなかに不可解な事件であった。世の中には踏み入れたら危ない領域というのはやっぱり存在するようだ。

長々と書いたが、以上が小生の体験した恐らく最初で最後の心霊体験(微妙)である。夏ということで、少しはひやっとしていただけたら幸いだ。終わり。


トップへ戻る


←後ろへ戻る次へ進む→

[PR]中古車探しは、ガリバー:在庫多数、全車保証つき!