| ミシシッピ・ワニ | American Alligator |
アリゲーターは合衆国南部・ノースカロライナの沿岸部からメキシコとの国境を流れるリオグランテ川の下流域まで分布している。ワニ類の主流・クロコダイルと比べて口先の幅が広く、頭部が角張っており、全体にごつごつした印象だ。成長すると3m以上になり、稀には4mを超えるものも現れる。
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合衆国南部諸州に棲むアリゲーターで最大の記録としてよく知られているのは、アメリカのナチュラリスト、E. A. McIlhenny が1890年1月2日にルイジアナで射殺したもので長さ5.8mもあった。 McIlhenny はこのワニは寒さでほとんど動けない状態にあり、また冬眠もできないほどの老齢でその冬を越すことはできなかっただろうという。 その11年前の秋には、McIlhenny の教師が5.6mもあるアリゲーターを仕留めている。まだ少年だったMcIlhenny は家の近くの河口に棲んでいたこの大きなワニを Old Monsurat と呼んでいた。ワニの死体を家に運ぶのに4頭のウマが必要だった。 →フロリダ中部で Jerry Flynn が捕獲したアリゲーター、長さ419cm、体重約360kg | ![]() |
↑Florida Power and Light Company の作業員がフロリダで工事中、電線埋設用のパイプに入り込んでいたアリゲーター。長さ5.5m? 最近の話のようだが詳細は不明。写真から推してかなり大きいが… |
第2次大戦中、フロリダで戦闘訓練を受けたジョージ・S・フィッシャー(1966)はそこでの障害物突破訓練で次のような経験をした。 最終コースが広く浅い水たまりをロープを使って向こう岸までジャンプするというもので、暑くて既に汗だくになっていた訓練兵達は、池の中程まで跳んでわざと落ちてしまうのだった。 そんなある日、指導教官の中尉は池の中に1頭のミシシッピワニを放すという奇手に出た。 その時以来、兵士達は水際を4.5mも離れたところからジャンプし、向こう岸でもできるだけワニの口から遠くまで跳んでから着地する仕儀となった。 ワニの方は頭上を音を立てて跳んでいく人間にも興味を示さず、じっと眠っているかおとなしく日光浴をしていた。しかし外見がいかにも凄いのと、ワニの怖い話を聞かされていたので訓練の成果は上々だった(リーダーズダイジェスト)。 |
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2004年3月4日、アメリカ・ジョージア州南部のサバナ近くで大きなアリゲーターが目撃された。U.S. Fish and Wildlife Service によるとシカをくわえていたこのワニは約4m。写真は計画的な火災を発生させる目的で飛んでいたヘリコプターから撮影された。それまでにも大きなアリゲーターがシカを襲うという話は知られていたが、確認されたことはほとんどなかったという(USFWS)。 ※ yasunori さんから知らせていただきました。 ![]() |
| 全長(cm) | 体重(kg) | 場所・備考 |
|---|---|---|
| 531 | − | フロリダ、Lake Apopka(1956)。Wilfred T. Neill による。 |
| 473 | − | Hurlburt, G. R(2001)による。 |
| 452 | 450(推定) | テキサス(1929)、W. T. Block が射殺。 |
| 450 | − | フロリダの Silver Springs にある Ross Allen's Reptile Institute に飼われていた Big George という名のワニで1967年に推定59歳で死亡。最後の17年間は長さの伸びはほとんどなかったという。 。 |
| 437 | 400(推定) | テキサス(1998) |
| 428 | 約360 | フロリダ、St. Johns River(1997) |
| 425 | − | フロリダ、Polk County(2001)、罠師の Charles Fagan が射殺 |
| 423 | 473 | フロリダ、Orange Lake(1989) |
| 408 | 345 | フロリダ、Palatka(2004)、Bruce Ditto と Rinnert of Grandin が射殺。 |
| 396 | − | フロリダ、Lake George(2001)、Florida Fish and Wildlife Conservation Commission による。 |
| 393 | − | フロリダ、Lake Okeechobee(1996) |
| 391 | 約270 | テキサス(2002)、ヒューストンの Mike Bogart がピストルで射殺。 |
| 384 | − | ノースカロライナ、Carteret County(1981)、ノースカロライナはアリゲーターの北限とされる。 |
| 381 | 301 | Journal of Zoology of Londonによる。Hercules という名の飼育個体。咬む力964kgを記録。 |
| 379 | 374 | ニューヨーク動物園で飼われていた。Raymond Ditmars(1936)による。 |
| 368 | 208 | Clifford H. Pope(1966)による。 |
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2003年3月8日、フロリダのウエスト・パーム・ビーチで9歳の兄と遊んでいた6歳の Jesse Valdez は突然、ワニに襲われ近くの運河まで引きずられた。Jesse の叔父(25歳)が駆けつけた時、ワニは子供をくわえて運河に入り込んだところだった。彼は子供の腕を掴んで引き離そうとした。一度は放したがワニは再び子供に噛みつき、叔父とワニとの引っ張り合いになった。そして子供を救出することに成功した。 二人は病院へ運ばれ手当を受けた。子供は腕や肩、背中にかなりの傷を負っていた。叔父も右手を咬まれていたがたいした怪我ではなかった。 Florida Fish and Wildlife Conservation Commission (FWC)の Dennis Perkins がその日の内に到着し、長さ290cm、体重147kgのアリゲーターを捕獲した。 フロリダ州で起きたワニによる人間への被害は記録を取りだした1948年以降、275件に及ぶ。うち死亡した例は約20件だという。 最近では2006年11月29日に、フロリダ中部の池で45歳の男性がワニに水中へ引きずり込まれた。駆けつけた保安官4人が池に飛び込み被害者を救出した。男性は左腕部を失い、右腕骨折するなどの重傷を負った。 ワニに襲われた経緯は不明だが、男性は被害に遭う前、コカインを吸引していたことを認めたという。池を捜索した結果、加害者と見られる3.6mのワニを捕獲した(CNN)。 ※ このニュースはac7059さんから知らせていただきました。 |
2004年7月21日、フロリダの Sanibel で54歳の造園家の女性がアリゲーターに襲われ重傷を負った。彼女はワニに噛みつかれ池に引きずり込まれたが、近所の人や警官が女性をワニの顎から引き離した。射殺されたアリゲーターは全長373cm、陸に引き揚げるのは6人がかりだった(CNN)。 |
動物図鑑ではおとなしい種類だと解説されることが多いアリゲーターだが、あくまでワニのなかではということだ。大型の個体ではウシを襲うことがあり、またイヌはよく殺されている。
2006年5月9日夜にマイアミで運河の付近をジョギング中に姿を消した女性が、アリゲーターに襲われて亡くなっていたことが11日に明らかになった。建設作業員が10日、運河に浮かんでいる女性の死体の一部を発見。検視解剖の結果、死因はアリゲーターにかまれたショックと出血によるものと判明した。
検視解剖を行った医師はアリゲーターは女性を襲い、両腕を食いちぎり、足と背中をかんで水中に引き込んだと述べ、女性の体に引きずられた跡が無いことから、襲われた際に女性が運河の縁の非常に近くにいたと思われる、との見解を示した(ロイター)。
※このニュースはわたぴーさんから知らせていただきました。
5月14日、BBC はジョギング中の女性 Ms Yovy Suarez Jimenez を殺したアリゲーターが捕獲されたと報じている。ワニは彼女が最後に目撃された橋の下に仕掛けられた罠にかかったという。ワニは全長2.9m、その胃から2本の人の腕が見つかった。
ワニは彼女の腕を噛みちぎってから、脚や背中に咬みついて運河に引っ張り込んだらしい。その時被害者は既に死亡していただろうと推測されている。Jimenez はフロリダでは1948年以来、18人目のアリゲーターによる犠牲者となった。
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←フロリダで発見されたアリゲーターの化石。新生代更新世(100−170万年前)のものだが現在のミシシッピーワニと同種とされている。 長さ77cm。推定全長6m。昔のアリゲーターが現在のものより大型だったことを示唆する化石だが、これほど完全な頭骨は他にはないという。残念ながら売却されてしまっている(paleodirect)。 |
| アメリカ・ワニ | American Crocodile |
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アメリカ合衆国にはもう1種のワニがいる。こちらはクロコダイルでフロリダ南部で見られる。ここからカリブ海の島々(アンチル諸島)、中央アメリカ、南アメリカ北部まで分布する。イリエワニほどではないが海水、汽水域にも棲む。 アメリカの爬虫類学者の中には最大のワニとしてアメリカワニを挙げる人もいるが、それを裏付けるほどのデータはない。 5mを超えるものが珍しくなく、6.7mもあるものが目撃されたといわれるが…(アニマルライフ154)。 最大のアメリカワニとしてよく引用されるのは7mというベネズエラ産の古い記録だが詳しいことはわからない。またニューヨーク自然史博物館には長さ729mmの頭骨が保存されている。これも詳細は不明だがかなり大きい。 |
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| ニューヨーク動物学会の創設者の一人、William Hornaday は1875年にマイアミで4.6mの雄と3.3mの雌を撃ち止めている。 また1890年代に現在のマイアミ・ビーチで Ralph M. Munroe が長さ4.4mのアメリカワニをしとめている。このワニの標本は今でもニューヨーク自然史博物館に展示されているそうだ。 フロリダのオーランドにある gatorland には長さ4.5m以上、体重450kgを超えるアメリカワニが飼われている。飼育下では最大の個体だろう。 |
アリゲーター対クロコダイル 1925年、マイアミはビスケー湾の沿岸で測量士の一行が大きなアメリカワニを撃った。一人が死んだかに見えたワニの背中に乗り、蹴り付けたところ、それで息を吹替えしたワニが尾で激しい一撃を加え、更に攻撃してその男を殺してしまった。ワニは生け捕りにされ、後に Ross Allen's Reptile Institute に送られた。ここでワニは1953年まで生きていた。隣の囲いに侵入したこのワニは、そこの住人(巨大なアリゲーター)に殺されたのだった。このクロコダイルは長さ4.4m、推定年齢は65歳だった。 このアリゲーターとは、上の表にある Big George のことだろうか? 年代はあうのだが未確認。 |