「どこで間違ったのですか?」

原文
What Went Wrong?
著者
Brian David-Marshall
訳者
タイ屋
投稿日
2004-03-09
更新
2004-03-09

PT神戸の英語版のほうに出ていた記事。昨シーズンのヒューストンで表彰台を独占したYMGが、ついには

第1回戦でYMGが親和を使っているのを見て「やっぱり親和はダメなのか!」と思った

になってしまった理由。なお、文中で「オーディブル」って言葉が出てくるので先に解説。アメフト用語で、主に、「ハドルを解いてからディフェンス見たら、次のプレイをメタった守備隊形になってたんで、QBがコールして切り替える別のプレイ」のこと。卓上ゲーム板的には「シナリオにない展開なんでアドリブで対応」ってのが一番近い気がする。

そういう意味では本当はオーディブルよりもアドリブって方がしっくり来たかもしれない。オーディブルで切り替えるプレイもきちんと練習したプレイであって、行き当たりばったりで変えてるわけじゃないんから。

原文:
http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgevent/ptkob04/zvifeat
原題:
What Went Wrong?
原著:
Brian David-Marshall
翻訳:
タイ屋

質問されたときに、ズヴィは形式的に聞き返した。「それに答えるのに、どのぐらい時間があるかな?」と。

ズヴィ・モーショヴィッツは、ブロック構築のプロツアーで順位表のトップ近くにいることを常に期待されているほんの一握りのプレイヤーの一人だ。3年前のプロツアー東京のインベイジョンブロック構築で優勝しただけでなく、彼はブロック構築イベントで賞金を獲得できなかったことはなかった。ズヴィがプレイエリアの外をうろついているというのは、つまりは何が起こったのだと不思議に思うようなことだ。

彼は直接的にはジャスティン・ゲイリーの学業が最大の原因だとした。チームYMGにおいて、ジャスティンはズヴィの主要なプレイテスト・パートナーだった。ジャスティンはプロツアーでプレーし続ける可能性は除外しなかった ―― 彼はPTシアトルのチーム戦にアレックス・シュヴァルツマンとズヴィとチームでたぶん参加するだろう ―― が、ロー・スクールのために、PT神戸に参加したり、プレイテストを行うのは無理だった。

ズヴィの時間は、また、彼が最近デンヴァーに移ったことでも削られていた。ズヴィは「サイバーパンク」カードゲームのリード・ディヴェロッパーとデザイナーになった。彼が過去のイベントにおいて行ったような作業をPT神戸のために行うだけの時間はなかった。

「我々はロー・スクールにジャスティンを取られた。そして彼はテストプレイはできなくなった。そこで、YMGの残りのメンバーは今まで以上に努力していかねばならないようになった。残念ながら、ジャスティンが過去において果たしていた建設的なプレイテストパートナーの役割を、チームの誰も本当の意味では果たせなかった」

ズヴィは、コメントに非難の調子が入らないように注意していた。ズヴィは次のように説明した。成功したプレイテストというものは、個性の正しい組み合わせから成り立つもので、容易に再現できるようなものではないと。

「私の場合、その役割を満たした最初の人間は東京のための準備のときのスコット・ジョーンズだった。自意識を抑えた状態でテストに取り組み、多くのいろいろな役割を果たさなくてはならない。スコットはその技能を持っていた。私は自分がその技能を持っていると感じるし、それから明らかにジャスティンも同じようにできると思っている」

「しかし、一人でそれをすることができない。自分以外にもう一人いれば、それで問題ない。もっと大勢いれば、それは驚異的な結果になる。PT東京のときの名前をいくつかあげると、スコット・ジョーンズ、カイ・ブッディ、ジョン・オーマロッドらがいた」

そのプロツアーから持ち帰った30,000ドルの優勝小切手は、デンバーのズヴィの家に飾られている。

「スコットが競技プレーから引退した後で、私はジャスティン・ゲーリーと共に活動し始めた。彼はすべての必要な技能を持っていた。その人と活動するのが好きでなくてはならないという条件もある」とズヴィは付け加えた。

「ジャスティンは、このトーナメントのためにはまったく活動できなかった」

YMGもまた、根本的な変化を経験していた。チームはかつての姿とは大きく異なっていた。ジャスティンを欠いただけでなく、ロブ・ドハティはこのイベントの出場資格がなかった。そしてチームのリーダーシップはトム・ゲヴィンの任務となった。彼の指導体制の下で、多くの新しいプレーヤーが加えられた。

「チームは2人のオランダのプレーヤー − Ruud Warmenhoven と Jelger Wiegersma − ひと握りのカナダ人 − Rich Hoaen 、ジェフ・カニンガムとMark Zajdner − そしてJordan Berkowitz − を加えた」

ズヴィはメンバーの拡張によって、ズヴィ自身とゲイリーが抜けた穴を埋めて強化されることを望んでいた。

「私はメンバー − 特に Jelger − の数には満足していた。しかし必要な関係はそこにはなかった。致命的な失敗は、私がデンヴァーに引っ越してインターネットの接続を回復するまで、およそ2週間、グループとの接触を断ったことだった」

ズヴィがニューヨークを離れた時点で、グループは親和が最高のデッキであると感じていた。しかし、彼らは最高の構築に落ち着くことができなかった。なぜなら彼らは予想されるメタゲームの全体像を得られなかったからだ。

「私がチームメイトの意見を調べた時点では、全体のメタゲームは赤黒親和と赤緑《火の玉/Fireball(DST)》入りデッキで全体のメタゲームは構成されるようになると見られていた。イベントまで1週間しか残っていないという状態で、私はその仮定が続いたとしなければならなかった」

そこでズヴィは《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》を利用したバージョンの親和をいじり始めた。

「私は最初から《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》が非常に強力であったと感じていた。それは私が親和デッキで見いだした色マナの問題の多くを解決した。それはさらに多くの機能を果たす。それはマナ加速であり、親和を助け、そして《頭蓋骨絞め/Skullclamp(DST)》を対戦相手のものよりも効果的にする。それから、アンタップ状態の薬瓶があるのにアタックに行くのかどうかを決定しなくてはならないという、対戦相手にとって非常に恐ろしい場を作り出すこともできる」

ズヴィとチームの残りは、イベントに備える日々を《霊気の薬瓶/AEther Vial(DST)》を使ったデッキを調整することで過ごした。

「そして会場に到着して、我々は仮定が完全に間違っていたことに気づいた。この赤単色のデッキがあった。緑赤のデッキも根本的に我々が予想してものと異なっているように見えた。そしてディーラーによれば、ここでは緑のカードはまったく売れてなかった」

「さらに我々は、明らかにミラーマッチに関しても十分な理解を持っていなかった」

ズヴィと仲間は、シンガポールのアルベルトゥス・ラウとニック・ウォン( Nick Wong and Albertus Law)の二人と、彼らの赤単デッキと親和の繰り返しのために、取り引きしようとした。

「もし我々が1週間前にその情報を入手していたのであれば、私は非常に違ったデッキをプレイしていただろう。しかし、一日というのは十分ではなかった」

ズヴィはビッグレッドをプレイするための準備はできてなかった。そしてオーディブルをコールする決定をして、親和デッキのメタゲーム済みバージョンを使うことにした。

「私は《レオニンの古老/Leonin Elder(MRD)》入りのバージョンに賭けてみて、自分が天才のように見えるようになればいいと思っていた」

「私は間違ってた」

「そのデッキが実際にどのぐらいいいのか、あるいは悪いのか、確たる事は分からない。私は多数のミラーマッチで負けたし、親和のミラーマッチというのはかなり行き当たりばったりだから。だが、それがプレイするべき正しいデッキでなかったことは知っている」

YMGの残りは彼らの本来の親和デッキか、新しいチームメンバーのニック・ウォンとアルベルトゥス・ラウが持ち込んできたビッグ・レッドをオーディブルで使った。この執筆の時点で、Jelger と アルベルトゥスの二人が素晴らしい位置につけていた。デイヴ・ハンフリーズも順調だった。BerkowitzとReitzlは2日目に進出していた。Reitzlはこの時点では日曜の決勝ラウンドで戦う可能性はなかったけれども。

「この週末、YMG全体が壊滅したわけではなかった。しかし・・・」ズヴィの考えは次第に小さくなった。ブロック構築戦での連続マネーフィニッシュが終わってしまったので、ズヴィは明らかに失望していた。

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。