- 原文
- True Blue
- 著者
- Mark Rosewater
- 訳者
- タイ屋
- 投稿日
- 2004-04-12
- 更新
- 2004-04-12

青の週にようこそ! これはマジックの5つの色(すでに緑と白を取り上げました)を扱う一連のテーマ・ウィークの3番目の物となります。 それぞれの週の間、私のコラムでは(「緑はつらいよ」と「偉大なる白の業」と同様に)その週の色のフレーバーと哲学を説明します。 今回は青い魔法の世界を考察しましょう。
R&Dでカラー・ホイールに取り組んでいるときに、私たちはマジックの5つの色それぞれについて次のような設問を立てました。
それぞれの色の哲学は、その色が世界をどう見るかということから生じます。青は用心深くて、機会をうかがっています。青にとっての世界とは、自分自身を思うがままに作り変えていくためのリソースの集合体なのです。 彼らの世界観とは、次のようなものです。 無地の、何にでもなれる状態で人々は生まれてくる。そして、その人生の目的は、何を望んでいて、その目的をどう達成すればいいかを知ることだと。
それを実現するために、青魔法使いは世界で最も重要なリソース、「情報」を高く評価することを学びます。世界において自分が占めるべき場所を見いだすために、魔法使いは可能な限り知識を集めなくてはなりません。この自由に使える手段があれば、ありとあらゆる問題の答えを見つけだせるでしょう。 それで、青の最終的な目的とは、全知になるということです。青は、すべてを知ることを望むのです。すべてを知る者は、弱点を持たないのです。
この、知識の渇望が、カード・ドローとライブラリー操作という青の能力をもたらしているのです。青は窮地に立ったとき、新しい答を探し求めます。他のどの魔法使いにも増して、青は魔法的な決闘がリソースの戦いであることを理解しているのです。一番多くの呪文を持っている魔法使いこそが、巨大な戦術的なアドバンテージを持っているのです。
知識を得るためは知性(intellect)が重要なことを青は知っています。敵を思考で上回ることで青は戦いに勝利します。魔法的な決闘においては、これは魔法がいかに働くかを理解するということです。これが、青がバウンスと打ち消し呪文に卓越している理由です。青は魔法の技術に熟達しており、魔法を止めてしまったり、あるいは逆転させることさえ可能にするのです。 これが、《臨機応変/Sleight of Mind(5E)》とか《魔法改竄/Magical Hack(5E)》のような、魔法の機能を書き換える呪文を青が持っている理由なのです。
青は同じく、その知性を敵を欺くためにも使います。青は敵の混乱に乗じて勝利することに罪悪感を持ったりはしないのです。青は幻影と呪文とを使って、敵の魔法の働きを予定と違ったものにするのです。青はまた、盗みと変装を効果的に用います。青は物理的な戦いでは勝てないことを知っています。そこで、それらを使って、決闘を自分の有利になるようにゆがめるのです。 青は最も公正な色というわけではありません。そして、もしルールが許すのであれば、青は問題なくそういったシステムを利用するのです。
加えるに、青はオリジナルのデザインを変更することや、あるいはゼロから作ることの両方で必要な物を作り出すことを指示します。そこで、青はもっとも頻繁にテクノロジーを使う色であり、アーティファクトとの最大のシナジーを持つのです。
青は部分的には学生であり、部分的には科学者です。出来る限りの多数の知識を集め、それを応用する方法を見つけだすことは、青が常に行っている探索なのです。青は自らの潜在能力を最大限に発揮するために、常に自分自身を高めていきたいと望んでいます。これは、青が情報を集めて利用するという特質を表しています。以下は青の特質と考えられるものです。
青はその知性によって生きています。そのため、物事について熟慮するだけの時間をかけない存在を、とても嫌います。青は遅くて規律正しく受動的な色です。考える時間をかけずに走り出すような存在は、青の核心を脅かすことになるのです。
青がこのような未熟な行動に遭遇した場合、いい親ならばそうするように支配を確立して、問題あるクリーチャーをしつけて青の知っている行動をさせるようにするでしょう。
白においては、青は思考と計画の重要性を理解している色を見いだします。白は後退して行動の結果を熟慮するだけの自制を持っているのです。
黒においては、青はその色が真実が時折見せる醜悪さを避けたりしない色を見いだします。黒は自己欺瞞や無知のヴェールによって目を曇らせたりはしないのです。黒は弁解をしません。どちらかといえば、それは解答を求めます。
青にとって、緑は過去にとらわれている色です。新しい、あるいは革新的な何かを避けるような、古代からのやり方に縛られているのです。加えるに、緑は不合理な本能によって、合理的な知性を拒絶します。緑とは、必要な変化による進歩を遅くする以外に役立たない旧式の哲学なのです。もし青が目的へ進もうとするのであれば、緑は除去されねばならないのです。
赤に対しては、知性に唾を吐きかける色を見いだします。この色はもっとも多元的で混沌とした力、感情によって導かれるのです。赤は説得されません。その破壊的な自然は、青が建設しようと望む物すべてを倒壊させようとします。もし赤が抑制されないままでいたら、それは青の未来に苦痛しかもたらさないでしょう。それで、暴走する前に赤は排除されねばならないのです。
青の最大の強みは、敵対者をよりも深く考えることができる能力です。無制限に情報にアクセスできることで、青はすべてへの答えを持っています。 問題なのは、このやり方が非常にゆっくりとしたものであり、行動をとる必要がある場合に青は受動的な傾向があります。しばしば、青が解決策(ソリューション)を見極める前に、素早い敵は青を打ち破ることができるのです。
それぞれの色の哲学のために、私はR&Dが色のフレーバーに肉付けするために使ったキャラクターを何人か挙げています(壁にかけた巨大なカラー・ホィールに、私たちは好きな写真を貼りつけていました)。この部分は、色の哲学のコラムで、一番議論を呼ぶ部分だとということが分かっています。しかしなおのことここで止めるなんてことはできません。これが、私たちが青だと考えたキャラクターです:
マーリンは、塔に閉じこめられた聡明な魔法使いのステレオタイプです。彼は青の典型です。
無感情で、論理的で、そして「新しい世界と新しい文明を探し求める」任務に集中しており、スポックはスタートレックの全登場人物中、最も青です。
特に私は初期のウィローとジャイルズについて言及しています(邪悪なウィローは少しばかり黒であることを認めなくてはならないでしょう)。サニーデールに問題が起きたときに、この2人は本を取りだして、「巨大な悪」を倒す方法を知るために研究しました。彼らが証明したように、勝利は知識によるものでした。
ファンタスティック・フォーのリーダーは、根本の部分で科学者です。もちろん、彼は暴君のごとき覆面の狂人や惑星を食べる天界の生物と戦います。しかし、彼の心では、どちらかというと単に宇宙の性質を探究しているのです。リード・リチャーズは、マーヴル・ユニバース(※Marvel社のアメコミヒーローの属する世界)の誰よりも、知識の渇望によって動いているのです。
リサは彼女の知性によって彼女自身を定義します。他の誰よりも知っているということが彼女にとっては非常に重要なのです。それから、それぞれの色の記事にシンプソンのキャラクターを象徴とするのも重要なことです。
さて、私たちは色の哲学の中間地点まで来ました。あと何ヶ月かのうちには、残りの二つの色、黒と赤についての探究を行うことを約束します。
来週は、みなさんにもう少しパイを出すつもりです。
その時まで、行動をする前に考えることで問題を解決されんことを。
原文の副題、「All brains, no brawn」ってのは英語では語感はいいんだけど、日本語で再現するのはちょっと無理だった。
最後の「青い何か」ってのはマザーグース(むしろ結婚式の縁起担ぎ?)だと思う。
Something old, something new, Something borrowed, something blue, And a sixpence in her shoe.
あと、バフィーってのは緑の回に登場したTVドラマ。人物名は以下参照。