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《開墾》と基本ターン

原文
《開墾》と基本ターン
著者
Zvi Mowshowitz
訳者
NPCさん
投稿日
2004-08-03
更新
2004-08-03

次にどのカードを取り上げるか意見を募集したところ、主に2つの提案があった。一つは《交易路/Trade Routes(MM)》で、もう一つが《開墾/Clear the Land(MM)》だ。私はすでに、様々な方法で《開墾/Clear the Land(MM)》を悪用するデッキをいくつか投稿した。問題は《開墾/Clear the Land(MM)》自体がいいカードとはとても言えないことだ。対戦相手にダメージを与えるだけのカードと同様、《開墾/Clear the Land(MM)》は一般によくないとされる別のカード群に所属している――長期的により多くのマナを生み出すために、マナを消費するカードだ。

《開墾/Clear the Land(MM)》をキャストしたときに得られるものは何か? 最高でも5枚のタップした土地だ。現実的にプレイできるようなデッキに入れられる土地は、多くて約36枚ってとこだろう。その上、4枚の《踏査/Exploration(UZ)》と4枚の《開墾/Clear the Land(MM)》にスロットが裂かれるだろうから、他のカードの余地はたったの16枚だ。36枚の土地が入っていれば、ライブラリを操作していない場合、《開墾/Clear the Land(MM)》一回につき平均3枚の土地を得られる。《渦まく知識/Brainstorm(MM)》でライブラリを操作しているなら、最も現実的に操作したとして、3ターン目の《開墾/Clear the Land(MM)》で3.8枚の土地が手に入る。

その一方、対戦相手はだいたい24枚の土地を入れてるだろうから、そのうち2枚を場に出すことになる。これらの土地はすべてタップインだ。ウィザーズは土地の追加コストという概念をなくしてしまったから、タイプ2には何とかして直接場に出したいと思えるような土地はない。なので、君はおそらく《開墾/Clear the Land(MM)》を撃った次のターンから、追加の3〜4マナを使えるようになるだけだ。一方で対戦相手も追加の2マナを得ている。さらには相手の方がそのマナを先に使える。

だからといって、即座にすべてがよくないと言い切れるわけではない。君は平均して相手よりも多くのカードを得る。《渦まく知識/Brainstorm(MM)》などの簡単な準備をしておくだけで、2枚も多く(もしくは1枚――君が妥当な枚数の土地をプレイしている状態で《渦まく知識/Brainstorm(MM)》を使ったのであれば)だ。相手が2枚の基本地形を得るだけなのに比べて、君は《リシャーダの港/Rishadan Port(MM)》や《黄塵地帯/Dust Bowl(MM)》やミシュラランドのようなより優れた土地を使うこともできる。デザインのやり方によっては、多くの対戦相手が扱えないほどの大量のマナを扱える。では席について、次のデッキを組んでみてくれ。

Land
Spell

君がコンボ面に興味があるかもしれないから、そのラフスケッチもあげておこう。

Land
Creature
Spell

どっちにしろ、デッキはうまく回らないだろうね。なぜかって?

当然、逆土地事故の問題が出てくるはずだ。非常にしばしば、これらのデッキは何もできない。最初のデッキにおいてドローがすべて土地であっても、《踏査/Exploration(UZ)》や《交易路/Trade Routes(MM)》もあるので常に悪いというわけではないが、それらを引かなかったり、打ち消されるか除去されたら本格的なトラブルに見込まれてしまうだろう。これが、マナを得るためにマナを使うデッキの最初の問題点だ。最終的にはマナが余ってしまうんだ。別に驚くべきことじゃないね。

世界選手権でのカイのデッキ(※Artifact Red)のように行くのが理想だ。デッキ中の他のすべてのカードがゲームに勝たせてくれる。そういったデッキはいささか一貫性がなく、望む以上にマリガンをしなくてはならない。しかし驚くほどの適切なドローでそれを補うことができる。これらのデッキにおいてはそういった素晴らしいドローもたいして珍しいことではない。

だが、もう一つ理由がある。テストプレイを通してそのデッキが回らないとわかるまでは、こいつはすぐに理解できるものじゃなかった。それが『基本ターン』の概念だ。私がデッキを作るときはいつも、デッキを『基本ターン』(=Fundamental Turn、以下FT)に当てはめてみる。ビートダウンやコンボデッキにおいては、FTは対戦相手を打ち負かすターンだ。それはシンプルな概念で、一つの数字を持つことになる。コントロールデッキにとっては、状況によってFTは変わる。でも最も重要なのは、デッキの戦略が機能しはじめ、早いターンでのディスアドバンテージを取り戻せるようになるターンだ。

たとえば、昔ながらの青白コントロールのFTは4になるだろう。なぜなら、それが《神の怒り/Wrath of God(8ED)》をプレイしてボードを支配できるようになるターンだからだ。ウルザブロック構築の青単であれば、FTは5になるだろう。5ターン目は《不実/Treachery(UD)》や《変異種/Morphling(UZ)》をプレイできるようになるターンだからだ。ゲームがそこで終わるわけではないが、君が勝利をものにするターンだ。同様に、君がゲームの勝利を確定させるような何かをするターンがFTになる。5割の確率で1ターン目に《防御の光網/Defense Grid(8ED)》を出し、残りの5割は2ターン目に出すような《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain(UD)》デッキは、サイドボード後のコントロールデッキに対するFTは1.5になるだろう――コントロールデッキがバーゲンデッキの勝利までの十分な時間《光網》を除去でないと仮定すれば。

FTの最大の用途は、各マッチアップの戦略においてだ。例を挙げると、私がニューヨーク4次予選のためのテストをしているときに、ナイトメア/サバイバルデッキでハイタイドを倒す方法を見つける必要に駆られた。《大あわての捜索/Frantic Search(UL)》や《なだれ乗り/Avalanche Riders(UL)》が登場する前のことだ。重要な点は、ハイタイドがかなり安定したFT――4を持っていたことにある。妨害されなければ大抵の場合、4ターンキルを決めることができる。そして大抵の場合、3ターン目には勝つことができず、必要なこと以外は何もしてこない。ハイタイドに対し《強迫/Duress(UZ)》があるなら、大抵1ターンを稼ぐことができる。たとえ打ち消されたとしても約5割の確率で同じことだ。なぜなら対戦相手は《衝動/Impulse(VI)》や《直観/Intuition(TE)》と同じだけのマナを使ってしまったのだから。もちろん《Force of Will(AL)》という例外はあるが。それに加え、ハイタイドデッキが問題に対処しようとして使う打ち消し呪文は、たいてい追加のターンを費やすことになる。

これらのデータをどう使おうというのか? 私のデッキは3ターン目にハイタイドデッキを攻めなければならず、後攻であれば4ターン目も同様で、さらに大抵の場合《Force of Will(AL)》を取り除くために1・2ターン目にも動かなくてはならない。だが、そのようなプレッシャーを永遠にかけ続けられるわけがないので、《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare(EX)》と《適者生存/Survival of the Fittest(EX)》の両方を引いていなくても、このデッキの遅いクロックが機能するような、何らかの足止めが必要だった(《巨大鯨/Great Whale(UZ)》の無限コンボでは遅すぎた)。この問題の解決策は、5枚の《赤霊破/Red Elemental Blast(4E)》(※《紅蓮破/Pyroblast》と合わせての数だと思われ。)、4枚の《沸騰/Boil(TE)》、2枚の《スラルの外科医/Thrull Surgeon(EX)》、そして4枚の《強迫/Duress(UZ)》だった。《外科医》は4マナでハイタイドプレイヤーの手札を攻撃でき、ときには2ターン目に《赤霊破》のマナを残したまま展開することもできる。ひとたび《強迫/Duress(UZ)》と《スラルの外科医/Thrull Surgeon(EX)》を食らわせてしまえば、《沸騰/Boil(TE)》が彼らをゲームからつまみ出し、《Ashen Ghoul(IA)》やコンボが息の根を止めるだろう。《適者生存/Survival of the Fittest(EX)》が手に入らなかったとしても、カウンターと妨害に対処することを強要して、別のプランに至るまでの十分な時間を稼ぐことができる。まさにそのとき、私のデッキは超妨害デッキに変化した。

1ゲーム目は最悪だが、マッチでの勝率は55〜60%くらいになった。

次に、FTが変わることで何が起こるのかを見てみよう。ハイタイドは《大あわての捜索/Frantic Search(UL)》を得て、そのFTは3になった。ハイタイドの3ターン目にプレッシャーを与え粉砕する戦略は、十分にいいものとは言えなくなってしまった。もはやハイタイドデッキが3ターン目を迎える前にタップアウトできない。これでは妨害も少しばかり遅すぎる。そのプランはうまくいかなくなり、ナイトメア/サバイバルはハイタイドを倒すための現実的な手段を持たなくなってしまった。

土地デッキは最速で相手を倒すデッキではない。最良のシナリオはこうだ:

コンボバージョンは鬼引きがあれば3ターンキルできるが……現実的には4ターンだろう。今のタイプ2でのFT4というのは通常であれば悪くないのだが、2ターン目に対戦相手に2枚の追加の土地を与えてしまっている。それでどうなるのか? 相手のFTを1ターン早めてしまうんだ。召喚が必要なビートダウンデッキにとっては1/2ターンだ。いくつかのコントロールデッキにおいては、実質的に2ターン早めてしまうことになる。一般に、現時点でのタイプ2のFTは4だ。対戦相手を1ターン早めてしまうようなFT4のデッキは許容できない。ここまでとても直観的かつ、自明で単純なことを長々と説明してきた。だが私はこの概念を大いに利用する。そのことを把握しておく必要があると感じていたからだ。

さて次はみんなが知りたがっていることだ――州選手権で何をプレイするか。

タイプ2は総じてFT4だが、FT3のデッキが一つある(もしかしたら同じキーカードを使ったヴァリアントがあるかもしれないが)。それがプレイすべきデッキだ。それが何かに関して、一つのヒントを与えるつもりだ。プレイテストをまったくしていないので、州選手権についてアドバイスを求めたりしないでくれよ。エクステンデッドは本当に複雑で、ありったけの時間が必要だ。これ以上のアドバイスを与えるとしたら、金曜日のこのコラムにおいてだろう。

Zvi Mowshowitz

《ヨーグモスの取り引き》禁止推進同盟代表(これで2度目のプロツアーシーズンだ!)

当ページは、2ちゃんねる卓上ゲーム板「MTG Sideboard Online 日本語版」スレッドに投稿された記事を、426(braingeyser-lj@infoseek.jp)がまとめたものです。