- 原文
- Concepts of Magic: Tempo
- 著者
- Andrew Johnson
- 訳者
- NPCさん
- 投稿日
- 2004-09-14
- 更新
- 2004-09-15

先週の簡潔なケーススタディを経て、メインのシリーズに戻ることにしよう。セーフティーとカード・アドバンテージの間にまたがる、ゲームのテンポと表現されるものについてだ。テンポを概念化するのは簡単だ。ゲーム中で最も多くのマナを使ったプレイヤーがたいていは勝利することになるだろう。それについて考えてみてほしい。ゲームは通常どのようにして進むだろうか? なぜ先攻を取るのがそれほど重要なのか? その理由は明白だ。重要なのは、最初の第1ターンを得たことよりも、最初の第5ターンを得たことにある。先攻を取ることは文字通りの最初の第1ターンだけでなく、最初の第Xターンを得ることでもあるんだ。
同様に、ドローに期待して後攻を取ったプレイヤーに降りかかる厄介な事態についても考えてみてほしい。先攻には多くのセーフティーがある。私が自分のターンに4マナ3/3をプレイしたとして、君が自分のターンに2/2を出すだけなんてことになると途端に不利な状況に追い込まれてしまうからだ。
相手が引いたカードを使い切る前に打ち負かすことでカード・アドバンテージの損失を克服することができる、という考え方もある。ゲームが長引き、いずれのプレイヤーも持っている呪文をすべてプレイできるようになったときに、先攻によるカードロスが意味を持つようになってくる。
ゲームが中盤に近づくにつれて、呪文をキャストできるだけのマナがたまってくる。しばしば第5ターンにテンポの変化は現れる。相手が1つの呪文しかプレイできないにもかかわらず、一方のプレイヤーが一度に2マナと3マナの呪文をプレイするときだ。他の一般的な変化は2つの3マナ呪文がプレイされる第6ターンで、それ以外のあまり多くないケースとして、2つの2マナ呪文がプレイされる第4ターンや、3マナ呪文と4マナ呪文がプレイされる第7ターンなどがある。また、デッキにおける上質の3マナ呪文は、過剰な2マナ呪文を圧倒する。かつてZvi Mowshowitzが同様の概念について記事を書き、それを基本ターンと名づけた。
構築やリミテッドに取り組む際は、最良のカードを選択し、その上でテンポの争いに勝利しなければならない。特に構築においては、プレイングについて考えるよりも先に、最良のカードと最良のデッキを選択しなければならないということだ。リミテッドでは、シールドデッキ中の最良のカードを使うこと、最良のカードをドラフトすることが欠かせない。もし相手が自分のよりも優れた呪文を使っていれば、テンポ争いに勝てるわけがないし、マッチにおいては言うまでもないだろう。
デッキ構築とドラフティングに関しては後ほどさらに語るつもりであるから、ほぼすべての事柄についての理解の助けとなるような最初の4つの基本原理について述べることにしよう。
君自身のゲームについての考えと他の優秀なプレイヤーとの考えをすり合わせるのは賢明なことだ。特定のフォーマットについて独自の解説をしていることでGary WiseやMatt Vienneauを揶揄するプレイヤーがたまにいる。だが、それらの記事は道具として利用することで、我々の理論を補うのに有用なものとなる。ただ盲目的に追従するべきではない。
我々の理論を用いて彼らの意見を分析することができるし、理解するだけでなくその上にさらなる理論を積み上げることも可能だ。
既存の構築フォーマットを把握するために我々の理論を用いることもできる。オデッセイブロック構築を例にとろう。我々の理論で言えば、主要なテンポの変化はこのフォーマットにおいては3ターン目に《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》と《堂々巡り/Circular Logic(TO)》という形で現れ、4ターン目に《ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)》という形で現れる。オデッセイブロック構築で成功するためには、これらカードの質を打ち負かせるようなカードを使うか、より素早く呪文をキャストできるようにするか、さもなければ世間一般にしたがって基本的なテンポブレイカーをプレイしなければならない。
これが特定のデッキが成功して、それ以外のデッキがそうはならない理由だ。黒デッキは1ターンに複数の軽い除去呪文をキャストすることで、テンポデッキを押さえつけることができる。というわけで、君がこのフォーマットを解読しようとテストプレイしているときには、相手を叩きのめし自身を守るためのテンポについて考えることに多くの時間を割くべきだ。君のデッキがスピードで及ばないのであれば、単純に他のデッキか、あるいはよく知られたものに手を加えたデッキに移行すればいい。
我々の理論をプレイの指針に活かすこともできる。マジックで最も難しい部分の一つが呪文を使うタイミングであり、呪文を使うタイミングとはいかにテンポ争いに勝利するかということだ。
たとえば、オデッセイブロックのドラフトで白デッキをプレイしており、2ターン目に《神秘の使い魔/Mystic Familiar(TOR)》と《秘教の幻想家/Mystic Visionary(OD)》のどちらをプレイするか、という選択があったとしよう。正しいプレイは君がどのようなゲーム展開を想定しているかによる。テンポがどのように変化していくかを正確に判断しなければならない。
先攻を取って《神秘の使い魔/Mystic Familiar(TOR)》をプレイした場合を考えてみよう。相手が《狂犬/Mad Dog(OD)》を合わせてきて、君は《セファリッドの物あさり/Cephalid Looter(OD)》をプレイする。君は突如として追い込まれてしまった。2ダメージを受けることや《物あさり》でブロックすることは好ましくないし、ましてや《使い魔》では1対1交換すらできない。いまや回避不可能な2ダメージと1ダメージレースに陥ってしまった。このケースでは《秘教の幻想家/Mystic Visionary(OD)》を選ぶのが事実上ベストだ。《使い魔》のかわりに《幻想家》を選んだ場合を考えてみよう。その場合、3ターン目にはアタックせずに《物あさり》をプレイし、相手のアタックで《狂犬》と《幻想家》を交換することになる。
その一方、相手が《幻影の仔/Phantom Whelp(OD)》をプレイすると想定するなら、むしろ《神秘の使い魔/Mystic Familiar(TOR)》を選ぶほうが有利になる。我々はゲームにおける決定を下すために常に数ターン先まで考慮しなければならない。
他の一般的な選択の中には、テンポの理論に目を向けることで判断できるものがある。どちらの側も3ターン目までにクリーチャーをプレイできなかった場合を考えてみよう。お互いに《灰色オーガ/Gray Ogre》をプレイし、片方のプレイヤーがアタックする。さて、彼は《巨大化/Giant Growth(8ED)》を喰らうおそれがあるのを考慮に入れた上で、ブロックするべきかどうかを判断しなければならない。たとえ相手が《巨大化》を持っていると考えたとしても、彼はブロックするべきだろう。なぜならその場合の《巨大化》は、自分と同じくらい対戦相手にとっても不利益になるものだからだ。《巨大化》を使うことで相手はそのターンに他の呪文をプレイできなくなるだろう。そのためクリーチャーを失うことはそれほどの痛手とはならない。
我々は相手からこのターンだけでなく、おそらくはもっと多くのターンにおけるテンポ上の優位を奪い取ろうとしているわけだから、数ターン先を見据えなければならない。何が起こるのか正確に予測するのは難しいとはいえ、ゲームがどのように進むのかについてある程度想定することは可能だ。誰がより多くのカードを引くのか、誰のライフが減るのか、誰がボード上で優位になっていくのか、などを考察することはできる。
これらの概念について考えることで、正しいプレイについての理解は容易になる。ゲームがどのように展開していくのか考えるだけで、どの2マナ呪文をプレイするべきか判断できるようになるのだ。
カードアドバンテージの回の最後のゲームにさかのぼってみよう。相手は3ターン目にこちらの《幻影の仔/Phantom Whelp(OD)》に対して《秘教の幻想家/Mystic Visionary(OD)》でアタックしてきた。さて、この例は少々単純化されたものだが、他の事例と同様のやり方でこのプレイを判断してみよう。ゲームの序盤ではマナがかかりすぎるため、現実的に《幻影の仔》でのダメージレースはできない。たとえキャストしなおし続けることができたとしても、ダメージレースで不利になることにかわりないわけだ。そのため《幻想家》と交換する価値はあるだろう。仮に相手がトリックを持っていたとしても、彼に少なくとも2〜3マナを使わせ、クリーチャーを展開するのを防ぐことになる。そうやって相手を足止めし、アタック後に3マナ呪文をプレイさせないことで、おそらく我々はテンポ争いの主導権を握ることができる。
面倒なことはこれくらいにして、前回のクイズの解答に移ろう。次の章はボードコントロールについてだ。ゲストの執筆者として、私の周囲では最もボードコントロールに長けた古い仲間を迎えたいと思っている。
(※以下、クイズの解答部分は省略)
文中に出てきた4つの基本的な概念ってのは、以前の記事によると以下の4つ。
上2つの回については過去スレで訳されてる。
作者の記事一覧を見る限り、この記事以降は書かれてないっぽい。