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桑名正博  ロックミュージカル  「ハムレット」 

        

 

 

このLP盤は、私にとって思い出深い作品である。といっても、中身を聴くのは、今日が生まれて初めてのこと。それは・・・ 

話は、私が高校3年生の秋頃まで遡る。(随分昔やなぁ!)

当時私にとって桑名正博はロックヒーローであった。どのくらいヒーローであったかというと、常に私のフェイバリットにCharと桑名の名前を挙げていた、といえばわかっていただけると思う。
現在、あるいはここ10年ぐらいの桑名しか知らない人 (特に「夜もヒッパレ」で他人の曲を喜々として歌っている姿しか知らない人) は意外に思われるだろうが、このLPが発売された1979年頃の桑名は、本当にカッコよかった!確かにこの直後に「セクシャルバイオレット No.1」という大ヒットを飛ばして、ミーハーのファンも多数つきはしたが、それでも、特にLiveでの存在感、パワーはスゴかった!これはまぎれもない事実である。R&Rを歌わせると彼の右に出るものはないと断言できる。当時私は、真剣にミック・ジャガーと桑名の競演を見たいと思っていた。そしてそこでミックを圧倒する桑名の姿を・・・。もちろんこれは私の夢に終わってしまったが・・・。
話がこのLPからずいぶん離れるけれど、私がここまで桑名に惹かれた理由はもうひとつある。もちろん、最大の魅力はボーカルそのものにあるのだが、桑名の生き方に共感を覚えたのも事実である。

話はそれまくるが、止まらなくなったので,このまま続けて行こう。

多くの方がご存知のように、桑名正博は、関西の桑名財閥の御曹司として生まれた。そして、小さい頃から桑名はそのことに対する反抗、嫌悪感を隠しはしなかった。詳しい話は省くが、高校を数日で退学したあと、与論島でのコミューン(見知らぬ人との共同生活)体験を経て、日本に失望した桑名はアメリカを目指す。と言っても、今のように簡単に行ける時代ではない。桑名17歳の、1970年代初頭の話である。(それも、飛行機ではなく船で2週間かけて渡ったという事実もロマンにあふれている。)
その渡米は、音楽活動に直接結びつくものではなく、いわゆるヒッピーの旅、に近いものがあった。もちろんロックの持つパワーに興味は持っていたのだが、当時のロックシーンは、ジム・モリソン、ジミヘン、ジャニスの相次ぐ死亡、ストーンズのオルタモントの悲劇・・・明らかにひとつの時代が終わろうとしていた頃なのであった。
そこで、先のことも決めていない桑名の所に、日本でのバンド仲間が訪ねて来た。はるばるロサンゼルスまで、桑名とバンドを組みたくて・・・。そして、セッションを重ねていくうち行き着いたところが ゛日本語のロック゛ だったのである。そして帰国して、ファニー・カンパニーを結成・・・。つまり、桑名にとって音楽は最初からあったものではなく、親や自分の置かれている状況に対する反抗に始まり、流れ流れて、最後に残った自己表現の手段が ゛Rock゛ だったのだ。

話をこのアルバムに戻そう。これは、1979年夏、ハムレットに桑名、悲劇のヒロイン、オフィーリァに岩崎宏美、という異色の組み合わせで実現したロック・ミュージカルのLive盤なのである。ちょうどその頃桑名のファンになったばかりの私は、まだオフィシャル盤も全て持っていたわけではなかったので、2枚組で4000円、しかも桑名が歌うのは数曲のみ・・・ということで、レコード店で手に取りはしたものの、泣く泣く棚に戻したのであった。そして今回、それから22年を経ての対面。 

先ほど、ひととおり聴いてみた。桑名のボーカルはやはり圧倒的な存在感があるものの、はっきり言って、全体的にアレンジ、曲共、時代を感じさせるもので、古臭さは否めない。それは聴く前から容易に想像できたが、それでも、やはりこの音を聴くことが出来た感激は隠せない。だからこそ、今まで書いたことが頭を駆けめぐったのだろう。ということで、内容自体については説明を省こう。その代わり、ジャケットを含めた写真を数点ご紹介したい。この数枚の写真に、真のロッカーを感じていただければ幸いである。

 

 

           




        

 

最後に、ご存知の方もいらっしゃるだろうが、現在、桑名正博は、父上が亡くなられたあと、あれほど反発を覚えていた社長業に就任している。もちろん音楽活動も続けてはいるが、反体制のカタマリで、それをエネルギーにした爆発力でノックアウトされていた私は、そのニュースにショックを隠せなかった。これでまたひとつの時代が終わったのだろうか・・・。    2001年6月3日

  

 

今回、22年ぶりの対面を実現させていただいたケロヨンさんに感謝! 

 

蛇足 : このLP盤は、1979年7月15日の中野サンプラザに於けるLive録音。そしてその前日は、言うまでもなく、JLCによる ゛Free Pirit゛。偶然ではあるが、まさに日本のロックが1番熱かった時代!と言えないだろうか?


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