


<11月1日 発行>
春の挫折乗り越え秋連覇
遠すぎる決勝への道
◆第51回 全日本学生剣道優勝大会(10・13 大阪府立体育会館)
8年ぶりの全国制覇はならなかった。中大は関東大会準優勝の勢いそのままに、
強豪・法大を劇的な逆転勝ちで破るなどして、順調に準決勝まで勝ち進んだ。
しかし、決勝を目前にして格下の日体大にまさかの敗北。昨年に続き、決勝への
道は目前にして閉ざされてしまった。
「負ける気がしない」。インカレ前、上原祐二(法3)は意気揚揚と話していた。事実、中大には
野口貴志主将(法4)、上原だけでなく友井浩一朗(商4)ら、他大なら間違いなく大将になれる
逸材がそろっていた。関東大会は準優勝に終わった。しかし「決勝で負けて、チームが一つに
なった」(上原)と団結力はよりいっそう向上した。
序盤のヤマ場は3回戦の法大戦。関東大会準決勝の再現となった。雪辱に燃える法大の
強さは並大抵のものではなく、一時は敗北も覚悟した。しかし、中大は副将・友井と大将・
野口の活躍でかろうじて勝利した。中大はこの勝利で勢いづいた。中大はこの勝利で勢い
づいた。久々の全国制覇へ向け、もはや障害となる敵はいなかった。
そして準決勝。相手は関東大会ベスト8の日体大。戦力は中大が数段上だった。先鋒の
城戸が勝ち、チームに勢いがつくと思いきや、続く横山が敗れ逆転される。その後は
日体大が無理な攻撃を仕掛けず、引き分け狙いの作戦で挑んできた。負けないのに勝てない。
大将戦を残して1対1.本数差でリードされている中大が決勝に進むには、大将戦で勝つ
以外に道はなかった。
大将はもちろん野口。開始早々ドウを取り、チームの流れを一変させた。試合時間は5分。
このまま逃げ切れば決勝進出となる。しかし、終了直前になってメンを取られてしまった。
このままでは敗れる。焦った野口は捨て身の攻撃で襲い掛かるも、逆にコテを取られて
しまった。うなだれる野口。試合後、選手たちはがっくりうなだれた.涙を流す部員もいた。
北原監督は「最後は野口がメンを取ったと思ったけど、、、。審判も人間だからね」と無念の
表情をにじませていた。昨年も準決勝で日大に敗れ、姿を消した。雪辱を期して臨んだ
今年もまた決勝の扉をたたくことはできなかった。
大会結果 @筑波大 A日体大 B中大、大体大
中大イレブン、涙の逆転優勝
◆関東大学サッカーリーグ戦2部(4・13〜10・27 江戸川区陸上競技場他)
長い1年が終わった。悪夢の降格から363日。中大は2位で迎えた最終戦。
首位日大との自動昇格をかけた直接対決に勝利し、2部優勝、1部昇格を
決めた。「1年で1部昇格へ」という最大の目標を見事果たした。
「楽しんでサッカーしてこい」。山口監督はそう言って最終戦のピッチに選手を送り出した。
前節首位から陥落した中大は最終戦、日大との直接対決に勝利することのみが自動昇格
への条件だった。その状況下でチームは異常なほど落ち着いていた。「勝つだけ」。全員が
吹っ切れていた。
試合は激戦を極めた。開始早々8分、退場者を出した中大は残り80分近くを10人で
戦わなくてはならなくなった。しかし、選手たちは動じなかった。前半22分、中村憲剛
主将(文4)のフリーキックをDF柴村直弥(商2)が頭で叩き込み先制点を奪う。日大の
猛攻が始まった。後半8分、同点に追いつかれた。数的不利の中、もう1点もやれない
状況。FWまでが後ろに下がって守った。絶体絶命のピンチもDF上野和彰(法3)が
ゴールライン上で相手シュートをクリアした。必死の戦いが続いた。
順風満帆かと思われた。安定した守備。鋭い速攻で勝ち星を重ねた中大は前期3節から
首位を走り続けた。2位との勝ち点差も4と独走状態を築いていた。優勝もあと一歩と
した12節、流経大戦で敗北を喫し、連勝は6で止まった。続く13節、明大戦は引き分け。
10試合続いた首位からついに転げ落ちた。重圧が重くのしかかる。しかし、チームの
集中力は決して切れなかった。
後半12分、一瞬の隙を見逃さなかったのは中村主将だった。「絶対決めてやる」と敵陣を
1人で突破。GKとの1対1を決めて、再びリードを奪った。10分後、吉田弘爾(総4)が決定
的な3点目を決め、2点差とした。長いトンネルの出口が見え始めた。
「ピー」。試合終了、そして2部との決別を告げる笛がピッチに鳴り響いた。選手、監督、
コーチ、マネジャーが歓喜の輪をつくる。山口監督の胴上げが始まった。中村主将は
人目をはばからず泣いた。全員この瞬間のために戦ってきた。1部へと戻るためにーーー。
一回り大きくなった中大が戻ってくる。
中村主将、アシスト王
「主将として、司令塔としてチームを引っ張った中村主将にアシスト王という称号が付け加え
られた。スペースの裏をつくキラーパス、相手の裏をかくトリッキーなパス、正確なプレイス
キックで稼いだアシスト数は10におよぶ。自ら取った4得点も含め、中大の大半の得点に
絡んだ。「チームに対する役割を果たせた。それが数字になった。(アシスト王を)最後の
年に取れて良かった」と初タイトルに充実した手ごたえを感じる中村主将。記憶とともに、
記録にも残る存在となった。
中村憲剛プロフィール
なかむら・けんご 昭和55年10月31日生まれ 東京都出身 都久留米高卒 175cm・
65kg O型 趣味・音楽鑑賞
ベストイレブン
MF中村 中大の司令塔として多くのゴールを御膳立てした。
FW吉田 7得点はチーム得点王。苦しい時間に貴重な得点を重ねた。
GK植村 安定したキャッチングでゴールを守った。
DF柴村 前期ストッパー、後期リベロとしてプレー。鋭い読みでピンチの芽を摘んだ。
中大イレブン一言感想 〜笑いあり涙あり〜
MF中村「最高です。(泣いたのは)感極まった。1年間はきつかったけど、今
振り返ると全部楽しかったと思える」
FW吉田「(昇格して)自分たちの責任を果たせた。自分が点を取ることは考えて
いなかった。結果としてチームの役に立ててよかった」
MF寺内「今年は充実して試合に臨め、サッカーに専念できた」
GK植村「長かった。簡単な試合はなかった」
MF伊藤「うれしい。周りの人がカバーして助け合ったりして勝てた」
DF柴村「絶対上がってやるという気持ちでやってきた」
佐藤コーチ「選手を含め、私も良い経験をさせてもらった。女子マネージャーも
出場しなかった選手もみんな頑張った」
トライアングル「障害者スポーツの浸透」
アジア・オセアニア地区の障害者スポーツの祭典、釜山フェスピック大会が10月26日から韓国の釜山で
開かれています。最近ではパラリンピックはもちろん、知的障害者のサッカーW杯や、車椅子バスケットボ
ールの世界大会などが大きく報道されています。障害者スポーツが世間から注目され始め、ここ数年急激
にメディアへの露出が大きくなってきました。誰でも簡単に観戦ができ、楽しむことが出来るようになりました。
一昔前にくらべ、生涯者に触れる機械がスポーツの報道によって増えたのは確かです。誰もが交流をする
事ができる環境は、現在の社会ではまだ実現していません。それを考えれば、今障害者のスポーツに注目
が集まり、多くの人が観ることが出来るようになったのは喜ばしいことだといえます。
しかしながら、心配な点も出てきます。日本ではどうしても障害者を特別視してしまっている風潮があります。
生涯者の方々は車椅子にのることは特別なことではないとよく言います。それは私たちが目が悪いから眼鏡
をかけるのと同じ事なのだそうです。しかし、このような事を理解できている人はごく少数でしょう。障害社の事
をよく知るためにスポーツを見る事は、悪い事ではありませんが、残念ながら深い理解は得られません。報道
されている部分だけで満足してしまうと言うのは問題といえるのではないでしょうか。
現在のように、障害者スポーツが注目され、大きく報道され始めたのは素晴らしい進歩であると思います。しか
しながら、マスコミを通した「遠くから見る」ということだけでは足りないのではないでしょうか。今、少なからず存在
する健常者と障害者の溝を埋めるには「遠くから見る」ことと「近くで見る」ことのバランスが重要だと言えるので
はないでしょうか。(本紙主筆・武内崇幸)
人生いろいろ「第16回・藤井康生氏」(NHKアナウンサー)
各界で活躍するOB・OGを訪ねる「人生いろいろ」。第16回は大相撲や競馬・水泳などスポーツ実況と
言ったらこの人、NHKアナウンサー、藤井康生氏(45)です
――この職業を選んだのは
藤井氏 大学時代は勉学に励んだというよりは、友達と野球チームを作ったりして遊んでいた。何になりたいのかも
わからなくて就職活動も全くしていなかった。そんな時掲示板を見たら、NHKの求人募集が合ってね。軽い気持ちで
受けて見たら、本当に受かってしまってびっくりした。
――新人の頃の思いでは
放送で使う共通どのアクセントに苦しんだね。少しの原稿を読むのに四苦八苦だった。あとは、高校野球の地方予選
で一日実況の練習をしたことかな。観衆の少ないのに大声で話すものだから、選手に振り向かれた事も合った(笑)。
――実況の面白さは
スポーツの歴史の1ページに立ち合えたという喜びが大きい。選手へのインタビューはスポーツを彩る大切な場面なん
だ。いかに相手に気持ちよく話してもらえるかが腕の見せ所。「どんな話をしてくれるのかな」といつも楽しみにしている。
――印象に残る選手は
一流になる人はみんなすごい。話をしたら「格が違う」ってすぐわかる。考え方もしっかりしているし、練習の取り組み方も
とても真似できないからね。
――マスコミを志す学生にアドバイスを
マスコミは「真実を伝える」ことが使命であることを肝に銘じてほしい。自分の意見だけでものを言えないのもマスコミ。そん
な時でも、正しくない事は正しくないと言えることが必要だね。
――休日の過ごし方は
学生時代から好きな競馬を見たり、たまにだけどもゴルフもする。
――中大生に一言
社会人になって思ったのは「学生時代は自由に使える時間があったなあ」ということ。その貴重な時間をいろんなことに挑戦
して感性を磨いたり、礼儀など人間として大切な事を学ぶのに使ってほしいね。
藤井氏は、我々にも記者としての貴重なアドバイスをしてくださいました。色あせる事のないスポーツに対する情
熱が、藤井氏の仕事に対するエネルギーになっているのでしょう。 〈構成・青柳雄一〉
藤井康生氏プロフィール
ふじい・やすお 昭和32年1月7日生まれ 昭和54年にNHK入局。スポーツ10強担当となって以来、実況と
して、また、アトランタ五輪女子マラソンでありもり裕子が銀メダルに輝いた時のインタビューや、昨年の大相
撲夏場所で貴乃花が優勝した時の実況など、インタビュアーとしてもスポーツの名シーンを演出している。