
<9月22日 発行>
母校愛が歴史揺らした10連覇
第79回 日本学生選手権水泳競技大会(9・5〜7
東京辰巳国際水泳場)
「中大最強」。この勢いは誰にも止められない。今年はライバル筑波大との混戦が予想されたが、
中大は個人優勝1種目ながらも、リレー2冠、下級生の活躍と「総合力」でポイントを重ね、終わっ
てみれば筑波大に100点差をつける圧勝劇。見事に日大が持つ学生記録インカレ10連覇に並ん
だ。前人未到の11連覇への視界は良好。中大黄金時代はまだまだ続く。
無念
4人のスイマーがプールに飛び込み、喜びを爆発させた。仲間に向かってガッツポーズをする。800mリレー
制覇。インカレ10連覇達成の瞬間だった。
初日、山下誠(法2)の連覇と思いきや、心残りの2位。この日最後の400mリレーは山下のためにも何が
何でも勝ちたい。中大は富樫広之真(法1)と辻井喬(経1)を起用。第4泳者・細川大輔(法3)は2位から
1位に順位を上げゴール。初日の得点は筑波大とわずか20点差。だが高橋監督は「焦りはない。順調にき
ている」といい形で初日を終えた。
波に乗って2日目のメドレーリレーも制したい。ここでも1年生の山口雅文(経)が健闘し、第4泳者・細川は
2位からの追い上げをはかる。みな細川を信じていた。細川は逆転できると。だが細川は最後まで筑波大を
とらえることができず、無念の2位。大会新記録を出すも、4人のスイマーはまともに顔をあげることができな
かった。
歓喜
前日の雪辱を期すべき臨んだ最終日の800mリレー。「リレーは皆がでたい種目。責任とプライドがある」
(三橋泰典・法3)と、選手の思いは熱い。西井照善(法4)から三橋へ7位でつなぐ。まだか、中大の逆転
劇はまだか。手に汗握るレース展開。6位で細川に。ここから逆転できるのか。一瞬前日の悪夢がよみが
える。が、前日のような悔しさは一度で十分。怒涛の追い上げでトップに。「中大は後半にかけている」とい
う竹内佳孝(経4)は言葉通りさらに差を広げ、トップでゴールした。
「筑波大の強さは讃えたい。しかし最後には中大の総合力、水泳への情熱、母校愛が勝った」と話す高橋
監督。今年は個人優勝が細川の100m自由形1種目だったが、総合では筑波大に100点近くの差をつけて
の10連覇。多くの選手が決勝へ進出して、選手層の厚さを証明した。1年生の多くが決勝へ進出して、リレ
ーにも起用され、若い力も台頭した。危ないと言われた時期を乗り越え、視界は良好ということを内外にア
ピールした。
(大瀧 玲)
ボート部、まさかの無冠
第30回 全日本大学選手権(8・21〜24 戸田ボートコース)
まさかのエイト敗北−−−。決勝で慶大に約1挺身差をつけられ2位。完敗だった。
全日本選手権に続き、再びエイトクルーの歓喜の姿は見られなかった。日本選手権
で3連覇を遂げたかじつきフォアも4位。王者中大が、8年ぶりの無冠に終わった。
中大包囲網
「慶大が良かった。ベストは出せたが及ばなかった」。戸田圭一主将(理工4)は、優勝した
慶大を称賛した。出足に遅れ、一度も慶大の背中を捕まえることができない完敗。春のお花
見レガッタで社会人を下し、学生レベルを超越しているかに思われたが、連覇はならなかった。
「打倒中央」を目標に、他大全てがインカレに仕上げてきていた。筆頭が慶大。「(予選で)
慶大の勢いを感じた」(大戸淳之介主務・経4)。予選を含め慶大とは今大会3度対戦。準決
勝で勝利するものの決勝で二度目の敗戦だった。「クルーを組んで練習できたのが1週間前。
他大はすでに調整段階だった」(三好監督)。戸田主将をはじめ、主力メンバー3人が怪我。
国際大会に選手を輩出するなどの影響が、最後まで響いた。
エイト奪還
「練習で詰めていっての成績。悲観することはない」(三好監督)。優勝を逃したとはいえ、2位。
依然として学生トップ級の実力は揺るがないが、常勝がいかに難しいかを思い知らされた。「全員
で心を一つにしてボートを漕げた」(児玉一成・文4)。攻めの漕ぎを見せたエイトクルー。「後半の
追い上げがよくできた」(松本竜一・理工4)。まさしく中大の漕ぎだった。
4年生にとっては学生最後の大会。レース後、4年生ならずとも多くの選手が悔し涙を流した。戸
田主将は「満足しないことを常に胸において練習していってほしい」と言い残した。ここからまた新
たな1年が始まる。エイト王座奪還、そのことが次の代に託された使命だ。
(佐藤 俊男)
大会結果▼かじつきフォア1東経大2慶大3龍谷大4中大▽かじなしフォア1日体大2中大3富山国大
▽ダブルスカル1仙台大2日大3筑波大4中大▽エイト1慶大2中大3東北大4日大
吉田、三段跳三連覇を達成
第72回 日本学生陸上競技対校選手権大会(7・4〜6
横浜国際総合競技場)
7月4日から始まったインカレで、中大勢はその実力を見せ付けた。三段跳では、吉田
文代(文4)が他を寄せ付けない強さで貫禄の3連覇。木造紫鶴希(商3)も2位と、関東
インカレに続き中大が表彰台を独占した。また100m、200mで林由佳(文3)が2冠を達
成。400mリレーでは2位とトラック陣も奮闘を見せた。終わってみれば総合3位。安定した
力を発揮した。
一人舞台
女王の名にふさわしい、鮮やかな優勝だった。吉田にとって最後の学生大会であった今回のイン
カレ。女王は三段跳三連覇という大偉業を成し遂げ、見事に有終の美を飾った。
他者の追随を許さない圧倒的な強さ。5月に行われた関カレではチームメイトでもある木造と熾烈
な優勝争いを展開した吉田だったが、今大会はまさに吉田の独壇場。記録こそベストではなかった
ものの、最後の跳躍を待たずして、4回目でだした13m36で優勝を決めた。
女王の涙
三連覇が決定した瞬間、吉田の眼にはうっすらと光るものがあった。その時吉田の胸にあったもの。
それは、喜びよりも安堵だった。三段跳学生女王として、中大主将としての自分の立場。「三連覇」に
対する周囲の大きな期待。様々な重圧が吉田にのしかかるなか、吉田は「自分自身を追い込み、相
当なプレッシャーをかけて試合に臨んだ」。優勝が決まった瞬間。それはすなわち、多大な重圧から解
放された瞬間でもあった。フィールドには、もはや女王吉田には敵はいなかった。闘うべき相手は吉田
自身の中にいた。そして吉田は、それらの重圧に打ち勝ち、三連覇という誰も成し遂げられなかったこ
とのなかった栄冠を手に入れた。
今大会をもって、中大のユニフォームを脱ぐことになる吉田だが、彼女の挑戦はまだ終わらない。9月
末に行われるアジア選手権では、日本代表として競技に臨む。活躍の舞台を日本から世界に広げ、目
指すは日本学生記録の13m69だ。
新たな目標を胸に秘めて、女王吉田が今、世界へ羽ばたく。
(渡邉 悠佳子)
吉田文代プロフィール
よしだ・ふみよ 昭和56年4月25日生
千葉県出身 成田高卒 160cm B型
超えろ、4強の壁
関東大学アイスホッケーリーグ戦(10・5〜11月下旬
サントリー東伏見アイスアリーナ他)
大学アイスホッケー界に君臨する四強。四強の打倒一番手と目された中大は春の
関東インカレでまさかの6位。雪辱に燃える選手達はかつてない厳しい練習に耐え、
精神面の強化を図ってきた。体制も一新し、勝ちに行く環境が整いつつある。スケート
部から勝利の鼓動が聞こえてきた。
リベンジ
雪辱を晴らしたい。その一心で選手達は例年になく質・量ともに激しいトレーニングに耐えてきた。
1対1で競争させるメニューを取り入れるなど、勝負所で力を出せるよう工夫を重ねた。夏場の練
習を指揮してきた中村太一主将(法4)は「相手に負けまいというガッツが剥き出しになってきた」と
チーム全体の意識が上がったことに手応えを感じている。
新風投入
加えて、関東インカレ終了後にコーチから監督に昇格した江守監督は選手をサポートする体制づ
くりに着手した。
まず、スケート部史上初となるフィジカルコーチに筋力測定を依頼し、選手各人に合うPNFと呼ば
れる最新理論を取り入れた強化メニューを作成した。
さらに、U−16全日本コーチの新田瑞晃氏をヘッドコーチに招聘。首脳陣のOB以外の起用は極め
て異例だ。強力なバックアップ体制を整えた江守監督は「OBにこだわらず外部の力を取り入れてで
も、まずは勝ちに行きたい」と意欲をみせる。
中大の積年の課題は決定力不足。シュート数では相手を上回っているのに得点に結び付かないパ
ターンが目立つ。「きれいにいこうという意識が強すぎる」と新田ヘッドコーチ。形にとらわれず、貪欲
に点を取る姿勢が求められる。失点をより減らすためにも軸となる東海林巧(商3)以外のDFの奮起
が待たれる。また江守監督は「大学別の戦術を練らねば」と頭脳を使う必要も痛感している。
四強崩す
ここ数年でアイスホッケーの名門高校の主力が数多く入部するようになった。そして四強と比べて、
選手の素材では負けているわけではない。そして「雰囲気が良すぎるくらい」(星野周平・法4)、チー
ムのきずなは強固だ。それだけに、選手が厳しい練習で培ってきた精神力を第3ピリオドの残り5分間
など厳しい場面でどれだけ発揮できるかにかかっている。
創部以来、一度も優勝したことがないチームの立て直しは容易ではない。だが「勝ちにいくんだ」という
気持ちがチーム全体に芽生え始めたのは間違いない。
この秋、本気になった中大が大学アイスホッケー界の勢力分布図を塗り替えにかかる。
(青柳 雄一)
選抜王座奪還、勝利を射抜く
全国学生弓道選抜大会(6・29 明治神宮)
まさかの2回戦敗退を喫した関東インカレから1週間後。全国から選び抜かれた強豪が
一同に集合した明治神宮で、中大は本来の強さを取り戻して今季団体初優勝を飾った。
強敵撃破
難無く予選を通過して迎えた決勝トーナメント。1回戦は10−7と圧倒的な強さで金沢工大を下した
ものの、2回戦以降は日大、慶大、明大と、お互いに手の内を知り合う関東勢との激戦が続いた。一
本たりとも気を抜くことができないハイレベルな試合が展開されるなか、中大は安定した力で一つひ
とつ確実に勝利をものにしていき、今季団体初優勝を成し遂げた。2回戦から決勝までは、全て1本
差で勝敗が決した接戦であった。
今回チームの要として実力をいかんなく発揮し、活躍を収めたのが佐藤裕樹主将(商4)だ。佐藤主
将が務めるのは、チームの一番最後に矢を射る落。今大会では、勝負を分ける重要な矢をことごとく
射ぬき、幾度となくチームを勝利へと導いた。予選、決勝トーナメント通じて皆中と、その的中率は群を
抜いている。そして、佐藤主将の強靭な精神力も光った。ここぞという勝負時こそ「燃えた」という佐藤
主将。チームの命運がかかった矢を放つ瞬間、「プレッシャーを感じることはなかった。むしろその状況
を楽しんでいた」と振り返る姿からは、主将としての貫禄が感じられた。
関東インカレ2回戦敗退からわずか一週間。その短期間で、技術的にも精神的にも中大は大きな成
長を遂げた。「気負いは気合いに、過信は自信に変わった」(増田監督)。選手たちは、自分の理想と
する弓を冷静かつ強気に射ることができた。
王座狙う
今回の優勝に関して増田監督は「こうなるべくしてなった優勝。選手一人ひとりが自分の役割をしっかり
果たすことができた。よくやった」と熱く語り、健闘した選手を讃えた。
王座出場には、東京都リーグ戦での全勝が絶対条件。リーグ戦で必ずや倒さなくてはならない日大、慶大、
明大などの強豪を次々と撃破して優勝を決めたことは、リーグ戦への自信につながる大きな収穫だ。
東京都リーグ戦の開幕は目前。今回の優勝で得た自信を胸に、学生王座出場権を狙う。
(渡邉 悠佳子)
大会結果 1中大2明大3慶大
人生いろいろ 第21回 川上真一郎氏(グッドウィルグループ社長)
各界で活躍するOB・OGを訪ねる「人生いろいろ」。第21回は平成8年に、上場当時の最短記録
となる起業から4年5カ月で店頭上場を達成し、現在でも人材派遣と介護で成長を続けているグ
ッドウィルグループ社長の川上真一郎氏(40)です。
−−−どんな大学生でしたか
川上氏 高校時代はバスケットボール漬けで、その反動がきたのか、授業に出ないで遊んでいたよ。イベント
サークルの活動に夢中だった。企業と協賛して学生企業のさきがけみたいなことをしていたんだ。その時の仲
間たちで今の会社を立ち上げたんだ。
−−−起業で苦労したことは
会社を興した頃は、メシを食うことしか考えられなかった。資金繰りが苦しくなって親類にも迷惑をかけたことも
ある。守るべき家族も社員もあったし、最近まで「人生=仕事」というくらい必死だったなぁ。
−−−急成長の要因は
自分の会社を興す夢あきらめなかったことが大きい。ビジネスは小さな約束の積み重ねなんだけど、それを一つ
ずつ守っていったのもよかったかもしれない。
−−−社長業の魅力は
醍醐味もあるが、つらいときもある。社運がかかる決断を下す時は一番大変だね。逆に、社員の成長を見守る
のも楽しみだね。社員に「この会社に入ってよかったです」と言われた時が一番嬉しい。初めて言われた時
のことは今でもはっきり覚えているよ。
−−−中大生に戻れたら何をしたいですか
もっと勉強しておけばよかった。でも、一生の友達も出来たし、時間も有意義に使えたし、後悔はないよ。
−−−休日の過ごし方は
午前中はスポーツクラブで体を鍛えているね。午後からは家族サービスをしているよ。家に戻ればマイホーム
パパです(笑)
−−−中大生に一言
「意志あるところに道あり」「絶対成功するんだ」という意志を持って、地道に努力すれば道は開ける。人生に一度
、ガムシャラにやる時期は必要。毎日、夢に向かって少しでも近づく努力をしてほしい。
高校時代から好きなことにひたむきに取り組んできたという川上氏。苦境をはねのけ、サクセスストー
リーの主人公たりえたのも好きを強みにしたからこそなのでしょう。
<構成・青柳雄一>
川上真一郎氏プロフィール
かわかみ・しんいちろう 昭和38年4月10日生
数年間のサラリーマン生活を経て、平成7年2月グッ
ドウィル・グループ専務取締役に就任。同11年7月に社長に就任し現在に至る。家族は妻と二人の子供
。ジャンルを問わず音楽を愛し、CDのコレクションはおよそ500枚におよぶ。
箱根への道
夏の走り込み。ロードシーズンの始まりとして選手のペースを固める意味も踏まえ、重要なのは言うまでもない。
「自分達の地力を上げなければならない」(岡本崇郁・法4)とこの夏は中大にとって勝負の夏になった。
関東インカレなど故障者で泣いた中大だが、夏合宿では主力メンバーが復帰。去年に比べても故障者が少な
く、精力的に練習を消化した。その中で、2年生の台頭がチームにいい刺激を与えた。田村航(法2)・池永和樹
(理工2)らを筆頭に走りに個性が出始め「素材的にこれから伸びてくる」と岡本主将の期待も高い。一方「後輩
に負けない」(家高晋吾・商3)と前期は下級生に頼っていた上級生が、合宿で後輩に力を見せ付けた。上級生
の意地が、さらにチームの練習に拍車をかける相乗効果が生まれた。特に、練習で名実ともにエースに成長し
た原田聡(経4)の存在が大きい。「後半戦他大のエースと戦ってもきっとやってくれる」(岡本主将)とチームか
らの信頼も厚い。
前半戦出来なかったものができている。学年は関係ない。一選手として、お互いを刺激する。競争し合い、チーム
の総合力の向上が、可能なチームの状態になった。まだ結果が出ていない不安がある。だが練習を着実にこなし
てきたぶん、期待が大きい。岡本主将は「自信を持っていいが、慢心してほしくはない」とチームの向上に余念はない。
全日本予選会敗退。この言葉に縛られる次元にもう中大はいない。夏合宿の集大成、そして中大長距離陣として
自信を取り戻す舞台・出雲。出雲駅伝に中大の真価が試される。(岸
健太郎)