FPS症候群










FPS症候群診断


 ○ FPS症候群に悩む若者たち (1/2)

  最近町では妙な振る舞いを見せる若者が増えている。
  あるものは身を低くして走り、またあるものは音に非常に敏感で臆病である。
  大きな音がすると、身を伏せる若者もいる。
  こういった症状はFPS症候群と呼ばれ、主に男性の間で急速に広まっている。

  「今日はFPS症候群の権威、マサチューセッツ工科大学のゴードンフリーマン博士に
    おこしいただいています。よろしくお願いします、博士。」

  「よろしくお願いします。」

  「そもそもFPS症候群とは一体どういったものなのでしょうか?」

  「FPSとはFirstPersonShooterあるいはShootingの略でゲームのジャンルのことです。
    一人称視点でプレイするため没入度が高く、現実世界においてもその体験が
    フラッシュバックされてしまうのがFPS症候群です。」

  「つまり一種のPTSDのようなものですか?」

  「そう考えてもいいかもしれません。特にアメリカでは患者が多く、社会問題となっています。」

  「具体的にはどういった症状が現れるのですか?」

  「そうですね、まずはこの映像を見てください。」

  「?彼は曲がり角でカッティングパイをしてるようですね。扉の開閉音や足音にも敏感ですね。
    うーん、見事なダイナミックエントリーだ。」

  「彼はCQB系FPS症候群の患者です。音に対して非常に敏感になり、足音を立てずに歩きます。
    部屋に入る際は慎重かつ大胆です。次にこの映像を見てください。」

  「匍匐前進をしていますね。一気に走り出しました。身を低くして
    カバーからカバーへ走っています。」


 ○ FPS症候群に悩む若者たち (2/2)

  「あ、今空き缶をゴミ箱に捨てましたね。何か叫んでいます。Fire in the hole!ですか?
    つまり空き缶を手榴弾に見立てているわけですね。」

  「彼は野戦系FPS症候群の患者です。オープンフィールドで自分の身をさらすことを非常に
    恐れています。高い建物の窓に気を払い、死角から死角へ移動します。次の患者です。」

  「彼はバニーホップをしてるようですね。これまた見事なドッヂングですね。」

  「彼はスポーツ系FPS症候群の患者です。移動中は常にジャンプをしないと
    落ち着かないようです。人と接する時はドッヂングを駆使します。」

  「こういった患者に対しては具体的にはどういった治療をされるのですか?」

  「意外かもしれませんが、彼らからゲームを奪うようなことはしてはいけません。
    むしろゲームをやらせるのです。しかし、FPS以外のジャンルのゲームをさせます。
    レースシムやフライトシムはやらせてはいけません。
    リアルじゃないから糞症候群にかかってしまいます。
    治療には日本のゲームが効果的です。日本のゲームはキャラ萌え主体で3人称なので、
    これはゲームの中の出来事なんだと彼等に認識させることが出来ます。」

  「ありがとうございました。ところで博士、何故バール(のようなもの)を持ってい・・・・


 ○ カナテコ

  春の陽気に誘われ散歩をしていると、工事をやっている現場に出くわした。
  ブルーシートの上に様々な工具が置いてあり、その中にアレがあった。

  カナテコ、またの名をバール(のようなもの)。
  それもかなり大きいプロ仕様。
  一般家庭にあるような、釘抜きと呼ばれたりするような
  ちゃちな物とは一線を画すその大きさ、重量感。
  俺はそれを手に取ってみたくてたまらない衝動に駆られた。
  工事のおっさんは作業に熱中してるみたいだし、少しぐらいならと、そっと手にとってみた。

  驚愕した。
  カナテコは見た目以上に重く冷たく、俺はこの錆びた鉄のモンスターに思わず身震いした。
  こんなもので科学者を殴ればそりゃ死ぬな、と一人でニヤニヤ考えていると、
  工事のおっさんと目が合った。

  バールを手にニヤニヤしながら立ち尽くす男が、これから一体何をしでかすのか、
  彼は固唾を呑んで見守っているようだった。
  二人の間に緊張した空気が張り詰める。
  俺はしばらく(実際は一瞬だったかもしれない)これからどうすべきか考えた後、
  そっとカナテコをブルーシートの上に置いた。

  工事のおっさんの安堵の表情が爽やかな風を誘う、春の午後でした。


 主な症状:

  いつも歩く道がいきなりゲームのマップになった

  大きな音を聴くと物陰に隠れる

  空き缶をゴミ箱に捨てる時「Fire in the hole!」と叫ぶ

  開けた場所に出ると落ち着きが無くなり
  高い場所の窓に気を使い死角から死角へ移動し始める


 Q&A:

  ・ 歩兵は戦車に勝てますか?

   一般:えー。むりなんじゃない?知らないけど(笑)

   患者A:平野じゃなければなんとか(AT)

   患者B:MG撃ちつつけりゃ爆発するよ

   患者C:エネミーアーマースポッテッ

   患者D:10オクロッ タンク 500

   患者H:砲塔の旋回にあわせて後ろを取りカナテコで


  ・ RPGとは何ですか?

   一般:TVゲームの事でしょ?

   患者:ロケランの事でしょ?

   末期患者:ジャンプする道具だろ?


 状況別検証:

  ・ 車に轢かれそう

   CS初期:焦ってM4にサイレンサーを付けはじめて轢かれる

   CS末期:きっちりとしたストッピングで運転手を即HSするも轢かれる

   BF:いつの間にか助手席に座っている

   Quake,その他スポーツ系:ロケジャンで避ける

   Painkiller:Ironwillで強行突破

   HALO:飛び乗って運転手を繰り返し殴りつけ乗り物奪取

   大刀:ACRO取って大ジャンプで避けるが海老原が轢かれてEND

   BF2:AT兵リスポーンで復讐を誓うも,轢かれた後メディックに蘇生され,空爆死

   シングルプレイヤー:急いでQuickloadしようとするも間違ってQuicksaveを押して無限コンボ

   Farcry:轢かれて不自然なくらいフワフワ飛ばされる

   BLOOD:轢かれて瀕死になるが運転手の心臓を食って持ち直す

   Half-Life:カナテコ一択


  ・ 入ろうとしたコンビニ店内から銃声が!

   一般:店内の様子を伺おうとする

   リアル系患者1:「テ,テロリストがコンビニにラッシュしてきました!」と通報

   リアル系2:A rush! A rush!とだけ言って壁抜き射撃開始

   リアル系3:「やべっwww俺さっきknifeで3killしちゃったwwww俺様TUEEEEEEwwww」と自首

   リアル系4:裏口からステルスエントリー&カッティングバイで索敵

   スポーツ系患者:バニーホップで正面特攻→1番武器で殴りかかる

   noob1:その場で匍匐してキャンプ

   noob2:店内に手榴弾を投げ込み自爆+Hostage down


  ・ 徒競走

   一般:普通にスタート→普通にゴール

   リアル系患者:スタートの銃声で伏せる、その後「Cease Fire!!!」と叫んでスプリントダッシュ

   スポーツ系患者:アクセルジャンプからバニーホップに繋ぐ そのスピードの上昇は
              留まることを知らず世界陸上なんて目じゃないはずだったが
              カーブを曲がりきれずに脱線,応援席に衝突して失格

   BF患者:車がリスポンするのを待ち,前を走る選手を片っ端から轢き殺すがやっぱり失格

   CS患者:スタートと同時にナイフを取り出して走るがやっぱり失格

   Quake患者:後ろを向いてロケットランチャーを足下に発射し
           反動で一気にゴールするがやっぱり失格

   UT患者:ドッヂが暴発してコースアウトで失格


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