●LAST EXILE(全26話) オススメ度:7.5  全年齢
知識  2003年4月よりテレ東深夜枠にて2クール視聴。

 監督:千明孝一、キャラクターデザイン原案:村田蓮爾。
 キャラクターデザイン:堀内修、ムラオミノル、田中雄一。
 プロダクションデザイン:前田真宏、小林誠、美術監督:小倉宏昌。
 シリーズ構成:千明孝一、GONZO、脚本:冨岡淳広、神山修一、山下友弘など。

 アニメーション企画・制作はGONZO。

 公式HPはこちら
物語  産業革命時代の雰囲気を色濃く残した世界、プレステール
 そこに住むクラウス・ヴァルカは、父の残したヴァンシップ(小型飛行艇)を使って、幼馴染のラヴィ・ヘッドとともに空の配達人をしていた。

 二人の夢は、父たちが越えることのできなかった、はるか上空の巨大な嵐・グランドストリームを越えること。
 だがある日、謎めいた少女アルヴィスを空中戦艦シルヴァーナに送り届ける依頼を受け継いだことから、二人は世界を揺るがす戦いに巻きこまれてゆく。
 大いなる風と雲の海が広がる世界、プレステール。
 はるか上空を吹き荒れる巨大な嵐、グランドストリーム。
 プレステール上で対峙する二大国家、アナトレーデュシス
 今、激動と波乱の物語が幕を開ける。

感想  おそらく地球とは別の世界である「プレステール」を舞台にした、壮大なスケールの戦争叙事詩。
 3DCGとアニメーションの融合において先駆者的なGONZOが、その真骨頂というべき素晴らしい映像を見せてくれました。
 間違いなくTVアニメの常識を超えたクォリティで、1話を作るのに一体いくらかかっているのか、毎週放送してクォリティーが落ちないのかと見ていて心配だったくらい。

 しかしその一方で、ストーリーに対しては否定的な意見が多かったように思います。
 はっきり言ってしまえば、登場キャラのほとんどに感情移入ができず、ただ物語の駒として動かされているようにしか見えなかったところが残念。

 物語は上に紹介した通り、典型的な巻き込まれ型主人公のクラウスたちが、空中戦艦シルヴァーナに乗り込んでプレステール中を移動しながら、アルヴィスを狙うギルドやアナトレーと戦いを繰り広げる(のを眺めている)というもの。
 とにかく登場キャラが多く、見慣れない世界観設定がてんこ盛りで、このへんはさすがに公式HPや話題になっているBBSなどを参照しないと、一人ではわかりづらいです。
 もっとも、事前に提示した絵と後の説明によって、何とか意味不明な部分をゼロにしようと努力している感じではありますが…。
 そのへんの丁寧さというか、視聴者に分かりやすく作られているという点は、ポイントが高いです。

 このアニメに対する不満の多くは、「この部分の描写に力を入れすぎて、この部分をおろそかにした」という、いわゆる構成ミスと呼ばれるものですね。
 具体的には、シルヴァーナ内部のドラマにこだわりすぎて、大局的なギルドとデュシス、アナトレーの戦争をあらすじのようにハイテンポに展開してしまったことなど。
 加えて、そのシルヴァーナ艦内の物語が作品世界にそぐわない、ハーレムラブコメみたいに軟派な内容である点も、反感を買っていると思います。
 終盤になるにつれて、展開がやや意味不明になったり、人間ドラマの決着の方法が「それでいいのか?」と思えるようになった点も、やっぱり残念なところです。
 …なんだかダメダメみたいじゃないか^^;

 リアルタイムで見ていた時は、ハイクォリティーな映像と謎の設定、次回にどんな展開が待っているかという期待で十分に楽しめていました。
 ですが、終わってみれば「凄い映像美だったなぁ」というビジュアル的な評価が圧倒的に勝ってしまって、シナリオに対する評価はわりとどうでもよくなってしまったんですよね(ぉぃ

 まあ、まるで粗筋を見せるようにズンドコと展開していくのは別にいいのですが(いいのか?)、そうなると描写・説明が足りていない部分が見えてきてしまうのも事実。
 嫌味ではなく、あらゆる部分にフォローを加えつつ大きな物語を描いていくのは難しいことだなー、という感想です。
 シリーズ構成には推敲に推敲を重ねたのでしょうが、全体のバランスがややキャラクターのロマンスに傾いていたのが、好みが分かれるところです。

 スチームパンクというか、「ラピュタ」的なフォルムの無骨な戦艦や飛行機が自在に大空を飛び回る、そういう絵が好きな人は見ておいて損はないかと。
 映像美だけで元は取れたという気になれます。
 物語は……わかりやすさという点では太鼓判まではいかないものの、決して難解な作品ではないと思うので、万人におすすめできます。

音楽  音楽担当はDolce Triadeとなっていましたが…外人さん?

 公式HPによると、
 オープニングテーマ「Cloud Age Symphony」OKINO,SHUNTARO、
 エンディングテーマ「Over The Sky」Hitomi
 となっていましたが…EDのHitomiさんって、一昔前にTKファミリーとして歌手デビューしたHitomiさんなのかな。
 声を聞く限り全くの別人と思いますが…。

 OP・EDテーマとも作品とピッタリで、アニメーションとともに毎回見入っていました。

ボイス
クラウス:浅野まゆみ ラヴィ: 斎藤千和 アルヴィス:白木杏奈
アレックス:森川智之 ソフィア:山崎和佳奈 タチアナ:喜多村英梨
アリスティア:桑谷夏子 ディーオ:野田順子 ルシオラ:半場友恵
モラン:三木眞一郎 など。

 アレックスはシルヴァーナの艦長で、ソフィアはその副官。
 タチアナはシルヴァーナのヴァンシップ隊の隊長で、アリスはそのナビゲーター。
 ディーオはプレステール上空から世界を統治下におくギルドの御曹司で、ルシオラはその護衛役。
 モランはアナトレーの兵士。

キャラ  やっぱり、このアニメ最大の問題児は主人公のクラウスか。
 中盤以降、急に感情移入できなくなってしまいまいした。
 というか、視聴者に嫌われるタイプのキャラとして描かれていた、とすら思えます。
 相棒のラヴィは非常にいいキャラだったと思うんですが…。

 彼は激動する周囲の変化について行くのがやっとで、ろくな活躍を見せていないにもかかわらず、言うことだけは立派だし周囲の評価も高いという、違和感の大きいキャラでした。
 タチアナが彼を評して、「私はクラウスのようなパイロットになりたい」というセリフがあるんですが、本当にそうか?と^^;
 やっぱり、クラウス自身が語るセリフにも、彼を評して周囲が語るセリフにも、大して説得力が感じられないのが、このアニメの一番の問題でしょうね。

 大きな物語とはまた別の問題として、クラウスを主人公としてしっかりと活躍させるように、またグランドストリーム越えにも意義を持たせるように描いてくれれば、9点くらい付けられる作品なんですけどね…。

 一方で、ディーオとルシオラのお気楽ギルドコンビ、モラン・シェトランドといった脇役たちは結構いい味を出していました。
 彼らのドラマの終盤における展開もちょっとどうかと思えるものでしたが…。

作中の一言:ディーオ「インメルマン・ターン!!」


●エアマスター(全27話) オススメ度:9  中・高・大
知識  2003年4月より日テレ深夜枠で2クール視聴。
 この枠は「陽だまりの樹」「はじめの一歩」「花田少年史」などなど、オタに媚びない(萌えない)アニメを量産していますね。

 原作:柴田ヨクサル(ヤングアニマル連載)、監督:西尾大介。
 シリーズ構成:横手美智子、キャラクターデザイン・総作画監督:馬越嘉彦。

 アニメーション制作は「ドラゴンボール」「幽遊白書」などの東映アニメーション。

 公式HPはこちら
物語  舞台は現代の東京。
 主人公、相川摩季は都内にある戸的(とまと)高校に通う、一見普通の女子高生。
 だが実は彼女こそ、最近街で行われているストリートファイトで連戦連勝を重ねている、空中殺法を駆使するファイター=エアマスターなのだ。
 華麗に空高く舞い、並み居る男達を一撃のもとに沈める。

 エアマスターの噂は噂を呼び、彼女を倒そうと続々と強敵が現れる。
 何故彼女は戦い続けるのか、誰が彼女を倒すのか…

 路上で激しいファイトを繰りひろげる摩季の生活に、ある日ひとつの変化が訪れる。
 それは生まれて初めてできた友達…。

感想  身長184cm、元体操選手の女子高生・相川摩季の活躍を中心に、路上のケンカ=ストリートファイトを描いた異色の格闘アニメ。
 女子高生の制服姿で闘うのだから、当然のごとくジャンプしたりしたときはパンチラするのですが、全くといっていいほど色気がないのが印象的でした。
 単にスカート姿で闘っているからパンツも見える、という感じ。

 それだけでなく、出てくるキャラクターたちはおよそ“萌え”対象外な濃いメンツばかり。
 自分より強い人間を探して勝負を挑もうとする姿勢は、格闘アニメの基本なんですかね…。

 とにかく、「次回が楽しみ」というアニメを語るなら、この「エアマスター」は同時期に放送されていたアニメの中ではダントツでした。
 毎回の引きの見事さ、予告の上手さは、見ていて悔しくなる(制作者の術中にはめられているのがわかるから)くらい。
 3話完結という形のエピソードが多いため、1話目と2話目が終わった後、次の展開が気になって一週間後が待ち遠しかったです。
 後半はほぼ「深道ランキング」という括りでもって、ある程度1パターン化しますが、それでも「次は誰と誰が対戦するのか」「どちらが勝つのか」という楽しみはありました。

 でも、このアニメは「何度も見返すたびに新しい面白さがある」というタイプのアニメではないですね。
 初めて見る分には、予想もつかない技の応酬や怒涛のストーリー展開が待っているから、すごく面白い。
 でも、一度それを見てしまうと、再び見直したとき、今度は使い回しのカットとか止め絵の活用とかが気になってしまって、あんまり面白く見られないと思います。
 あくまでスポーツの試合と同じように、一回見て爽快感を得る娯楽。
 そのへんがアニメとしては異色です。

 作画的には、とにかく動くところはよく動く。「動くアニメ」の本懐を見ました。
 主人公の摩季は「エアマスター」という異名を取るだけあって、空中殺法を得意としています。
 それはもう、物理的に無理じゃないかと思える動きを見せまくりです。
 それを「動き」にこだわりのある人が描くと、違和感を感じる以前に何となく納得してしまう、こうも躍動感のある絵が生まれるものかと感心することしきりでした。
 そういった意味では、「ドラゴンボール」で知られる東映アニメーションがメイン制作で正解だった、といえるんでしょうね。

 一方、ドラマ自体はシリアス&コメディで捉えられます。
 でも、その質は他のアニメとはちょっと違って、よく出来たラブコメアニメが真剣・深刻⇔ギャグ・萌え描写なのに対し、「エアマスター」は緊迫・緊張脱力といった感じ。
 毎回のように起きるバトルの緊張感と、コギャル仲間との他愛ないやり取りが、私のようなアニオタにも居心地のいい空気をかもし出しています^^;
 ときどき自己主張が激しい脇役たちのおかげで、エアマスターの活躍がかすんでしまうほどですが…。

 必ずしもテンポがいい回ばかりではなく、3回に1回くらいはリズムが悪い回もあったりするのですが、それでも有無を言わさず見続けさせるだけの熱さと勢いがあるアニメです。
 他のアニメでは見られない、見る者を強烈に惹きつける何かがこのアニメにはあります。
 おすすめ。

音楽  音楽:平野義久
 OPはジャパハリネットの「烈の瞬(れつのまたたき)」
 EDはマキシマムザホルモンの「ROLLING1000tOON」
 EDを歌っている本人は、タイトルを「延髄突き割る」にしたかったそうですが…^^;

 歌もそうですが、アニメーションがすごいインパクトでした。
 何かのイメージじゃなくて、ちゃんと本編で使われる映像なんだね…。

ボイス
相川摩季:朴ロ美 乾蓮華:金田朋子 中ノ谷美奈:ゆかな
川本みちる:浅野真澄 滝川ユウ:鈴木麻里子 崎山香織:土井美加
坂本ジュリエッタ:堀内賢雄 など。

 ↑は要するに主人公とその女子高生仲間、一番濃いキャラを二人並べただけですが^^;

 変に凝って本職の格闘家とか使わずに、プロの声優さんを適材適所で使っているところが好感度高いですね。
 特に崎山香織役の土井さんの怪演は大きな見どころ。
 早瀬美沙@マクロスやマーベル@ダンバインと並んで、土井さんの新たな代表キャラになりました^^;

キャラ  崎山香織と坂本ジュリエッタ。
 最終回の近くまでこの二人の存在感は大きかったなぁ。
 特に崎山はおいしいところ持っていきまくり。
 キャラ的にはサンパギータ・カイとルチャマスターも好きでした。

作中の一言:中ノ谷美奈「摩季ちゃん…」<本当にこればっかし


●スクラップド・プリンセス(全24話) オススメ度:8  全年齢
知識  2003年4月より、WOWOWノンスクランブル枠にて2クール視聴。

 原作:榊一郎、原作イラスト:安曇雪伸(富士見ファンタジア文庫刊、月刊ドラゴンマガジン、ドラゴンエイジ連載)
 監督:増井壮一、シリーズ構成:吉田玲子、キャラクターデザイン:小森高博など。

 アニメーション制作はBONES(ボンズ)。

 公式HPはこちら
物語  その悲劇は、15年前にラインヴァン王国の王妃エルマイアが出産したときから始まった。
 年に一度、マウゼル神より下される預言(聖グレンデルの託宣)が、「生まれてきた王女は16歳になった時に世界を滅ぼす猛毒である」と告げたのだ。
 この預言により、生まれたばかりの王女は秘密裏に処分され、すべて無かったこととされている。

 だが、殺されたはずの王女は助けられ、生きていた。
 養父母からパシフィカと名づけられた彼女は、元気な15歳の少女に成長していた。
 その生存を知った王国軍と教会が、次々と刺客を差し向ける。
 育ての父を殺されたパシフィカは、血の繋がらない双子の兄姉、シャノンラクウェルに守られながら、あてのない旅に出る。

 次々と襲い来る刺客。
 “廃棄王女”という言葉を聞くだけで、憎しみの目を向ける人々。
 兄と姉に守られるだけで、非力なパシフィカ。
 だが、どんなに追い込まれても、自分らしさを失わない彼女の生き様は、いつしか出会う人々の心を変えていく。
 この少女が世界を滅ぼすとされている、16歳の誕生日まで、あとわずか…。

感想  ファンの間では「すてプリ」と呼ばれているらしく、私もいつの間にかそう呼んでました(そういえばアイキャッチでも^^;)。
 「16歳の誕生日に世界を滅ぼす」と預言を受け、世界中の人間から忌み嫌われ、命を狙われる廃棄王女。
 そんな過酷な運命を背負ってしまった少女パシフィカと、彼女の義理の兄シャノン、姉ラクウェルの旅を描いた冒険ファンタジーです。

 世界観は騎士や王様が出てくる中世っぽい感じなのですが、その世界には実は隠された秘密があって、超越者によって管理・監視されています。
 あまり書いてしまうと見たときに面白味がなくなるので書きませんが、実に、実によく考えられたシステムです。
 人間という、誕生したことが奇跡のような種族に希望を持った視点と、一方で人間という、地球をどこまでも傷つける生物を害悪のように捉えた視線。
 物語は様々な人物たちの思惑が交錯しあい、作者の複眼的な視点の豊かさを感じさせます。

 単なる剣と魔法のファンタジーに見えて、実はSFと呼べるような擬似科学的な理屈が通った作品でした。
 アニメや漫画では、わりとそういう「二重の文明」が存在する作品って多いですよね。
 産業革命の時代が舞台なのに、「アトランティスの力」とかいって超古代の科学文明の力で宇宙船まで出してしまう某作品とか。

 ただ、この「スクラップド・プリンセス」は、過去の文明と現在の世界の繋がりが非常にスッキリとしており、かつとてもわかりやすく解説されていて好感が持てました。
 最近の作品で似ていると思ったのは、安井健太郎氏の「ラグナロク」かな。同じライトノベルだし。
 確かあちらも、使っている武器が5000年前のものという設定だったような。
 闇の種族が出てきたり、基本的な文化レベルが異なるのが大きな違いですが…って、あまり脱線するのは良くないですね^^;

 要するに、単なる冒険活劇とは違って、物語のスケールはかなり壮大な部類に入ります。
 もっとも、基本的に主人公たち3兄妹(パシフィカ・シャノン・ラクウェル)の視点で描かれるドラマは、えらく地に足がついているというか、生活感が漂っています。
 メインで動く登場キャラクターが意外に少ないことや、ごく自然な会話、食事やお風呂などの生活描写が多い、ということも要因だと思います。

 この感想ではあまりテーマに触れるということはないのですが、たびたび“死”からの誘惑を受けながら、その度に“生きる”ことを肯定していく主人公たちの強さには、感銘を受けました。
 ストーリーの進展にしたがって、しっかりと燃える&泣ける展開です。
 自分の家族が、「神様が『この娘は16歳になったら世界を滅ぼす』と仰っているから、殺せ」なんて言われて、世界と家族どちらか選ぶかとなったら、そう簡単に答えは出ないですよね…。
 テーマがずーんと重いため、かえってキャラクターたちには飄々とした描写が多かったのかもしれません。

 それでいて、中盤になれば各キャラの言動にちゃんと積み重ねられたものが感じられる、というのは短い出番の中で的確にそのキャラを印象付けているからこそだと思います。

 同時期に「WOLF'S RAIN」も制作していたBONESの作画は、こちらでも安定。
 キャラクターは綺麗なお兄ちゃんお姉ちゃんがしっかり描かれており、戦闘シーンも怪獣映画のようなノリでダイナミックに動きます。
 特に、パシフィカのくるくるロールと、過剰なお色気を感じさせない女性キャラの胸がいいですね(マテ

 物語に興味を持ったなら、ぜひ一度見てみることをおすすめします。
 第1話のみちょっと低調ですが、24話付き合って損はないアニメです。

音楽  音楽:七瀬光、音楽制作:ランティス。
 オープニング主題歌はJAM Project featuring奥井雅美で「Little Wing」、
 エンディングは「大地のla-li-la」(上野洋子・伊藤真澄)。
 エンディングを歌ってるのは「ミト」や「あずまんが」などのEDを歌っていた人たちかな?

ボイス
パシフィカ:折笠富美子 シャノン:三木眞一郎 ラクウェル:大原さやか
クリス:水島大宙 レオ:近藤隆 ウィニア:川澄綾子
ゼフィリス:水橋かおり セーネス:松岡由貴 ステア:根谷美智子

 最後の3人はHPのスタッフリストに載ってなかったですが、独断と偏見で選びました^^;
 まー女性陣に限っては、最近のオタ向けアニメでは常連といっていい方々ばかりですね。
 折笠さん、大原さん、川澄さん、水橋さん、松岡さん…根谷さんだけはもうかなり前から定着されているかな。
 とにかく、最近チェックしているアニメで、この中の誰も出ていないことはない、という感じ。

 特筆すべきはパシフィカ役の折笠さんの自然体の演技で、本当にどこにでもいそうな感じに好感がもてました。
 もちろん褒め言葉ですよ^^;

キャラ  ほとんどのキャラに感情移入できるアニメ、というのは珍しいです。
 物語も佳境に入ってくると、誰の胸中を思っても切ないものがあります。
 つーか、フォルシス王子をずーっと引っ張ってきて、あんな役割を担わせるこたぁないと思いましたけどね…。

 そんな中、私がこのアニメであまり感情移入できなかったのは、パシフィカを守るシャノン兄ぃと王国軍特務兵のクリス。
 もちろん悪人ではないのですが、見ていてもどかしいです。
 シャノンはゼフィリスに対しあんなにつらく当たることはないじゃないか、とか^^;
 クリスは育ってきた環境がそうさせるのだろうけど、ドライすぎて心情が読み取れず、いつも行動が唐突な感じ。
 特務部隊の中でも人望が厚いらしい、という設定も唐突に感じました。

作中の一言:シャノン「生きるぞ、全力で」


●住めば都のコスモス荘 スットコ大戦ドッコイダー(全12話) オススメ度:7  全年齢
知識  原作:阿智太郎、漫画:矢上裕。
 監督:まついひとゆき、シリーズディレクター:野中卓也。
 キャラクターデザイン:柴田淳、メカデザイン:丹羽恭利、美術監督:工藤ただし。
 メイン脚本:金月龍之介、佐藤和治。

 メインアニメーション制作はユーフォーテーブル。

 公式HPはこちら

物語  主人公、桜咲鈴雄はごく平凡な専門学校生。
 ある日のこと、鈴雄は突然現れたタンポポという少女から、おもちゃメーカーオタンコナス社のモニターになって欲しいと頼まれる。

 仕事の内容は、パワードスーツを着て試験官役の宇宙犯罪者たちと戦い、彼らの正体を見破ること。
 オタンコナス社は、ライバルのエメラルドカンパニー社製パワードスーツ・ネルロイドガールとともに、銀河連邦警察に正式採用されるための競争をしているのだった。

 鈴雄はこの仕事を引き受ける代わりに、わずかな報酬と「コスモス荘」という住居を与えられる。
 割に合わないハードな仕事、はたして鈴雄は無事仕事をまっとうできるのか?
 そして、コスモス荘に次々と入居してくる住人たちの正体は…?

感想  変な宇宙人が住む「コスモス荘」を中心に、住人たちのほのぼのした日常とドタバタ騒ぎを描いたへっぽこヒーローアクション
 キャッチフレーズは「ノリこそ命」で、キャラクター同士のノリツッコミをはじめとして、脱力系ギャグをまじえたアクション、可愛いキャラによる“萌え”、お色気サービスなどが詰め込まれ、不思議な雰囲気をかもし出しています。
 やっているネタは全般的に下品というか、結構えげつないことを色々やってるんですが、それを見ていてあまり不快感を感じないのは、不思議としか言えません。
 最終11〜12話をのぞけば1話完結型の構成で、各話のジャンルが非常にバラエティーに富んだ作品です。
 他作品のパロディで1話を作り上げてしまった話もあれば、登場キャラ一人にスポットを当てた人情話もあり、視聴率をあげつらった盗撮風 ドキュメントもあり(笑)。
 一言でいって実験的ともいえるのですが、どのエピソードもすごく面白いとは言わないまでも、ハズレがない堅実な内容。
 ただしラスト2話の盛り上がり方はタダ者ではなく、終わったとき「最後まで付き合って良かった」と思える、爽やかな印象を残しました。
 いろんな意味で、スタッフの力が上手くかみ合っていた作品じゃないかと思います。

 主人公のドッコイダー(中の人はただの地球人、桜咲鈴雄)は、正義感は人一倍あるけど暴力が嫌いで、おまけに変身した姿はオムツを履いた、ウルトラマンのパロディみたいな格好。
 間違ってもカッコいいとはいえない姿で、しょっぱなから情けない表情たっぷりに逃げ回りまくります。
 敵に勝利するオチも、「主人公が燃えるアニソンを聞いてやる気になっただけ」など、脱力系のものが多く、最初はあんまり笑えませんでした。
 が、そもそもこのアニメは爽快感のあるヒーローアクションに期待するような作品ではないんですね。

 すなわち、コスモス荘住人同士の、家族のように和気あいあいとした近所付き合いが、ひとたび変身すればライバル・敵同士として派手にドンパチを繰り広げるという、面白い関係(お互いに正体は知らない)。
 どこから発想が出てきたのやらわからない、へっぽこ脱力ネタの数々。
 ツッコミどころ満載の設定。
 そして、各話のバラエティーに富んだストーリー構成こそ、このアニメを面白くしている要因であると。
 お話自体は人によって当たり外れがあるものの、アホな設定に時にはツッコミを入れつつ、ほとんどはノリとしてうっちゃってしまうのが、このアニメの正しい楽しみ方なんじゃないかと思います。

 アニオタ的には、主人公ハーレム状態(=平凡な主人公が、彼に好意をもった美少女たちに囲まれる)なのは慣れっこですね^^;
 特定のヒロインとのシリアスな恋愛話に発展したりはしませんが、とりあえず見ていて居心地のいい世界になっています。
 それを逆手に取った、「妹 LOVEでドッコイ」という、すさまじいパロディ回もあるし。

 お色気サービスについても、このアニメの女の子たちのほとんど裸みたいな恰好は、正しくUHF深夜枠で放送される内容にふさわしいというか。
 水着や浴衣になっても、あまり普段と変わらないというのがすごいですね。
 スタッフが「わかって」下ネタを散りばめている感じが好きでした。

 不満としては、1クール12話では短すぎるということと、短いシリーズなのにメインキャラにわりふられた担当回の優先順位かな。
 すなわち、タンポポや朝香などを差しおいて、マロンフラワーやモグモッグルなどがメインを張る回を用意したのがよくわかりません。
 いっそのこと、原作のファン投票などで、人気エピソードを選び出して作る、というのでも良かったのでは…?

 不思議な雰囲気を持った作品として次週が楽しみなアニメであり、燃え面白いラストを迎えただけでも、十分成功したといえるでしょうか。

音楽  音楽は`島邦明氏。
 「スプリガン」とか「マスターキートン」とか色々やってる人ですね。

 EDを歌っている人は、ずっとタンポポ役の石毛佐和さんだと思ってたんですが、植田佳奈さんでしたか^^;

ボイス
鈴雄(ドッコイダー):浪川大輔小鈴(タンポポ):石毛佐和朝香(ネルロイドガール):清水香里
栗三郎(マロンフラワー):緒方賢一瑠璃(エーデルワイス):釘宮理恵沙由里(ヒヤシンス):三石琴乃
 とりあえず主人公兄妹とライバル、犯罪者3人。
 その他、マロンフラワーのサポートメカに大原さやかさん、瑠璃の父親役に松野太紀さんなど。

キャラ  いくらモモーイがおすすめしていようと(小麦ちゃんCMを見ていない人にはわからないネタ)、タンポポよりは朝香の方が好み。
 しかし、タンポポはリアル小学生に見えて実はちゃんとした会社員なのだから、年齢は見た目をはるかに上回るものなのかもしれない。

作中の一言:ドッコイダー「燃えさかる熱血α波に、不可能はない!」


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