●新機動戦記ガンダムW(全49話+OVA3話) オススメ度:8  小・中・高
物語  アフター・コロニー(AC)という、既存のガンダム・サーガとは違う歴史をたどった世界のガンダム戦記。

 AC195年、とあるコロニーの政治的指導者の暗殺を契機として、長年にわたる地球圏統一連合の圧政に耐えかねた一部のコロニー住民が、「オペレーション・メテオ」を発動。
 地球に5体の“ガンダム”を送り込む。
 送り込まれたガンダムの少年パイロットたちは、互いの存在を知らないまま、それぞれに連合軍の主戦派「OZ(オズ)」への攻撃を開始する…。
感想  95年に放送。
 5人の美少年テロリストたちとエキセントリックなヒロインを中心に、宇宙コロニーの自治独立をめぐる地球とコロニーの戦いを描いた作品。

 この世界において、登場するガンダムは基本的に少年テロリストたちが乗る機体のみで、それぞれ異なった外観をしています。
 タイトルの「ガンダムW」は、主人公格のヒイロが搭乗するウイングガンダムから取ったものでしょう。
 それぞれのガンダムが、一体で大部隊を相手にできるような、非常に強力な兵器として描かれています。

 そもそも、この作品はMSの種類がきわめて少ないのが特徴。
 裏事情としては、前作「Vガンダム」への感想としてメカに対する感想が多く、ストーリーに対する感想が少なかったため、本作はあえて登場するMSの種類を限定したようです。
 ガンダム以外の機種を挙げても、リーオー、エアリーズ、トーラス、ビルゴ、トールギスなど(どれも占星術に関する名前)、十指に満たないかも。

 ともあれ、この「ガンダムW」は富野監督の作品ではないですが、ついにガンダムはテロリストの乗り物になってしまいました(笑)。
 かつては連邦軍の正義の象徴だった白いMSも、「Vガンダム」でゲリラに使われ、今度はテロリストの武器に…。
 そう考えると切ないものがありますが、彼ら少年テロリストも最終的には平和に目覚めて、コロニーと地球の平和のために戦おうとするようになるわけで、これはこれで良かったのかな…?

 基本的なストーリーの流れは歴代ガンダムの複製品とはいえ、第一話から最終話までを淀みなく一気に見せる構成力は見事。
 また、モビルスーツの無人戦闘の導入についてこだわったモビルドール、武器を持たず世界から争いを排除しようとする完全平和主義のサンクキングダムなど、部分的になかなか意欲的なテーマを扱っています。
 今までのガンダムで、そういった戦争の解決策について、活発に議論していた作品ってなかったと思いますしね。
 要するに、すぐに自爆しようとする5人の美少年たちの活躍、思い込みの激しいヒロインの言動に目が向きがちですが、「ガンダムW」のシナリオは高いレベルでよく構成されていました。
 だから、ガンダムや主人公たちの見た目だけで見るのを止めている人がいたら、もったいないと思います。

 …ところで、これは異論のあるところでしょうが、少年たちにはラストで全員戦死してもらいたかったというのは私だけですかね?
 どうも、私には物語に絶対的因果応報を願っているところがあって、あれほど人を殺しまくった主人公たちが、ハッピーエンドを迎えるのはありなんだろうかと思ってしまうわけです。
 もちろん、彼らにそれをさせたのは狂った大人たちであり、行動原理にはコロニーを地球の圧政から守るという大義もあります。
 加えて、最終的にリーブラの地球落下を阻止したという功績があるのなら、幸せな結末を迎えさせてもかまわない、という理屈も通りますが…。
 特に自ら死神を名乗っていたデュオなどは、進んで破壊と殺戮を楽しんでいたようにも思えるんですよね。
 カトルにしても、第一話で攻撃の前に「武器を捨てて投降しろ、命まで奪おうとは言わない」なんてこと言ってましたが、手加減というものを知らずに敵を頭から真っ二つにしてましたし(笑)。
 もしラス2話で少年たちが全滅していたとしたら、少なくとも私はこの作品の評価を9にまで上げていたのですが^^;

 それと、エピローグのさらに後を描いたOVAが3話リリースされていますが(劇場版もほぼ同じ内容)、これは別に見なくてもいいだろうということで、オススメ度6です。
 いちおう、TVシリーズが始まる前、すなわちヒイロたちが地球に降りる前の経緯を描いていたり、マリーメイアの反乱を通じて、「オペレーションメテオの真相」を説明したかったのだろうと思います。
 で、それについてはよくわかったんですが、その他のシナリオの展開が早すぎて、リファインされたガンダムのお披露目式みたいな内容になってますね。
 TVシリーズのラストで生死不明にしたあのキャラも、大した説明もなくあっさり復活してるし(笑)。
 「教えてくれ。俺はあと何人殺せばいい?」というヒイロのセリフも、殺す前におまいがさっさと氏ねと思っている私にしてみれば、なんら感慨を持つものではありません(酷)。
 ということで、前シリーズで解決されていない部分を感じていたりする人はチェックすべし。
 よりありえない姿にデフォルメされたガンダムたちを見たい、という人も(笑)。

音楽  ガンダムWといえば、声優の高山みなみさんがボーカルを担当しているユニット、TWO-MIXの知名度を一気に高めた作品。
 主題歌である「JUST COMMUNICATION」(前期)「RHYSHM EMOTION」(後期)の2曲は大ヒットしました。
 でも結局、この作品が終わった後は、いまひとつパッとしなかったような…今はどこへ?

ボイス
ヒイロ:緑川光デュオ:関俊彦トロワ:中原茂カトル:折笠愛
五飛:石野竜也リリーナ:矢島晶子ゼクス:子安武人トレーズ:置鮎龍太郎
ノイン:横山智佐レディ・アン:沙ゆりサリー:冬馬由美ドロシー:松井菜桜子
 五飛は「ウーフェイ」と読みます。
 いちおう、デュオ(2)・トロワ(3)・五飛は数字に関する名前だけど、ヒイロとカトルは違う…?
 まあ、トロワも本人が適当に付けた名前みたいですし、特に意味はないのでしょう。
 女性視聴者には、デュオが一番人気があったみたいですね。

キャラ  ゼクス・マーキス。
 第一話から登場する敵組織オズのエースパイロットで、一々格好つけた言動をする仮面の人。
 とくればモチーフは赤い彗星の人以外に考えられず、そういう目で見てみると、まんま彼そのものではないかと思えるわけです。

 ある程度ネタバレしてしまいますが、

 @亡国の王子様で自分の国を滅ぼした組織に入り、
 A最初に主人公たちの敵として現れ、
 B生き別れた実の妹がいて、
 C一時は主人公たちの味方になるも、
 D最後は巨大戦艦を地球に落とそうとする、

 なんてまさに「ファースト」から「逆シャア」にいたるまでの彼の足取りの再現なわけで。
 それで面白がってるんだから、私を含め視聴者というものは同じものを提供されても喜ぶものなんですね^^;
 見方をかえれば、それだけ歴代ガンダムの構成がドラマチックにできていて、脇役(この場合はヒイロたち)を変えればまだまだ面白い作品が作れる、ということでしょうか。

作中の一言:ヒイロ「お前を殺す」<そう言った相手は誰も殺さなかったね(´ー`)


●機動戦士ガンダム0080〜ポケットの中の戦争〜(OVA全6話) オススメ度:7  小・中・高
感想  89年に制作された、ガンダム初のOVAシリーズ。
 監督:高田文彦、脚本:山賀博之(「オネアミスの翼」)、キャラデザ:美樹本晴彦、デザインワークス:出渕裕、メカ原案:大河原邦男、協力:明貴美加など、今考えると超豪華なスタッフ。
 一年戦争末期を背景として、とあるコロニーで極秘裏に開発された新型ガンダムと、その破壊工作を命じられたジオン軍の特殊部隊(サイクロプス隊)との戦いを描いた作品。
 連邦・ジオンのどちらが主役でもなく、中立コロニーに住むアルという小学生の視点を通して描いているのが特徴です。

 アルはコロニーに潜入してきたサイクロプス隊の新米兵士、バーニィと知り合いになり、さらにガンダムのテストパイロットであるクリスともお隣さんという関係を持っています。
 知らない人でも、このへんで悲劇のニオイがプンプン漂ってきたと思いますが、物語のラストには最悪の結末が待っています。
 ガンダムをこの作品から見始めたら(そんな人いたらかなり渋いですが)、一般の戦争ものに通じる普遍的なテーマを感じるであろうアニメです。

 この作品が富野監督の手を離れて作られた初のガンダムということになりますが、これが意外と成功した(従来のファンに受け入れられた)ために、後の0083が続きました。
 まあ、ガンオタには「富野監督のガンダム以外は贋物」「ファースト以外はクズ」と主張する人もいるのですが、私はもちろんこの作品を含め、ほとんどのガンダムは「あり」として認めています。
 (ただ、「機動武闘伝Gガンダム」は…あれだけは勘弁していただきたいという感じです(笑))

 それはともかく、この「0080」はたった6話と短いシリーズでしたが、堂々たる二部構成のシナリオで、完成度が高いです。
 初めて見たときは小学生で、内容がガンダムの破壊工作という地味なものでドンパチは控えめだったため、「盛り上がんないなー」とつまらない印象を持っていました。
 何だか知らないけど、主人公の子供がジオン軍の手伝いをしていると^^;
 しかし、しばらくたって見直してみると、むしろプロローグのサイクロプス隊のミッションから、アルとクリスの再会、バーニィとアルの出会い、ケンプファーによる襲撃までが流れるように構成されており、加えてサイクロプス隊隊員たちの心情が予想外に丁寧に描かれていることに感心しました。
 というか、今までドイツのナチスみたいに描かれていたジオンのイメージを払拭し、ザクをこれほど優しく温かい存在として見せた作品はないでしょうね。
 まあ、クリスがNT-1アレックスのパイロットという設定は、さすがにご都合すぎるじゃないかと思いましたが…。
 
 もはや変えようがないとはいえ、ガンダムという作品はかくも主人公に悲しい運命を押し付けます。
 初めて見たときも、あらためて見直したときも、待ち受けるラストシーンはひたすらに悲しく、やりきれない気分にさせられました。
 これといって連邦・ジオンの戦争に影響を与えた事件ではないし、この作品を見なくても「ファースト」から「0083」「Z」へ進むことができますが、余裕があったらぜひ見てほしい作品です。

音楽  OP「いつか空に届いて」、ED「遠い記憶」(椎名恵)。
 最終回ではOPが挿入歌としても使われていて、非常に効果的。

ボイス  アルフレッド・イズルハ(アル):浪川大輔
 バーナード・ワイズマン(バーニィ):辻谷耕史
 クリスチーナ・マッケンジー(クリス):林原めぐみ
 シュタイナー:秋元羊助 ミーシャ:島香裕 ガルシア:島田敏 など。

 まさかアルの中の人が、2003年には双子の妹とおねがい同棲したり、ドッコイダーに変身したりする人になるとは…。
 声変わり前のリアル小坊だけに、演技は素の子供のまんま。

キャラ  バーニィ。
 ザクのみでアレックスを大破させた功績は偉大。
 そのせいか、スパロボでは異常にザクにこだわりを持つキャラ付けをされてたりする、かわいそうな人。

作中の一言:アル「バーニィ、あいつをやっつけられる?」


●グリーングリーン(全12話) オススメ度:5  性欲を持て余す高・大
知識  2003年7月より1クール視聴。

 原作:GROOVER (パソコンゲーム)。
 監督:ムトウユージ、シリーズ構成:冨岡淳広。
 スーパーバイザー:松下千咲、キャラクター原案:片倉真二。
 キャラクターデザイン・総作画監督:中原清隆。
 音響監督:たなかかずや など。

 メインアニメーション制作はSTUDIO MATRIX。

 公式HPはこちら
物語  季節はさわやかな初夏。
 人里離れた山の奥深く。見渡す限りの大自然。
 その中に秘密基地か、はたまた少年院かのようにたたずむ鐘ノ音学園

 下心の塊“バッチグー”
 マニュアル馬鹿“一番星”
 ロリ萌え巨漢“天神”
 以上3バカトリオ。
 そして、さえない平凡な主人公“高崎祐介”

 悶々とした学園生活を送っていた彼らの元に、突如天変地異がおとずれる!
 学園共学化への試みとして、期間限定で女子の編入が決定したのだ!
 3バカトリオを筆頭に、がぜん色めき立つ学園の男達。
 しかし……未知なる異性に対して、どう接したら良いのかなど、知る由も無い連中だった。

 そして、いよいよ女子の乗ったバスが到着。
 「祐介くん!」
 出迎える祐介の前に、突如現れた天然ボケ少女“千歳みどり”
 一同の視線を集めつつ、祐介に抱きついたこの娘は、一体何者なのか???

感想  2001年10月に発売された18禁美少女ゲームのアニメ化。
 たしか、2002年にも1度OVA化されてたと思うんですが…それはなかったことになってるのかな?^^;
 で、今になってTVシリーズ化されたのは、よほどネタに困ったからなのか、原作をアニメ化したいという情熱を持った人がいたのか。

 ともあれ、原作は美少女ゲームであるにもかかわらず、男子校特有のムサい男同士の友情と、若さゆえのバカな行動を真正直に描いた点で、新鮮な印象を残した作品。
 他にもやたらとセンスのいい音楽とか、アニメを意識したテンポのいいドラマ作りとかもあって、そこそこヒットしたようです。
 まあ、私自身はあまりのエロシーンの薄さに、当初は「これはエロゲーではない」とか憤慨したクチですが(笑)。

 美少女ゲームをアニメ化すると、どのヒロインにも見せ場をつくって主人公が八方美人的になりがちですが、このアニメはそこのところはかなり大胆に割り切られてます。
 すなわち、メインとして描かれるのはバッチグー、一番星、天神たち3バカのほとばしる性欲の暴走と、祐介とみどり、双葉のラブコメと決まっているんですね。
 若葉、早苗、千種先生たちにヒロインとしての見せ場はなく、完全なサブキャラ扱い。
 あとは、TVアニメの限界に挑戦するかのようなお色気シーンと下品なギャグでもって、青少年に有害な毒素をぶりまく異色のB級アニメになっていました^^;

 このアニメにおける3バカは、ともすればまともな会話すら成立しそうにない変態であり、毎週のように犯罪行為を計画し、実行に移します。
 女子寮への潜入、風呂覗きといった定番のものから、股間にバナナをぶらさげて女子の前で踊る、強制的に服を脱がせて魚拓ならぬパイ拓を取るなど、直接的なセクハラも辞しません。
 それでいて、その制裁が毎回のように女子に殴られる・蹴られるぐらいのものなので、ギャグ扱いになっているわけですが、実際に高校生ぐらいの年齢でやったらかなりアウトなんじゃないかと^^;

 一方、主人公の祐介は、3バカとは対照的に、女の子と接する機会が多いにもかかわらず、女子の気持ちにやたら鈍感なキャラとして描かれています。
 要するに、「誰かれ構わず気を持たせる節操なしじゃない!」(by朽木双葉)と。
 確かゲームだと、主人公の祐介自身も、童貞を捨てるために女の子(やたらと馴れ馴れしいみどりは除く)と仲良くなろうと、必死なキャラだったはずなのですが…人知れず去勢されたのか?
 この主人公があまりにもつまらないキャラなので、3バカの暴走が否応にも目立ってしまい、「みどりとラブラブになろうとどうでもいい」的な視点が生まれてしまうんですね。
 最終話では、それなりに原作に準拠した、切ないエピソードが用意されているのですが。

 まあ、スタッフが描きたかったのは、ヒロインと主人公の恋愛ではなく、TVシリーズの限界に挑戦した下ネタの方であろうというのは、見ていて何となくわかるので、それはそれで正解だとは思うのです。
 何しろ、あの素晴らしく下品なOPを作ったスタッフですし^^;
 放送テレビ局から苦情がきたにもかかわらず、さらにお色気サービスを増量し、ついには女子の股間のスリガラスモザイクまで使った度胸は評価に値します<ホントか?

 ゲームが表現しようとしていたことの一端(原作者いわく、「男子校の修学旅行のようなお祭り的なノリ」)は再現できていたものの、美少女ゲーム原作アニメとしてはどこまでもB級な作りに、賛否が分かれそうな作品です。
 で、私としては、内容の薄さと事前にいだいていた期待の反動から、5点というやや厳しめの評価になります。

 ちなみにその後OVAとして、「グリーングリーン エロリューションズ」なるどこかで聞いた様な商品展開を見せておりますが、こちらはさすがにエロ強化がたたって18禁指定をくらってしまったようです^^;

音楽  音楽 : 光宗信吉。
 OP:「Guri Guri」(佐藤裕美)
 ED:「青空」(YURIA)
 OPの佐藤裕美さんは、美少女ゲーではすっかりおなじみ。
 かなりパワフルな歌い方をする方ですよね。正統派のパンカーというべきか。

 ちなみに「グリーングリーン」というタイトルは、中学校で歌わされた課題曲…から取っているのかどうか知りませんが、ゲームでは千種先生が校内放送をジャックしたとき名乗った名前。
 謎の人物グリーングリーン登場ですよ。さぶっ。
 千種先生は女子と男子の接近を規制しようとする学校側に対抗して、生徒に「そんなこと気にせず、もっと仲良くなりなさい」的なエールを送ってくれるキャラだったんですけどね。

ボイス
高崎祐介:武内健千歳みどり:中山さら朽木双葉:藤巻恵理子
朽木若葉:満仲由紀子美南早苗:杉本沙織飯野千種:鈴木麻理子
森村麗華:植田佳奈など。

 3バカのキャストは公式HPでも省略されているという不遇っぷり。
 間違いなく、千種先生や早苗よりたくさん喋っていると思うのですが…<ならおまいが載せてやれよ

キャラ  ゲームでは祐介の部屋に同居して、天神との見事な掛け合いを見せてくれた“小みどり”が出てこない代わりに、“森村麗華”なるオリジナルキャラが登場。
 みどりとの絡みで百合ネタでも見せてくれるのかと思いきや、その正体はなんと運命の使いという意味不明なキャラでした。
 風呂場での大股開き、3バカそっくりの山猿による輪姦(笑)以外では、全く生かしきれていなかったのが残念。
 みどりが自分で自分と祐介のことを説明すれば、別にいなくてもいいキャラだったと思うんですよね。


●D.C.〜ダ・カーポ〜(全26話) オススメ度:7  中・高
知識  2003年7月より、UHF系列にて2クール視聴。

 原作:CIRCUS、キャラクター原案:七尾奈留。
 監督:宮崎なぎさ、シリーズ構成:池田眞美子。
 キャラクターデザイン:田頭しのぶ、美術監督:柴田千佳子。
 色彩監督:秋山久美、音響監督:菊田浩巳 など。

 A・Bパートのアニメーション制作はZEXCS(ゼクシズ)、アニメーション協力:feel。
 Cパートのアニメーション制作はカオスプロジェクト。

 公式HPはこちら
物語  一年中桜が咲き続けている島、初音島(はつねじま)。
 主人公、朝倉兄妹(純一、音夢)は、ここで3年生の春を迎える。

 新学期の登校初日、純一たちは転校生の少女と出会う。
 その少女とは、純一が6年前に別れたきりの従妹、芳乃さくら。
 さくらの容姿は6年前と全く変わらず、子供の姿のままだった。

 奇跡がかなうこの島で、新しいドラマが始まろうとしていた…。

キャラ  この作品は美少女ゲーム原作なので、ゲーム風に紹介^^;

 朝倉 純一(あさくら じゅんいち)
 「かったるい」が口ぐせの主人公。
 手のひらからお饅頭を出したり、他人の夢を見るといった魔法が使える。
 なぜか女の子にモテまくる。

 朝倉 音夢(あさくら ねむ)
 主人公の義理の妹。主人公を「兄さん」と呼び、丁寧語で話す。
 やや病弱な体質。重度のブラコンでヤキモチ焼き。
 料理の腕は壊滅的にダメ。

 芳乃 さくら(よしの さくら)
 主人公の従妹。金髪碧眼。アメリカ帰りの帰国子女で、ボクっ子。
 なぜか6年前と同じ容姿のまま、主人公の通う学園に編入してくる。
 うたまるという猫(?)を連れている。

 水越 萌(みずこし もえ)
 主人公より一年先輩で、本校の生徒。
 歩きながら木琴をたたき、屋上で鍋知識を披露する天然ボケ少女。巨乳。

 水越 眞子(みずこし まこ)
 主人公のクラスメートで、姉よりはまともだが、鍋好きなのは同じ。
 主人公や杉並とはケンカ友達?また、なぜか同性にモテる。

 天枷 美春(あまかせ みはる)
 音夢を犬のように慕う後輩。通称わんこ。
 常にテンションが高く、バナナに異常な愛情を燃やす。

 白河 ことり(しらかわ ことり)
 学園のアイドル。実は人の心が読めるテレパスであり、気配りの達人。
 見かけによらず、「こんちわっす!」と挨拶してくる、気さくな性格。

 鷺澤頼子(さぎさわ よりこ)
 純一の家にやってきた、純真無垢な猫耳メイドさん。
 なぜ猫耳なのか、どうして純一の家で働きたいのか、といった事情は不明。
 ドジッ子だが頑張り屋。巨乳で耳が敏感。

 杉並(すぎなみ)
 名前は不詳。非公式新聞部部長で、純一の身の回りの情報には誰よりも耳が早い。
 オカルト好きで、頼子さんを「マイサギー」と呼んで愛でる。

感想  一年中桜が咲いている「初音島」を舞台に、他人の夢が見られるという特技(?)を持った主人公・朝倉純一と、彼の周りの女の子たちの交流を描いた学園ラブコメ。
 魔法や奇跡などわりと何でもありの設定で、アニメの中には猫耳少女や他人の心を読めるエスパー少女、人間そっくりのロボット少女なども登場します。

 世間では「ダ・メーポ」と呼んで嫌う向きもあるようですが(っていうか多数派?^^;)、個人的にはプッシュしたい作品です。
 「シスプリ Re Pure(以下プリピュア)」以来半年ぶりの、作品世界にまったりと浸れるハーレムアニメでした。

 監督は長く大地丙太郎監督の下でコンテや助監督などをつとめ、プリピュアの監督も務められた方。
 メイン制作も同じであるため、画面から感じられる雰囲気は、非常にプリピュアに似ていますね。
 アニメの尺がAパートとBパートを足しても20分足らずであり、Cパートには別の制作会社が作ったショートドラマが入っている、という構成も同じ。
 そこに、大地監督直伝(?)のキャラの崩した顔や、可愛らしいSEのタイミングの良い使い方が加わって、ほのぼのしたテイストを出すことにも成功しています。

 そもそも、メインスタッフのほとんどが女性、っていう美少女アニメは珍しいですよね。
 同時期に放送されていた「グリーングリーン」(こちらはメインスタッフが全員男性)と比較すると、品の良さが明白です^^;
 いちおう「ダ・カーポ」にもパンチラなどのサービスや、下ネタが頻繁にはさまれているんですが、どことなく画面に品があるというか…いや、下ネタに上品も何もないと思うんですけど(汗
 全体から受ける印象がかなり違う、というのは一目見ればわかると思います。

 ストーリー構成は明確に方向性が決まっており、1〜8話までが登場するヒロインの紹介、9話〜15話までがほのぼのした学園ラブコメ。
 そして、16話〜26話は作品世界の終焉&主人公をめぐる音夢とさくらの女の戦い(笑)です。
 まあ、男を間にはさんだシリアスな三角関係といっても、所詮は中坊ですから、行動自体は「お兄ちゃんを取らないで!」的な言い争いに止まります。
 ただし、一方のヒロインであるさくらが、(ネタバレ)魔法使いの祖母の血を引いているため、自らの意思とは関係なく悲劇を起こしてしまう(ここまで)のですね。

 あまり詳しくは書きませんが、ラス2話の展開はかなり欝。
 というか、後半はさくらのとある行動が契機となって、全般的に欝なストーリーになってしまうのですが…。
 今までほほ笑ましく(あるいは生温かい目で^^;)見られた主人公たちのハーレム世界が、見る見るうちに崩壊していきます。
 しまいには、音夢とさくらも壊れていきます(--;

 後半のシリアス部分で、明らかにまずいと思えるのは、ずーっと放置プレイしていたヒロインたちを、設定の消化とばかりに次々片付けていったことですね。
 いや、別に片付けること自体に文句はないのですが、掘り込みが足りないのです。
 登場エピソード以外では今までひとからげに扱われてきたヒロインたちが、いきなり話の中心となってシナリオを引っ張っていくことには無理があります。
 このあたり、具体的にどうすれば良かったとは言えないのですが、勿体なかった気はします。

 主人公・純一君の態度は序盤から一貫して義妹の音夢ひとすじであり、思わせぶりなちょっかいを出すことはあっても、他のヒロインに心変わりすることはありません。
 このへんは、どこぞの君が望むヘタレにも見習わせたいところです(ぉ
 まあ、立ち回り自体は周りが見えていないというか、いまいち上手くないのですが…。

 ともかく、物語は大方の人が第1話で予想したとおりの収束を見せることになります。
 それが悪いということはなく、展開がベタでも、態度が終始一貫している主人公を見るのは、かえって新鮮でした(^^)。
 (あーでも、よくよく考えれば、全ての元凶になったのは、コイツがさくらと3つの約束をした上で、音夢に心変わりしてしまったからなのか…うーん^^;)
 ラストもわりと綺麗にまとめていたし、ちゃんと物語として完結するのはポイントが高いです。

 全体に、アニメーションはあまり動かないというか、物足りないものがあるかと。
 背景のモブはほとんど動きませんし、一枚絵で進めるシーンも結構あります。
 ただ、重要な要素である「一年中桜の咲いている島」を演出するため、可能な限り桜の花びらが舞い落ちているエフェクト(?)を入れているのには感心しました。

音楽  音響制作:楽音舎、音楽制作:ランティス、音楽:菅野祐悟、七瀬光。
 OP:「サクラサクミライコイユメ」(yozuca)
 ED(第一期):「未来へのMelody」(CooRie)
 ED(第二期):「存在」(CooRie)

 CooRieってユニットは、確か「ななか6/17」のEDがアニソン初出だったと思うんですが、同時期にいろいろと出てきたユニットの中では、抜きん出てメジャーになりましたね。
 現在も、次々とアニメ主題歌を獲得していっています。

 引っ張りだこの要因は、おそらく岡崎律子さんと同じ。優しい歌声と切ないメロディーライン、作品をきちんと理解した歌詞。
 時代が求めるのは、やはり癒し系なんですな。
 なんでも、ボーカルのRinoさんはあの「君望」のED「君が望む永遠」を歌っているMEGUMIさんと同一人物らしいですが…。

 それにしても、第二期EDの悲しさといったら、何でしょうか。
 次々と終わっていく初音島の奇跡を象徴しているかのようで、鬱なシナリオの後にこれを聞いてると、本編が泣ける内容ではなかったとしても、涙ぐんできてしまいます(--;

 涙ぐむといえば、サイドエピソードのEDテーマも、聞いていると何だか切ない気持ちになります。
 何かわかりませんが、何かが終わってしまうんだな……と。
 わかります?^^;

ボイス
朝倉純一:泰 勇気朝倉音夢:野川さくら芳乃さくら:田村ゆかり
白河ことり:堀江由衣水越萌:伊月ゆい水越眞子:松岡由貴
天枷美春:神田朱美鷺澤頼子:松来未祐うたまる:桃井はるこ
杉並:岸尾大輔白河暦:松井菜桜子など。

 杉並役は「HAPPY☆LESSON」の主人公か。って、そんなことはどうでもいいですね。
 最初は、顔出しでもいけるアイドル声優ばかり集めた印象があったのですが、後半に進むにつれて気にならなくなりました。
 特に、さくら役の田村ゆかりさんの演技には注目。
 甘えてばかりの子供の顔は仮面で、中身は音夢からお兄ちゃんを奪おうとするしたたかな女、という難しいさくらのキャラ(そんなだったか?^^;)を見事に演じきっていたと思います。

 次点として、水越萌役の伊月ゆいさんの声にハァハァ。
 「…です〜」という時の微妙な声の掠れ具合が色っぽくてですね<氏ね

キャラ  ん〜…美少女がいっぱい出てきたわりに、キャラが立っていたのは音夢とさくらぐらいで、次点として眞子、美春、杉並くらいだったのが残念。
 まあ、それはそれで正しいと思うのですが、やっぱり後半でのシリアス度合いを見る限り、もうちょっとことり、頼子といったキャラを掘り下げてほしかったところ。

作中の一言:さくら「この恋だけは、譲るわけにいかないんだ」


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