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●GUNSLINGER GIRL(ガンスリンガー・ガール)(全13話) オススメ度:7  中・高・大
知識  2003年10月より、フジ深夜枠にて1クール視聴。
 ちなみに同時期に放送されていたのが、途中で打ち切られた「R.O.D-THE TV-」であり、「ガンスリ」は1クールだったために打ち切りの憂き目に合わずに済んだんでしょうかね。
 ともかく、フジは逝ってよし。

 原作:相田裕(メディアワークス「月刊コミック電撃大王」連載)
 監督:浅香守生(「ちょびっツ」「CCさくら」)、シリーズ構成:武上純希
 キャラクターデザイン:阿部恒 など。

 アニメーション制作はマッドハウス。

 公式HPはこちらから。
物語  舞台はヨーロッパ。
 ある国の公益法人、社会福祉公社では、"国のための仕事"と称し、様々な理由で少女たちが集められた。
 その少女たちは「条件付け」を施され、「義体」として暗殺などの仕事に利用されていた。
 少女たちにはそれぞれ担当官が付けられ、直接的には彼ら担当官が少女たちを管理・命令し、戦わせるのであった。

 社会福祉公社によって自由な身体と仕事を与えられ少女たちは、公社の施設と殺しの現場を行き来するのみの毎日ではあったが、とても幸せであった。
 それがたとえ"作られた"幸せであっても……。

感想  番組開始当初は「あざとすぎ」「非人間的だ」などと物議を醸したものの、徹底してシリアスで堅実な展開に、いつしか周囲も引き込まれていったような気がします。

 私自身は、どこかの戦場で活躍する少女兵士を描いた作品、みたいなイメージを持っていたのですが(^^;)、全然違いました。
 確かに、可憐な少女たちが銃やナイフを手にドンパチをやる内容ではありますが、設定がもっと極悪です。
 ヒロインとして描かれるのは、銃を持ってテロリストやマフィアと戦うため、肉体的な強化・精神的な条件付けを施された、薄幸な少女たち。
 そして、それをさせているのは政府御用達の公益法人という、非常にブラックな設定です。

 少女たちが選ばれている基準が、この作品の設定の妙だと思います。
 すなわち、彼女たちは「社会福祉公社」に引き取られるまで、一様に「それ以上生きることが苦痛な状態」だったのです。
 例えば、メインヒロインのヘンリエッタは、自分以外の家族を惨殺された上、一晩中暴行を受けて、これ以上生きることを望んでいなかったとか。
 リコは生まれつきベッドから離れられないほど病弱で、両親が常にいさかいを起こしていたといい、アンジェリカは借金を苦にした実の両親に車でひき殺されそうになった、という少女です。

 そんな少女たちを公社が引き取り、通常の人間よりはるかに強力な体と、条件付けによる担当官への愛情(=辛い過去との訣別)を与えたわけですね。
 その代わり、暗殺任務においてはまるで道具のように(いくらでも代替のきく存在として)扱われ、実験により酷使された彼女たちの寿命はきわめて短いものになります。
 「彼女たちは公社に拾われなければ、あとわずかの命だった」ということと、義体の少女たちが一様に公社に感謝していたりすることが、この作品の免罪符というか、狂った設定に対しての抵抗感を和らげているのですね。

 しかし、よくよく考えれば「だからといって実験材料にしたり、殺しの道具にしていいわけがない」と思い直す話です^^;
 実際、アニメの中において、公社の人間のほとんどは「自分たちのやっていることはおかしい」ことに気づいている、という印象を与えるように描かれています。
 それを公表しようとするものなら、暗殺のターゲットにされてしまいますが^^;

 …と、長ったらしい解説をしてしまいましたが、何も読まずにこういった説明ができるくらい、アニメは丁寧に作品の情報を伝えていた、ということです。
 基本的に1人1話をかけて、5人の少女の生い立ちや、現在の境遇、担当官に対する気持ちなどを描いていますし、メインヒロインのヘンリエッタと彼女の担当官ジョゼの交流を繰り返し描くことで、義体という虚構の存在に対し、ある程度のリアルさを肉付けすることに成功しています。

 で、ドラマの方はもちろん堅実なのですが、この作品は背景描写もまた丁寧です。
 日本人がローマやフィレンツェの素晴らしさについて語る作品もそうそうないと思いますが、この作品の舞台となっているヨーロッパ某国(っていうかイタリア?)について、ちょっとした観光をしている気分になれるほど。
 はたして、この作品を見たヨーロッパの人間がどんな感想を抱くか、興味を持つところです。
 たぶんアメリカ人が作った「ラスト・サムライ」を見て、間違い探しをしようとする日本人的な行動に出るんじゃないかと^^;

 ところで、ラストでアンジェリカはどうなったのだろう……?

音楽  音楽:佐橋俊彦、音楽プロデューサー:浅田裕之
 OP:「THE LIGHT BEFORE WE LAND」(the delgados)
 ED:「DOPO IL SOGNO 〜夢のあとに〜」(op.(オーパス))

 OP・EDとも、どちらも英語?イタリア語みたいにも聞こえますね^^;
 物語の舞台は地中海寄りのヨーロッパなので、それっぽくしたのかもしれません。

ボイス
ヘンリエッタ:南里侑香ジョゼ:木内秀信リコ:三橋加奈子ジャン:宮本充
トリエラ:仙台エリヒルシャー:江原正士クラエス:小清水亜美ラバロ:堀内賢雄
アンジェリカ:寺門仁美マルコー:井上倫宏エルザ:能登麻美子
ロレンツォ二課長:家中宏フェッロ:中川里江アルフォンソ:岩崎征実など。

 原作者の相田氏は、一部のキャストに不満があるそうですが……
 私が聞いた限りでは、声優として経験豊富なキャストではないにしても、問題がある(イメージとズレている)ようには思えませんでした。
 音響監督さんの演技指導が、ちゃんと徹底されてるみたいですね。

キャラ  ヘンリエッタとエルザ。というか、11〜12話のインパクトが強かったということなんですが…。
 兄としてではなく、普通の女の子としてジョゼのことが好きなヘンリエッタ。
 彼女が「仮初め」でも幸せだと思えるのは、担当官のジョゼが仲間から冷やかされるほど、ヘンリエッタを溺愛していることにあります。
 これもまた、単なる偽善と言い切ってしまえることではありますが。

 11話・12話では、エッタと似た感情を担当官に抱きつつも、全く相手にしてもらえない義体の女の子・エルザが登場。
 エピソードの結末は予想されうる範囲であるものの、かなり衝撃的であり、これだけで1本の映画が作れるんじゃないかと思えるくらい。
 「あの時ああしていたら」「オレだったら…」的に、あれこれとifを想像することができて、興味深いエピソードでした。

作中の一言:ヘンリエッタ「私たちのこと、可哀相とか思っているのなら、それは間違いです」<いや、やっぱり可哀相なんじゃ…(--;


●真月譚 月姫(全12話) オススメ度:4  高・大
知識  2003年10月からBS-iで1クール放送。
 原作:奈須きのこ/TYPE-MOON、監督:桜美かつし、監督補佐:阿保孝雄。
 シリーズ構成・脚本:ときたひろこ、オリジナルキャラデザ:武内崇、キャラデザ:小澤郁など。

 メインアニメーション制作はJ.C.STAFF。
 要するに「ガンパレード・マーチ」から流れて来たメンバー、ということでしょうか。
 今回はボロクソに叩かれてましたね^^;

 公式HPはこちらから。
物語  主人公・遠野志貴(とおのしき)は子供の頃、助からないと思われるほどの大事故にあったが、奇跡的に一命を取り留めた。
 だが、その事故をきっかけに、父親によって遠野の家から遠ざけられ、志貴は遠い親戚の家に預けられることになる。

 志貴には秘密があった。
 事故の直後から、「モノの壊れやすい線」が視えるようになっていたのだ。
 その線に刃物を通せば、どんなモノでもバラバラに解体することができた。

 その能力に悩んでいた幼少の志貴は、偶然出会った女性に「死の線」が見えなくなる眼鏡をもらう。
 そのおかげで、志貴はこれまで普通に暮らしてきた。そして、これからも普通に暮らしていくつもりだった。

 そんな志貴の元に突然、連絡が届く。
 遠野家の当主=父の死。
 新しい当主の命により、遠野の家に戻るように、と。
 高校生になった志貴が再び遠野家に戻った時から、この物語は始まる……。

感想  「直視の魔眼」を持った主人公・志貴が、「真祖の姫君」アルクェイドとともに、襲い来る吸血鬼、遠野家の因縁などと戦う物語。
 原作は18禁同人ソフトの中では絶大な支持を得ている作品であり(といっても私はプレイしちゃいませんが^^;)、物語はいちおう原作に忠実な形でアニメ化している…らしいです。
 全編通してダークでシリアスな雰囲気に包まれており、いちおう美少女アニメに分類できるとはいえ、あまり気楽に見られるものではありませんね。

 毎回の基本的なパターンは、主人公・志貴が、金髪美女のアルクェイドとともに夜な夜な街を徘徊し、街で猟奇殺人を引き起こす吸血鬼をハントするというもの(たまに空振りしたりもする)。
 なんで普通の高校生である志貴がそんなことをする羽目になったかといえば、これがちょっとよくわからないのです。
 1、2話で描かれたストーリー。
 かいつまんで言えば、1回志貴にバラバラに「解体」されたアルクェイドが、志貴の高い殺人能力に着目し、己の体が回復する間、自分の駒として使うことにした、ということになるでしょうか。

 何がわからないかといえば、志貴がアルクェイドに対し、そんな猟奇的な行為に及んだ理由そのものでして^^;
 まあ主人公が、かつて交通事故にあって以来、「人の壊れる線」が見えるようになった(容易に人を「解体」できるようになった)というのはいいとしましょう。そういう設定なんだなと。
 ですが、とりあえず毒にも薬にもならないように見える坊ちゃんキャラが、通りすがりに公園で出会った女性をバラバラに切り裂くというのは、何だろうと思ってしまいます。
 それでいて翌日の朝、夕方といった時刻にその女性(アルクェイド)と遭遇したときは、恐怖の形相で逃げ回る主人公。
 原作を知らずに、この展開に付いていける視聴者が、どれだけいるでしょうか?
 一言でいって、つかみが悪いです。

 で、まあこの衝撃的すぎる出会いにはなにがしかの理由があって、当然 後で説明があるものと思っていたのですが…全くフォローされず!おいおい^^;
 これじゃまるで、主人公が電波に冒された通り魔じゃないですか。
 そんな感じで、「原作ファンにはおなじみの場面ですので、とりあえず再現してみました」的な(未プレイの人には説明なしの)シーンが多いんですよねー。

 ようやく謎解き、という段になっても、アルクェイドとロアの出会った経緯とか、秋葉の実の兄貴が狂ってしまった原因とか、志貴が魔眼になった原因とか、いちおう説明らしきものは付いているんだけど、それがえらく中途半端なのです。
 他にも秋葉の髪が赤く変化すること…というか秋葉の正体そのものとか、志貴が先生と呼ぶ謎の女性が最後に出てきた意味とか、うーん、考えてみれば謎だらけ^^;

 主人公の周りには学校では弓塚、シエル先輩、家(ちなみに豪邸)では秋葉、琥珀&翡翠といった魅力的な女性が多く配置されており、その点は美少女ゲーム原作らしく、毎度のことながらうまく考えられているなぁと感心します。
 ただ、ほとんどのヒロインが謎めいていて、何を考えているかわからない上に、主人公も何を考えているのかわからないので、見ているこちらは混乱しますね^^;
 まあ、主人公がアルクェイドに惹かれているのは何となくわかるので、たぶんこの女性がメインヒロインなんだろうと当たりをつけて見てはいられるのですが。

 あとは、本筋であるところの謎、アルクェイドの追っている「ロア」と、志貴本人に関わる遠野家の隠された過去の繋がりが終盤まで一切見えないもので、そこで注意力が散漫になってしまったかなと。
 もうちょっとこちらの興味をかき立てるような構成にできなかったものかなー。

 面白かったエピソードは、7話の後楽園らしき遊園地でヒロインキャラが勢ぞろいしてデートをする話。
 常識知らずでお気楽なアルクェイド、事情を知りつつとぼけたことを言うシエル先輩、二人に敵意をむき出しにする秋葉、ハラハラする弓塚といった、ヒロインの魅力が生かされたエピソードだったと思います。
 どうも私には、このアニメも「ガンパレ」と同じように、シリアスなアクションものに見せかけて純愛ラブストーリー、といった形に崩してしまった方が、いっそのこと良かったような気もします^^;

 原作ファンは見ていて(あんまりな内容なので)悲鳴を上げてしまう作品らしいです^^;
 だから評価が低いということではなく、やっぱり物語が散漫かつ説明も中途半端で、あまり面白くないなと。

音楽  音楽:大森俊之。
 インストのOP、折笠富美子さんの歌うEDとも、作品の雰囲気にピッタリ合っていたと思います。
 まあ、綺麗すぎる曲ってのは、カッコつけすぎの文学的セリフばりに印象に残らない、とも言えるのですが。
ボイス
遠野志貴:鈴村健一アルクェイド:生天目仁美シエル:折笠富美子
遠野秋葉:伊藤静琥珀:植田佳奈翡翠:かかずゆみ
乾有彦:櫻井孝宏弓塚さつき:田中かほり蒼崎青子:木村亜希子
ネロ:三宅健太ロア:吉野裕行など。

 今一番ノッている若手声優陣で固めている、といった印象。
 まあ、それが一番安く済んで客も呼べるからでしょうが……。
 ここに中原麻衣、清水愛、浅野真澄といった人たちがいれば完璧ですね<何がだ

キャラ  結局、志貴と秋葉はどうなったのだろう?
 (ネタバレ)アルクェイドやシエルが皆の記憶から消えてしまい、弓塚が振られたからには、志貴×秋葉のラインのみが残されたことになりますが……(ここまで)
 抑圧されてきた衝動が昂じて……そこからが本番でしょうに!!(笑)
 このへんが1エピソードくらい費やされて綺麗にまとまってくれれば、6点は付けたのですが(ぉぃ

作中の一言:志貴「視えてるものが、違うんだっ!」<と言ってもおまえ役立たず(--;


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