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●魔法先生ネギま!-MAGISTER NEGI MAGI-(全26話) オススメ度:4〜6   中・高
知識  2005年1月からテレ東深夜枠にて半年間放送。

 原作:赤松 健(講談社『週間少年マガジン』連載)
 監督:宮崎なぎさ(1-17話)、チーフディレクター:羽原信義
 シリーズ構成・脚本:大河内一楼、構成協力:錦織博
 キャラクターデザイン:加藤はつえ

 アニメーション制作はXEBEC。

 公式HPはこちらから。
物語  イギリスにある魔法学校を主席で卒業した10歳の少年ネギ・スプリングフィールドは、「立派な魔法使い(マギステル・マギ)」になるための修行として祖父の友人が学園長を務める日本の麻帆良学園にやってきた。
 中等部2年A組の31人の女生徒の担任として学園生活を送ることになったネギだが、クラスの女の子たちは個性豊か。
 勉強嫌いな活発な娘から果ては凄腕の魔法使いまでいるクラス…。
 どうやら簡単には教師生活が勤まらない予感が…。

感想  「ラブひな」の赤松健原作。原作は未読。
 さながらハリー・ポッターが美少女中学生たちの担任教師になるとゆー作品(ぉぃ
 もとい、一人前の魔法使いになるための修行の一環として、イギリスの魔法学校から日本の麻帆良学園中等部に赴任したネギ君(10歳)が、赴任先の2−Aで生徒との絆を深め、成長していく姿を描く作品。…だったんだろうな、もともとは。
 もっと言えば、ネギ先生の目を通じて視聴者が美少女たちにモテまくり可愛がられまくりなマイハーレムを獲得するにいたるまでを描く作品(ぉ
 いや、赴任当初からほぼ達成されてましたけどね^^;

 ただ、終盤のオリジナル超展開のため、最初に見えていたそのへんのテーマはすっかり霞んでしまい、結局何がしたかったのかわからない作品になってしまったのは非常に残念。
 8話(エヴァンジェリンとの決着が付くあたり)までは何回も見るくらい気に入ってたのに、後半に進むにしたがって方向性が見えなくなってしまい、結局最終回まで録画放置状態でした^^;
 得点の4〜6は、序盤は6点以上の期待はあったけど、後半になり4点まで失速したという意味。

 原作ファンからは、序盤こそときどき見られる細かいアレンジに不満を持たれながらも、最小限の視聴意欲は保たれていたように思います。
 が、昨今まれに見る作画崩壊が続き、人気エピソードの極端なショートカット展開、衝撃のオリジナル展開に、最後は罵声と怒号を浴びる作品になってしまいました(--;
 なんといっても、監督と色彩設定が途中で降板させられてしまったくらいですから、よほど不評だったのでしょう。
 かといって、監督が交代してから何が変わったといって、キャラの髪の色が変わって、作画がときどき良くなったぐらいで、超展開にはますますもって磨きがかかっていったのですが(爆
 シリーズ開始時点で、もはやこうなるのは避けられなかったということでしょうか…

 良くできた原作ほど自由に壊したくなるのがクリエイターのサガなのかもしれませんが、出来たものを見る限り、原作の忠実な再現でもした方が良かったのではないか、と思いますね。
 それでは意味がないと思われる人もいるかもしれませんが、私が「ラブひな」で感じた赤松作品の特徴は、計算されたキャラクターの活躍や1ページに詰め込まれた情報量、展開のテンポの良さなど、エンターテイメントとしての完成度の高さにあったので、赤松作品をアニメ化する際は下手にいじらない方が正解なのです。
 むしろ、忠実にアニメ化する方がよっぽど難しいのか^^;

 なんか変な方向に語り始めてしまったのでそろそろ本編について触れますが、とにかく主人公のネギ先生は初っ端からモテまくりです。
 唯一「ラブひな」の成瀬川なるに相当する暴力女・神楽坂明日奈には日々ドツかれてますが、それ以外の学生とは毎回のようにフラグ立てまくり。
 ネギ君が担当するクラスには31人も女子がいるのですが、特にアニメの中で優遇されていたのは「男の人は苦手だけど、ネギ先生なら…」の本屋ちゃんこと図書委員の宮崎のどかと、のどかの親友の綾瀬夕瑛
 10歳の男児相手に中学2年生が本気で恋をするってのもすごいですが、ラストではこども先生をめぐり修羅場まで展開する始末…って、そこで本来はメインヒロインとなるはずだった明日菜は(ネタバレ大)無視どころか火葬(ここまで)されちゃってるんですけどね(爆
 まー、なかなか考えつかないすごい展開です。

 本屋ちゃんが優遇されてたことに関しては、私は全くもって異議なしっていうかのどか可愛いよのどか(;´Д`)であり、明日菜は序盤からオヤジ教師タカミチ以外Out of 眼中でネギ君を虐待しまくりだったので、むしろのどかメインヒロインぐらいの勢いでスタッフが作ろうと考えたのはよく理解できます。
 本来は真面目で友達思いといった設定の夕映を、ネギやのどかの当て馬的に使ったのはどうかと思いますが^^;
 しかしながら、それを徹底できなかったところが中途半端です。
 ラスト近くでは、(ネタバレ大)明日奈が過去に悪魔と契約を交わしたという設定で死ぬにいたり、ネギが取り乱して明日奈を生き返らせることにいっぱいいっぱいになってしまったため(ここまで)、のどか×ネギ×夕映の三角関係はぞんざいな扱いになってしまっています。

 私の中では、この他の女の子たちを捨て切れなかったスタッフの優柔不断が、この作品を最後の最後で勧善懲悪のマジカルアドベンチャーにシフトさせてしまったと思っているのですが…
 (もともとそういう側面を持つ作品であり、むしろ原作のエピソードにはそういったドタバタアクション的な内容が多いのは知っています)
 というわけで、原作既読ならのどかファンのみ特攻して良し、あとは未読の人にも既読の人にもおすすめはできないという、微妙すぎる作品でした。

音楽  音響監督:鶴岡陽太、音楽:光宗信吉
 音楽制作:スターチャイルドレコード

 OP:「ハッピー☆マテリアル」
 ED:「輝く君へ」(1stクール)
    「おしえてほしいぞぉ、師匠」(2ndクール)
 ボーカルはいずれも麻帆良学園中等部2-A、というかキャストの皆さんから4〜5人チームということで。
 1ヶ月ごとに歌っているメンバーが変わるという趣向ですね。
 しかし、それを全部シングルにして売りに出すスターチャイルドは正直いかがなものかと思うのですが^^;

 ちなみに、森山直太朗がラジオ番組で「ハッピー☆マテリアル」を指して「(チャートから)さっさと消えてほしい」とかほざいたせいで、「アニソン(具体的にはこの曲)をオリコン1位にしよう!」というムーブメントが起こったとか。
 最終月に発売された「ハッピー☆マテリアル」はずいぶんと売れたようですが、タイミング的に1位は無理だったようで…。

ボイス
ネギ:佐藤利奈神楽坂明日奈:神田朱未近衛木乃香:野中藍雪広あやか:皆川純子
宮崎のどか:能登麻美子綾瀬夕映:桑谷夏子エヴァンジェリン:松岡由貴茶々丸:渡辺明乃
佐々木まき絵:長瀬楓:白石涼子桜咲刹那:小林ゆう龍宮真名:佐久間未帆
カモ:矢部雅史タカミチ:井上倫宏源しずな:井上喜久子など。

 さすがに31人全員は厳しいので、一部抜粋^^;
 個人的にヒットだったのは2段目の人たち…意外と多数派なのかな。
 桑谷夏子さんが演じる夕映の声色は可愛いとは別次元でインパクトがありました。
 ちなみに、今まで私の中で神田朱未さんの声はそれほど特徴的ではなかったのですが、今回の明日奈役でかなり印象付けられました。

キャラ  四葉五月とザジ・レイニーディという二人の生徒は、最初に登場したきり最終回までほぼセリフなしの出番なし。  さすがに31人全員に26話でスポットライトを当てるのは無理とはいえ、もうちょっと出番をあげても…
 まあ、のどか萌えだの夕映萌えだのいってる私が言えたことじゃないですが(笑)

作中の一言:明日奈「待ちなさいよ、ネギ坊主ー!」


●こいこい7(全13話) オススメ度:5  対象:メガロ
知識  2005年4月からUHF深夜枠で1クール放送。
 原作:もりしげ(「花右京メイド隊」など)
 監督: ふじもとよしたか、シリーズ構成:水越 保
 キャラクターデザイン: 渡辺 浩二、総作画監督: 山本 正文
 色彩設定: 佐藤 秀一、美術監督: 鈴木 恵美

 アニメーション制作はトライネットエンタテインメント、スタジオフラッグ。

 公式HPはこちらから。
物語  イマドキの気弱なメガネ少年、田中哲朗
 彼が転校生として足を踏み入れた五光学園は、なんと由緒正しき女の園だった!
 動揺したり時にはホンワカしたりの哲朗に襲いかかるドタバタ喜劇。
 空を翔けるロボット、素手で立ち向かう人影、美少女には羽根が生え、髪の毛がうねうね動いてオデコが光る!

 「哲朗さんをずーっとずーっと守るのです!」

 やっとの思いで寮に着いた彼を待っていたのは、6人の美少女『こいこい7』たちとのカオスな同居生活だった。
 前途女難な哲朗の明日はどっちだ!?

感想  ドタバタラブコメディ…という括りで片付けるにはあまりに余分なものが多く詰め込まれた怪作
 言うまでもないことですが、「こいこい7」「五光学園」やキャラの名前は日本の花札に由来したものですね。
 美少女たちに囲まれたハーレム同居生活があって、毎回のようにサービスカットがあって、「ガンダム」から「マリみて」までのパロディがあって、派手なアクションシーンがあって…それらが全てにおいて「こいこいクォリティ」と呼ばれる何ともいえないB級臭をかもし出している…いや、勉強になりました(何がだ

 基本的には一話完結の学園ラブコメなのですが、たいていは最後にザクもどきのロボットが生身のヒロインたちを攻撃するドタバタ展開になります(--;
 まあ、ヒロインたちもサイボーグというかアンドロイドというかな非人間的戦闘能力を持っているため、毎回難なく敵を撃退しているのですが。
 構図としては、五光学園という女子高で、ヒロインの飛鳥ヤヨイら「こいこい7」を「外様(とざま)」と呼んで目のカタキにする理事長の孫娘(東和野ミヤ様)が、毎回のように自前のロボットを駆使して、文字通り彼女たちを踏み潰そうとするわけですな。

 そんな構図なわけで、別にヒロインたちに男(田中哲郎)の存在はあってもなくてもいいようなものであり、むしろ極めて一般人的な能力しか持ち合わせていない田中哲郎君は毎回ドンパチに巻き込まれて逃げ惑うばかり。
 カニパン好きノーテンキ少女・飛鳥ヤヨイだけは出会った最初から哲郎好き好き状態ですが、他の女の子たちがわりと冷静なのが何とも(--;
 そのうち女装させられたあげくミヤ様に気に入られてスールの誓いを結んだり(笑)、綾波チックな眼帯少女にストーカーされたり(しまいには実力行使で…)といろいろ出番は持たされているのですが、他の美少女たちがスーパーマン的な活躍を見せるため、 哲郎は男性主人公というより、おまけキャラ的な存在という印象を受けてしまいますね。
 これが、願望充足的な美少女ハーレム作品に分類するには躊躇してしまう要因のひとつ。

 お色気要素も、ここまでやられるとむしろ清々しくてエロスを感じないというくらい開けっぴろげで、寮でのヒロインたちは当然のように下着姿だし、ライバルの五光会の面々も毎回のように新手のイメクラかと思えるようなコスチュームを着ていたり。
 モブの女の子たちなんか下着見せ要員としか思えない扱いなのに、これっぽっちもエロく感じられないのは、やはり基本的に微妙な作画と惜しげもない見せ方が原因か^^;
 例外は水樹奈々さんが演じたキャラ(眼帯少女アスカヤヨイ)で、いつもラストに暗闇で「ズルいよ…哲郎…」とか「哲郎…きて」とか妖しげなセリフを呟いています。
 それにしても、まさか人気絶頂のアイドル声優(のキャラ)に数秒とはいえ一人プレイを演じさせるとは、見ていてひっくり返りそうになりましたよ(^^;
 ちなみに、その後しばらく感想サイト界隈で「奈々ニー」というキーワードが飛び交ったという…(爆

 ストーリーも他アニメのパロディと勃たないお色気を除けば薄っぺらい…というかよく分からない内容。
 要は哲郎と飛鳥ヤヨイ@ロボ子をお見合いさせようとしていた哲郎パパが何かを企んだ結果、ひと波乱起きた…のでしょうね、肝心な説明はスッパリと省略されたのでわかりませんでしたが(笑)
 ラス1で急にシリアスに持っていったものの、説明は放置して最後にまたバカ話で締めたのでわかる通り、スタッフはこの作品を極めて頭の悪いアニメと意識して作っていたに違いありません。

 結局キャラのキモ可愛い魅力とB級色たっぷりの演出、あとメガロ(後述)で中毒性を持っていたものの、終わってみると怪作としか言いようがないですねぇ。
 同じB級バカアニメの「ワンダバスタイル」「グリーングリーン」などと比べると、毎回演出過剰な面白さがあって良かったですが、胸を張って人におすすめできるようなアニメかと問われると、うーん…。

音楽  OP:『SUPER LOVE』(歌:こいこい7)
 ED:『Miracle』(歌:UPPER SLOPE)

 OPはこいこい7が全員で「メガロ!メガラブ!Ready to Flight!Let's go!!」と連呼しノリ良く入ったと思ったら、Aパート・Bパートでは気の抜けるようなフニャリとした歌唱力を見せる洗脳ソング。
 別に「メガロ!」はサビじゃないんだけど、1回目に聞いたときからずっとそのパートが頭の中を回りまくってました^^;
 EDはOPと対称的に、「こいこい7」が良作と勘違いしたくなっちゃうような(失礼)スローバラードの名曲。
 どちらもお気に入りです。

ボイス
飛鳥ヤヨイ:後藤沙緒里風祭サクヤ:伊藤亜矢子猪飼ヒフミ:こやまきみこ
鈴鹿アキヲ:儀武ゆう子月読ミヤビ:川瀬晶子蝶野オトメ:稲村優奈
田中哲郎:泰勇気花皇ヲリエ:木村亜希子アスカヤヨイ:水樹奈々
東和野ミヤ:音宮つばさ屁糞蔓の君:中島沙樹
飯田橋和子:阿部留美浅草橋中子:二宮圭美水道橋洋子:正木香奈

 キャスティングからして見慣れない人が多く…いや、正確には数年前のデビュー作は知ってるんだけど、最近はあまり見かけなくなっていた人が多いです。
 それにしても、音宮つばささんのノリノリなこと、見ているこっちが大丈夫なのかと心配になりました^^;

キャラ  なんだかんだいって、3〜4話ぐらい見ればキャラの名前は覚えちゃうくらいのインパクトはあるんですよね。
 最人気キャラは北海道弁でこやまきみこボイスの猪飼ヒフミ(緑髪のポニーテールの女の子)。
 作中では哲郎より同じこいこい7の鈴鹿アキヲとの仲の良さが強調されており、もっと出番を!という声にもかかわらず、当番回ではチャームポイントの北海道弁を封じられ…勿体ないです。
 個人的には紫髪で全てを切り裂く月読ミヤビもコワ可愛かったけど、なにもあんなヘビーな過去を背負わせんでも…。

 ところで、いつもザーマス言葉で高らかに登場する屁糞蔓の君(へくそかずらのきみ)って、むしろ他のアニメではミヤ様の位置にすわってるタイプのキャラですよね。
 それがミヤ様大好きで忠義に篤い、徹底したサポートキャラだったのは意外というか、珍しい使われ方だなと思いました。

作中の一言:「6人だけど人呼んでこいこい7、呼ばれなくても即参上!」


●バジリスク〜甲賀忍法帖〜(全24話) オススメ度:7〜8  高・大
知識  2005年4月から、UHF深夜枠で2クール放送。
 原作:山田風太郎
 漫画:せがわまさき(ヤングマガジンアッパーズ/講談社)
 監督:木ア文智、助監督:西本由紀夫、
 シリーズ構成:むとうやすゆき、脚本:むとうやすゆき、岡田麿里、山田靖智
 キャラクターデザイン:千葉道徳、プロップデザイン:石野聡。

 メインアニメーション制作はGONZO。
 そういえば、この秋に『SHINOBI』というタイトルで実写映画が公開されてましたね。
 あちらは人数が5対5ということで、ちょっと物足りないですが…。しかも小四郎がなぜか寝返ってるし^^;

 公式HPはこちらから。
物語  「二人手をたずさえて、両家を縛る宿怨の鎖を断ち切ろう」
 四百年の永きにわたる甲賀と伊賀の宿怨を断ち切り、共に生きることを誓い合う甲賀の弦之介伊賀の朧
 しかし、愛し合う二人は、殺し合う運命にあった……。

感想  甲賀と伊賀、時の権力者によって「不戦の約定」を解かれた両家の忍者たちが、10日間にわたり忍法の限りを尽くした壮絶な死闘を繰り広げる忍者アニメ。
 原作はもとより、原作の原作となる山田風太郎氏の小説もサッパリ読んだことがなく、伊賀といえばハットリくん甲賀といえばケムマキケムゾウ程度の認識しか持ち合わせていなかった私が見ても、これ以上ないくらいわかりやすいストーリーでした^^;

 甲賀卍谷(マンジダニ)の弦之介、伊賀鍔隠れ(ツバガクレ)の朧の2人は恋仲にあり、あと少しで両家の架け橋となろうとしていたところへ、突然に届いた徳川家康の密命。
 それは、三代将軍の跡目をめぐって、竹千代と国千代、二人の後継者の代表となって、伊賀・甲賀で各々10人の精鋭を選び出し、相争うべしというものだった…。
 正確には、その事情を知る両陣営の忍者が早々と死んでしまうため、終盤まで忍者たちは真の理由を知らされず、ただずっと憎み合ってきたという因縁のみで殺し合うことになります。
 また、伊賀の10人衆の中に、薬師寺天膳(てんぜん)というクセモノがいて、巧妙に両者の憎悪を掻き立て、争わせる方向に向かわせているのですが、ほとんどの忍者はそれを知ることもなく斃れていくのです。

 原作が原作だけに、とにかく容赦のない非情なドラマ。笑えるシーンがないことはないですが、ほぼ全編シリアスです。
 単純に考えて、伊賀と甲賀で総勢20人のキャラが出てくるわけですが、1クール終わるまでに半分は死にます(--;
 その人選は老若男女を問わず、また死に方も毎回のように惨たらしい最期を遂げるので、連続で見ているとかなりしんどい気分になるのですが、次は誰が死ぬかわからないという緊張感のある展開は、目が離せません(--;
 (なんか最近書いた「エルフェンリート」と同じような感想ですね^^;)

 ただ、中盤を過ぎると派手な忍法を使うキャラがあらかた死んでしまったせいか、生き残ったキャラクターの内面にスポットライトが当てられることが多くなり、アクション中心だった前半とは印象が変わってきます。
 ほぼ原作に忠実なアニメ化らしいのですが、1クールを過ぎると、回想シーン(ここでいう回想シーンとは作画の使い回しではなく、純粋な過去の回想という意味)がえらく多くなったのは気になりました。
 特に室賀豹馬の最期なんか、致命傷を食らってから回想シーンの長いこと長いこと、そんな回想してるくらいなら反撃しろと^^;
 最後の最後まで緊張感のある展開は保たれていたものの、弦之助と朧をはじめとして、小四郎や陽炎、左衛門といった脇役の抱える葛藤まで丁寧に描かれたのは、ちょっと作品を冗長にしてしまった印象も。
 前半はドライな展開なんですが、後半は随分とウェットな感じなのです。

 ただ、演出的には音楽も含めてちょっとあざとい印象もあったものの、弦之助と朧の2人が、抗いがたい運命を受け入れた叙情的なラストには、正直に目頭が熱くなるものがありました。
 そこまで感情の昂ぶりがあったのは、やはりキャラクターの内面を繰り返し描いてきた、今までの描写があってこそ。
 1クールではとうてい到達できなかった感動…というか悲しみの爆発があります。

 …とはいえ、アニメ前半は間違いなくいわゆる「忍者モノ」です^^;
 全身ゴムマリのような忍者、髪の毛や手足がウニョウニョと自在に伸びたり、ニカワ状の痰を吐くといった容貌もバケモノめいたキャラたちが、変幻自在の忍術合戦を繰り広げる、強烈なヴィジュアルのアクションシーン
 妖艶なくの一たちが、グラマラスな体を活かして相手を悩殺するお色気シーン
 第1話「相思相殺」の夜叉丸と風待将監の戦いは、特にグリグリと良く動くので、純粋なアニメーションとしても必見です。
 メインアニメーション制作のGONZOはむしろ「VANDREAD」「LAST EXILE」に代表される、3DCGと2次元アニメーションの融合、もっと単純に言えば人工のメカものの制作で知られていますが、こういった人間同士の戦闘シーンもハイクォリティに作れるんですね。
 アニメーションとしてもかなり力が入った作品といえます。

 私の中ではやはり、ストーリー展開の容赦のなさと、人の背負う業の深さを描いたアニメという印象が強いです。
 それは、一話Bパートの甲賀弾正とお幻の死闘(?)でも既に感じ取れることではあるのですが…
 かなり濃ゆい作品なので、1話見て合わないと思ったら素直に切っていいかもですが、見続けても損はないと思います。
 オススメ度は原作ファンなら8、そうでない初見者は7。

音楽  OPはその名も『甲賀忍法帖』(陰陽座)…妖怪ヘビーメタルバンドと聞くといかにもイロモノっぽいですが、内容は本編とシンクロ率の高い、これぞ本作主題歌といえる名曲。
 EDはアップテンポな『WILD EYES』とロック・バラードの『ヒメムラサキ』を話の内容によって(?)使い分けているようで、歌っているのはヒロイン朧役の水樹奈々さん。
 相変わらずアニソン歌手要らずの素人離れした歌声ですね…やはり奥井雅美さんのポストは彼女に食われてしまったのだろうか(--;

ボイス
甲賀弦之介:鳥海浩輔朧:水樹奈々陽炎:早水リサ薬師寺天膳:速水奨
室賀豹馬:宮林康甲賀弾正:小林清志伊賀のお幻:京田尚子如月左衛門:上田陽司
小豆蝋斉:青野武蓑念鬼:内海賢二蛍火:沢城みゆき筑摩小四郎:羽多野渉

 多すぎるので、その他省略。
 1話に限っていえば、上記に加えて大平透、麦人、若本規夫といったベテランが揃い踏みで、昨今の深夜アニメ(しかもUHF局放送)では考えられないような超豪華なキャスティングでした。
 ちなみに、立木文彦、杉田智和の2人が演じる服部半蔵親子も渋すぎ&美味しいところ持って行きすぎ。

 個人的には雨夜陣五郎の「水、みずぅぅぅぇぇぇぇ」の演技と天膳の「命の精をお注ぎ申す」を始めとするエロセリフがインパクトあり過ぎでした(笑)

キャラ  感想では忍者忍者と書いてはいるものの、シノビというにはあまりに感情むき出しで、人間的なキャラが多かったなぁ。
 主人公の弦之介や朧は双方に死人が出るたびに苦悩しっぱなしだし、蛍火や陽炎の愛し方はディープすぎてともすればガクブルだし^^;
 念鬼や刑部の相手方への憎悪の燃やし方は生半可ではないし、うっかり天膳(本編を見ればわかります)にいたってはスケベ心丸出しで、「忍者」というより「野武士」という感じでした。

 そんな中、甲賀方の室賀豹馬如月左衛門の2人だけはいたってクールなキャラで、まさに「忍」というのにふさわしい人物。
 個人的には、参謀タイプの豹馬より、誰にでも変装できるという忍者らしい特技を持った左衛門の方が好みです。
 ただ、二人とも殺られるときは大した抵抗も見せられずあっさりすぎた、というのがちょっと不満。
 左衛門の妹・お胡夷も、できれば長生きしてほしかった。

 (以下ネタバレ)
 ところで、天膳の不死の秘密…あの人面疽の正体は結局、何だったのだろう?
 23話で回想が挿まれていたけれど、そもそもあの妊婦は誰?お幻…は生きてるし、朧の母親(の子供の怨念)?
 アニメオリジナルの設定だったらしく、スタッフは原作ファンにも受け入れてもらえる形でアニメ化できた、とか何とか自賛してたけど、よくわかりませんでした^^;


作中の一言:朧「大好きです…弦之介様…」<書いてしまうと味気ないが、このセリフが朧タソの全て(ノД`)


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