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●逮捕しちゃうぞ-The movie- オススメ度:5  小・中・高
感想
 「逮捕しちゃうぞ」の劇場公開作品。
 墨東署の管轄内で同時期に発生した大規模な事件と影でうごめく策謀に、夏美&美幸たちおなじみのメンバーたちが立ち向かうという内容です。
 ・・・まあ、そもそも「逮捕」は交通課の個性的なメンバーが中心となって、警察官のほのぼのとした日常や身近な事件をドタバタ風に切り取るというのが本来の形なので、こういった大がかりな事件に彼女たちが関わること自体に違和感があるような気が。
 そんなのは「パトレイバー」でやれば十分で、何も「逮捕」でやらなくても・・・って感じです。
 まだ見ていないけど、「こち亀」の映画もそんな印象なんじゃないでしょうか^^;
 そうはいっても、アニメで「逮捕」の墨東署メンバーには選りすぐりの優秀な警官という設定があったりするので、なんか納得してしまわないでもないですが。

 たぶんこれは「逮捕」シリーズ未見の人か、原作ファンでも“警察のお仕事(しかも多分にピンとのズレた)”を描いた部分が好きな人向けの映画だと思います。
 とりあえず出だしから脚本・十川誠司って表示されただけでロクなものにならない予感がしてしまうのが悲しいですが、終わってみれそれなりにエンターテイメントとして楽しめるものにはなっていたという感想です。
 おそらく予算の都合上なんでしょうけど、アクションシーンでやたらとアニメが止め絵になって動かなくなるのが何とも^^;

 ただ、繰り返しますがTVシリーズで培われてきたほのぼのドラマ&コメディ向きなキャラクターたちに「史上最大の凶悪事件!」とか「墨東署始まって以来の緊急事態!」とかの重苦しい雰囲気は似合わないと思います。
 キャラクターたちの本来の設定を生かせばシリアス・本格的な警察ドラマにすることは可能だから、こういう方向性で映画化するのも間違ってはいないとも思うのですが・・・
 いっそのこと夏美と東海林、小早川と中嶋の幼稚なラブ話をメインにして見ててこっ恥ずかしくなるようなラブロマンスにしてしまった方が受けたかも。

ボイス
 夏美:玉川紗己子、美幸:平松晶子のおなじみコンビ。
 平松さんは林原めぐみさんと仲の良い、なにげにいろんなアニメで精力的に活躍されている声優さんだが、彼女が主役をつとめるアニメは珍しい。
 どちらかというと名脇役というか、個性の強いサブヒロインで使われることが多い人だ。
最後に一言:「絵が止まる劇場版・・・萎え」



●ラブひな(全24話+TVスペシャル2回+OVA3話) オススメ度:4  小・中・高
感想
 赤松健原作、週間少年マガジンの看板漫画となったハーレム&ドタバタラブコメディのアニメ化。  ちなみにOVAは未見です^^;

 東大を目指して2浪中の浪人生、浦島景太郎が祖母の経営する旅館「ひなた荘」に居候させてもらおうと訪れたところ、なんとひなた荘は女子寮に変わっており、5人の美少女が住んでいた。
 幼い頃の約束のため何が何でも東大へ行きたい景太郎は、叔母のはるかと少女たちに頼み込んで、ひなた荘の管理人として暮らすことになるのだが・・・

 基本的には東大を目指して勉強しながらも、ひなた荘の美少女たちとの楽しくにぎやかな生活が描かれます。
 美少女たちはもれなく景太郎に好意を抱くようになるというのがなんとも(--;

 要するに男の妄想としかいえないような強引な設定に加えて、お約束オンパレードのご都合主義な展開に満ちあふれた作品^^;
 しかし、おそらくこの作品は徹底的に男にとって居心地のいい空間を描くことを目的としているため、ストレス無く見られて楽しめるものになっていれば成功であって、内容云々にツッコミを入れるのは見当違いなんでしょうね。

 そんなわけで原作は講談社漫画賞を受賞するほど大変な人気を博し、この手の“さえない男がたくさんの女の子にもてまくる”というジャンルの絶頂期をつくった作品。
 アニメ化に際してのスタッフは、監督・岩崎良明、構成・葉月九ロウ(會川昇氏のPN)、キャラクターデザイン・うのまことなど。
 作画はすべてデジタルペイントで描かれているため、セルアニメばかり見てきた世代にとっては新感覚。

 テレ東10時28分放送という明らかに大人のオタクを狙った放送時間で、現実に視聴率は「ポケモン」などと比べれば全く振るいませんでしたが、CDドラマ、キャラクターヴォーカルCD、フィルムコミック、フィギュア、ビデオ・DVDなどのメディア展開は大変な成功をおさめたようです。
 DVDの売上は年度NO.1を誇るくらいだから、一般的な受けはとても良いようですね。

 が、少なくとも私は、それほどヒットしている(らしい)このアニメの内容を褒めちぎっている人を見たことがないです。
 むしろ、アンチというか、駄アニメとして認定している人の方が多い気がします。
 私もその一人で、このアニメは惜しかった、というか人気漫画の不幸なアニメ化の典型例だったと思います。

 なんというか、キャラクターが「違う」と思えてしまいます。
 いや、デザインや基本的な性格付けは漫画に忠実なのですが…
 キャラの生かし方がまずいというか。
 特に一番魅力的に描かれるべきメインヒロインの成瀬川なるが、「ただぶん殴るだけの暴力女」になってしまっているのが何とも残念。

 原作に無い各キャラの家族のエピソードや、アニメオリジナルの要素をふんだんに入れることはもちろんオッケーなのですが、ほとんどはその用い方が誰も望んでいない方向を向いていると思えて仕方ありません。
 なにより、温泉を舞台にした健康的なお色気サービスがウリの一つであるにもかかわらず、バスタオルを巻いたまま温泉に入っている描写をはじめとする規制の数々は何事か^^;
 テレ東的には注目されているアニメほど規制をかけたがるものなんでしょうが、旅館ではご法度なことを堂々と見せているのはどうかと。

 アニメのテンポは他のアニメと比べるとそんなに悪くない、というより速い方なのですが、もともと原作が非常に細かくコマ割されていて1話1話に内容がギッシリと詰め込まれているため、いまひとつテンポが悪く感じられてしまうのは損なところ。
 これを大地監督あたりが指揮してくれていれば、おそらく原作の持ち味を理解して理想的なアニメ化をしてくれたのではないかと思ったりもします。
 劇場版といった今後の映像化が期待されるならまだしも、すでにOVAまで作られて完結した内容についてタラレバは全くナンセンスですが^^;

 TVアニメは中途半端な所で終わっているため、その後を描くべく2度にわたりスペシャル化されているのですが、これもちょっと…。
 「俺のラブひな」的にわけのわからない、スタッフの自己満足に終わっているものが多く、ルパンのTVスペシャルと同じくらい当たりがないです。

 …とこれぞ駄アニメとばかりに糾弾してきましたが、やっぱり原作を読んでしまうとその色メガネをかけて判断してしまうので、私の評価も妥当なものではないとは思います。
 だから、興味を持ったらレンタルして見てみるくらいはいいんじゃないでしょうか。
 何にせよ当時は一大話題作だったわけだし。

音楽
 主題歌「サクラサク」は岡崎律子作曲・林原めぐみヴォーカルでこのアニメの雰囲気に合ったにぎやかな曲。
 BGMもちょっと変わった音色を使っているようですが、あまり違和感のない仕上がりになっていると思います。
ボイス
 上田祐司、堀江由衣、倉田雅世、浅川悠、高木礼子、野田順子、雪乃五月、林原めぐみなど。
 堀江由衣さんの成瀬川に関してはほぼイメージ通りの演技でGOODです。
 しのぶ役の倉田さんはこのキャラが当たり役だったようで、この後もいろんなアニメで見かけるようになりましたね。
 それにしても上田祐司氏はどうして自身が嫌いなタイプのキャラばかり引き当てるのだろう・・・^^;

キャラ
 前原しのぶ。
 このキャラに限っては、オリジナルの友達キャラを出したりして、とてもよく描けていたと思います。
 原作と微妙に違う性格になっていた乙姫むつみもキャラ描写には成功していたかな?
最後に一言:「ところでラブひなって何だろう?“I love Hinatasou”の略?」


●セラフィムコール(全12話) オススメ度:7 中・高
感想
 サンライズ製作には珍しい美少女もの。タイトルの「セラフィム」は天使の一種で、要するに天使のようにかわいい女の子たちの物語ってことですか?^^;

 2000年10月より3ヶ月間、テレ東深夜枠にて放送されたものを視聴。
 アニメの内容はサブタイトルの「2011年 11少女物語」でわかる通り、2011年、架空の都市“横浜ネオ・アクロポリス”を舞台に、11人の女の子たちの日常を描くオムニバスストーリー。
 女の子といってもありがちに高校生ばかりではなく、中学生から教師をやっている人まで年齢はバラけています。まあ、ほとんど高校生ではあるんですが^^;

 1話につき1人の女の子を主人公としたストーリーが展開し、最終話で11人が集合する(といってもやることは記念撮影レベルですが)という構成です。
 監督・望月智充、シリーズ構成・荒川稔久、キャラクターデザイン・七瀬葵(オリジナル)、藤井まき(アニメ) など。

 放映開始当初、ちょっと前まで「センチメンタルジャーニー」というこれまた1話完結で1人ずつ女の子が出てくる構成のアニメをやっていたので、てっきりこれはその2番煎じなのかと思っていましたが(事実そういう意図は合ったのかな?流行っぽかったし、構成も同じ荒川氏だし)、意外としっかりしたアニメになっていると思いました。

 「センチ」はそもそもがギャルゲーっぽかったのに対し、このアニメは相方の男の存在をほとんど意識せず(必ずしも恋愛ドラマではなく)、完全に女の子を主人公とした物語を描くことを目的に、1話1話伸び伸びとキャラクターを描いている印象が強いです。
 もっとも、書いているライターさんは全員男なわけですが(--;
 (ついでに書いておくとライター陣は、構成の荒川稔久氏を筆頭に、村井さだゆき、坂元郷(望月監督の変名)、荒木憲一氏の4名)
 自由に描いているというのは何話か見てみればすぐわかることで、例えば第1話は自称天才発明家で極度のあがり症の女の子が警察に委託されて爆弾解体をする話^^;
 他にもサンダーバードよろしく私設警備隊をやっている金持ちの女の子が出てきたと思ったら、次は高校生マンガ家のオタクっぽい女の子が主人公になったりと、オープニングからは内容が予測つかないです。

 内容はジャンルを選びませんが、主眼はやはり女の子の心情を丁寧につづることにあり、そのへんのバランスはきっちり取られていると思います。
 シリアスかギャグかと聞かれると難しいですが、各話で味付けにある程度の違いがあるとしても、基本はシリアスなんじゃないでしょうか。
 設定自体がギャグみたいな話が多くて、キャラクターの行動自体もギャグにしか見えないことが多いんですが、キャラ自身は真面目にドラマをやっているし。
 リニアやV.R、パソコンを使った通信授業など、微妙にズレた感じの未来を描いているのも特徴的。

 ただ、これは仕方のないことだとは思うんですが、“美少女じゃないとダメなの?”って疑問はありますね。
 普通に女の子を主人公としてその心情をつづるアニメを描くなら容姿だって普通の女の子でもいいじゃないですかってことですが。
 まあこの手のアニメで可愛くない女の子出しても商品にならんし(下手すれば「lain」みたくなる可能性も)、私も「真剣10代しゃべり場」みたいなことを語るつもりは毛頭ないんですが^^;
 最終話ではそもそも「かわいい女の子限定」っていうのがアニメのネタになっていますしね。

 とにかく単なる美少女アニメとあなどるなかれ。1本30分に満たないオムニバスドラマとしては、秀逸なものといえるのではないでしょうか。
 ただ、ビデオは1本1話というのがね…まあ、これまた仕方ないことでしょうか。

音楽
 BGMは多田彰文氏が担当。
 タイトル曲「pray」を佐々木ゆう子さんというアイドルっぽい人が歌ってます。
 曲はいいんですが、内容がしつこく「神様、今付き合ってる彼氏と別れる勇気をください!」みたいなことを繰り返すだけってのはどうかな^^;
 エンディング曲は毎回のヒロインの女の子役の声優さんが担当。これまたアニメ本編に関係ない、ただのキャラソンですね^^;

ボイス
 いちおうこのアニメは女の子役全員の声優さんを書かねば不公平かと^^;
 アニメの登場順で、笠原弘子、川田妙子、矢島晶子、伊藤栄味子、長沢美樹、西村ちなみ、鶴野恭子、佐久間レイ、浅川悠、川澄綾子、山本麻理安の11人。
 見た感じ新人・中堅・ベテラン取り混ぜって感じですね。誰がどう分類されるかは書きませんけど^^;

キャラ
 桜瀬ちなみ
 やっぱり矢島さん@くれよんしんちゃんは美少女やっても上手い…
作中の一言:「神様 お願い この恋を 終わらせて くじけそうな私を 嫌いにならない前に」


●おねがい*ティーチャー(全12話) オススメ度:5  中・高
感想
 2002年1月よりWOWOWノンスクランブル枠で3ヶ月間放送。
 監督・井出安軌、脚本・黒田洋介、キャラクター原案・羽音たらく、キャラクターデザイン・合田浩章など。

 これといって話題のない片田舎の高校に通う主人公・草薙桂(けい)。
 彼は、15歳として学校に通っているが、実は「停滞」という病気のために3年間の時を「停めた」ため、実年齢は18歳である
 ある日、湖に飛来した宇宙船と遭遇した桂は、謎の女性と出会う。
 彼女・風見みずほは地球方面を監視するために銀河連邦から派遣されたエージェントで、なぜか桂のクラス担任の教師として赴任してくるのだった…。

 というのが出だしなのですが、その後、秘密を共有するようになった桂とみずほ先生は恋に落ち、みずほが学校にいられるために「結婚」という体裁まで取ることになる、というお約束な展開にいたります。
 「年上」「女教師」「メガネ」「巨乳(お色気)」「宇宙人」「若妻」「同棲」などがみずほ先生のキーワード(笑
 あ〜、あと「最優先事項よ!」という口癖とかポッキーが好物とかいう設定もあったな^^;

 とにかくこれでもかという設定をヒロインに盛り込んで、幅広い(?)層の支持を得ようとしているようです。
 みずほ先生はわかりやすすぎるくらい狙った設定なのですが、相方の桂君が「停滞」というイマイチよくわからない病気持ちなのが、アニメの途中で感情移入を阻害するネックになっている気がします。

 内容は、オープニングからして見ればすぐわかるのですが、いかにも美少女ゲーム的なご都合主義満載のアニメ。
 とにかく主人公でこれといって取り柄のない男のことが最初から好きなクラスメート(縁川小石)とかいるアニメはどうも苦手で、アニメに対する見方が変わってしまう気がします(ぉ
 あと無感情でボソッとしゃべるちっこい女の子(森野苺)とかも、こういうアニメにしか出てこないキャラですね。

 全12話(+ビデオのみ最終話収録)と短いお話なので、いちおう銀河連邦とか名前は出てきますが、ストーリー自体が大きく(壮大な方向へ)発展するようなことはありません^^;
 ひたすら主人公とみずほ先生、クラスメートの恋愛というかちちくり合いというか(^^;)がメインに描かれ、SF設定は付け足しのように感じました。

 「年上」の恋人、というのはゲームではあってもアニメでは結構見ない設定だと思うのですが、はたしてこのみずほ先生が「大人の女性」として完成されてたキャラクターになっているかというと・・・どうも疑問です。
 っていうかこの先生、今まで誰とも付き合ったことがないらしく(その時点で年上にした意味がない気がしますが^^;)、桂君とのやり取りをはじめとしてよく言えば初々しい、悪く言うと子供っぽい言動が目立つように思います。
 中盤に入ってクラスメートの小石や苺に桂の気持ちが傾いてくると猛烈に嫉妬を燃やすし^^;
 そもそも銀河連邦からただ一人派遣されてくるエージェントとしてはあまり有能でないような気も・・・。

 ストーリーは前半こそ「ヤりそうでヤらないシチュエーション」を徹底的に追求し、男性にとってひたすら気持のいい世界を描く手腕には、感心することしきりです。
 が、物語後半、ヤっちゃってからが面白くない^^;
 ストーリーにシリアス要素が交じるようになり、だんだんと何が描きたいアニメなのかわからなくなってくるのはどうかと(笑
 ただ、終始みずほ先生と桂君のやり取りには脚本・黒田氏の熱い感情がほとばしっています。

 つまるところこのアニメはみずほ先生と桂君のバカップルぶりを延々と12話見せられるだけとも極言できるので、最初の2、3話を見て自分には合わないと思えるようなら切っても構わないと思います。
 まあ、そのこっ恥ずかしい展開をニヤニヤして見る分には正しくオタクのハートをつかんでくれるアニメであり、商品としては正しく成功をおさめたように思いますけど。

音楽
 OPで流れている曲か音楽:I've/折戸伸治と表示されるところに反応してしまうファンは、結構引き返せないところにいる人でしょう^^;
   このHP的には説明するべくも無いですが、いちおう書いておくとI'veは18禁ゲームのBGMや主題歌を請け負っている音楽製作チームで、 ボーカル曲では必ずキャッチ―なメロディーをユーロビートのリズムに乗せて聞かせ、一部で絶大な支持を得ています。
 折戸伸治氏は「Kanon」などのゲームの楽曲を担当された人で、これまたギャルゲー界では圧倒的な支持を得ている作曲家さん。
 実はキャラクター原案の羽音たらく氏も「GREEN」という18禁ゲームのキャラ原案をされた方で、 放映中もこの「おねティ」の18禁バージョンがゲームで売られるらしいという噂がまことしやかに囁かれていました^^;

ボイス
 みずほ:井上喜久子、桂:保志総一朗、小石:川澄綾子、楓:大原さやか、苺:田村ゆかり、漂介:岩田光央、跨:三浦祥朗、まりえ:金田朋子など。
 こういうアニメなら予測可能な布陣といってしまったら失礼なんでしょうか^^;
 特に喜久子さんと保志さん、川澄さん、田村さんあたりは企画段階で決定されていたんじゃないかと思われるくらい。

キャラ
 う〜ん、キャラ的には苦手ですが、可哀想だったので縁川小石にしときます。
 桂に惚れる動機が「何となく」なのがアレですけど^^;
 たいていの人はみずほ先生か苺に二極化するみたいですね。
作中の一言:みずほ「最優先事項よ♪」


●起動戦士ガンダム 第08MS小隊(全12+1話) オススメ度:7.5  中・高
レビュー
 95年より「0080」「0083」に続くOVAシリーズとしてリリースされ、製作が遅れに遅れて5年がかりでようやく完結したという作品。
 初代ガンダムの一年戦争を背景にして、歴代ガンダムの中で最もミリタリー色が濃厚な仕上がりになっています。
 OVAシリーズの伝統なのか、ガンダムのテーマの一つである「ニュータイプ(人類の革新)」はほぼ無視され、もう一つのテーマの「宇宙世紀における戦争」と「そこに生きる人々の人間ドラマ」を突き詰めた作品であるといえるでしょう。
 もっとも、物語の舞台はほぼ地球であり、宇宙が舞台になるのは1話くらいなものですが^^;

 一年戦争末期、地球上で進行する大規模な作戦に参加するべくコロニーからやってきたシロー・アマダ少尉。
 物語は彼が宇宙でジオン軍の新型機のテスト飛行をしていたアイナ・サハリンと出会った後、地上に降りて08小隊に着任する話から始まります。
 その後、08小隊の個性的なメンバーからシローが信頼を得るまで、連邦のシローとジオンの兵士・アイナの理解されず困難な恋、ジオンの新型兵器アプサラスとの因縁の決戦などを1話完結で丁寧に描いていきます。
 戦争が泥沼化して延々と話が続くようなことはなく、最後に一大クライマックスを迎えて、アムロたちが戦っていた歴史の裏側でこんな事件が起こっていたのだ、という形で綺麗に終わっていきます。

 ガンダムフリークとしてはリアルな戦争描写と相変わらずの人間描写の上手さに見所満載なんですが、たぶん小学生の頃見ていたら毎回戦闘が起こるわけでもない、地味な作戦展開に飽きていたかも^^;
 何しろザク一機倒すのにも一苦労で、終盤で新型ガンダムを手に入れても移動式砲台みたいな相手に苦戦を強いられたりしてますから、1体で戦局を大きく変える「白いヤツ」とは明らかに描かれ方が違うわけです。
 第1話なんて主人公が乗っているのはボールだし(笑
 1対1を強調した戦闘描写も「0080」以来のOVAの特徴ですね。

 0083に引き続き「カウボーイビバップ」などの川本利浩氏キャラクターデザイン。
 とりあえずヒロインのアイナはどこを切り取っても美しく眼福。
 シローは…髪型がダサいけど8話で末端の兵士にまで嘲笑されたのが可哀想だったから、主人公として認めてやるか←何を偉そうに

 ビデオは1本1話収録で10本近くあるため、何となく他のTVシリーズと比べると損な気がしないでもないですが(^^;)、 OVA独自の味を持った作品なので、ガンダムのファンとしては必見の作品ではあるでしょう。
 特にノリス大佐の搭乗するグフは文句なしにカッコいいです。
 アプサラスのザク頭ドデカボールのデザインは…インパクトはすごいですが^^;
 あの機体は要するに「一人じゃ戦争できんのだよ」っていうメッセージを裏に秘めて出たのかな?

 ちなみに「ラスト・リゾート」というタイトルの続編がありますが、これは一般におおむね不評なので見なくてもいいでしょう。
 いちおうシローとアイナのその後を描くという名目で作られているようですが、その実は「そういやニュータイプやってなかった!」ってな感じで冨野監督をはじめとするTVシリーズスタッフへの義理で作られたお話なんじゃないでしょうか^^;
 キキとミケルが好きだった人のみ特攻してよし。

音楽
 OVAの綺麗な作画に「サクラ大戦」「トップをねらえ!」の田中公平氏による作曲のBGMが映えます。
 OP・米倉千尋さんの「嵐の中で輝いて」は名曲。挿入歌も素晴らしい。

ボイス
 檜山修之、井上喜久子、玄田哲章、小山茉美、結城比呂、西村ちなみなど。
 どこまでも熱いシローに檜山さん、どこまでも優しいアイナに喜久子さんはハマリすぎ。

キャラ
 アイナ・サハリン
 ダントツ1位。
作中の一言:シロー「アイナ、好きだ―――っ!!」


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