四 則 演 算/掛け算・割り算
掛 け 算
前のページにも書きましたが、掛け算が出てくるのは、小学校2年生です。
この掛け算は、高校の数学まで、そして、日常生活の上でも、非常に重要な役割をしてきます。
そして、数学的思考力(物事を推測していく力)は、この掛け算によって培われていくものではないでしょうか。
掛け算の意味を本当に理解して、駆使していく力を養うこと(この簡単な道具を使って、推理したり、予測したりして、新しい発見や筋道を見つけること)は、これから、あらゆる分野において、考える力や理論的な能力を養うことになってくるのではないかと思います。
ここでは、ただ単に、累加(重ねたし)だけではなく、掛け算の本当の意味も含めてご紹介したいと思います。
累加としての掛け算
2+2+2+2=2×4=8
これは、例文でいうと
「1日目に本を2ページ読みました。2日目も2ページ、そして、3日目、4日目も2ページずつ読みました。全部で何ページ読んだことになるでしょう。」
というような問題で表わされます。
これは、足し算の問題です。
足し算は実際にそこにあるもの(数)です。
計算しなくては量がわからないかもしれませんが、実際に見えているものです。
これは累加と言って、同じ数を足す(足し算)ことです。
これを、掛け算で表わすことも多いでしょう。
確かに、累加としての掛け算は、便利上使われています。掛け算を使う方が簡単だからです。
ところが、掛け算の意味は、本当は別なのです。
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掛け算の本当の意味 ![]()
「1あたりの量がいくつ分?で全体の量」を出す演算、
「1あたりの量」 そして、「未知の量(まだわかっていない量)」の演算です。
掛け算の本当の特徴はここなのです。
まだ、わかっていない「未知の量」を計算する。
これこそが、掛け算の本当の意味です。
だからこそ、この掛け算を理解することは、まだ見ぬ物事を推測していく力になって現れてきます。
やはり、ポイントは「1」なのです。
ただ、まだ習いたての子供に、この話をするのはちょっと辛いものがあると思います。
では、どのようなイメージを持たせればよいでしょうか。
例えば、こんな問題を出してみましょう。
「熊さんは1頭あたり2本の手があります。それでは、熊さんが4頭いたら手は、何本になるでしょう。」
というような問題を出してみます。
この問題を実際に絵に書かせてみましょう。
熊さん4頭とも手が全部書いてあったら、これは実際にそこにあることなので、掛け算の意味を本当に理解していません。
足し算の延長になってしまうわけです。
掛け算の本当の意味としての絵はこうなります。
まず、1頭の熊さんがいて、実際に手が2本あります。
そして、次に、熊さんが4頭書いてありますが、手の数はまだわからない(手は書いてはいけない)というような絵が正解です。
掛け算の問題(答えはまだ出てない状態)は、この、未知数(わからない状態)を実際に絵にして見せることがポイントとなります。
熊さんは実際に、手はもともと付いているので「え〜〜、気持ち悪いよ〜」という子もいると思います。
ただ、掛け算の意味を教える時は、熊さんのように実際についているものの方がいいでしょう。
なぜなら、未知数を教えるのに、わざわざ、手をはずしてしまって教えるので、印象に残るからです。
強烈に頭の中に入っていくからです。
そして、もう1回、わかりやすい問題でも出してあげましょう。
「一人当たり飴を2個ずつあげます。4人分では飴は何個必要になるでしょう。」
飴はまだ、いくつ用意すればいいのかわからない状態です。
これこそが、掛け算の本来の意味となります。
ここをよく押さえてあげることです。
そして、ポイントはやはり「1」です。そして、全体の量を調べます。
掛け算における単位の重要性
ここで、「1ml あたり3gの牛乳があります。この牛乳20ml では、何gになるでしょうか?」
と言った問題をとりあげてみましょう。
ここで、単位に注目してみます。
この問題を、簡潔に表わすとこうなります。
「1ml・・・3g 20ml・・・?g」
ここで注目するのは、やはり「1」という数字です。
「1」は基になる量です。そして、その単位は「ml」です。
「1」ml が3gですので、「3g×20ml」。 これはすぐにわかると思います。
この式には、実は「 3g/1ml × 20ml 」 という意味が含まれています。
ここで、単位を消してみましょう。 ml とml は分子と分母にあります。
ですから、ml はここで消えてしまうわけです。
残った単位は「g」。 よって、答えは、60gとなるわけです。
ここで、なぜこういう話をしたかというと、高学年にいって速度の問題や割合の問題を解くときに、非常に重要な意味を持ってくるからです。
単位というのは、なかなかあなどれないと思います。
そして、文章問題を解くときに、この単位が解くヒント(手がかり)を教えてくれたりもします。
低学年のうちは、分数を習っていないのでさらっとお話するだけでもいいと思います。
ただ、割り算を習っていたら、割り算を使って説明することはできるでしょう。
そして、掛け算の式には、こういった意味が含まれているんだよ!!っということを是非話してあげましょう。
見えない部分を教えてあげるのも、掛け算の意味を知る上で重要なことではないでしょうか。
もう1問、問題を出してみましょう。
「同じ太さの木があります。この木、2mの重さを計ったところ600gありました。この木が3mでは何gになるでしょう?」
この問題は、ポイントとなる「1」(基になる量)がわかりません。
これは、どうするのでしょう??
やはり、「1」(基になる量)に直すことが必要になってきます。
「1」に当たるものがなければ、それを探し出せばいいわけです。
ポイントとなる「1」(基になる量)の意味がわかっていれば(掛け算の意味を本当に理解していれば)、すぐに解ける問題です。
まず、2mの重さがわかっているわけですから、1m分(これが基になる量です)を出します。
600g÷2m=300g/m
これで、1m分(基になる量)の重さがわかりました。
それが3m分あるわけですから、300g/m×3m=900g となります。
今は、わかりやすくするために、単位をつけましたが、式自体に単位はなくてもかまいません。
ただ、この式の意味を理解する上では、単位も頭に入れて計算したほうがわかりやすくなります。
こういったことは、子供達には、なかなか理解しにくいと思います。
しかし、2年生から、そしてその後の学年も、掛け算が出て来る都度に、掛け算の本当の意味(未知数の演算だという事。そして、基になる量がいくつ分かという事)を根気よく話してあげる事をお勧めします。
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割 り 算
割り算の意味
@ 「24cmのリボンを4本に分けます。1本あたりは何cmでしょうか?」
A 「24cmのリボンを1本あたり4cmずつ分けます。何本リボンはとれるでしょう?」
上記、2つの問題を出しました。どちらも割り算を使う式になります。
ここでも、やはり「1」の数字に注目してください。
もちろん、ここでも「1」は基になる量になってきます。
@の問題は、1本あたりの量を求める問題です。
ところがAの問題は、1本あたりの量はわかっていて、その1本あたりの量が全体の量に対していくつ分になるかという問題になっています。
このように、割り算は二つの意味を持っています。
ここを根気よく教えてあげましょう。
これは、小数や分数の割り算を考えるようになった時、重要な意味を持ってきます。
掛け算をすれば、答えが必ず大きくなる。
割り算をすれば、答えが必ず小さくなる。
と思っている子供が多いです。
ところが、掛け算にしても割り算にしても、答えは必ずしもそうとは限らないという事を気づかせてあげましょう。
例えば、「4÷0.5=」の式です。
この式を解く上で、上記の問題に当てはめてみますと、Aの問題に当たります。
「4cmのリボンを1本あたり0.5cmずつ分けます。何本リボンはとれるでしょう?」
(ちょっと、短すぎますが・・・)
この式を想像しただけで、4cmのリボンから、4本以上のリボンが取れることは、容易に察しできます。
問題を想像すること。 ここがポイントです! ぜひ、想像させてみましょう。
それでも、わからない場合は、実際にリボン(なんでもよい)を用意して、子供に作業させてみるものいいでしょう。
作業がしにくかったら、線分図でもいいですし、定規を使ってでもいいです。
実際に4cmの中に、0.5cm(5mmになります)がいくつ分入っているか。
すなわち、4という数字の中に、0.5(これが基になる量になってきます。すなわち「1」 ひとつ分です。)がいくつ分入っているか?
という意味に他なりません。
実際にリボンがあれば、ひとつぶん、ふたつぶん、と数えることもできるでしょう。
(もちろん、長さを変えてかまいません。でも、割る方はもちろん「1」より小さい小数か分数にします。)
こういった問題で、子供達に割り算でも答えは大きくなることもあるんだよ。という事を教えてあげましょう。
ただ、ここで重要なのは、子供達に問題の文を想像し、絵に書かせたり、実際に作業させることです。
そして、問いかけ形式で話してあげることです。
子供達にまずは違ってもいいですから、「わかった〜〜!!」っと言わせてあげましょう。
違っていても、やってみたことをまず褒めてあげます。
そしてまた、その道しるべ(ヒント)を話してあげ、「お〜〜、わかった〜!そうなんだ〜〜〜!!」と気づかせてあげるようにしするのがコツだと思います。
子供達は、自分が紙に書いたり、発見したことについては、なかなか忘れにくいものです。
そして、自分で発見したという経験によって自信につながり、だんだんと算数のおもしろさがわかってくるのではないでしょうか。
ぜひ、そうなっていってもらえる事を願っております。