
| スラッシュメタル |
私はふつ〜のメタルのアルバムもいっぱい持ってるんですが、あんまり好きじゃないので紹介するほどいれこんでるバンドって
なかったりします。なんでちょっと激しめのスラッシュメタルという音楽から紹介します。
スラッシュメタルのTHRASHとは、叩くとか打ちつけるという意味ですが、それはヘヴィメタルにおける強烈さをより誇張し、より
スピードを追い求めたその音楽性をあらわすのにちょうどピッタリくるのであります。
世界で初めにスラッシュメタルが強く意識されるような音楽を作ったのが、METALLICAといえると思います。
まぁ、VENOMという意見もありますがそれはとりあえずおいとくとして。彼らが1983年に発表した「KILL'EM ALL」というアルバムが
世界じゅうに与えた衝撃は計り知れません。今までのメタルでは考えられなかった曲のスピード、そして吐きすてとも言える荒荒しい
ヴォーカル・・・。
この作品が驚異的な売上げををあげたことで、その頃アンダーグラウンドでくすぶっていた過激なバンド達が次々とデビューす
るきっかけとなりました。METALLICAから脱退(クビ・・・)したデイヴ・ムスティンが作ったMEGADEATH、ハードコアパンクとヘヴィ
メタルを両方愛するジェフ・ハンネマンとケリー・キングの二人が作ったSLAYER、そしてANTHRAX,EXDUS,TESTAMENT・・・などなど
スラッシュメタルの特徴は、なんといってもギターから紡ぎ出される歯切れのいいリフ(*)でしょう。ヴォーカルはあくまでもその
リフに付随する形で、曲をかっこよく演出するための要素であり、他の楽器と同等に扱われています。すなわちいわゆる”歌もの”
とは一線を画す音楽といえるでしょう。ただし、デスメタルなどと違いヴォーカルをエフェクトで極度に歪めて獣性を引き出すという
事はしないので、ある程度ヴォーカルの技量によって印象的なヴォーカルライン、つまり歌メロを作ることに成功しているバンドもい
ます。ANTHRAXやMEGADEATHなどはそのいい例でしょう。
(*)リフレインの略、曲中に頻出するテーマとなるフレーズをさす
スラッシュメタル名盤
個人的にはMETALLICAってゼンゼン好きじゃない。スラッシュメタル時代は、SLAYERとかを聞いちゃうとなんかパワー不足
感は否めないし、「BLACK ALBUM」以降の大衆向けヘヴィ・ロック路線は、彼らを聞くなら同じような音楽性でもTROUBLEや
KYUSSの方が100倍カッコイイし・・・・。てなことでMETALLICAさんにはご退場願って、他のバンドからこの3枚はオススメしても
構わないだろうというのを選んでみました。
SLAYERはほんとにすげーバンドですよ。ライブも最高だし音楽に向かう姿勢やファンに対する気持ちもしっかりしています。まさに
究極のメタルバンドですぁ!!
SLAYER / REIGN IN BLOOD

この作品を紹介せずにいられるわけがありません。病的なジャケットに象徴されるように音楽のスピードに魅せられた男たちの
作り上げた究極のスラッシュメタルアルバム。10曲をたった29分で駆け抜けるが、聞いた後は現代のヘヴィ・ミュージックを10枚
聞いた後よりも強い疲労感(とそこにともなう快感)を得ることができるでしょう。耳さわりのいいメロディなんてひとつもなく、ただた
だ疾走するのみです。このアルバムで体現してしまったスラッシュメタル像はあまりにも完璧過ぎたために、作り上げた自分たちさ
えこの作品のクオリティを超えることができないでいます。とりあえずこれを聞いて受付けないようだったらもう、ヘヴィな音楽なんて
聞くんじゃねぇといってもいいくらいの作品です。スラッシュメタルというジャンルを語るとき、いやメタル代表する一枚を語るときには
必ず出るアルバムです。全ヘヴィメタルファンのマストアイテム。
発展
→SLAYER / DECADE OF AGRESSION
活動10年の節目に発売されたライブアルバムあまりにも生々しい音像とテンションが凄まじい。
→SLAYER / DIABOLUS IN MUSICA
1998年発売の7th。音がこれまでになくヘヴィでかつ重い。速い曲でも腹にグッとたまる重量感がある。
MEGADETH / RUST IN PEACE

よりテクニカルでジャズの要素さえ見え隠れする、通称”インテレクチュアル・スラッシュ(知性的スラッシュ)”の第一人者である
MEGADEAHが、完璧な演奏陣を手に入れ理想の音楽像を作り上げた作品。1曲目の「HOLY WARS・・・・AND PUNISHM-
ENT DUE」は永遠の名曲。メロディアスなソロが得意なマーティ・フリードマンと、荒荒しいデイヴ・ムスティンの二人のギタリストの
個性がよくわかるソロにも注目。デイヴの、決して上手くはないけどトゲトゲしく皮肉っぽいヴォーカルもバンドのインテレクチュアルな
サウンドにピッタリです。
発展
→MEGADETH / CRYPTIC WRITINGS
ヴォーカルの表現力の上昇によりバラードの魅力も増した97年発売の7th。
しかし往年を思わせるスピードナンバー”SHE
WOLF”がキラリと光る。
THE HAUNTED / THE HAUNTED MADE ME DO IT

私が最高のメロディアスデスメタルバンドであったと確信するAT THE GATESの中心人物であったヨナス、アンダースのビョーラー
兄弟が、AT THE GATES解散後結成したスラッシュメタルバンドの2作目。ちなみにジャケットには犯罪者の顔写真が羅列されて
いますが、タイトルである「THE HAUNTED MADE ME DO IT」(ザ・ホーンテッドが私を犯罪に駆りたてましたの意味)を見て
もその自信があふれています。
北欧人らしいメロディアスなスラッシュメタル・・・なんてなんて簡単な言葉では済ませられません。SLAYERの切れ味と狂気をも
持ち合わせた素晴らしいスラッシュメタルアルバムになっています。細かいカッティングから上下に振幅するメロディアスなリフを基調
としたリフ中心の楽曲に、これまた北欧らしいメロディアスなソロ・パートが挿入されます(しかもツイギターでハモリまくり)。とはいえ、
1曲1曲お決まりのようにギターソロが挿入されるのではなく、火の出るような速い曲はコンパクトにまとめるなど、非常にスラッシュ好
きのツボをついた作品です。
元FACE DOWNのマルコ・アロのヴォーカルはPANTERAのフィル・アンセルモのようにパワフルですが、同時に悲壮なヒステリッ
クさも併せ持ち、しかも時に典型的メタル・スタイルで歌うなど声の使い分けも見事な、まさにスラッシュメタルを歌うために生まれてき
たシンガーです。新しい、そして今を生きる本物のスラッシュメタルバンドは彼らしかいません。
その他、質の高いスラッシュアルバム
KREATOR / CAUSE OF CONFLICT
GRIP INC. / NEMESIS
DESTRUCTION / RELEASE OF AGONY
スラッシュメタルからの発展
→メロディアス・デスメタル
メロデスはデスメタルの狂暴性の一部をメロディに置き換えたものと考えてよいでしょう。なのでスラッシュメタルに慣れた
耳を持ってすれば、難なく入っていけるでしょう。まずはIN FLAMES、ARCH ENEMY、そしてCARCASSの「HEARTWORK」から
聞くとよいでしょう。
→デス・メタル
デスメタルの多くのバンドはSLAYERに強く影響を受けています。SLAYERが気に入っているならデスメタルを聞いても大丈
夫なはず。まずはVADERの「DE PROFUNDIS」やAT THE GATESの「SLAUGTHER OF THE SOUL」などを聞くとよいでしょう。