異常バンド列伝その2 ASH RA TEMPEL
異常バンド列伝、第二弾はジャーマン・エレクトロニックミュージックシーンにおいて、最も現代テクノ・ミュージックに
影響を与えつづけているASH RA TEMPEL(アシュ・ラ・テンペル)を取り上げます。
この名前を聞いてピンときた方はいらっしゃるのではないでしょうか?と、いうのもアシュラ・テンプルってロボットが
「重戦機エルガイム」(監督:富野由悠季 キャラクターデザイン:永野護)で出てるじゃあ〜りませんか。他にもこの
アニメにはアトール(ATOLL、フランスのイエスと言われたバンド)、アモン・デュール(ドイツのヒッピー・サイケバンド)
なんかも出てます。これは明らかに永野護の趣味ですね(笑)。
ASH RA TEMPELは創始者のマニュエル・ゲッチングを中心に、現在ASH RAと名を変えながらも活動を継続しています。
バンドが結成されたのは1971年、その頃はギター、ベース、ドラムスというごくごく普通のトリオバンドでした。ただこいつら
が凄かったのは、時代性もあるのでしょうドラッグを注入した状態での実況録音を中心に活動していたということです。
昔はこういうのをドラッグをやりながら聞いて追体験したりしてたらしいです。で、こういうのが前にも述べたとおり現代テクノ
のルーツとなったのです。しかし、そういった彼らの活動にも、当然ツケが回ってきます。ベーシストのハルトムート・エンケ
がドラッグ中毒で廃人になってしまったのです。こういった経験を経て、ドラッグ・ビジョンに基づいたASH
RA TEMPELは終わ
りました。
そこからゲッチング主導による新しいトランス・ミュージックの模索へと変わっていきます。80年代後期は恋人との別離もあ
り作品は余りリリースされませんでしたが、90年代後半になり活動が活発化し、97年には初来日公演も行いました。
| マニュエル・ゲッチング 関連作リスト (多分、ほぼ完璧に彼の関わった作品を 時系列順に網羅しているはず) #緑色のは後に解説している作品です |
解説 |
| STEEPLE CHASE BLUESEBAND | マニュエル・ゲッチングとハルトムート・エンケが ASH RA TEMPELの結成前に組んでいたブルー スバンド。アルバムは出ていないが、その演奏 は後述のレア音源集で聞くことができる |
| ASH RA TEMPEL ASH RA TEMPEL(1971) SCHWINGUNGEN(1972) SEVEN UP(1972) JOIN IN(1972) STARRING ROSI(1972) INVENTIONS FOR ELECTRIC GUITAR(1975) FRIENDSHIP(2000) GIN ROSE(2000) |
結成当初(2ndまで)はマニュエル・ゲッチング 、ハルトムート・エンケ、クラウス・シュルツェのト リオ編成だが、「SEVEN UP」でシュルツェが脱 退、この作品からゲッチングとエンケを中心とし たゲスト参加形式の緩いバンド形態となる。 「JION IN」を最後にエンケはドラッグ中毒で廃 人となり脱退。「INVENTIONS〜」はバンドの名を 冠しつつも実質ゲッチングのソロ。この後ASH RA と改名し、ゲッチングのソロ・ワークの性質が強ま る。 2000年に突如クラウス・シュルツェと共演し再び ASH RA TEMPELの名を冠し作品を出す。 |
| ASH RA NEW AGE OF EARTH(1976) BLACK OUTS(1977) CORRELATIONS(1977) BELLE ALLIANCE(1980) WALKIN' DESERT(1989) TROPICAL HEART(1991) LE BERCEAU DE CRISTAL(1993) SAUCE HOLLANDAISE(1998) OPEN AIR BURG HERZBERG BEST OF PART II(1999) @shra(1998) @shra Vol.2(2002) |
「NEW AGE OF EARTH」からバンド名をASH RA と改名し、メジャーのVirginに移籍し「BELLE ALIANCE」まではVirginからアルバムを発売す る。この時期に作った音楽は現代テクノの雛型 といえるシンセをふんだんに使ったミニマム・ミュ ージックの体裁をとっている。 80年代中期から90年代初期までは恋人ロジとの 別離もあって作品のリリースは少なかったが、97 年にゲッチング、元WALLENSTEIN〜COSMIC JORKERSのハロルド・グロスコフ(Dr)、ラッツ・ウ ルブリッヒ(Key)、スティーブ・バルテス(Sampler)と いう4人組で来日公演も果たす。 |
| MANUEL GOTTSCHING E2-E4(1984) DREAM & DESIRE(1991) |
ASH RAも半ばゲッチングのソロ・ワークであったが 、2枚のソロ名義の作品を出している。中でも84年 に発売された(録音は81年)「E2-E4」は発売後10年 を経てテクノDJスエニョ・ラティーノのリミックス・ヴァ ージョンで世界的に有名になり、今ではテクノの聖典 と扱われている。「DREAM & DESIRE」は91年発表 の作品だが、録音は77年に行われたもの。 |
| MANUEL GOTTCHING ASH RA、ASH RA TEMPEL THE PRIVATE TAPES Vol.1〜6 THE BEST OF PRIVATE TAPES |
96年、何の前触れもなく6枚連続でリリースされ、 ジャーマン・エレクトロマニアを悶絶させた未発表 曲集。そこから抽出されたベスト盤も出ている。 現在市場に出回っているのはそのベスト盤のみだが、 要望が強ければもしかしたら1〜6も再発するかも、 とのこと(情報元:東京タワー蝋人形館)。発売元は クラウス・シュルツェの個人レーベルであるMANIKIN RECORDS。 |
| THE COSMIC JORKERS THE COSMIC JORKERS(1974) PLANETEN SIT IN(1974) GALACTIC SUPERMARKET(1974) SCI FI PARTY(1974) GILLES ZEITSCHIFF(1974) |
ジャーマン・コズミック・レーベルのカイザーなる人 物の企画による、ASH RA TEMPELを母体としたセ ッションもの。当然ドラッグ注入状態の実況録音で ある。ASH RA TEMPELを脱退したクラウス・シ ュルツェも参加、また後にASH RAに参加するハロ ルド・グロスコフも参加している。中身は当然ヘロヘ ロでどハードなサイケ・ロック。 |
| WALTER WEGMULLER TAROT(1972) |
タイトル名義のヴォルター・ヴェグミュラーはスイス 人画家でアシッド導師ティモシー・ライリー(「7UP」 参照のこと)の擁護活動をしていた人物。こちらも上 記のTHE COSMIC JOKERSシリーズと同じくカイザ ー主宰のジャーマン・コズミック・レーベルから出てい る。 |
| with MICHAEL HOENIG EARLY WARTER(1995) |
ミヒャエル・ヘーニヒはAGITATION FREEやTA N-GERINE DREAMで活躍したキーボーディスト。個 人名義で何枚か作品を残している。1975年にゲッチ ングとセッションを行い作られたのがこの作品。 『E2-E4』同傾向の、モアレ調に敷かれたリズムパ ターンの上をゲッチングのギターが流れる、というもの。 『E2-E4』と比べるとリズムに変な特徴が無く、スーっと ながれていくので聞きやすいと言えるかもしれない。 どっちにしろ昼寝するには丁度いい(誉め言葉!) |
| WAHNFRIED ALBUMS(KLAUS SCHULZE) TONWELLE(1981) |
クラウス・シュルツェの擬人化されたコンピューター 名義のバンド「WAHNFRIED(ヴァージンフリード)」 の2ndにゲッチングはゲスト参加している。 |
| LE MOULIN DE DAUDET(KLAUS SCHULZE) IN BLUE(1995) |
同じくクラウス・シュルツェの別名義のプロジェクトに ゲッチングは再びゲスト参加。この作品では"RETU RN TO ASH RA TEMPEL"なる意味深な曲名が ある。これが後に2000年のセッションに繋がる。 |
映像作品
| ASHRA Live At The Open Air Festival Hertberg 1997 (2001) |
ゲッチング関連で発表されている映像作品は今までまっ たくなかったのだが、近年いきなり2作発売されその謎に 包まれたヴェールが解かれることとなった。こちらはマニ ュエル・ゲッチング、ハロルド・グロスコフ、ラッツ・ウルブ リッヒ、スティーヴ・バルテスの4人編成の、いわゆる1997 年来日公演のメンツでのライブ。詳しい解説は以下の ASHRAの項に。 |
| MANUEL GOTTCHING Die Mulde(2002) |
こちらはスタジオでゆったりと演奏しているマニュエル・ゲ ッチングの様子や、ドイツの街中の風景などをバックにギ ターが流れるというプライベート性の強い作品。 |
プライベート作品
| ASH RA TEMPEL PARIS DOWNERS (2CD Live 1975) |
元AGITATION FREEのギタリスト、ラッツ・ウルブリッヒ加 入後初のライブの模様を収めたもので、その時点では 未発表曲であった"ECHO WAVES"(表記されているタイ トルは違う)が演奏されている貴重な音源・・・らしいが 筆者は所持しておらず。結構な希少盤らしい。 ・・・ちなみに海賊盤。 |
ASH RA TEMPELアルバム解説
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ASH RA TEMPEL(1971) TANGERINE DREAMの1stでめちゃくちゃハードでフリーなドラムを展開 していたクラウス・シュルツェ、若干18歳のブルース・ギタリストマニュエル ・ゲッチング、そしてベーシストのハルトムート・エンケの3人によって奏で られる、録音一発系サイケデリック・ロック。はっきりいってしまらないことこ の上ないヘロヘロのグルーヴが全編を覆い尽くしている。なんといっても全 員ラリラリの状態でのライブ録音である。これは、音楽作品というよりはドラ ッグビジョンに基づいたサイケデリック体験の音化であるといえるだろう。 同時期に録音された2ndやカイザー氏が主宰したCOSMIC JOKERSと呼ば れる一連のシリーズも同傾向(ASH RA TEMPELのメンバーも全員参加)な ので、この作品が気に入った人は聴いてみるといいだろう。 |
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7UP(1972) LSDの人間へ与える効果を人体実験したことで国際使命手配を受けて いたティモシー・ライリーがスイスに潜伏していることを知ったゲッチング達 は、彼にセッションを持ちかける。ライリーはそれを快諾し、アシュ・ラ・テン ペルの面々がスイスに渡って作ったのがこの『7UP』である。このタイトルは このセッションの時、ライリーがゲッチング達に渡した7UP(炭酸ジュースだ) に、秘密でたっぷりLSDを混ぜ、それを飲ませて演奏させたことによる。当然 演奏はラリラリだ(笑)。しかし1st、2ndの頃と比べると闇雲に空間を埋め、叩き まくるグルーヴ感よりも、より“間”を活かしたトランス空間を作り上げている。 ゲッチングのブルース魂あふれる泣きのギターも楽しめる好盤。意味もなく男 どもが絶叫を挙げるシーンなどはドラッグビジョンのドキュメントとしての好盤 ともいえる。 |
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INVENSIONS FOR ELECTRIC GUITAR(1975) (名盤) ハルトムート・エンケが麻薬の過剰摂取により廃人となり脱退。その時点 でドラッグ・ビジョンによるアシュ・ラ・テンペルは終幕を告げる。たったひと りになってしまったゲッチングは、ベルリンに作った個人スタジオ<スタジオ ・ローマ>でレコーディングをしようと思ったが、そこにはギターとエフェクタ ー、そして4チャンネルテレコしかなかった。なのでしかたなくあるものだけ で作ってみた。そこでドラムレスでベースレス、キーボードさえない状態で、 テクノ・ミュージックの雛型を作ってしまったのだ!なにしろ凄まじいのはギ ターのカッティングとディレイ(音の伝達を遅らせるエフェクター)だけでリズ ムパターンを作り、そこにまた音色を変えたギターでメロディを重ねていく… という今だったらリズムボックスとシーケンサーさえあれば楽勝な作業を、 手作りでしかもギターだけで作ってしまったというところである。いやしかし、 それを抜きにしてもトランスミュージック史上に残る名曲”ECHO WAVES” を聴くためだけでも価値はある。ちなみに、写真の人物がゲッチング。 |
ASHRA
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NEW AGE OF EARTH(1976) (超名曲収録) ひとりになってしまったゲッチングはギターだけではなく、総合的なトランス ミュージックの追究のため、バンド名をASH RAと改名し、レーベルもメジャー のVirginへ移籍して作った1stアルバム。この作品ではゲッチングはキーボー ドをメイン楽器に据え、心地よい熱帯系つまりトロピカル・トランスミュージック を作り上げた。 それはメジャーレーベルに所属ということもあったのだろうが、彼のトランス ミュージックに対するオープンな姿勢が表れ、そして実に活き活きとしたサウ ンドで貫かれている。ひたすら明るく開放的で、美しい1曲目の"SUNRAIN" を体験するだけでもこのアルバムを買う価値があると僕は思う。名前の通り、 熱帯雨林に降ったスコールの後に太陽がさし込んだような情景が目に浮かぶ トランスミュージック史上に残る随一の名曲。。 |
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CORRELATIONS(1977) タイトルの意味は「相互作用」という意味である。「BLACKOUTS」でハロルド・グ ロスコフとラッツ・ウルブリッヒを迎えバンド編成となったASH RAはVirgin期に 「NEW AGE OF EARTH」を含めて4枚の作品を出しているが、「NEW AGE〜」以降 の3枚は少々質が劣るという感は否めない。妙にメジャーに寄り添ったヘコヘコの リズム・パターンとシンセが大部分を占めているのである。これは、バンド形態と はいっても基本的にはゲッチングの一人多重録音で、数曲で2人を迎えるという方 法だからで、基本的にはソロに近かったからである。しかし、この作品は一番バンド の参加比率が高く、ロックっぽさが強い。だから「相互作用」というタイトルがつけら れたのではないかという深読みも可能だ。リズムパターンも面白いものが多いので 「NEW AGE〜」が気に入ったならば次に聴くといいかもしれない。ギターが導く桃源 郷"OASIS"や異国情緒溢れる"Banboo Sands"、イントロのピアノフレーズが美し い"PHANTASUS"とバラエティも豊かである。ちなみにメジャーレーベルからドロッ プされた後の作品である「WALKIN' DESERT」「TROPICAL HEART」もバンド志向 が強く「CRRELATIONS」路線なのでオススメだ。 |
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@shra(LIVE IN TOKYO 1997)(初心者向け!) 元WALLENSTEIN〜COSMIC JORKERSのハロルド・グロスコフ(Dr)、元AGIT -ATION FREEのラッツ・ウルブリッヒ(G,Key)、スティーブ・バルテス(Sampler) 、そしてマニュエル・ゲッチング(G)の4人編成となった新生ASH RAはこの日本 公演を皮切に積極的にライブ活動を展開する(「SAUCE HOLLANDAISE」は同 じメンバーによるオランダ公演を収録したもの)。 ハロルド・グロスコフの覚醒冠溢れるドラミングに、ここぞっ!という時には重量 感溢れる打ち込みリズム・パートを提供するサンプラーのスティーブ・バルデス。 そんな強力なリズム隊に絡むゲッチングの、60年代から変わらない煌く泣きのブ ルースギター。彼のギターソロは"ECHO WEAVES""NIEMAND LACHT RUKW -ARTS"といった往年の名曲の数々に息づいている。 きもちい〜いトランスを聞きたいという方にはまずコレ。 |
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OPEN AIR BURG HERZBERG BEST OF PART II(1999) 91年から毎年ドイツの南部の都市ヘルツバーグで行われているヒッピー・ フェスティバルの模様を抽出して届けられるシリーズの第二弾に、97年の ライブの模様としてASHRAは「12 SAMPLES」を提供している。内容としては 上の『@shra(Live In Tokyo 1997)』に収録されているものとあまり変わりな い。しかし、ASHRAのメンバーであるハロルド・グロスコフ(Dr)が中心となっ たユニットSUNYA BEATのライブも収録されているのでアシュラ人脈にも注目 しているファンは必携の品だ。SUNYA BEATには他にも現ASHRAのスティー ヴ・バルテス(Syn、Sampler)も参加している。SUNYA BEATでは元FOOD BANDのアクセル・M・ヘイルヘッカーがギターを務めており、ゲッチングと は違ってジャジーでドラッギーなうねるグルーヴを産み出している。ちなみ にこの3人が結成した新たなユニットであるバルテス/グロスコフ/ヘイル ヘッカーで『4×3 Vtermalderet』という作品も出ている。が、僕は持ってない。 少々話が横道に逸れたがこのヘルツバーグフェスのライブ盤には、他にも EMBRYOの別ユニットDISSIDENTENや(女性ヴォーカルをフィーチャーしシ ットリしたいい曲l!)カンタベリーの大御所CARAVAN(GS風ギターの炸裂 する泣ける曲)などが収録されており、なにか時代を20年ほど間違ってる んじゃないかというほどの懐古風サウンドが楽しめる作品である。 |
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@shra Vol.2(LIVE IN TOKYO 1997) 2002年に発売された続編。前回では収録しきれなかった来日公演での曲 が入っている。ジャケットは前作とほとんど同じなので間違えないよ〜に。 良く見るとVol.2って書いてあるでしょ?しかし未収録集だからといって質が 低下しているということはまったくない。なにしろASHRAといったらこれっ! という名曲"SUNRAIN"が収録されているのだからっ!!Vol.1が気に入っ た人は文句なしに"買い"な作品。他にも、薄く敷いたシーケンサーの上を メロディアスなゲッチングのギターが流れる"OASIS"、ノリノリでまさにギタ ー・ヒーロー然と弾きまくるアップテンポな"MOVE 9 UP"(ラッツ・ウルブリ ッヒのリズム・ギターも気が利いてて心地よい)などゲッチングのギターが 思う存分楽しめる。 ライブでASHRAを観て思ったのだが、90年代ASHRAの原動力はハロル ド・グロスコフのドラムであろう。彼の"鳴り物"中心の抑えたプレイが聞き 手の耳に心地よい覚醒感を呼び覚ましてくれる。バスドラをほとんど叩か ないので、よくよく考えたら恐ろしく個性的なプレイなのである。 |
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THE MAKING OF(2002) 80年代のVirgin期の作品(特に『CORRELATIONS』)発表直前に録音さ れたマテリアルを収録した3枚組未発表曲集。性質としては80年代に限 定された『PRIVATE TAPES』のようなものか。『CORRELATIONS』に収 録されている”ICE TRAIN"のヴァージョン違い(ギターのフレーズに若 干の差異あり)や『CORRELATIONS』では数分しかなかった"PAS DE TROIS"が延々39分も収録されているなど全12曲200分オーバーの おなかいっぱい満足盤である。 下で挙げている「PRIVATE TAPES」もそうなのだが、単純にモアレ調の 音色パターンの上をゲッチングのギターが流れるだけで十分曲として機 能している点は特筆すべきであろう。彼のように明確な"自分の音"を持 っているギタリストは、たわむれに弾いたインプロヴァイスっぽい曲でさ えも価値があるということの証明であり、彼がいかに優れたギタリストであ るかということの証明でもある。特に2枚目に収録された20分ほどの長 尺の楽曲(2曲ある)もよい。 |
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live at the Open Air Festival Herzberg 1997 生のバンド体制ASHRAの演奏が楽しめるビデオ。上で紹介しているヘル ツバーグフェス1997年の演奏である。収録されている曲は"Echo Waves" "12 Samples""Oasis""Niemand Lacht Rukwarts"の4曲。見てもらえばわか ると思うが、ゲッチングがギターを手にするのはソロ面が中心で実はキー ボードを演奏している時間が結構長い。ずっとギターを持って出ずっぱりな のはラッツ・ウルブリッヒであるということ。30分足らずの短いもので演奏を すべて収録しているわけではないが、ゲッチングの滑らかなギタープレイ の様子や、音だけではわからない謎に満ちた彼らの演奏形態がわかるの で、演奏面に興味のあるファンは見ておいたほうがいいだろう。それにして もこのヘルツバーグ・ヒッピーフェスティバルの客の入りは凄い。1万人は いるのではないだろうか。そんな人達が陶酔しきった表情でASHRAの演奏 を聴きながら踊り狂っている様は圧巻である。 |
MANUEL GOTTCHING
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E2-E4(1984.Recording1981) (名盤!) 60分ノンストップトランスミュージック!ひたすら反復されるリズム、メロディ の上をゲッチングの流麗なギターが流れていく。60分間同じテーマメロディ が続くと聞くとゲッソリしてしまう方もいるかもしれないが、そこは個々のパ ートの音量、遠近感がしっかり取られているので飽きることはない。いや逆 に慣れてくると60分でも足りないくらいだ。ただひたすら、ただひたすらその 音世界に浸っていたいと思う。 僕が所有している1000枚以上のCDの中で、一番好きな作品。チェスの盤 のようなタイル地のデザインを基調としたジャケットも音楽性を象徴していて 非常に秀逸な出来。 この作品は後に、イタリア人DJスエニョ・ラティーニョによってリミックスされ 大ヒットした。そして最も評価をしているのはデトロイト・テクノの大家である デリック・メイとカール・クレイグであった。 |
復活(?)ASH RA TEMPEL
「FRIENDSHIP」 「GIN ROSE」

2000年に突如クラウス・シュルツェと共演し再びASH RA TEMPELの名を冠し作品を出す。
「FRIENDSHIP」はスタジオ作品、「GIN ROSE」は二人の一夜限りのライブを収めた作品で
ある。お互いトランス・ミュージック大家としての地位を築き上げたベテランのコラボレーション
作品として、非常に質の高い2枚である。ここではゲッチングはギターに徹し、シュルツェは
キーボードとサンプリングを担当している。
しかし、なぜ今ごろになってASH RA TEMPELを名乗ったのであろうか?それは1971年
当時の、まだドラマーであったクラウス・シュルツェのドラムスと、今では廃人となってしまっ
たベーシストのハルトムート・エンケのベースをサンプリングして使っているからである!
そう、間違いなく鳴っている地鳴りベースはエンケのもの、そしてドドドハードなドラムは
シュルツェのもの。これをファン感涙といわずしてなにを感動といえるだろうか。しかしお
互い忙しい身、この夢のようなプロジェクトはこの1作だけの特別なものとして作られたよ
うである。
ライブ盤「GIN ROSE」は50分くらいは静謐としたアンビエントなものなのだが、ラスト10分、
煌くシンセのパターンに導かれて待ってましたっ!のゲッチングのブルース節が出てくるあ
たりが聴き所。
レア音源満載
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THE PRIVATE TAPES VOL.1(1995) 95年、突如リリースされたゲッチング、ASH RA TEPMPEL、 ASH RA と30年に渡る活動の中から、70年代の未発表曲を中心にライブ、リミ ックスヴァージョンも入った超レア音源集。Vol.1〜6と、そこからの抜粋 のベストが出ているが、これら全て収録時間は70分以上、しかも音質 も極上という、マニアにとってはたまらないものであった。特にこのVol.1 はゲッチングがエンケとともにASH RA TEMPEL結成前にやっていた STEEPLE CHASE BLUESEBANDの音源が収録されているので価値 が高い。まだ若干18歳であったゲッチングが正面からブルースと向き 合っている様が如実に描かれている。ファンは必聴! 現在は店頭在庫のみでしか手に入らないので、見つけたら速攻ゲッ トがお奨めである。来日公演の際、この未発表曲集から"NIEMAND LACHT RUKWARTS"が演奏されたりしている(Vol.4収録ね)。 ちなみに、僕はVol.6だけ持ってない(泣)。 |
基本的にASH RA TEMPELはその活動年数の割には作品が少ないしシングル盤も出てないので、アナログ盤やオリジナル盤
までもコンプリートしようと思わなければ、そこそこたやすく全ての音源を聴くことができるはず。唯一、『PRIVATE
TAPES』シリ
ーズのみは入手困難ですが、まぁそれでもふつーの廃盤に比べりゃ捜すの楽っしょ。がんばって集めてくださいな。全部で40
タイトルくらい?HAWKWINDなんて100枚集めても半分くらいだよ・・・(汗)
さいごに・・・
ASH RA TEMPEL(アシュ・ラ・テンペル)、いやマニュエル・ゲッチングというギタリストの作り
上げた音楽は、1971年のデビュー以来、本質的に全く変わっていない。それは、あくまでも徹底
したトランス感覚の表出なのである。
そして、なにより憶えておかなければならないのは、彼は優れたコンポーサー(作曲家)である
と同時に、優秀なブルースギタリストであるという点である。彼の作り上げた音楽は現代になって
ようやくテクノの源流としての位置付けができ、評価されるようになったが、今だテクノ・ミュージッ
クシーンにギターを基調としたユニットが存在していない(実際にそこまでギターを弾ける人はテク
ノやってないってのが一番の理由だろうが)ということが、彼がいかに孤高の存在であるかを理解
させてくれるのである。