★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

Davide Yoshi TANABE
vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                    第42号
Tokio, le 18 septembre 2000

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

Indice(目次)
1.デンマーク人の見たフランス人
2.駐日大使 ポール・クロデル
3.ポール・クロデル高校
4.フランス語をテストする
5.街で拾ったフランス語
6.あとがき

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
              
1.Les Francais vus par un danois
  http://www.skovgaard.org/europe/france.htm

 サイトは残念ながら英語でかいてあります。僕の参加している仏文メイル・リストで今話題になっている。デンマークからみた不思議なフランス、理解できないフランスが述べられています。同じヨーロッパのデンマークからみて、「どうもフランス人て奴は」というわけです。フランスの犬、ストライキ、ファミリー、クリスマス等々話題が豊富。しかし、ともかくユーモアに溢れています。僕は笑いがとまりませんでした。これなら、口角泡をとばして怒るフランス人も少ないでしょう。「ア、ボン。エ、アロール?(で、それがどうしたのさ)」と一緒に笑いこけながら、開き直られるのが関の山。外国人の英語でもあり、易しい文章とおもいます。ぜひ、お読みになって、皆様のご感想を。

====================================
2.Paul Claudel, biographie
  http://franceweb.fr/poesie/claudel2.htm

 ポール・クロデルは大正期に日本に赴任したフランスの大使です。外交官の仕事の傍ら、詩や小説を書いていた。生まれながらにしてのクリスチャンではなく、一度宗教を拒否してから、かなり神秘主義のクリスチャンになったようです。著書目録をみると「三位一体」という例のカトリシスムの研究書を著しています。日本にあったときに神道に触れ、外国人としてはハーン(小泉八雲)に続いて日本の自然信仰としての神道を理解したといわれています。その背景には、世にも不思議な「三位一体trilogie」の神学的理解が先行してあったとおもいます。もちろん彼が戦時中の「神の国」日本にきていれば、その乖離に驚いたことでしょう。

 クロデルというと、もう一人思い出す人がありませんか。ポールの四つ年上の姉、そうです、カミーユ・クロデルCamille Claudel。かの有名な彫刻家オギュスト・ロダンに弟子入り、ロダンを尊敬し、愛し、憎悪したカミーユ。ロダンの子を宿しながら、当時としては最も罪深くまた恥辱の堕胎をしなければならなかったカミーユです。彫刻家として並び称されてもいいだろう彼女は、ほぼ無名のまま悲劇的生涯の幕を閉じるのですが、ポール・クロデルの孫娘、レーヌ・マリ・パリReine-Marie Parisの尽力もあって、その生き様が映画化されています。カミーユには、イザベル・アジャニ。はまり役ですね。
http://members.aol.com/tardenois/web/claudel.html
 ここは、カミーユ/ポール姉弟が小さいときに住んでいた村、ル・タルドノワLe Tardenois。

====================================
3.Lycee Paul Claudel
  http://perso.wanadoo.fr/lycee.paul.claudel/

 ポール・クロデルの名が冠されていますが、彼が出た学校ではありません。リヨン市の北東30Kmほどのところにある、田園の中の高校です。建物をみるとまるで農家風のもので、こじんまりとしています。生徒たちの勉強等活動の写真もあり、彼等がどんな生活を送っているのか、好く想像ができます。みんなが、PCをもっているような贅沢な施設はありませんが、いかにも堅実な趣きですね。フランス人は英語を嫌うといいますが、そんなことはありません。よかったら、英語でもフランス語でも結構、彼等にメイルを送ってペンパルになってみてはいかがですか。ひとりだと続き難いので、クラス単位で挑戦してみては?

====================================
4.pour votre francais a ameliorer
  http://pages.infinit.net/jaser2/Bienvenue.html

 ここのタイトルは僕がつけたのですが、「貴方のフランス語をインプルーヴするために」くらいの意味です。実に様々な手法で、フランス語の読解力を試してくれます。基本的にはフランスの大学入学共通試験バカロレアの準備をするための高校生のために用意されたプログラムですが、非フランス語圏のための、初級テストも含まれています。面白いのは、各項目ごとに、回答と説明が用意され、その場で採点してくれることです。しかも誤魔化して二度回答しようとすると、「もうトライしているよ」と注意される。バカロレアの国語のレベルはかなり高い。これらの質問でよい点をとっても、論文試験、口頭諮問がひかえていますし、その比重は極めて高い。日本の大學入試と違うところです。このサイトのテ
スト集は、ダウン・ロード(telechargement)ができるので、Saveして、ゆっくりと、オフラインでできます。撰ばれているテキストは素晴らしい。上記のクロデルの文章もあり、僕も文章の訂正のページをやってみました。結果は、まぁまぁ。バカロレアは通りそうでした。サンテジュペリ、ユーゴなどの、わざと間違っている文章を訂正していくのです。日本で言えば鴎外、漱石、荷風などのテキストで、原文をわざと変えてある部分、「てにをは」や漢字などを訂正するようなものです。かならずしも、マルバツではありませんから、自分で相当考えなければなりません。日本で売っている教科書、またクイズ、なぞなぞのようなくだらない判じ物の問題集よりも気が利いています。ともかく、点数なんてどうでもいいじゃないですか。楽しくフランス語を身につける手助けになれば幸甚です。

====================================
5.街で拾ったフランス語

 メトロというのはメトロポリタンMetropolitainの略だった。今、地下鉄のことをメトロポリタンというフランス人はいない。メトロとだけいっている。 Undergroundとロンドンでは書いてあるけれども、英語でもメトロといって通じる。何故なら、フランス語のメトロの語源は英語だからである。ロンドンの地下鉄の方がパリよりも早く完成されたにちがいない。以前このMLでパリ地下鉄100年祭を取り上げたけれども、ロンドン地下鉄はずっと早くに建設された。それはなんと1863年のこと。明治以前です。詳しくはたとえば、メトロ・オタクとでもいえようか、エマさんの地下鉄のページに譲ります(英語)。http://freespace.virgin.net/geraldine.c/page2.html
 日本では映画館、地下商店街などでメトロの名をつけているところが多い。しかし、メトロというのは何も地下鉄に限った用語ではない。本来、大都会中の鉄道をいうようだ。だから、東京で言えば山手線なんかもメトロと呼ばれてしかるべきなのだ。パリにはそうした地上電車がない。勿論旧くはチンチン電車が走っていた。あれはトラムTramだからメトロとは言えない。都会の住人と言う意味でのMetropolitainはラテン語語源。またメトロポールMetropoleは当然ながら、ギリシャ・ラテン語からきていて、都市Polisの母Mete(Mere)に発するという。北海道の人や沖縄の人が本州を本土というように、コルシカの人や海外県マルティニークのひとは大陸のフランス本土をメトロポールと呼ぶ。

 今回は本当に街で拾ったわけではないのですが、いま、文藝春秋で渡辺淳一というひとが、Chateau Rougeと言う小説をかいている。その前の村上龍もつまらなかったが、今度も輪をかけて酷い。ChateauのCha、「a」の上に山型のアクセント記号がつかなければいけない。それは仕方ないとしても、発音はシャトウではなくシャト、乃至シャトーとしてもらいたい。Shato−uという二重母音はフランス語に存在しない。小説の内容はもっとくだらない。Chateau rougeはパリの地下鉄の駅名であったような。でも、舞台はパリからかなりの距離の田舎のChateau rougeらしい。実在の「紅の城」はない。しかし、そんなことを考証するよりも、下劣な、品性のない小説にあきれかえる。「性」がテーマであることが問題なのではない。その扱い方、また言語の芸術としての日本語だ。こんな小説が載る文藝春秋とは落ちぶれたものだ。サド公爵の国だから、フランスは性に関して極端なところがある。ジュネなどは前科者だ。それをサルトルは「聖ジュネ」といって、祭り上げた。しかし、いずれもそこに哲学がある。渡辺某にい
かなる哲学があるというのか。大江健三郎の初期の作品は性がテーマだった。それは暗い性。としても、戦後の抵抗がある。野坂、僕の大好きな野坂昭如は今も現役で性を語る。しかし、そこには「生la vie」がある。文藝春秋で、Chateaurougeのような作品は止めて欲しい。これは週刊誌芸能スキャンダル誌に載せる作品だ。それとも、日経に載った作家だから、認知されたのか。馬鹿らしい。くだらないのは雑誌社ばかりではない。その読者も同程度なのだろう。なげかわしい。

====================================
6.あとがき

 オリンピック・ゲームがシドニーで始まりました。僕は嫌いです。とくに、金メダル競争はアホらしい。ローザンヌで個人的にサマランチに会ったこともあります。スイスでの仕事でたまたま会っただけですが、現今のオリンピックを、金のなる木にした「功績」で居座っている彼は許せません。もう、オリンピックを招致できる国は数えるほどしかありません。大阪も立候補するんですって!誰の為に。意味がない。これからも、五輪の祭典を続けるなら、貧しい国でやることです。バングラデッシュ、コンゴ、ボリビア、アルバニア、リトアニア、世界は貧乏国であふれている。大陸もちまわりでもいい、開催国を助けるような形でオリンピックの金をばら撒いたらいい。選手はテント村でいいじゃないですか。そして使える施設・インフラを独裁者にではなく、それぞれの国民に提供していく。国旗掲揚も止めたら好い。オリンピックの代表に選ばれて断った選手を寡聞にして知らない。情けない。かつてローザンヌが名乗りをあげたとき、住民投票で否決しました。今のオリンピックをみれば当然のことです。そうしたバランス感覚を持たなければいけないとは思われませんか?

precedente accueil suivante
retour a la table