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Davide Yoshi TANABE
vous presente

              ≪週刊フランスのWEB≫
                    第72号
Tokio, le 30 avril 2001

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Indice(目次)
1.フランスのパン屋さん
2.蝶
3.引用句
4.シャンソンを翻訳してみよう。第1回「バラ色の人生」
5.日本語になったフランス語
6.あとがき

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1.Boulangerie
  http://www.boulangerie-europe.fr/

 読者の方からリクエストをいただいた。パン屋さんのサイトの紹介である。パン屋というと日本でいうとかっての豆腐屋みたいなもので、早朝から起きて仕事を始めるきつい商売であった。今ではパンも豆腐もスーパーで手に入る。インダストリアライズされたということだ。このサイトでは、いわば白焼きで、パンを買ったひとが、家のオーブンで焦げ目をつけるパンを供給している。ランス市からフランスおよび欧州各地にだしている。機械はたとえば http://www.pavailler.com/ といった処がサプライする。日本にも代理店がある。

 しかし、読者の方の関心があるのは、もっと伝統的なパン屋さんもしれない。甘いイーストlevureの香りに満ち、皮la crouteがカリカリcroquante、中la mieがフワフワmolle、まだ熱いバゲットbaguetteをお望みなら、やはりアルティザナルなお店ということになる。そういうお店も各地にまだある。その一つがパリのボノーさんの処だろうか。サイトは大変充実していて楽しめる。「なんでパン屋がホーム・ページ?」に回答する若い主人patronのヴィデオ付である。パンの歴史、親子代々de pere en filsの紹介等充実した内容になっている。場所はブローニュの森に近いAuteuilオトゥイユ通り。
http://www.siteparc.fr/bonneau/

 こうした手作りの昔ながらのパン屋さんの組合がある。パリ以外の地方ともリンクしている。
http://www.multimania.com/lbonneau/

 パンは端の固いところla crouteが美味しいのであって、贅沢だが、そこだけを食べる人も多い。いわゆる食パンとは違うところだ。だから、またまた悪口で恐縮だが、矛盾する表現かもしれないけれど「中味のない男」を評して「T'es un mec a la mie de pain」という。よくも云ったりである。

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2.Papillons
  http://pages.infinit.net/laurentl/index_fr.html

 パピヨン。蝶のアマチュア研究家ロラン・ルセール氏Laurent Lecerfのサイト。凝った作りのサイトで数々の賞もとっている。本人は北フランス生まれだが、現在はカナダのモントリールでコンピュータ関係の仕事をしている。蝶に魅せられて30年だそうである。豊富な写真。蝶の保護にも活躍している。社会性もあるページで、蝶の保護が、象やライオンなど野生動物の保護と混同されていることを嘆く。主張はユニークである。蝶は養殖しないと、絶滅していくらしい。

 ページの最初に出てくるEntomologieアントモロジーとは昆虫学である。

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3.Citation
  http://www.hebel.net/citations/citations.html
  http://www.citationsdumonde.com/

 引用好きな人がいる。殆ど脈絡なく聖書から、論語から引用する。ときには引用された言葉だけが一人歩きする。ここにそんな人のために便利なサイトがある。引用句は短いことが多いから、上手く使えば便利にちがいない。フランスで最も引用される人物10人をあげると、コリュシュ(喜劇、漫談家)、ヴォルテール、デプロージュ(ユモリスト)、ギトリ(劇作家)、シェイクスピア、ボドレール、アインシュタイン、ワイルド、サルトル、ピエール・ダック(喜劇役者)Coluche/Voltaire/Desproges/Guitry/Shakespeare/Baudelaire/Einstein/Wilde/Sartre/Pierre Dacだそうである。このうちDesproges/ Guitry/Pierre Dacは名前も知らないが、フランスでは有名なのだろう。いずれにせよ辛辣だが、ユーモアにあふれる人が好まれているようにみえる。引用をしようとする人が、イメージする句を検索エンジンでピタリと探し当てるようにできている。
 
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4.Chansons francaises (La vie en rose)

 シャンソンとは「歌」ということで、フランスの歌に限らない。フランスにだけ固有の歌を指してしるのではない。しかし、まぁ、ここではフランスの流行歌とでもしておこう。第1回は「バラ色の人生」(作詞:エディット・ピアフ、作曲:ルイギーLouiguy 1942)。ピアフばかりでなく、我がダリダまた最近ではけだるく歌うあのパトリシィア・カースなども歌っている。

Des yeux qui font baisser les miens
Un rire qui se perd sur sa bouche
Voila le portrait sans retouche
De l'homme auquel j'appartiens

じっとみつめられて目を臥せてしまう 貴方の口もとの笑いが消えて それが貴方の偽らない姿 私が身を捧げる

翻訳では消えてしまう、韻はわかると思う。-ienイアンとか、oucheウシュとか。一行目の訳は、正直こんな風に訳してしまってよいのか否か自信がありません。よくポカをやる僕ですから。当たらずとも遠からじであればよいが。

{Refrain:}
Quand il me prend dans ses bras,
Il me parle tout bas
Je vois la vie en rose,
Il me dit des mots d'amour
Des mots de tous les jours,
Et ca me fait quelque chose
Il est entre dans mon coeur,
Une part de bonheur
Dont je connais la cause,
C'est lui pour moi,
Moi pour lui dans la vie
Il me l'a dit, l'a jure
Pour la vie.
Et des que je l'apercois
Alors je sens en moi
Mon coeur qui bat.

腕に私をかき抱いて、ささやく 人生パラ色だ、やさしい言葉をはく いつもの言葉、心地よく響く 私の心に入り込み私を幸せにする 分かっているわ 私の貴方、私は貴方の人生、いついつまでもって、貴方は云った 貴方は誓った 聞く度に 本当なのね 胸が高鳴る

 il me...の繰り返し、-ose、-auseオーズ、-ourウール等々の韻、よく踏めるものですね。また「R」の音が実に多い。ピアフの「R」は特別で殆どスペイン語の「RR」のように振るわせる。綺麗な音です。

Des nuits d'amour a plus finir
Un grand bonheur qui prend sa place
Des ennuis, des chagrins s'effacent
Heureux, heureux a en mourir

終わることない愛の夕べ 大きな幸せが巡って 不安、苦しみは掻き消え 幸せ、死ぬほど幸せ

 英語の訳詞はM.Davidと言う人がしている。恋する女の気持ちを良く出している。英詩としての韻もある。1928年ころアメリカで大ヒットしたのもうなずける。この日本語の詩を知らないので、それはなんともいえない。ネットで調べたけれども、著作権の関係かみつからなかった。越路吹雪、加藤登紀子等たくさんの歌手が歌っていると思う。しかし、原詩はやや甘すぎるきらいがある。

 波乱万丈、恋多かったピアフの人生を考えると、「甘いとき」から奈落の底に突き落とされて、また這い上がる。時々があって、これは一番幸せな時を歌ったのだろうか。そう思えば、必ずしも「甘い」とはいいきれない、聞き手はそれを知っているからコントラストが増すのだろう。

作曲家ルイギーについては、調べたが良く分からない。ピアフ自身の作曲と言う説もある。ピアフが作曲家教会のメンバーでなかった為に借りた名前のようだ。当時{愛の賛歌」などピアフの作曲をし、La Guiteとピアフから呼ばれていたマルグリート・モノMarguerite Monnotには拒否されたとあるから、モノに相談しながら創作したものの、モノの名では発表できなかったらしい。モノは少女時代、天才ピアニストと言われた。

次回は「枯葉」

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5.日本語になったフランス語

・シネマ Cinema。勿論映画のこと。Filmフィルムという英語からきた言葉も完全にフランス語になっている。しかし、filmのほうでは、たとえば「おい、そんな猿芝居はやめとけよ」というようなとき「Eh, arrete ton cinema !」とはいってもton filmとはつかえない。cinemaでなければ、ton cirque(サーカス)とかta comedie(コメディー)といえば喧嘩の売り言葉にはリッチになる。ビデオになったらCinema video。

・シフォン Chiffon。どのくらい日本語になっているのかはわからない。ただ、国語辞典では絹モスリンとありウェディングドレスなどに用いるとあったから吃驚してしまった。Chiffonとは雑巾(ぞうきん)である。語源は古い英語のChip(細切れ)というから、どこにもシルクの織物とはない。業界用語なのかもしれないが、不思議である。お菓子の名前にもあったともおもうが、雑巾で婚礼衣装は可哀相だ。英語の辞書をみてみると、なんと、あった!chiffonはなるほど絹モスリンであった。発音もチではなくシファンある。仏英の確執(「かくしゅう」と読んで欲しい。「しゅう」という音のなんと美しいことか。固執も同様。それはともかく)を考えると面白い。が、いずれにせよ、シフォンの語源は英語としないと間違いだろう。

・シミーズ Chemise。これはフランス語を習うとき、先ずその違いにどぎまぎするが、女性の下着の意では今日つかわれていない語である。女性のブラウスも男性のワイシャツもこのシュミーズである。しかし、極めて古くはコルセットの下につける下着の意味もあった。そう辞書にはある。ネグリジェのいみのchemise de nuitと言う場合のchemiseにはその形跡がある。「僕、カラー・シュミーズ買ったよ」といってもフェチな男性ではない。

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6.あとがき

 一冊の本をご紹介しよう。僕は新しい本をもう殆ど読まない。小説なら永井荷風以前しか興味がない。そういうことは以前に書いた。ところで今日は、前に書いた大学問題とも関係する。学者の本である。講談社学術文庫にある「民法風土記 法の現場を歩く」(中川善之助著 2001年2月10日第1刷発行)。中川善之助先生は現在の日本の民法、特に家族法を作られた方である。法律学者の本なんて、固くてとおっしゃるな。とくに女性の読者の方には読んでいただきたい。文庫本だから1000円。大学の研究室にこもって、法律の条文をあれだこれだと解釈してよしとしていた先生ではない。実に日本各地を歩き回っていらっしゃる。その行く先々が面白い。奄美大島の「通い婚」の話、瀬戸の「家舟(えふね)」(水上生活者)が陸(おか)にあがる話、諏訪の「末子相続」の話等々。名所旧跡のことなんか書いていない。グルメのお店も出てこない。たとえば、奄美では蘇鉄(そてつ)の実を食べるのだ。でも、読後、あなたが国内を旅する時、貴方の視点がかわるだろう。そして日本がもっと好きになる。いい国だった、美しい国だったと思うに違いない。僕は、先生が旅した行く先々を今度はネットで追ってみた。それが、出来る時代になった。まさに隔世! 二重の意味で隔世だった。

 中川善之助先生のような先生が本当の学者である。象牙の塔にこもっていなかった。法律学者と言うと矢鱈難しいことをさらに難しく云う種であると考えていた。それは中川先生についてはいえないことだった。象牙の塔にこもらないといえば、竹中平蔵なんてのもいる。でも質がちがう。メディアもてでは学者ではない。そこがややこしい。中川先生は既に亡くなられている。北鎌倉の東慶寺にお墓がある。このお寺は「駆け込み寺」として有名だからご存知の方も多いだろう。女性の味方であった。

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