2004.7月31日公開[ふくろう](関東では公開済み)


和製『ドッグヴィル』かも。舞台的演出の光る傑作。

実はもう8月25日にDVDが出るらしいんですがね(笑)
東京で2月(だったかな?)に上映してた時から「見たいな〜」と思ってて、
5月に十三の第七藝術劇場(七藝)に来た時にも見逃して、
もうこのままかな〜と思っていたら梅田のOS劇場で公開してくれました。
生き残ったのは女、全てを見ていたのは梟(ふくろう)、、、一体梟は何を見たのでしょうか。  
希望ヶ丘開拓村は、その名の通り新天地を求めた二十家族、八十人が集まった希望の村だった。
いつか芽が出ると信じて荒れた地を耕す人々だったが、作物はいっこうに育たない。
ある者は夜逃げをし、ある者は餓死し、村人達は一人、また一人と減っていく。
最後に残ったのは、廃屋同然の小屋で暮らす一組の母娘(大竹しのぶ・伊藤歩)のみになった。
ネズミを捕り、松の根をかじりつつも生き延びようとする二人だったが、そんな暮らしにも限界が近づいていた。
こびり付いた泥を洗い落とし、村の名前の入った垂れ幕を縫い合わせ、久方ぶりに紅をさし、
「女」になった彼女達は、貯金箱に残った硬貨を使って山向こうに住む男を呼び出した。

監督は、現役監督としては日本で最高齢となる92歳の新藤兼人。
主演の母娘には、「黒い家」「阿修羅のごとく」の大竹しのぶと、「さよなら、クロ」「きょうのできごと」の伊藤歩。
今回はココリンが紹介します。

あのぅ、、、92歳ってこんなに色も毒も残ってるもんなんでしょうか(汗)
御上に楯突く力強さと、綺麗事だけじゃ生きていけないわと開き直るしたたかさ、男を誘い手玉にとる狡猾さ、
見ているこちらは「助けて下さい、、、助けて下さい!!」(森山未來)状態ですよ。
「 泣きなさい〜笑いなさい〜♪」と歌いながら死体を荷台に乗せてせっせと運ぶ母娘の恐いこと!
今後は「花」を聞いたら絶対この映像が浮かびますね。どうしてくれるんだ(笑)

舞台設定やストーリー展開は、三谷幸喜がよく使うワンシチュエーションドラマになっていて、
母娘ともに山小屋からは一歩も外へ出ることはありません。
来訪者がやってきては、誘われるままに上がり込んで酒を呑み、色香に惑わされて奥の部屋に、、、
出てきたら「まぁどうぞ」と毒入りの酒を呑まされて泡吹いてあぼーん。
金だけ抜き取って「花」を葬送歌に荷台に乗って退場と、前半はほぼこの繰り返しです。
この繰り返しがお笑い用語で言うところの「天丼」(ちょっと違うかも)にも似た効果を生んでいて、
2回、3回と繰り返すうちにどんどん面白くなっていくのが不思議です。やってることは連続殺人なのに。

また、若干顔のアップが多いかなとも思いますが、非常にライブ感のある撮影のおかげで、
映画というよりは生の舞台のような空気感になっているのも特徴的です。
雰囲気で言えば「ドッグヴィル」(ニコール・キッドマン)にも似ていますが、
「ドッグヴィル」が舞台的な空間を模倣した「映画」であったのに対し、
「ふくろう」は、舞台中継でこれやったら普通は台無しになるなという位置にまでカメラが入り込んで
役者の唾をかぶりながら撮影しているような生っぽさがあります。
サザンの桑田さんなんかは、ライブ会場でカメラを見つけるとわざと近寄っていってアピールしまくったりしますが、
あれと似たようなアピールを大竹しのぶから感じました。
大竹しのぶの恐さの頂点は*「黒い家」だと思ってましたが、超えました(笑)

ブラックユーモアを理解出来る人ならかなりお勧めですが、若い人にはまだわかんないかな〜?
もうすぐDVDも出るので、興味のある方はぜひ。
残り少ないですが、劇場に足を運んでも損はしません。

*森田芳光監督のサイコスリラー。
 大竹しのぶと西村雅彦が夫婦をやってますが、はっきり言って大竹しのぶが恐すぎ。
 この映画を観た後から現在に至るまで、ボーリングに行くと必ずあのキメポーズを思い出してしまいます。
 1999年度劇場公開作品。


★★★★☆
支払い可能金額1500円


2004.6月19日公開[ゴッドファーザー・デジタルリマスター版](以降全国で順次公開予定)


名優、マーロン・ブランドに捧ぐ

ココリンにもらった松竹の招待券が1枚あって、どうせ観るなら好きな劇場でと思い、
心斎橋のパ○ダイススクエアって劇場に観に行ったのですが、
実は今この劇場では2つのリマスタリング版の作品が上映されてるんですよねー。
それが「大脱走」と「ゴッドファーザー」です。
ここだけの話、劇場に行くまでは「大脱走」を観るつもりだったのですが、
どちらもほぼ同じ時間の上映だったので窓口のお姉さんに
「あの〜、ゴッドファーザーと大脱走、どっちが早く終わるんですかねー?」
と聞いたら
「ゴッドファーザーです」
と言われたので「ゴッドファーザー」にしました(核爆)
「ゴッドファーザー」は「大脱走」とは違ってチラっとビデオで観た事があって、ちょっと期待薄なのですが、
果たしてアカデミー総ナメ作品の力量は如何程?!  
暗黒街のドン、ビト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は1つの決断を迫られていた。
世の中の流れに沿い麻薬の流通に手を貸すか?
彼の答えは「否」
その答えの軋轢で静かに抗争が勃発し、彼は黒幕の銃弾に倒れた。
重体に陥ったゴッドファーザーを助けようと、
ビトが一番可愛がり大学まで行かせた三男坊のマイケル(アル・パチーノ)が彼の復讐に立ち上がった。
父とは違うカタギの世界を歩もうとしていたマイケル。
しかし運命は彼を暗黒の世界へと導いて行くのだった・・・

32年を経てデジタルリマスタリングにより、巨匠コッポラの名作「ゴッドファーザー」が堂々復活!
今回はバニラが紹介します。

アイタタタタター!(カツオ風)
コッポラのスゴさに完敗です!(>o<)
確かに数年前ビデオで借りて観てたはずなのですが、
本編を観てみて半分くらいしか当時観てなかったことが判明(核爆)
後半になるにつれ前半のエピソードの意味に衝撃を受けましたガ━(゜Д゜;)━ン!

なにより脚本が素晴らしい!!!
多分ビデオで観てた頃は精神年令お子ちゃまだったので、
そのスゴさに気付いてなかったと思いますが(。・ω・。)エヘッ
とにかく台詞一言一言の選び方が秀逸で、確かに役者さんも凄いのですが、
その役者を確かに突き動かしているその本の出来は未だに稀であると言えます!
マフィア物と言うジャンルの「形」を隈無く造り上げ、
でもただの殺し合いの話ではない、父と子の関係を綿密に描いた作品でした(;_;)
確かに3時間と上映時間は決して短く無いのですが、
これだけの内容をその時間に収めるにはかなり最小限に削ぎ落としたギリギリの脚本が必要だったはずです。
それを限られた時間で作り上げたコッポラのパワー、
そこで見せられたのは役者が演じている事を忘れさせる、あたかも本物の様なマフィアの姿でした。
プロデューサーのアルバート・S・ラディには本物のマフィアの友人がいる、との噂があったそうですが、
さもありなん、と思わせるリアルさでした。

父親が父親たるまでに通る「道」。
そこには責任があり、しがらみがあり、裏切りがあるのです。
男が仕事に出るのは勿論「家族」のため。
しかし仕事は時に「家族」の幸せとは別の「重荷」を背負わせるものです。
ゴッドファーザーが背負う重荷は「殺し」。
暗黒の世界に産まれ暗黒の世界でしか生きられなかった男は、
せめてもの救いに自分の息子を普通に歩ませようとしたが、彼もまた同じ「道」を歩もうとしていく。
そこには確かに息子の「愛」があるが、同じ程の「哀」もある。

脚本の中の生き様に運命が感じられた時、その生き様は「人生」になります。
ただの「人生」なら映画になりません。
驚くべき「人生」がこの3時間に詰まっています!
最後のシーン、マイケルの妻ケイの表情を観た時、あなたもゴッドファーザーの「重荷」を悟ることでしょう。

★★★★★
支払い可能金額1800円


2004.6月19日公開[THREE 臨死](関東では5月22日公開、以降全国で順次公開予定)


タイ編だけ抜いて日本を入れて欲しかった。

最近始めたビデオのコーナー読んでいただけば分かると思うんですが、
私はホラー映画大好きっ子(激死語)なんです。
今回は知り合いに「あれってどう?」と聞かれるまでノーチェックだった映画です。
予備知識の少ない映画をいきなり観るのはなかなかドキドキして良いもんです。
さてさて、その中身は・・・  
韓国の新興住宅地で暮らすある夫婦の物語「MEMORIES」
タイの伝統芸でもある人形劇の人形が人にもたらす不幸を描いた「THE WHEEL」
取り壊し直前のマンションに越してきた親子が出会った一人の男の悲劇「GOING HOME」
3ヶ国で製作された3本の短編をまとめたオムニバス形式のホラー映画。
香港制作の3部「GOING〜」は、「THE EYE」のピーター・チャン監督、
「ラブソング」「天使の涙」等で人気のレオン・ライと「インファナル・アフェア」のエリック・ツァンをメインに据え、
「ブエノスアイレス」「恋する惑星」「HERO」のクリストファー・ドイルが撮影を担当した、
短編と呼ぶにはあまりにも贅沢な作りになっている。  
今回はココリンが紹介します。

(´Д⊂グスン
いやあ、こういう”せつないホラー”に弱い私にはストライクゾーンど真ん中の映画でした。
韓国、タイの2編については、もう語るのも面倒臭いほどどうでもいいレベルなんですが(笑)
映画全体のプロデュースも手掛けたピーター・チャンの「GOING HOME」が素晴らしいです。
はっきり言ってこの1編だけでも観る価値大アリですよ。

どうでもいい2編を簡単に紹介しますと、
「MEMORIES」は和製ホラーに影響を受けた韓国ホラーの典型的なパターンで、
開始5分で結末まで読めちゃうお手軽な作りです。
バラバラになった指が降ってきたり、脳みそコネコネして血がドロリ、みたいな直接的な表現が多いのも相変わらず。
「THE WHEEL」がよくわかんなくて、人形に込められた呪いがどうこうという話なんですが、
お話的にも雰囲気的にも先の「MEMORIES」とも後の「GOING HOME」とも噛み合わないんです。
タイ映画独特の湿度の高さと濁った水が「呪いの人形」の生々しさを増幅させていて、
見所もないではないんですが、、、はっきり言って退屈でした。
タイ編の間に外に出てお茶飲んで帰ってきてもいいかも知れません(笑)

3編目の「GOING HOME」がもう最高!
始まってすぐは「仄暗い水の底から」みたいな映画かな?と思わせ、
しばらく進むと怪しげな宗教にハマったアブない男の恐さみたいな話かな?と思わせ、
後半、そのどれとも違う方向へストーリーが加速していきます。
全貌が分かった時、それまでの恐さや不気味さは涙に変わりました。
あまり書くとネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、
後半の「あ!」という出来事と、その直後の「ああっ!」、ラストの「あああああ〜っ!!」(コレばっか・笑)
という怒濤の展開に心が揺さぶられました。
息子の失踪とか、結局ハッキリしない消化不良な点があるのも事実ですが、
短編であることを考慮し、今回は大目にみることにしましょう。

韓国編と香港編の2編が夫婦を扱っているので、テーマも雰囲気も違うタイ編が浮くのは当たり前なんですよね。
これをスムーズに繋ぐには、身びいきなしに日本編を入れるしかなかったんじゃないでしょうか。
清水崇(「呪怨」シリーズ監督)あたりなら昔「学校の怪談」で短編も撮ってますし、
韓国編とも香港編ともうまく溶け合うものが作れたと思うんですが。。。
安くで見れる手段がある方、40分(香港編のみ)でも面白ければ1本の映画として認められる方ならお勧めです。

韓国編★★★☆☆
タイ編☆☆☆☆☆
香港編★★★★★

支払い可能金額1000円(香港編のみの特別編集DVDが欲しい)


続いて刑事が紹介します。

この季節やっぱみるなら〜ホラーでしょう〜☆
今回は韓国、香港、タイの監督が手掛けた3作パックのホラー映画を観てきました。
よく考えてみたら、僕は今まで日本以外のアジアンホラーを観た事がないのに気付きました(笑)
「THE EYE」を弟のみっち〜が借りてきてて観ようと思ったら既に返却されてて、
それ以来アジアンホラーとはさっぱりですはい〜(笑)

最初に観たのが「MEMORIES」というやつです。
これはよくあるホラーのパターンでした。
たぶんコレ系ならニコール・キッドマン主演の「アザーズ」の方が楽しめると思います。
でも、アジアンホラーっぽくて良かったと思います。
なんかジトジトヌメヌメ感のような物があって!
もし貞子が金髪ならみなさん怖いですか?
やっぱ黒髪でダラァ〜って感じで迫ってくるから怖いんです。
だから「MEMORIES」はまぁ〜アリでしょう(笑)

続いて「THE WHEEL」というやつです。
これは僕的にさっぱりでした。
何?何がホラーなの?何にびびればいいの?(;・∀・)ハッ?って感じです。
終わった後にココリンによく分からなかったシーンの事を聞いたら、
「こうこうこうって事じゃないかな〜」と言われ、ようやく納得するものばかりでした。
「想像力の乏しいワシでもわかるくらいもっと簡単に作れやゴラァ〜〜〜!!!」
「ってか説明不足すぎなんじゃゴラァ〜〜〜〜〜〜!!!!!」(/`Å゛)/TTTT
とかなり噴飯モノの2作目でした。

最後に観たのが「GOING HOME」というやつです。
父と子が取り壊し1ヶ月前のアパートに引っ越してきたらそこが妙な雰囲気で、、、
というとこから始まるんですが、最初は無気味なアパートが出てきて、
「おお〜イイ感じ♪これがホラーや〜2作目とは大違い(爆)」
と思ってたらアララ?なんか感じが変わってきたよ?
なんかVシネとかの「THE 監禁」とか「完全なる飼育」チックになってきたような〜(^〜^;)
子もどこかに消えて全然でてこないんですけど〜。
そんでぼ〜っと観てたらアララ?ラストに近づくにつれてまたテイストがかわってきたよ!?
でも、ラストはちょっと衝撃でした。
なんかすごいドンでん返しをもらっちゃいました。目頭が熱くなりましたもん(T-T)
うう、愛のカタチはいろいろなんだね。ぐすんっ。
おいらこういう愛や哀しい系が絡んだホラーは弱いかも。あぁ〜でもよか〜話ばい〜。

韓国編★★★☆☆
タイ編☆☆☆☆☆
香港編★★★★☆

支払い可能金額1000円(韓国編300円、香港編700円)


2004.5月29日公開[ロスト・イン・トランスレーション](関東では5月公開、以降全国で順次公開予定)


マシュー南は金熊賞を獲れるのかっ!?(笑)

「マシュー南が出てる!」
それがこの映画を知る最初の理由でした(笑)

〜知らない人への基礎知識〜
マシュー南とはテレビ朝日の深夜番組「マシューズ・ベスト・ヒット・TV」で藤井隆扮するロンドン生まれのハーフのイギリス人の事である。
ちなみにマシュー南はすでに藤井隆ではなく一個人「マシュー南」であると僕は考えている(爆)


今更ですが何を隠そうマシューが大好きなんですよ(。・ω・。)エヘッ
そんな彼がコッポラの娘の映画に出演Σ(゜Д゜;
しかもベネチア国際映画祭で上映?!ガ━(゜Д゜;)━ン!
・・・もしかしてマシューは北野武以来の快挙を成し遂げたのか!!??  
映画俳優ボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、サントリーウィスキー「響」のCM撮りの為に東京を訪れていた。
映画の仕事が来なくなった今、仕方なく受けた仕事だった。
気落ちした彼の目に東京の景色は異様に写り、一層彼の気持ちを陰らせていた。
シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)は若手カメラマンの妻。
大学を出てすぐ彼の仕事の為に東京に滞在していた。
仕事のない彼女は夫が仕事に出ている間、東京の街を徘徊し、自分の「すべき事」を心のどこかで探していた。
そんな二人は同じホテルに泊まっていた。
ホテルのバーで出会った二人は、言葉の通じない東京で心を通わせる二人になっていった・・・  
今回はバニラが紹介します。

なーんだ、いい映画じゃん(*^ー^*)
え?
マシューですか?
マシュー出てましたよ?
マシューは今夜も一人で勝手に弾けてました(`・ω・´)シャキーン
確実に世界デビューの一歩を歩み出した様に思います!(笑)

さて本題ですm(_ _)m(核爆)
基本的な目線はアメリカ人から見える日本の変なトコ、「ココが変だよ日本人」映画版です。
僕らが普段見逃してる「よく見ると変なトコ」がよく分かる作品でした。
でもそれは二人の東京での寂しさを助長させる1アイテムに過ぎず、
言うなればマシューも1アイテムに過ぎなかったわけですが(^_^;)
なんせマシューほど変な日本人いませんもんね(・∀-)★

スカーレット・ヨハンソン、良かったです♪
「真珠の耳飾りの少女」も好演だったので、彼女は安心して観れました(*^ー^*)
ビル・マーレイも余裕のある演技を見せ、「大人の恋愛」にふさわしいキャスティングだなーと思いました。

この映画、何より台詞のないシーンが多い映画なんです。
そのためかなり淡々としたテイストで、下手をするとただの東京観光映画にも成り得てしまうほど、
二人が東京をウロウロするだけのシーンが多いです。
吐いた台詞も恋愛とは直接関係ない日常会話ばかりでしたし、「好きだ」「愛してるよ」なんて一言も出てきません。
でも二人がそっと近づいた時、腕を組んだ時、手と手が触れ合った時、
ちょっぴりドキドキする感覚が客席に伝わってきました( *゜Д゜*)ドキドキ
あれは恋愛です。
何気ない言葉と言葉の間に漂う「間」。
ふと交わした目線。
互いが信頼して傍に居たいと思い出す過程には言葉を通り越した「思い」が必要なんです。

決して一線を踏み越える事のない二人。
でも最後に別れの言葉を交わした時、二人は互いを心から信頼し、
そしてまた新たな一日へ力強い一歩を踏み締めるのです。

東京はよく見ると変な街。
でもそんな東京はいつのまにか寂しい二人を優しく包んでいました。

P.S.
マシュ−は言う間でもなく金熊賞は取れませんでしたm(_ _)m

 
★★★★☆
支払い可能金額1400円


2004.6月12日公開[ヴェロニカ・ゲリン](関東では5月29日公開、以降全国で順次公開予定)


ケイト・ブランシェットの最高傑作にして本年度No.1の予感。

「21g」も「白いカラス」も面白かったはずなのに、なぜ満点を付けられなかったのか、
自分でもよく分からなかったモヤモヤを一気に晴らしてくれた作品を紹介します。
一人でも多くの人に観て欲しい、そして何か少しでも感じ取って欲しいと、
心の底から思った映画、それが、「ヴェロニカ・ゲリン」です。  
1996年6月26日、アイルランド・ダブリンで一人の女性が麻薬組織の銃弾に倒れた。
彼女の名前はヴェロニカ・ゲリン(ケイト・ブランシェット)。
彼女の死によって、多くのアイルランド人が奮い立ち、麻薬組織を追放した。
ヴェロニカは、アイルランドの「正義」そのものだった。

街角の子供の手にすら注射器が光るようになってしまったアイルランドを見て、
記者としての使命感に突き動かされたヴェロニカは、たった一人で立ち向かう決意を固める。

主演は「エリザベス」「ロード・オブ・ザ・リング」のケイト・ブランシェット。
製作は「アルマゲドン」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「キング・アーサー」のジェリー・ブラッカイマー。  
今回はココリンが紹介します。

ケイト・ブランシェットの代表作と言っていいと思います。
個人的には”陽のニコール・キッドマン、陰のケイト・ブランシェット”というのが
オーストラリアを代表する2大女優だと思っていたのですが、
公開時期の近い「白いカラス」のニコールとあえて比べるなら、今回はケイトの圧勝ですね。
題材、アプローチは同じケイト主演の*「シャーロット・グレイ」にとても似ていますが、
役柄への没入度は「シャーロット」よりさらに増し、髪型や口調などの表層的な部分ではなく、
一人の女性としてのヴェロニカをそこに”復元”させています。
「エリザベス」や「シャーロット」の時にも思ったんですが、ケイトって役に100%なりきろうとはしないんですよ。
凄く上手いことは確かなんですが、何て言うか、綿密な調査を行った結果としての「演技」であって、
役に溺れてしまうことは絶対にしないんです。
役のモデルに対するケイトなりの想いをちゃんと残してるんですよ。
ヴェロニカのことは、存命中からケイトも知っていたらしいので尚のこと気合いが入ってたんでしょうね。
志半ばにして凶弾に倒れたヴェロニカの心残りを引き受けるだけの覚悟と度量を持って
この映画の撮影に臨んだことが、ケイトの演技からビッシビシに伝わってきて痛いほどでした。

ジャーナリズムというものを考える時、どうしても思い出してしまうのが、
先日イラクで人質になった記者達に対する日本政府、および世論の「自己責任」の大合唱です。
「止めろと言っても聞かず勝手にイラクに行ったクセに今更何なんだ。」と、
銃弾からも貧困からも遠く離れた、絶対的安全圏である日本のテレビのこちら側から投げかける言葉は
日本人の事なかれ主義と平和ボケを象徴しているような出来事でした。
ま、あれは「なんで国内じゃなくこの時期のイラクなんだ」という突っ込みにも正当性はあるわけですが。

同じような意見が、この映画の中でも出てきます。
「自作自演じゃないのか」「売名目的のパフォーマンスに過ぎない」と。
映画の中のヴェロニカは、一点の曇りもない優秀な人間としては描かれていません。
ジャーナリストとして「名を売りたい」「注目が集まって嬉しい」という風に
思ってるんじゃないかと見える箇所もいくつかありました。
ファッションやスポーツを扱っていた時には感じられなかった手応えに快感を覚え、
より強い刺激を求めて麻薬組織を追いつめていったようにも見えます。
けれどその貪欲さ、不完全さこそがまさしく人間であり、ケイトの目指したヴェロニカ像だったんじゃないかと思います。
愚かな行為と分かっていても、それでも自分が行かなければ誰がやるんだと、
誰に命令されたわけでもなく、自分の内から沸き上がってくる使命感のままに行動した彼女を
命を懸ける勇気も持たない傍観者風情が非難など出来るはずはないのです。

ただ、家族に関しては完全に隔離して活動すれば良かったのでは?とは思いました。
ヴェロニカに向けられた刃は、当然本人以外の家族へも向けられるわけで、
そういった意味では独り身の方がもっと動き易かったんじゃないかなぁと。
売人やカメラの前で強い女を演じる為には、弱音を吐ける場所(亭主)が必要だったのかも知れませんが。

それにしても、人って何で失わないと気付かないんでしょうね。
彼女が凶弾に倒れた後、何千の民衆が立ち上がり、巨大な力になって犯罪組織を壊滅させ、
麻薬の取り締まりに関する法の改正まで実現させたそうです。
日本でも、死んだ有名人に国民栄誉賞あげたりしてますけど、そんなもん、生きてるうちにあげなきゃ何の意味もないのに。
ヴェロニカの存命中にもっと多くの人が彼女の声に耳を傾けていたら、もっと多くの人が立ち上がっていたら、
もしかして彼女は死なずに済んだんじゃないでしょうか。

何で読んだのか忘れましたが、日本人ジャーナリストって、世界一高収入なのに、世界一死亡率が低いんだそうです。
銃や地雷とは無縁の生活を送っている日本人にはピンと来ない世界のお話かも知れませんが、観て損はしません。
上映館が近くにある方はぜひ観て欲しいです。

*シャーロット・グレイという、第二次大戦中のフランスに渡り、レジスタンスに身を投じた女性を描いた作品。
 初めの目的こそ、フランスで行方不明になった恋人を追うことだったが、過酷な戦況下で活動を続けるうちに、
 彼女の中に新たな使命感が生まれる。
 ケイト・ブランシェット主演。2002年劇場公開作品。


 
★★★★★
支払い可能金額1800円(DVD買います)


2004.6月19日公開[白いカラス]


日本人である以上、伝わりきらない心の痛み

それにしても仕事し過ぎだろう、ニコール(笑)
今回はアンソニー・ホプキンスとの共演ということで、いつにも増して演技に磨きがかかってます。
さてさて、ニコールの快進撃は本作でも続いているんでしょうか?  
1998年、アメリカ・マサチューセッツ州。
大学講師をしているコールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)は、「ユダヤ人」初の古典教授として
揺るぎない地位を確立しつつあった。
しかし、勇退目前のコールマンに思わぬ不運が舞い込む。
授業中に使った「スプーク」という一言が黒人差別を表す侮蔑の言葉だとして、
生徒達のボイコットや同僚などからの非難を受け、コールマンは辞職に追い込まれてしまう。
しかし、コールマンが「スプーク」という言葉を使うはずがないのだ。
なぜなら彼は、自らを「ユダヤ人」と偽って生きてきた「黒人」なのだから。。。

心に深い傷を負ったコールマンが出会った一人の女、フォーニア(ニコール・キッドマン)は、
そんな彼の傷に触れるでもなく、自分の生い立ちを話すでもなく、
ただコールマンと寄り添うことで命を繋いでいるように見えた。
二人の先にあるのは、明るい未来なのか、それとも。。。

コールマンには、もはや”レクター博士”と言った方が早いかも知れない名優アンソニー・ホプキンス、
フォーニアには、「ムーランルージュ」以降主演作の続くニコール・キッドマン。
監督は歴史に残る傑作「クレイマー・クレイマー」を撮ったロバート・ベントン。  
トップバッターはココリンです。

「私も黒人なんだから、そんなこと(スプークなどと言う差別用語)を言うはずがないじゃないか」
と、たった一言、それさえ言えば全ての疑いが晴れて、
穏やかに教授としての人生を全う出来たはずのコールマンがなぜその一言を言えなかったのか、
その一言の持つ重みを100%理解するには、日本人の私は幸せ過ぎました。
コールマンの親子関係やフォーニアの夫婦関係など、
理解出来る痛みもたくさんあるんですが、一番大きなテーマがコールマンの痛みであることを考えると、
私程度の理解力で「良かったよ〜」と軽々しく言えるテーマじゃないのかな?と思ったりします。
この感覚は、去年「めぐりあう時間たち」を観た時と似てますね。
ガツンと来た作品であることに間違いないのですが、まだ全てを理解出来ていないなと。
映画と違う話で恐縮なんですが、つい先日、吉田美奈子さんというアーティストのライブに行って来まして、
その時に拉致被害者の家族の話になり、こういう話がありました。(内容はあくまでもおおよそです)

「街角で家族の帰還を信じて声を枯らす人が居て、
 同じ街角の反対側では何も悩みを持たない若者が携帯をいじっていて、
 でも、そういうのが何でもない風景としてそこにあって。
 私があの家族に対して何か出来るわけではないだろうし、事実何もしていないわけだけど、
 でも「想う」ことは出来る。
 想いを向けることで、向け続けることで、いつかそれが力になったりするんじゃないかと。
 何か行動を起こすよりまず、想うこと。ただそれだけでも、何も考えないよりは全然いい。
 だから私は、彼らを想いながらこんな曲を書きました。」 

私がこの映画を観終わって思った感想がまさにコレです。
コールマンの痛みを100%理解出来なくても、理解したいと思う気持ちがあればいいんじゃないかと。
母親がコールマンに向かっていう「人殺し」の言葉の重さを、分からないなりに一生懸命考えたいなと。

ニコール・キッドマンもアンソニー・ホプキンスも素晴らしく、何も言うことはありません。
ただ、今回最も印象に残ったのが、若き日のコールマンを演じたウェントワース・ミラーという青年です。
彼自身にも黒人の血が1/4混ざっているそうで、
この役にかけた意気込みが、そのまま演技にも表れているように思いました。
あまりにも美青年過ぎて絵的にホプキンスと繋がらないのが残念と言えば残念ですが(笑)
あとはエド・ハリス。もう恐すぎ。勘弁して下さい。
無表情に込められた狂気があまりにもリアルで、一体どこでそんな表情を覚えたの?というぐらい恐いです。
彼を主役にホラー映画を1本作れますよ。

ちなみに原題は「The Human Stain」と言うんですが、
この「白いカラス」という邦題は絶妙ですね。
ストーリーもテーマもしっかり理解してつけられたという感じがします。
最近邦題のセンス悪過ぎな映画が多いので、こういうセンスあるタイトルが増えて欲しいです。

「めぐりあう時間たち」や「21g」が気に入ったという人ならお勧めです。
じとじとした季節には重たい映画ですが、時間があれば是非劇場へ。

 
★★★★☆
支払い可能金額1500円


続いてのりプリが紹介します。

たんたんと最後まで観れるんですが、正直言って私の心に響きませんでした、この映画。
外国映画色が濃い!!!(・ω・ノ)ノ イヤーン!
やっぱり人間のお話は、文化とが習慣とか言葉が釀し出すニュアンスが、やたらとグッとくるもんだと思うんです。
だからその微妙なところを感じれないとだめなんデスね〜。
生粋の日本人の私には、この映画にそういうところがあまり感じれなかった。
もしかすると、米国の人たちは涙ダラダラかもしれないですね〜。
ちなみに、私が頭が痛くなるほどダラダラになったのはやっぱり日本映画でした。

で、この映画はこうみました。
出てくる人物たちは一人もキズを持っていない人がいないんです。
社会的にも個人的にもそれはそれは大きなキズで…。
コールマンもその家族も友人も、フォーニアも夫も。それぞれ救われたり、そうでなかったりするんですよね。
どうもみんながそうみたいなんです。
あの人もこの人もその人もそうみたいなんデス。
じゃ、自分もそうなのかッ!!と、たいして悩みのない私でも、アレやコレやと思い出されて心苦しくなってしまいました。
結局、映画そっちのけで感傷にひたってしまいました。
すみませんm(_ _)m

以上デス。
難しいですよ〜(T_T)

★☆☆☆☆
支払い可能金額500円(ゲイリー・シニーズに)


続いてみっち〜が紹介します。

う〜ん、なんて言ったらいいんでしょう。
こうゆう気持ちって、日本人じゃちょっとわからないものがあると思います。
私もどっちかといったら人に比べて肌が白いので、たまに「白すぎ」とか言われるけど笑って済ませられます。
でも、米国人にとって肌の色の違いって笑って済ませられないですよね。。。
だから、コールマンの気持ちって測りきれないものだと思います。
「実は自分は黒人でした」とカミングアウトした途端に周囲の目が180度態度が変わってしまうんですよ?
もし自分がそんなことされたら、
マンションから「アイキャンフラーイ」とか言いながらダイブして、フェンスに当たって助かっちゃうかも(笑)

途中から出てくるニコール・キッドマンなんですが、すごく上手かったです。
最初は「なんだ、このわがまま女!」と腹立たしく思いながら観てたんですが、
フォーニアの抱える心の闇や寂しがりな素顔が明かされてくるにつれ、
どんどんフォーニアが可哀相に見えてきました。
コールマンとフォーニアの関係って傍目から見ると決していい関係ではないと思うんですよ。
何も生み出さない、無駄に時間を消費するだけの関係のような。
でも、お互いの心を晒け出し合える仲ならば、
外から見える形(関係)なんてどうでもいいんだなと、この映画を観て感じました。
”まだ10代の”自分には少し難しい映画でしたが、観た後になればなるほど印象が残る映画だったので、
またもう少し老けてから観たいです。
バニラまで8年、ココリンまで1●年もありますからね(笑)
え?最近若い若いって言い過ぎですか?(;・∀・)?

★★★☆☆
支払い可能金額1100円


続いてバニラが紹介します。

この役者陣が揃わないと成り立たない映画です。
それくらい繊細にバランスを取れる役者さんばかりでした。
まずは主役の二人。
知的な老人と傷心な女性の恋愛に説得力を持たせるにはこの二人無しには成立しません。
ニコールの傷を受け止めるにはホプキンスの懐の深さが必要ですし、
ホプキンスが惚れるにはニコールの美貌が必要。
二人の演技も秀逸で、こんなに緊張感の続く演技は滅多に観れないと思います。
そんな二人に負けず劣らずエド・ハリスやゲイリー・シニーズの演技も本気!
エド・ハリスなんか「え!?誰?Σ(゜Д゜;」って感じです(゜Д゜;)
「めぐりあう時間たち」に出た時も恐ろしい程エイズ患者になりきっていたエドですが、
今作ではすでにエドである事が辛うじて分かるくらい「他人」でした(*_*)
そんな濃ゆーい役者さんたちがひしめいているにもかかわらず、
ゲイリーの演技は静かで、でも埋もれない存在感を見せつけてました。
ホプキンスとは友人同志という役柄で、
二人の年齢差や身分を考えると最初はどうして友達に成り得たのか疑問に思うのですが、
二人のやり取りを観てると、とても心の通いあった様子を見せるのです。
それはなかなか普通に見せろと言われても出来ない演技で、二人の名優がいたからこそ出来た演技だったと思います。

とにかくすべての役者の演技が緻密にバランスを取り、誰一人浮き沈みする事なくスクリーンに映っていました。
多分監督の類い希な采配の巧さが生み出した結果で、
今ではすでにうろ覚えになっている「クレイマー・クレイマー」を観返したくなるくらいでした。

そんな達者なスタッフに作られた今作のストーリーは確かに重いです。
日本人にはなかなか理解するのが難しいテーマで、
僕もその「ステイン」に心から感銘を覚えたかと言えば難しいです(^_^;)
差別とか戦争とか、日本にいてもなかなか経験できない問題ですしね。
でもそこに少し想像力を働かせて、自分の悩みが他人には言えないつらさ、
それを墓場まで持って行かざるをえない心の痛みに気づいた時、少なからず同情をおぼえるはずです。
僕たち日本人には同情しかできませんが、少しずつ理解した後にこの作品は新たな感動を与えてくれるでしょう。

最後に忠告ですが、この作品、ストーリー展開がちょっと難解です。
内容の理解に頭を働かせ過ぎると年代の移り変わりがわからなくなってしまいます(*_*)
できるだけあらすじを熟読してから観に行く事をオススメしますm(_ _)m

★★★★☆
支払い可能金額1400円



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