最終更新日:2006年01月21日(土) 23時26分
デトロイトテクノ CDレビュー 【 DETROIT 2 DETROIT 】 (総登録数:221) 編集者:ka2

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【ようこそ。デトロイトテクノ CDレビュー 「DETROIT 2 DETROIT」へ】
▼当ウェブサイトは「デトロイトテクノとそのフォロワー」をテーマにしています。デトロイトテクノとはその名の通り、アメリカ合衆国のミシガン州デトロイト市で生まれたエレクトロニック・ミュージックのことです。一般的にテクノというと無機的・機械的な音のイメージがありますが、デトロイトテクノはメロディアスでソウルフルな温かみのある音が特徴です。
▼シカゴハウスの影響を受けながら、ジャズ、ファンク、ソウル、ロック、ニューウェイブといった様々なジャンルの音楽性を取りこんで独自の発展を遂げたデトロイトテクノは現在のテクノシーンの原点とされています。当ウェブサイトではデトロイト出身のデトロイトテクノ・アーティストは勿論のこと、デトロイトテクノに触発されて作品を作り始めたデトロイトテクノ・フォロワーと呼ばれるアーティストや周辺文化、セオ・パリッシュやムーディマンといった新世代アーティストの登場により近年大きく注目されているデトロイトハウスも取り上げていきたいと思います(“マッド・マイク病患者”歓迎!)
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【マイ・エヴァー・グリーン】
BFC - Galaxy / Carl Craig - At Les / Inner City - Praise (Mayday Mix) / Jeff Mills - Now Is The Time / Mad Mike - Hi-Tech Jazz (The Elements) / Neuro Politique - Artemis (Mayday Mix) / Planetary - Out Of Sight And Mind / Quadrant - Dub I / Rhythim Is Rhythim - Icon (Montage Mix) / The Martian - Windwalker / Naomi Daniel - Stars (Formula) / Redplanet - Stardancer / Maurizio - Domina (C.Craig Mind Mix) / Carl Craig - No More Words / Psyche - Elements / Paperclip People - The Climax (Re-Worked) / Underground Resistance - Sometimes I Feel Like / Underground Resistance - The Theory (Melanic Mix) / Rhythim Is Rhythim - Beyond The Dance (Cult Mix) / Project 625 - Come Closer / Octave One - I Believe / The Martian - Firekeeper / The Martian - Ghostdancer / Dan Curtin - Sentient / Mr. Fingers - Can You Feel it / Underground Resistance - Nation 2 Nation / Underground Resistance / Journey of The Dragons

【デトロイトテクノ初心者にお勧めする7枚】
Derrick May - Innovator 至高の一枚。
Psyche/Bfc - Elements 1989-1990 若き才能が爆発。
Dan Curtin - The Web Of Life 激しくロマンチック。
V.A. - Remix Trax Vol.7 - Cosmic Soul ハイテック・ジャズの衝撃。
V.A. - LBH - 6251876 : A Red Planet Compilation 火星人の夢。
Galaxy 2 Galaxy - A Hi Tech Jazz Compilation 男のロマン炸裂。
Juan Atkins - Juan Atkins 20 Years Metroplex 真のテクノゴッド。
V.A. - Submerge Live In Japan URの名曲がライブで聴ける!奇跡の一枚。

【最新情報】
このサイトの最新情報はこちらのblogに書いています。合わせてご利用ください。

【デトロイトテクノ関連リンク集】
こちらから。随時更新中です。

【アップデート】
V.A. - Mahogani Music Compilation(2005/10/16)
Juan Atkins - Deep Space Underground Collection(2005/10/09)
As One - Elegant Systems(2005/07/31)
Aaron Carl - Uncloseted(2005/07/31)
Dark Comedy - Funkfaker: Music Saves My Soul(2005/07/31)

 
 数字 

3MB - 3MB Feat. Magic Juan Atkins (TRESOR:Tresor012)

★★★★☆

▼3MB(モーリッツ・フォン・オズワルドとトーマス・フェルマンのユニット)とデトロイト・テクノの始祖、ホアン・アトキンスの三大巨頭がコラボレイト! ジャケットデザインはデザイナーズ・リパブリック。レコーディングはベルリンのラブ・パーク・スタジオで行われた名盤。
▼超名曲「JAZZ IS THE TEACHER(MAGIC JUAN EDIT)」 これを聴くためだけに買っても損はしないと思います。キツめにかけられたフランジャー。適度に追加されたウワモノ。まるで星空に吸い込まれていくような感覚…。壮大な宇宙を感じます。
▼元曲の「JAZZ IS THE TEACHER」も素晴らしい。偉大なるジャズの先人達へのリスペクト。かき鳴らされるハットがジャジー。「DIE KOSMISCHEN KURIERE」もデトロイト・テクノ好きなら必ずツボにハマるはず。穏やかな音色ながら、じわじわ盛り上がる展開が熱い。
▼トレゾーの名盤は未だに買えるものが多くて非常にありがたい。いいものはいいですからね。

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4 Hero - Parallel Universe (SUBLIME RECORDS:MKCS-1004)

★★★★☆

▼4ヒーローの説明は省略。彼らのセカンドアルバムかつ最高傑作アルバム(だと個人的には思う) ディープなデトロイトものコンピ(「THE DEEPEST SHADE OF TECHNO」)」を監修したり、ニュー・エラ名義でデトロイト・テクノを作ったりする彼らなので、そのデトロイトっぷりは堂に入ったものです。このアルバムがリリースされた当時、英国ではラガ・ジャングル旋風が吹き荒れていたので「ドラムンベース=ラガ」という印象だったんですが、これを聴いて余りのデトロイト・テクノっぷりにびっくりしました。ちなみにこのCDは全曲ドラムンベースですのでご注意を(ビートがせわしないドラムンベースが苦手なひともおられますので…)
▼1曲目「UNIVERSAL LOVE(4HERO MIX)」は、女性ヴォーカルとサックスがフィーチャーされたドラムンベース史上に残る名曲。優しさと激しさが同居するのはドラムンベースならでは。しかしラガ・ジャングルのように下世話にはならず、エレピのフレーズが耳に入ったりしてあくまでもエレガント。BPMもひかえめです。マッド・マイクがドラムンベースに挑戦したらきっとこんな感じになるのでしょうね。この曲を聴くためだけにCD買っても惜しくないです。それくらい素晴らしい。
▼2曲目「NO IMITATION」は1曲目とは打って変わって、ダビーなベースと畳み掛けるようなパーカッションが印象的な清涼感のある曲。3曲目「PARALLEL UNIVERSE」もアッパーなビートにカール・クレイグばりのパッドがのる4ヒーローらしい曲。6曲目「WRINKLES IN TIME」は強烈なフランジャーがかけられた極太リズムがど迫力。後半になるとやはりUR調のストリングスが。9曲目「FOLLOW YOUR HEART (PART TWO)」は、美しいパッドがもろにデトロイト・テクノしてます。4つ打ちにしたらそのままプラネットEあたりからリリースされそう。11曲目「SUNSPOTS」は一点して4つ打ち風(?) ちょっとレッドプラネットっぽいです。12曲目「SOUND FROM THE BLACK HOLE」は、アンニュイな女声ボーカルとピアノがフィーチャーされた美しい曲かと思いきや、突然、激しく突っ走るビートが挿入される「静」と「動」が同居する曲。かなり好きです。そして15曲目は「UNIVERSAL LOVE」の原曲(国内盤のみ収録) 1曲目よりシンセサウンドが強調されていてスペーシーな印象。
▼ドラムンベースはその性質上どうしても特徴的なビートに縛られて曲ごとにバリエーションを持たせにくい印象があるのですが、残念ながら4ヒーローでさえもその呪縛から逃れることはできなかったようです(そのせいか次以降のアルバムでは敢えてドラムンベースから離れるように様々な実験を行っています) それでもこのアルバムは十分傑作だと思いますが。

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69 - The Sound Of Music (R&S:RS 95 078 CD)

★★★★☆

▼カール・クレイグが“69”(彼の生まれた年)名義でリリースした作品を集めたベスト盤的なアルバム。当時、デトロイト・テクノのリリースに熱心だったR&Sレーベルにライセンスされた傑作です。この名義では、ジャーマン・エクスペリメンタルに影響を受けたフロア向けのサウンドを展開しており、クラフトワークの影響を受けたような「My Machines」、金属的な重いキックがいかにもジャーマンな「Jam The Box」、「313 Detroit」にも収録された名曲「Desire」、サイケデリックな感覚が新鮮な「Rushed」など、当時、デトロイト・テクノ・ブームの牽引車となっていたカール・クレイグの素晴らしい才能を再確認できます。

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808 State - 90 (UNIVERSAL:UD 53191)

★★★☆☆

▼現在は完全にテクノ・シーンから遠ざかってしまった808ステイトですが、このアルバムはデトロイト・テクノ・ファン注目です。なんといっても「Hi-Tech Jazz」の元ネタといわれる「Pacific 202」が収録されていますからね(本当はアメリカ版の「Utd State 90」がお薦めですが、意外と見つからないのでこちらを…) イントロのアンビエントなサンプル音の後、ジャジーなリズムに優雅なサックスが乗ってくる展開はまさにUK版「Hi-Tech Jazz」(こっちの方が本家なんですけどね…。ちなみにベースラインを作ったのは、ア・ガイ・コールド・ジェラルドらしいですよ) その他の曲も、いかにも90年代のUK産らしい適度なポップ感とファンキー加減が良いですが、なんといっても「Pacific 202」に尽きます(個人的にはファーストアルバム「Newbuild 」のビキビキなアシッド・ハウスっぷりも好みですが)

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 A 

Aaron Carl - Uncloseted (Wallshaker Music:AC8653)

★★★★☆

▼今年5月にデトロイトで開催された「Fuse-In」(旧DEMF)の(個人的)ベストアクト。アーロン・カールのファーストアルバム。自らのレーベル「ウォールシェイカー」からのリリース。ジャケットの「Parental Advisory Explicit Content」のロゴがいい味を出している。日本国内での入手は難しいので海外通販で購入することをお勧めします。
▼「Fuse-In」のDJでは、友人や家族(子供たち)を周りで踊らせながらリラックスした表情で温かみのあるライブを披露した、アーロン・カール(ロス・エルマノス「Queztal」と生サックスの競演は最高でした)。このアルバムでは、マッチョでバイオレンスなゲットー・テックならぬゲットー・ハウスを展開。イントロの雷雨サンプルと曲間のインタールードがギャングスタ・ヒップホップ風。意外に音作りが丁寧なのはデトロイトっぽい。
▼ヒップホップ、R&B、シカゴ・ハウス、ゲットー・テックといったデトロイト・ローカルのダンス・ミュージックをすべて盛り込んだようなハイブリッド感覚。極太なキック&ベースと下品なボイスサンプル。まさに「現在の」ブラック・ミュージックがここにある。
▼ひたすらラフでタフな楽曲が続くが、ラストの「Sky」がしっとりしたヴォーカル・ハウスで良い。構成もよく考えられている。

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Adam Beyer - Ignition Key (TRUESOUL:TrueCD01)

★★★☆☆

▼スウェーデン・テクノ界の巨匠アダム・ベイヤー(犬好き&超長身) プラネットリズム、ドラムコード、コードレッドと一貫してフロア直通のハード・テクノを作り続けていますが、ここに来てガラリと方向転換。なんとジェフ・ミルズばりのトランシーなデトロイティッシュ・テクノで再スタート。「真のソウル」と名乗ったレーベル名。「IGNITION KEY」というタイトル。白基調のアーティスティックなジャケット。そこかしこから「新しいことを始めるぞー」という気合が感じられます。
▼1曲目「IGNITION KEY」から飛ばしてます。パーパス・メイカーばりのパーカッシブなビートにうねるようなパッド。とにかくドラマチックです。もろにジェフ・ミルズを連想させますが、ジェフよりもエモーショナルな印象。2曲目「STHLM」はコードレッドっぽいハードミニマル。4曲目「ACTIVE」はシカゴっぽいボイスサンプルに美しいストリングスが重なるアッパーな曲。 5曲目「TRIANGLE」は「AT FIRST SIGHT」に収録されていても分からないほどジェフに激似のエモーショナルトラック(ベイヤーはジェフ・ミルズ病?) いちど聴いてみてください。完コピーぶりが笑えます。6曲目「TRUNCATED TRUTH」はエレクトロ。それでも下世話にならず美しいのが北欧流? 7曲目もブレイクビーツを使ったトランシーな曲で懐かしい感じ。もちろん強烈な音圧とリバーブのかかったトランシーなキックは健在です。
▼ところが後半は一転してリスニング系に。9、12、14曲目はノンビート。13曲目はヒップホップっぽいスローな曲。アルバムとしての構成を考えたのでしょうか? 個人的には少し尻すぼみな印象。もちろんクオリティは太鼓判ですが。逆にハード・ミニマルが苦手なひとには後半の方がウケがいいかも。
▼そういえばベイヤーはコードレッドでもきれいなストリングス使ってましたね。元々トランス方面のひとなのでしょうか? 音がそれっぽいです。ジャーマン・トランス時代からテクノを聴いている自分は、なんとなく古のC.J.ボーランドやソースを連想してしまいました。懐かしや…。

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Alton Miller - Rhythm Exposed (DISTANCE:Di1332)

★★★☆☆

▼デトロイトの大ベテラン、アルトン・ミラーのファースト・アルバム。「Strings of Life」や「Big Fun」が初めてプレイされたという、デトロイトの伝説的なクラブ「Music Institute」をデリック・メイと運営していたことでも知られています。自らボンゴを担当し「パーカッションから曲を作る」という彼の作風は、近年のラリー・ハードにも通じるディープかつソウルフルなデトロイト・ハウス。他のビートダウン系アーティスト(セオ・パリッシュやマイク・クラークなど)に比べると優しくオーガニックな印象です。まもなくリリースされるピースフロッグからの新作「Stories From Bohemia」も期待しています。

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Andres - Andres (Mahogani Music:M-5 CD)

★★★★★

▼ムーディマンことケニー・ディクソン・ジュニア主催の「マホガニ・ミュージック」からリリースされた初のアルバム。アンドレスと名乗る謎の新人の正体は、数々のデトロイト出身アーティストの作品で客演しているDJディズ。セオ・パリッシュのローテーティング・アッセンブリーへの参加や、URのサブレーベル「ヒプノテック」からヘビーでストイックなブレイクビーツをリリースしたかと思えば、ジェイ・ディー率いるスラム・ヴィレッジのアルバムでの客演など、メジャーとアンダーグラウンドを自由に行き来する逸材です。本作には、エクゼクティブ・プロデューサとして、ケニー・ディクソン・ジュニア、ヴォーカル&サックスにノーマ・ジーン・ベル、キーボードにジョバントが参加と、ムーディマン人脈が総登場。内容は、サックス、キーボード、パーカッションがオーガニックに絡み合ったソウルフルなディープ・ハウス。どろどろしたファンクネスが持ち味のムーディマン自身の作品よりも、ずっとポジティブな印象で強めのハイハットと薄く被さる中域の音が非常に心地よいです。平均3分程度の短い曲とインターバルで構成されており、ジャケットには9曲目までがクレジットされていますが、実はインタールードを挟んで更に続く全16曲が収録されています(その内、3曲は無音なので「曲」とは言えませんが)。全曲、素晴らしいの一言ですが、個人的に気に入っているのはシングルカットされた「Salvador De Bahia 1」 ブラジル音楽のクラシックをサンプリングしたという、ラテン・テイスト溢れる作品。近年のジョン・ベルトランにも通じる感覚を感じます。

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Aril Brikha - Deeparture In Time (TRANSMAT:MS-25CD)

★★★★★

▼いまやデリック・メイ以上にデリック・メイらしい(?)トランスマットを代表するアーティストのファーストアルバム。
▼収録曲「GROOVE LA CHORD」はクラブでも大ヒット。ミニマルDJもトランスDJもジャズDJもハウスDJも使ってました(今でもよく耳にします) ヘビーなベースと徐々にビルドアップする展開が使いやすいんでしょうね。
▼もちろんこの他の曲もグルーヴィなビートにモノトーンなウワモノがからむ秀逸なものばかり。全曲オススメ。
▼イラン人とイラク人の両親を持つという彼はスウェーデン在住とのこと。グローバルですなー。
▼デビューのきっかけは、彼の曲を聴いた友人から「それはデトロイト・テクノだ」といわれて、デモテープをトランスマットに送ったことらしい。こんなに素晴らしい才能がスウェーデンに眠っていたとは…。世界はまだまだ広いね。
▼…だとしたらチュニジアやラオスやアルゼンチンあたりにも恐るべき才能が潜んでいるのだろうか?
▼誰にも知られることなくコツコツと電子音を作っている男…。それって近所では「変人」扱いされたりしてるんだろうな。悲しいけど。
▼デモを採用したデリック・メイの目もまだ腐ってはいないようだ。この調子でどんどん才能を発掘してほしいものです。

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As One - Elegant Systems (Versatile:VERCD014)

★★★★★

▼なんとなく名優ジーン・ハックマンに似ているカーク・ディジョージョ(でも意外と若い)のアズ・ワン名義最新作。デトロイト・テクノへの憧憬を素直に表現していた「Reflections」や「Celestial Soul」といった初期のテイストに原点回帰。90年代デトロイト・テクノ好きには堪らない内容になっている。
▼ずっと70年代ジャズ・フュージョンの再構築に突っ走っていて、個人的にはクソおもしろくもない作品ばかり連発していたカーク・ディジョージョだったが、前作「Out Of The Darkness」あたりから目が覚めたのか往年のデトロイト・テイストが復活。ついに本作で花開いた気がする。特に感動したのは4曲目「Cocoon」! 途中から挿入されるパッドの音色はまさにデトロイト・リヴァイヴァル。泣ける…。天文学にインスパイアされたという話もデトロイトっぽい。
▼国内盤には、CALMの「Elegant Systems - K.F.(a.k.a CALM)Re-Work」を収録。これが意外と良い。ビートレスな原曲にアッパーな4つ打ちビートとチャイナテイストな(?)ウワモノを追加。後半に行けば行くほど盛り上がるダンス・トラックに変貌している。

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As One - So Far (So Good)...Twelve Years Of Electronic Soul (UBIQUITY RECORDS:URCD 133)

★★★★☆

▼カーク・ディジョージョのアズ・ワン名義作品を集めた2枚組ベスト盤。1枚目は、デトロイト・テクノの影響を強く受けた初期作品を中心に収録(ニューエレクトロニカやARTからの作品も含む) 2枚目は、比較的最近の作品+未発表曲を収録。 はっきりいって圧倒的に1枚目の方がよく感じられます。個人的に最近の作品が好きじゃない(おもしろくない)のもありますが、やはり90年代初頭のデトロイトへの憧憬を素直に表した曲の方が耳に残ります。また昔みたいな曲を作ってくれないかな?(無理でしょうけどね)

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Ayro - Electronic Love Funk (Omoa music:OMOA 005 CD)

★★★★☆

▼キーボード、ヴォーカルとして数々のデトロイト・テクノ作品に参加しているアイロことジェレミー・エリス。テクノ、ハウスといった枠に捉われず自由な発想で現代的なファンク、ソウルを表現している。
▼本人のヴォーカルとエレピがスティービー・ワンダーを彷彿とさせる。テクノ、ハウスに興味が無いブラック・ミュージックファンにもお勧め。70年代のニュー・ソウルを連想させるグルーヴィなサウンドなのに白人というのが面白いところ。アイリッシュ+アフロでアイロなんだとか。
▼難を言えば余りにもポップでスムーズなので通して聴くと物足りない。もっと黒さと粘っこさがあれば言うことないのだが。

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Aztec Mystic - Jaguar (Pt.2) (430 WEST:430WUKTCD2)

★★★★☆

▼大ヒットしたDJロランドの「JAGUAR」をデリック・メイがリミックスした話題盤。オクターヴ・ワンのリミックスとCD-ROMビデオも収録。オリジナルとジャケットデザインが似ているので紛らわしい…(CDの盤面もそっくりなのです) たったの2曲しか収録されてませんがデリックのリミックスに免じてゆるしましょう(レコ屋の思うツボか…)
▼「JAGUAR (MAYDAY MIX)」はツアー中のデリックをホテルに缶詰にして3日間で仕上げたんだとか。オリジナルの高揚感はそのままにデリック流にメロディを変換。イントロでじらしまくって煽るだけ煽って大爆発。ウワモノもいかにもデリックらしいパーカッシヴな感じです。 元々ラテン・テイストな曲作りはお手のものなので「JAGUAR」にもジャストフィットですね。「JAGUAR (DANCE OF THE GLOBAL TRIBE)」もオクターヴ・ワンらしさ満点。ピッチ速めでオリジナルに比べるとミニマル度アップ。エフェクト控えめなタイトなリズムがいかにも彼らっぽいです。
▼CD-ROMビデオは内容を要約すると「チカーノ(ヒスパニック系アメリカ人)の日常」といった感じでしょうか。治安の悪そうな街並み。たむろするギャング(車に箱乗り) ストリートで踊る人々。グラフィティ。ローライダー(車&自転車) ロランド本人も多数出演(URポッセ?も出演。アブドゥール・ハックらしき人物が写ります) いかにも本人がデジカメで撮影してきたようなチープな映像です。あまり曲には合っていないような…。

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 B 

B12 - Electro-Soma (Warp:WARP CD 009)

★★★★☆

▼B12は、マイケル・ゴールディングとスティーブ・ルッターのユニットで、カール・クレイグに影響を受けたコズミックな作風がデトロイト・テクノ好きにも好評でした。この「Electro-Soma」は、WARPの“Artificial Intelligence(人工知能)”シリーズ中、ブラックドッグ「Bytes」と並ぶ最高傑作。ギーガーばりのジャケットがレトロ・フューチャーしていますね。
▼B12はレーベル名でもあり(URと同じですね)このアルバムは同レーベルのベスト盤といった内容になっています。初期のカーク・ディジョージョやステイシスとも親交が深かった彼ららしく、本家デトロイトに比べると甘く切ないストリングスや箱庭的な宇宙観は、現在の耳で聞いても遜色の無い独特な個性を発揮しています。ビートは繊細なのでフロアユースには全く向いていませんが、夜空を眺めながら淡く儚い彼らの音を聞いていると、なんともセンチメンタルな気分にさせられます。残念ながら1998年にリリースされた「3EP」を最後に音楽活動を停止したそうですが、盟友のステイシスも新作をリリースするそうですので、是非彼らも活動を再開してほしいと願っています。

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B12 - Time Tourist (Warp:WARP CD 037)

★★★☆☆

▼WARPからリリースされたB12のセカンド・アルバム。ザ・デザイナーズ・リパブリックがデザインした小松崎茂ばりのジャケットは、相変わらずのレトロ・フューチャー路線で彼らのイメージに合ってますね。ドラムンベースの影響なのかブレイクビーツを導入するなど前作に比べると音が凝っていますが、彼ら独特のアンビエントでセンチメンタルな感覚は健在です。8曲目「The Silicone Garden」というタイトルからも明らかなように、全編に渡って箱庭的な宇宙観で統一されておりイマジネーションを刺激されること必至。デトロイト・テクノ・ブームが再燃している今こそ再評価されるべき音ではないでしょうか?

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Bandulu - Guidance (Infonet:INF 003CD)

★★★★☆

▼イギリスで最も速くジェフ・ミルズからの影響を表明したバンドゥールのファースト・アルバム(ちなみに“バンドゥール”とは、パトワ(ジャマイカ語)で「バッド・ボーイ」という意味なんだそうです)。初期の彼らは、まさにデトロイト・フォロワーといったところで、このアルバムでもジェフ・ミルズ「At First Sight」に通じる、骨太なデトロイト・テイストのテクノを披露しています。ライナーノーツのメンバー写真がなんとも90年代ですね(PEあたりの影響が見え隠れ)。ヒップホップなジャケットのアートワークもクールです。ジェフ・ミルズの「Choice」に「Serial Operations」が収録されたことからも分かる通り、彼らの作品は安易なフォロワー作品とは一線を画するレベルの高さで、「Revelation」「Peacekeeper」「Gravity Pull」など、極太なビートにエモーショナルなウワモノがのるミニマル・トラックが満載。ダブへの造詣が深い点も素晴らしいです。カール・クレイグの「Better Nation(Carl Craig Innerzone Mix)」も収録。しばらくの間、活動していなかったようですが、2002年に突然、新作「Redemption」を発表してファンを喜ばせました。ちなみにメンバーのジェイミー・ビズマイアは、スペース・ディージェイズ名義でも活動しています。

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 C 

Carl Craig - Designer Music V1 (Planet E:PE 65255 CD)

★★★☆☆

▼これまでにカール・クレイグが手がけたリミックス・ワークを収録したコンピレーション。日本人DJのジャズユニットU.F.O.、アシッド・ジャズのインコグニート、テクノポップのテレックス、トランスのBT、デトロイトのインナーシティ、西海岸アンビエント・テクノのスペースタイム・コンティニウム、イタロ・ディスコのアレクサンダー・ロボトニク、シカゴ・ハウスのロン・トレントなど、カール・クレイグ自身の趣向を反映させたようなリミックス作品は、ブレイクビーツ、ジャズ、ヒップホップ、ハウス、テクノなど、特定のジャンルにとらわれない自由な発想から生み出されておりどれも素晴らしいです。中でもインナーシティのリミックスは、同郷の先輩へのリスペクトに満ち溢れた個性的な内容で、カール・クレイグ自身のつぶやくようなサンプルとパリス・グレイのヴォーカルが絡み合う傑作です。

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Carl Craig - Landcruising (BRANCO Y NEGRO:4509-99865-2)

★★★☆☆

▼カール・クレイグ本人名義でメジャーからリリースされたファーストアルバム。なぜか大不評でほとんど話題にならなかった…。
▼ペーパークリップ・ピープル名義のようなディスコちっくでファンキーな曲は皆無。どちらかといえばジャーマン・プログレっぽい広がりのある音。映画音楽を意識してますね。
▼ヴァンゲリスのサントラっぽくて個人的には好きなんですが…。「音が古臭い」という意見多し。
▼シングルカットされた「SCIENCE FICTION」なんかいま聴いてもかっこいい。シングルにのみ収録されているケニー・ラーキンMIXもよし(こっちの方が好きだという意見も多いです)
▼このアルバムの失敗が原因なのか、以降のカール・クレイグはジャズ、ハウス、ブレイクビーツに傾倒。

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Carl Craig - More Songs About Food and Revolutionary Art (PLANET E:PE65232CD)

★★★★★

▼カール・クレイグ初期の傑作を集めたベスト盤的アルバム。「AT LES」、「DREAMLAND」、「DOMINAS」等の名曲を多数収録。ビートを強調したダンス・ミュージックではなくどちらかというとリスニング寄りの内容。美しくエモーショナルな楽曲は時代を超えて永遠に聴けるものばかりです。曲間がつながっているので部屋でじっくりと聞くのに最適。ナオミ・ダニエル(名曲「STARS」のボーカリスト)のスキャットも収録。デリック・メイとの未発表共作「FRUSTRATION」も必聴です。「More Songs…」という小難しいタイトルがいかにも彼らしい。ジャケットもクラシックな雰囲気でセンスいいです。全体から伝わる甘く切ない感触…。やっぱり初期のカール・クレイグは最高だ!!

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CJ Bolland - The 4th Sign (R&S:RS92024)

★★★☆☆

▼最初に言っておきますが、このアルバムはデトロイト・テクノではありません。クリスチャン・ジェイ・ボーランドは、レイヴ&ジャーマン・トランスが主流だった90年代初頭に人気を誇ったアーティスト。BPM150の高速ビート(リバーブかけまくり)+叙情的な美しいメロディが彼の持ち味。エンジニア担当がアドヴェントのシスコ・フェレイラで、シスコ・フェレイラはフラジャイル(トランスマットのサブ・レーベル)からリリースしていて…なんて無理やりデトロイトとの関連性を見出してみたりしますが、そんなことを抜きにしてもテクノの歴史に残る傑作ダンス・アルバムです(ジャケットは謎ですが…)
▼デトロイト・テクノ・ファンにお薦めなのは、6曲目「Spring Yard」と7曲目「Camargue」です。「Spring Yard」は、トライバル風味のビートにタブラのようなエスニックっぽいベースがのっかる高速ミニマル・テクノ…かと思ったら、ブレイクで美しいストリングが挿入される二重構造を持った曲です。「Camargue」は、C.J.ボーランドの代表曲。 当時の彼女と、南仏プロヴァンスのカマルグに行った時の想い出を曲にしたんだそうです(ヌーディストビーチですごしたんだとか…) イントロのストリングスが聞こえてきただけでグッとくるエモーショナルなダンス・トラック。ハイハットの打ちこみがかっこいい。自分は、もう何十回聞いたか分からないくらいハマりました。
▼これ以外の曲も、現在の耳で聴いても遜色ないです。2曲目「Nightbreed」はレイヴ調ですが、たたみかけるようなハットがクール。3曲目「Thrust」は、高速ハードアシッドテクノ。後半のスクラッチ音(?)で大爆発です。5曲目「Pendulum」は、昔のローテーションを連想させるストリングスがきれいなダンス・トラック。10曲目「Jungle Man」は、そのまんまなトライバル・テクノ。現在の耳で聞いても意外といけてます。
▼このアルバムを聞くたびに、92〜95年ごろのテクノ・シーンを想い出します。当時は、トランスもテクノもガバもアシッドもジャングルもあまりジャンルの垣根がなく平行で聞いていたなぁ…。現在では考えられませんが、なかなか良い時代でした。そういえばWIRE01でC.J.がライヴを披露していましたが、まんま90年代のレイヴ・スタイルで良くも悪くも「変わってないなー」と思ったのを覚えています。

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Co-Fusion - Struttin' Remixes EP (SUBLIME:MKCS-1017)

★★★☆☆

▼コフュージョンは、ベテランDJワダとヘイゴ・タニのユニット。ファンキーなブレイクビーツを主体とした作風で、デトロイトでライブを披露した際にはマッド・マイクから絶賛された…らしいです。タイトルの「STRUTIN'」はサックスがフィーチャーされたジャズをも感じさせるストレンジなブレイクビーツ・サウンド。でもちゃんとフロア仕様です(4つ打ちだしね)
▼デトロイト・テクノ好きはリミキサーに注目すべし。「DIABLA」の大ヒットで有名になったファンク・ド・ヴォイドとテクノ界のDMCチャンピオン(鼻&ひじスクラッチ付き)クロード・ヤングです。ファンク・ド・ヴォイドの「STRUTIN' (FUNK D’VOID’S NEW TOKYO MIX)」(新東京MIXって???)は、スペーシーなシンセサウンドが美しい正統派デトロイト・サウンド。ファンク・ド・ヴォイドが手がけた中でも1、2を争う名作リミックスだと思います。クロヤンの「STRUTIN' (CLAUDE YOUNG MIX)」は、パーパス・メイカーばりのトライバルっぽいミニマルサウンド。これもなかなか良いです。
▼サブライム・レコーズは国内のテクノ・レコード・レーベルの中でも異例にデトロイト・テクノに理解がありますよね。ダン・カーティンやハナのアルバムをリリースしたり、ピースフロッグのコンピレーションやデトロイト・オリジネイターのブレイクビーツ集をリリースしたりとツボをついたセンスが泣かせます。がんばってほしいなぁ(最近はデトロイトから離れているみたいですが…)

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Cybotron - Clear (FANTASY:FCD-4537-2)

★★★☆☆

▼80年代初頭にホアン・アトキンスが所属していたエレクトロニック・ダンス・ユニット。それがサイボトロン(ホアンお得意のSF的な造語?)
▼メンバーは、ホアン・アトキンス、リチャード・デイビス、ジョン・ファイヴ。「CLEAR」「COSMIC CARS」「THE LINE」など彼らの代表曲を収録。全9曲。
▼内容はクラフトワークの影響を受けまくったエレクトロ。ホアン自身のささやくようなヴォーカルも聴けます。ホアン流「プラネット・ロック」といった方がわかりやすい?
▼当時、日本ではYMOが大ブレイクしていたはず。まだTR-909もTB-303もサンプラーも無い時代です。
▼20年以上前の音なのですが、普通に聞けるのは昨今エレクトロが復興しているから? それにしてもホアンのやっていることは昔から一貫してますね。
▼ジョン・ファイヴのギターが入ると途端にロックになってしまうのが微笑ましい。

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 D 

Dan Curtin - Art & Science (Peacefrog:PF051CD)

★★★☆☆

▼ピースフロッグからリリースされたダン・カーティンのアルバム3作目。相変わらずのオリジナル・デトロイト路線ですが、そろそろ飽きてきた?のかエモーショナルでロマンティックな展開は控えめになり淡々とした印象。ノンヴォーカルのヒップホップにも挑戦しています。悪くは無いんだけどいまいち食い足りないというか…。当時のインタビューでも「そろそろデトロイトから脱却したい」というようなコメントを残していました。

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Dan Curtin - Deception (Sublime Records:SBLCD5010)

★★★★☆

▼日本のサブライム・レコーズからリリースされたダン・カーティンのアルバム2作目。相変わらず独自のデトロイト路線を展開していて素晴らしい。なかでも圧巻はシングルカットされた「Voices From Another Age」 壮大なスケールを感じさせる正統派デトロイト・テクノ。ファンにはお馴染みのNSCでマスタリングされた力作。この他の曲もデトロイト、シカゴ、ヒップホップを通過したオリジナルな作品ばかり。(余り印象に残りませんが)ケン・イシイとケリー・ハンドのリミックスも収録。ちなみにUK盤は内容に合わない派手なアメコミ風のジャケットです。

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Dan Curtin - New World EP (SUBLIME:SBLCD5026UK)

★★★☆☆

▼ダン・カーティンが日本のサブライム・レコーズからリリースしたEP(…と名乗っていますが、8曲も収録されているので実質的にはミニアルバムといえるでしょう) タイトル曲の「New World」は男女のボイス・サンプルが印象的なファンキー・ハウス。ジャジーかつスペーシーな展開が「新しい世界」へのほのかな希望を感じさせる名曲です。2曲目「With Me Tonight」は、イントロのアース・ウィンド・アンド・ファイヤーねたに度肝を抜かれます(曲自体はいつもダン・カーティン節ですが) 6曲目「I'll Take You There (Latin Odyssey Mix)」は、アルバム「Deception」に収録した曲をサンバ風にアレンジ。のちにパーヴヤーズ・オブ・ファイン・ファンク名義などで見せるラテン風味の先駆けともいえます。リミキサーとして、“FIX”ことオーランド・ヴォールン(祝UR加入)とデイヴ・エンジェルが参加。オーランド・ヴォールンのは余り印象に残りませんが、デイヴ・エンジェルの「Sword of Orion (Dave Angel Mix)」は、地味な原曲をアッパーなダンス・トラックにリメイク! 彼の持ち味が存分に発揮された素晴らしいリミックスに仕上がっています。

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Dan Curtin - Pregenesis (Elypsia:ELY022CD)

★★★☆☆

▼前作「Art & Science」から4年を経てリリースされたアルバム4作目。往年のバズを連想させる活動で注目を集めたベルギーのエリプシア・レコードからのリリース(残念ながら同レーベルは現在活動休止) 以前のデトロイト路線は完全になりを潜めジャズっぽいハウスにシフト。それでもビートの力強さとハネ具合はいかにも彼らしい雰囲気ですが。全体のまとまりは素晴らしくアーティストとして成長したのかもしれませんが、荒削りで衝動的なところが魅力でもあっただけに残念な気もします。

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Dan Curtin - The Silicon Dawn (Peacefrog:PF018CD)

★★★★★

▼「Plutonion Summer」と名付けられたスペーシーなジャケットが印象的なダン・カーティンのファースト・アルバム。当時のピースフロッグはとにかく入手困難で、発売直後にレコード・ショップに駆けつけたにも関わらずどこに行っても品切れで呆然としたことを覚えています。「The Web Of Life」に収録された初期作品に比べるとディープで派手さはありませんが、じわじわと効いてくるスペーシーな楽曲の数々。当時大人気だったTB-303の使い方も独特。デトロイト・テクノから大きな影響を受けながらも、自分なりの個性を発揮している素晴らしい作品です。

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Dan Curtin - The Web Of Life (PEACEFROG:PF038CD)

★★★★★

▼ダン・カーティンの初期作品をベスト的に収録したDJMIX盤。メタモルフィック、バズ、ピースフロッグ等のレーベルからリリースされた楽曲は、初期ダン・カーティン特有の荒々しくパンキッシュな打ち込みながらもエモーショナルかつセンチメンタルな素晴らしい作品ばかり…。「Re-Awareness」、「Out Of Sight And Mind」、「3rd From The Sun」、「Interstellar Perception」、「Sentient」等々全曲必聴です。オールタイム・フェイバリットにミスター・フィンガーズやクラフトワークと並んでシャラップ・アンド・ダンスのコンピやフューチャー「Acid trax」を挙げる彼らしく、ブレイクビーツ的な変則的な打ち込み(元々ヒップホップ好きだったとか)と巧みなTB303の使い方が印象的。さり気ないようで実は相当巧みなシスタ・スピンスタ(…って誰?)のMIXテクニックもダン・カーティンの曲を盛り上げています。

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Daniel Bell - Blip, Blurp, Bleep: The Music Of Daniel Bell (Logistic Records:LOG033CD)

★★★★☆

▼徹底したミニマル・グルーヴでリッチー・ホウティンやモーリッツ・フォン・オズワルドにも大きな影響を与えた孤高のミニマリスト、ダニエル・ベル待望のベスト盤。自身のMIXCD「The Button-Down Mind Strikes Back!」をリリースしたフランスのロジスティック・レコーズから。このレーベルは元URのロバート・フッドの作品もリリースしていてとにかく渋い。オーナーのジョン・トーマスの趣向が強く反映されています。
▼彼の存在なくして後のプラスティックマンやベーシック・チャンネルに代表される「音の隙間」を生かしたミニマル・テクノは生まれなかったといわれるほど(リッチー・ホウティンとはサイバーソニック名義で共演)早い時期からストイックなミニマル・トラックを生み出していたデトロイトの異才。「Losing Control」、「Phreak」、「Flying Saucer」といった名曲の数々は、カシオのリズムマシン「RZ-1」(YMOの高橋幸宏が叩いたサンプル音で有名)で制作されたそうで、延々と繰り返すミニマル・ビートにフィルターで微妙な変化をつける手法はハマると抜け出せなくなる魅力を備えています。またタイトルにもあるようにブリープ音の使い方もトランシーですごい。最近の作風はMIX-CDの選曲からも分かるようにクリック寄りでビートもそれっぽいです。ラストの「Goodbye」は意外にもウワモノが乗っていて仄かに正統派デトロイト・テクノの匂いを感じました。

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Daniel Bell - Globus Mix Vol 4-The Button.Down Mind Of Daniel Bell (TRESOR:Tresor142CD)

★★★★☆

▼DBXことダニエル・ベル初のDJミックスCD。吸い込まれるような印象のジャケット(トンネルの写真)がミニマルしてますね。代表作「LOSING CONTROL」などカシオのリズムマシンを使ったクールな作品で知られるダニエル・ベルは、極限まで音数を削ったビートと独特なフィルター処理でミニマルやクリック系のアーティストに大きな影響を与えています(あのモーリッツやリッチー・ホウティンもDBXからの影響を公言しています) このミックスCDも彼の持ち味を存分に感じさせる素晴らしい内容です。
▼前半はロゾウルやハーバートなど、いかにも彼らしい音数の少ないクリック・ハウス系の音でスタート。すき間だらけの音にも関わらず、クールな雰囲気の中に見え隠れするファンク。素晴らしい…!!
▼中盤は自身の曲やディープハウスなどを交えて徐々にビルドアップしていく展開。派手なテクニックなど一切使わないにも関わらず飽きさせません。このままラストまで突っ走るのかと思ったら…。
▼後半は、カリ・レケブシュの変名ミスター・ジェイムス・バースやニック・フォルダーのファンキーなハウスを使ってぐいぐいと上げて行きます。この辺りに来ると頭の中は狂喜乱舞。知らないうちに首を振っていること間違いなし!
▼ラストは、デトロイト・テクノの影の立役者、アンソニー"シェイク"シェイカーの名曲「DETROIT STATE OF MIND」 ベルリンに拠点を移しても忘れないデトロイト魂。泣けます。
▼余談ですが、トレゾーのスタッフはこのCDのタイトル(BUTTON DOWN = ボタンダウンシャツ)が理解できずに「BUTTON」と「DOWN」の間にピリオドを入れてしまったのだとか。気づいていたにも関わらずそのままにしているのもダン・ベルらしいかも…?

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Dark Comedy - Funkfaker: Music Saves My Soul (Poussez!:POCD3)

★★★★☆

▼DJイエローことアラン・ホーのレーベル「Poussez!」からリリースされたケニー・ラーキンのアルバム。約7年ぶりにリリースされたダーク・コメディ名義待望の新作。
▼セルフ・ヌードのナイスなジャケット。デトロイトテクノらしからぬオシャレなデザイン。裏面は銃撃事件の手術跡? 内容は意外にもベーシックな4つ打ちだが、ただじゃ済まないのがこのひとの良いところ。独特な捻れたユーモア感覚とジャズ、ファンク、ソウル、R&Bを咀嚼した素晴らしく個性的な音。
▼「Tellin' Lies(dark mix)」や「In My Home」「Chicken Blues」あたりは、“テクノ・ブルース”とでも呼びたくなる新境地を開拓。まさにアメリカの黒人ならではのハウス。

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Dave Angel - Classics (R&S:RS96089CD)

★★★★☆

▼ジャズ・プレイヤーを父に持ち、元ドラッグ・ディーラー(!) 妹はヒップホップ・アーティストのモニー・ラブという異色の経歴を持つアーティスト。レイヴ・サウンドとデトロイト・テクノを融合した独自のサウンドが特徴。このCDは彼がR&Sからリリースした作品をコンパイルしたベスト盤。「Free Flow」「Fallen Destiny」などメロディアスでアッパーなダンスサウンドはリスニングにもダンスにも最適。テクネイジアやディエゴといったアーティストが好きなひとなら絶対気に入るはずです。また「Brother From Jazz」は、タイトル通りジャズへのリスペクトを表明したデイヴ・エンジェル版「Jazz Is The Teacher」 本家よりもエモーショナルで泣ける名曲です。

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Dave Angel - In Flight Entertainment (BLUNTED:BLNCD10)

★★★★☆

▼デイヴ・エンジェルがアイランド・レコード傘下のブランテッドからリリースしたメジャー移籍第一弾。4曲入りのミニ・アルバム。飛行機での旅をテーマとしたコンセプチュアルな内容で、ジャケットは英国航空のパロディ。自身のローテーション・レーベルで才能を発揮していた時期の作品なだけに、4曲とも見事にエンジェル節が炸裂! ハードでテンションの高い高速ビートにデトロイト・テクノの影響を受けたメロディアスなコード進行がとにかく素晴らしいです。

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Davina - Best Of Both Worlds (Loud:74321522992)

★★☆☆☆

▼URからリリースされた傑作ハウス「Don't You Want It」でヴォーカルを務めたことで知られるダヴィーナのファースト・アルバム。エリカ・バドゥやジル・スコット系のR&Bです(デトロイト・テクノやハウスは一切なし) 全て自ら作曲・ヴォーカルを手がけるなど才能を発揮しており、アルバム発表当時はマイケル・ジャクソンにカバーされるなど話題の新人として取り上げられたようですが、以降がさっぱり続かない…。再びデトロイト・テクノが盛り上がっているご時世ですので、またソウルフルなヴォーカルを披露してほしいものです。

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Derrick May - Innovator (SME:SRCS 7980-1)

★★★★★

▼初めてデトロイト・テクノを聞くひとに問答無用でオススメしたいのがこのアルバム。某TV番組のBGMに使われて中途半端に有名になった(?)「ストリングス・オブ・ライフ」を筆頭に、デリック・メイの代表作をほぼ網羅した2枚組全26曲の大作。スパークする情熱とエロチシズム!
▼87年から93年の間に、たった7枚しかシングルをリリースしていないデリック・メイですが、(最後のリリースから10年が経過したにも関わらず)未だに新作が待望され、クラブでは「ストリングス・オブ・ライフ」がかかり続けるほど彼の作品への評価は高く、ホワン・アトキンス、ケヴィン・サンダーソンと並んでデトロイト・テクノの"イノベイター(創造者)"と賞賛されています。
▼このアルバムを聞けば賞賛の理由はすぐに分かるはず。シャリシャリした独特のエフェクト、奇妙ながらも美しく鳴り響くアナログシンセのストリングス。TR909(ローランド社のリズムマシン)を駆使した、単なる4つ打ちではなくタメの効いたブレイクビーツ的なビート…。(特に初期の作品は)録音状態も悪く雑なところが多い(ベンダーで転調したり…)にも関わらず、それを欠点とは思わせない情熱的でソウルフルな曲調は、デリック・メイの独壇場でしょう。
▼今となってはDJ兼プロデューサー業に専念し、ともすると日本に拠点を移しそうな勢いで来日する(実際そういう噂は絶えない…)デリック・メイ。そんな彼の最近の姿勢に対し「セルアウト」と陰口をたたくひとも見受けられますが、彼の一連の作品にクレームをつけるひとはほとんどいないことからも分かるとおり、ここに収められている楽曲は、デトロイトの黒人青年と中古のアナログシンセサイザー、インナーシティと郊外という二重構造を持ったデトロイトの環境が生んだ一瞬の奇跡だったのかもしれません。
▼蛇足ですが、このCDのライナーノーツに掲載されているデリック・メイ自身の手による風景写真は、音に負けず劣らずアーティスティックです。またデトロイト・テクノの権威(?)野田努氏による入魂のテキストもたいへん興味深い内容ですので、テクノ・ファンのみならず全ダンス・ミュージック・ファンにお薦めできる逸品です。

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Derrick May - Mix-Up Vol. 5 (SONY:487565 2)

★★★★☆

▼石野卓球プロデュースのMix-Upシリーズ第5弾は、御大デリック・メイが登場。今から6年以上前にリリースされた古い作品ですが、テープ編集によるトリッキーな構成とハウス〜テクノを自由に行き交う選曲は未だに新鮮です(小松崎茂のジャケットはご愛嬌。ご丁寧にトランスマット柄のバッグまで持ってます)
▼リリカルなソロ作品とは印象が全く印象が異なる「ファンキー」で「エロティック」で「パーカッシブ」なミックスはとにかくエネルギッシュ。エロティックなサンプル音と緩急ある展開が印象的な5曲目リル・ルイス「French Kiss」は、デリック・メイの裏テーマソング(?) 大音量で聞く場合は注意が必要です。
▼耳につくのはラテン系ハウスで、フルーツ・ループス「The Message Is Love」、ベースメント・ジャックス「Get Down Get Horny」、「Eu Nao」などデリックが人気の火付け役となった名曲が目白押し。また、シカゴ・ハウスも、DJスニーク「Soundz In My Head」、ポール・ジョンソン「A Little Suntin Suntin」、グリーン・ベルベット「The Preacher Man」などデリックのDJには欠かせない曲ばかり。
▼ただ単に上げるだけではなく、要所でジェフ・ミルズ「Alarm」、「The Dancer」やサイレント・フェイズ「Meditive Fusion (Kenny Larkin Mix)」のようなクールな曲で緩急をつけるところがベテランならでは。何回聞いても聞き飽きさせません。

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Diego - Instant Reality (KANZLERAMT:KA85CD)

★★★☆☆

▼独カンツェラムト・レーベルを代表するアーティストに成長したディエゴのアルバム3作目。MMP3.COMからのリリース経験もある新世代のアーティストですが、デトロイト・テクノをドイツ流に解釈した新鮮な作風でテクノDJのみならずフランソワ・ケヴォーキアンのような大物ハウスDJにも支持されているようです。「Mind Detergent」、「Me Fragments」、「Sacrament」といった曲に代表されるように、ヨーロッパ的な暗鬱な音色と立体的なエフェクトの使い方が独特で前に前に出てくるような感触。飛ばされます。レーベル仲間のアレクサンダー・コワルスキに通じるテイストですが、よりアッパーでフロア・フレンドリーな雰囲気。

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DJ Godfather - The Godfather Chronicles (Technorient:MB205CD/DVD)

★★★★☆

▼テクネイジアのアミル・カーンがプロデュースした、ゲットー・テックの帝王「DJゴッドファーザー」のミックスCDとドキュメンタリーDVDの豪華盤。知的で詩的なデトロイト・テクノ、デトロイト・ハウスとは全く異なる「裏のデトロイト」(彼の地では、ゲットー・テックの方がメジャーのようですが)を余すことなく見せてくれる素晴らしい内容です。ゲットー・テックとは、乱暴に言ってしまえばエレクトロにテクノ、マイアミ・ベース、シカゴ・ハウスのテイストを盛り込んでBPMを150〜160以上にしたようなデトロイト特有の音楽で、なんともいえない安っぽさとゲットー感(ヤンキーっぽさ?)がポイント。必要以上に前に出る重低音ベース、硬いTR系のビート、プリセットを使いまくった音色、シカゴ譲りの下品なサンプリングで構成されたスカスカな音は、深いテーマ性とか音楽性とは無縁の「老若男女が踊れりゃOK」な直球ダンス・ミュージックですが、不思議とファンキーでメチャクチャかっこいい。好き嫌いはハッキリ分かれると思いますが、自分はこういった音楽が大好きです。なんとなくガバ(ハード・コア)にも通じるものがありますが、ガバと大きく違うのはとにかく「セックス」を全面に押し出していること。エロサンプルも使いまくりです(お約束の「Parental Advisory」ロゴもついてます)
▼DJゴッドファーザー(名前から勝手に大男の黒人を連想していましたが、実際にはヤンキーっぽい白人でした)は、その名の通り、ゲットー・テック・シーンの中心人物で、DMCチャンピオンばりの凄まじいDJテクニックの持ち主。テクノ、ハウス、ヒップホップ、エレクトロを全部45回転にしてBPM160以上で豪快にミックス。ジャグリング、スクラッチ、バックスピンといったバトルDJの技を「これでもか!」と使い倒してくれます。ミックスCDは、なんと全48曲(!)で、半分以上は自分の曲なのがアメリカっぽいですね。笑わせてくれるのは、テクネイジア「Final Quadrant」やロス・ヘルマノス「Quetzal」といった正統派テクノ(?)も使っているところ。当然、そのままかける訳ではなくて45回転で擦りまくりですが。ギャングスタ・ヒップホップにも通じるバイオレンスなギャグ(?)も含まれていて、11曲目「Claus Enters Interlude」では、ヨーロッパから来たクラウスというハード・トランスDJが登場して「オレ自慢」をしますが、キレた現地のブラザーにボコボコにされてしまいます(最終的には射殺されるというのが何とも…)。どうせなら、でかいピックアップトラックに乗って爆音で聞いてみたくなりました。
▼ドキュメンタリーDVDの内容も凄い。DJゴッドファーザーを始めとしてDJディーオン、DJナスティーといった有名無名のゲットー・テックDJ、UR「Hard Life」のリミックスも担当したアーロン・カール、デトロイトで一番有名なレコードショップ「Record Time」のオーナーなど、デトロイトのゲットー・シーンを取り巻く人々が、それぞれの視点からゲットー・テックについて語っています。URがらみではDJ3000や御大マッド・マイク(声のみ)も出演。DJがホアン・アトキンスのサイボトロンやアリル・ブリカの「Groove La Chord」をかけるシーンなんかは、デトロイト・テクノへのリスペクトを表明していて感動的です。なんといっても印象的なのは、パーティに遊びに来ている女性客のダンス! もろにセックスを連想させる腰ふりまくりの過激なダンスを披露していて驚かされます。黒人女性が無心で踊っているのをニヤニヤしながら見守る白人客が印象的(シャールもニヤけてます) 黙々とブレイクダンスを披露する若い黒人男性とは対照的。エミネムが無名時代にフリースタイルを披露したクラブ「Shelter」も登場します。残念ながら日本語字幕には難有りで、誤字脱字、適当な改行(非常に読みにくい…)、掟破りの3行字幕(!)、ダンスミュージックに関する基本的な知識不足(レコードの回転数を説明しなかったりドラムンベースを「ドラムとベース」なんて略したりする)など、とにかくひどい。ここはもっとまともな人にやってほしかったなぁ…。それにしても、テクネイジアは本当にアメリカのダンス・ミュージックが好きなんですね。そういえば、相方のシャール・シグリングも「Fuse Presents Technasia」でシカゴ・ハウスを使いまくっていましたね。

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DJ Rolando - DJ Rolando : The Aztec Mystic Mix (Underground Resistance:UR 049 CD)

★★★★☆

▼「Jaguar」の大ヒットで新生デトロイトを決定づけた重要アーティストDJロランドのファーストミックスCD。自らのルーツを示すような古代遺跡のジャケットが渋い。全てUR関連で占められた選曲を素晴らしいテクニックでつないでいく傑作。
▼宇宙を感じさせる素晴らしいイントロからいきなり大ヒット曲「Jaguar」登場! パーカッシブなラテン・ビートと徐々にビルドアップしていくエモーショナルな展開は、まさに正統派デトロイト・テクノ。テクノ・ハウスといったジャンルを超えてヒットしたことも頷ける名曲です。そこからレッドプラネットの隠れた名作「Dreamdancing」、URメンバーのみが持っている幻の「Z Track」、自身の「Aztec Mystic」、オクターブ・ワン「Daystar Rising」、マーティアン「Firekeeper」など、デトロイト屈指のエモーショナル・トラックを連発してどんどん盛り上がっていきます。
▼後半は「Stardancer」からドレクシア「Dr. Blowfins Experiment」につなぎ一転してエレクトロに。UR「Soulpower」、アフロジャーマニック「Z Track」、M.I.A.「Schoolcraft Bump」、UR「Soul Circuits」とたたみ掛けるように渋いトラックを連発。ラストはサバーバン・ナイト「Midnite Sunshine」で仄かな希望を感じさせながら壮大な世界感をしっかりと締めてくれます。

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DJ Rolando - Nite:Life 016 Rolando (NRK:NRKMX 16)

★★★★☆

▼ロス・エルマノスからの連続リリースや2枚のMIXCD(「Vibrations」「Sweat Volume One」)など、活発に活動を続けるDJロランドの最新MIXCDがUKのディープ・ハウスレーベルNRKから登場。これまでのMIXCDは選曲に「UR」「サブマージ」という縛りがありましたが、今回はデトロイトに捉われない自由な選曲でこれまでで一番の完成度だと思います。
▼NRKの代表的アーティスト、ニック・ホルダーの「Sunrise」からスタートし、ジーン・ファリス、セブン・グランド・ハウジング・オーソリティ(テレンス・パーカー)の地元ミシガン勢でじわじわと盛り上げ、決めの部分で自身のロス・エルマノス「Quetzal」を使うのがにくい! その後は、アダム・ベイヤー「Ignition Key (Aril Brikha Mix)」、ジョーイ・ベルトラム「Extension」、フレデリック・ガリアーノ「Woualai (Soul Designer Mix)」、ジョン・トーマス「Working Night (Rolando Mix)」、クリティカル・フェイズ(ダン・ケーリングとカーク・ディジョージョのユニット)、テクネイジア「Crosswalk」と一気にテクノ系でたたみ込みます。終盤は、ラファエル・メリウェザーズ・ジュニア(“S.I.D.”シリーズ同様、デトロイトのサブマージでしか買えない“ローカル3000”シリーズに参加)、モデル500「No UFO's (D-Mix)」、ジェラルド・ミッチェル(ロス・エルマノス名義の相方)とデトロイトをフィーチャー。ラストはジェフ・ミルズの「See This Way」で締めます。
▼今回のMIXからはこれまで以上にヒスパニックとしての“独自性”“同一性”を再確認する意志が伝わってきます。ジャケットのデザインからもその意志は顕著で、チェ・ゲバラの壁画に書かれた「We are NOT A minority!!(俺たちは少数派ではない)」というメッセージや、民族衣装を身に着けてURのCDを笑顔で手にする少年の姿は、ルーツを追求するロランド自身の方向性を表しているのでしょう。選曲も世界各国のアーティストを取り上げておりここでも「民族」がキーワードになっていると思われます。

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DJ Rolando - Sweat Volume One (Sweat Records:SWEATCD-01)

★★★★☆

▼スウィート・レコーズはサブマージ傘下のディープ・ハウス・レーベル。このミックスCDは、レーベル・オーナーのビート・アディクツがデトロイト・ハウスを中心に選曲。DJロランドがDJミックスを手がけています。URの名曲「Hardlife」からスタートし、メンバーズ・オブ・ザ・ハウス、アルトン・ミラー、ケニー・ディクソン・ジュニアといったデトロイト・ハウスの才人たちの艶と腰のある楽曲が丁寧かつソウルフルに展開。圧巻は、アーロン・コール「Wall Shaker」〜ダヴィーナ「Don't You Want It」(名曲!)〜ロス・エルマノスの未発表曲(!)へのつなぎでしょう。とにかくダイナミックで素晴らしいです。デトロイト産のディープハウス、ガラージハウスに興味がある方にお薦めの一枚。

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Domu - Discotech EP (Psychic Phenomena:PSYCH-002CD)

★★★★☆

▼ディーゴの2000ブラックからリリースしている西ロンドン系(?)のドム。この名前からは、どうしてもモビルスーツを連想してしまいますが全く関係ないそうです(本名のドミニク・スタントンを縮めただけ) ドム名義以外にヨトコ、リマ、ソナー・サークルなど、多彩な音楽性を見せている彼ですが、今回は、もろにデトロイト・テクノ、ハウスっぽいブロークン・ビーツ・サウンドを展開。初期のダン・カーティンっぽいスペーシーな雰囲気も良いです。ディーゴの相方、マーク・マックもリミックスで参加。

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Double Helix - Illuminations (Catalog.:CATCD#005)

★★★★☆

▼デリック・メイがプロデュースする新世代デトロイト・アーティストのアルバムが続々登場。渋谷のシスコ・テクノ店がオーガナイズするカタログ・レーベルからのリリース。本作「Illuminations」をリリースしたダブル・へリックス(二重螺旋)は、デトロイト近郊に住む夫婦ユニット。いわゆる典型的な「デトロイト・テクノ」ではなく、ラウンジ、ブレイクビーツ、ドラムンベース、テクノといった様々な手法を用いたバリエーション豊かな作品になっています。ヴォーカルとチェロ(!)を担当するレベッカと、控えめながらも多彩なビートを繰り出すハンスの才能が融合して、おしゃれなカフェでかかっていても違和感のないハイセンスな魅力を醸し出していますが、さりげにTB-303のアシッド・ベースを使っていたりデトロイト伝統のストリングスが鳴っていたりする点は、さすがにトランスマット所属のアーティストだと再認識させられます。

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Drexciya - Grava 4 (Clone:C#25)

★★★★☆

▼イントロの深海で何かが蠢いているような「Cascading Celestial Giants」から、一気に彼らの世界観に引き込まれてしまう傑作。このアルバムは、デトロイト・テクノ・シーンの最重要アーティストであるドレクシアがオランダのクローンから発表した作品で、レーベルが変わっても「深海」をテーマにしたダークでヘビーなエレクトロは一貫して変わっていません。アナログ・シンセを多様したストレンジな音色とデトロイト特有のTR-808、TR-909を使ったシンプルで硬質なビートは、アーティストとしての強固な信念を感じさせてくれて相変わらずどの曲も素晴らしいですが、4つ打ちの曲も含まれるなど以前の作品から比べると随分と分かりやすくなった気がします。「Drexciyan Star Chamber」「Gravity Waves」「Hitech Nomads」あたりではデトロイト特有のセンチメンタルでロマンチックな部分も感じさせてくれて以前よりもずっとダンサンブル。シングルカットされた「Drexcyen R.E.S.T Principle」はミニマルな4つ打ちで、これまでドレクシアを難解に感じていた人でも気に入ってもらえるのではないかと思います。個人的な意見なのですが、ドレクシアのイメージは、アメリカのSFホラー作家ラヴクラフトのクトゥルフ神話にぴったりな気がします。「クトゥルフの呼び声(The Call of Cthulhu)」あたりが映画化された際には、ぜひ採用していただきたいなと。

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Drivetrain / The Deepest Harmony Of Drivetrain (Soiree Records:SRCD 141)

★★★★★

デトロイトの老舗ハウス・レーベル「ソワレー(夜会)」の主催者、デリック・トンプソンがドライブ・トレイン名義でリリースしたレーベル・サンプラー的なミックスCD。いかにも老舗らしく、セオ・パリッシュやムーディマンのような実験的な部分のあるハウスというよりは、ジャズ、ファンク、ソウルといった伝統のブラック・ミュージックを受け継いだオールドスクールな内容。ヴォーカルものは少なく抑え目のトーンでストイックな印象ですが、どれもデトロイト・ハウス特有の極太で硬いキックとグルーヴィなベースで構成され、スムーズなロング・ミックスでじわじわと上げてくれます。収録曲は、1998〜2004年にソワレーからリリースされたデリック・トンプソン自身の作品が中心。最新作「Symphonium 4」収録の「One Wish」から、「Symphonium III」収録の「I Believe」、マイク・グランドのムーズ・アンド・グルーヴスにライセンスされた「Bonne Soiree」収録の「Moondance」など大人っぽくセクシーな印象です。なかでもエレガントなピアノやスキャットをフィーチャーした「Acid Ensemble」やウッドベースがジャジーな「Tell Me」はハイクオリティで特に印象に残ります。ラストの「Paradise Love」もレーベル名の通り「夜」を感じさせるしっとりとした名曲。何度聞いても聞き飽きない名作ミックスCDに仕上がっています。ちなみに、オンライン・レコード・ショップの「compufunk.com」でデリック・トンプソンが2004年に来日した際のDJミックスを聞けますよ。

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 E 

E-Dancer - Heavenly (Planet E:PE 65241)

★★★★☆

▼ケビン・サンダーソンのEダンサー名義(今のところ)唯一のアルバム。インナーシティやリース名義に比べると、ぐっとテクノ寄りの内容。独特な硬い音質はミニマル系のアーティストに強い影響を与えました。「Velocity Funk」、「World Of Deep」など未だにダンスフロアで聞ける名曲を収録。リミキサーとしてカール・クレイグ、ケニー・ラーキン、ダリル・ウィン(デリック・メイと共作したR-Tyme名義で有名)、ホアン・アトキンスが参加。それぞれの個性を発揮しています。中でも「Pump The Move」のケニー・ラーキンMIXは、いかにも彼らしい個性を発揮していて素晴らしいです。

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Envoy - Shoulder 2 Shoulder (Soma:Soma CD36)

★★★★☆

▼ファンク・ドヴォイドと並ぶソーマの代表的アーティスト、ホープ・グラント待望の新作(約6年ぶり!) ヴォーカルもサックスもプレイできる多彩な才能の持ち主ですが、本作でも遺憾なくその才能を発揮。中でも「Shoulder 2 Shoulder」は、ファンキーなビートとスラッピング・ベースにボコーダー・ボイスが載ったUR直系のコズミック・ダンス・トラック。ブレイクから入ってくるサックス・ソロは、まさに「Hi Tech Jazz」を連想させられます。「Move On」では、ポップなヴォーカル・トラックにも挑戦し新境地を見せています。

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Envoy - Where There's Life... (SOMA RECORDS:SOMACD11)

★★★☆☆

▼セイント・ヴィータス・ダンス、アーバン・グルーヴといった名義でも知られるホープ・グラントのエンヴォイ名義のアルバム。スラムやファンク・ド・ヴォイドで有名なグラスゴーのソーマ・レコーズからリリース。初期生産分は2CD(限定サンプラー付き)で非常にお買い得です。
▼つんのめるようなビートで突っ走る「WINDS OF CHANGE」 昔のローテーションを連想させる「BEAUTIFUL WORLD」「ICARUS' WINGS」(あそこまで速くないですが…)) ファンキーなサックスをフィーチャーした「SAXMAN」など、デトロイトからの強い影響を感じさせるテックハウスを展開しています。
▼サンプラー(6曲)もオマケと呼ぶにはもったいない内容です。「SEAWALL」は、タイトルどおり海岸から荒れる海を眺めているようなエモーショナルな曲。「LOVE SUITE 2000」(すごいタイトル…。HITOMIみたいですね)は手弾きのサックスフレーズが味わいのある哀愁テックハウス。
▼デトロイト・フォロワーの宿命なのか本家デトロイトのような「タメ」や「艶」は無く、軽めの乾いたビートや時々チープにも感じられるメロディなど物足りなくも感じられますが、これはこれでグラスゴーからデトロイトへの回答なのでしょう。自分は気に入っています。
▼ホープ・グラントといえばセイント・ヴィータス・ダンス(舞踏病!)名義の「COME OF AGE」も素晴らしいです。エモーショナルなデトロイト・テクノ(UR直系)を完全に自分のものにしています。「V.A. / DELETION 3(PEACEFROG)」に12"まるごと収録されていますので中古屋でお見かけの際にはぜひ手にとってみてください。
▼ちなみに彼はデイヴ・エンジェルの初期作品でサックスを担当していたとか。ローテーションの初期作品で聞けるエモーショナルなサックスはホープ・グラントの仕事だったんですね。

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 F 

Fabrice Lig - My 4 Stars (Kanzleramt:KA105CD)

★★★★☆

▼ファブリス・リグが、トランシーなダンス・トラックを連発するカンツェラムトから待望のアルバムをリリース。元々、傾向が似ている両者だけに、デトロイト・テイストな素晴らしい内容になっています。とくに表題曲「My 4 Stars」は、エモーショナルなヴォーカル・トラックで、後半に行くにつれて盛り上がる展開が感動的。パーカッシブなヒット曲「Los Picaros」も収録。ヨリス・ヴォーンやテクネイジア系のサウンドが好きなひとにお勧めします。

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Fabrice Lig - Roots Of The Future (Raygun Records:RG017 CD)

★★★☆☆

▼デトロイトに強く影響を受けた作風で、一躍人気アーティストとなったファブリス・リグの本人名義ファーストアルバム。まもなくカンツェラムトからセカンドもリリースされるようで、とにかく勢いがありますね。内容も相変わらず初志貫徹なデトロイティッシュ・テクノで素晴らしいです。
▼全編アッパーなフロア・ユース・トラックで、2002年にFコミからソウルデザイナー名義でリリースされた「Walking On A Little Cloud」に比べるとビートも重めに仕上がっています(もちろん“あの”ラテンパーカッションとローランドSH101は健在) 3曲目「Thru Your Soul」ではヴォーカル・トラックに挑戦しており、これがなんとも素晴らしい。ジャンルが細分化される前の90年代テクノの匂いがします。明るく爽やかでポジティブな印象です。
▼1972年生まれ、ベルギー人という経歴からもテクノとトランス(…といってもサイケデリックやユーロ・トランスではなく90年代初頭のジャーマン・トランス)が共存していた時代を体験しているんでしょうね。むりやりハジけてみたような姿勢が痛々しかったケン・イシイの「Future In Light」あたりに比べると、ストレートにデトロイトから受けた影響を表現しており好感が持てます。デトロイト・テクノ特有の粘っこいファンク臭やメランコリックな部分が好きな方には、白人フォロワー特有の“軽さ”が気になるのかもしれませんが、そんなことは関係なく素直に「質のいいテクノ」が聞きたい人、特に最近のカンツェラムト勢やテクネイジア、ファンク・ドヴォイドあたりが好きな場合は無条件でお勧めします。

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Focus - Sweet And Sour (Versatile:VERCD008)

★★★☆☆

▼フィル・アッシャーは、グローバル・ロジック、フラッシュ3000、エレクトリック・ソウル、レストレス・ソウルなど数々の名義でのリミックス・ワークやネイサン・ヘインズのプロデュースで有名なウェスト・ロンドンのDJ・プロデューサー。以前から、マッド・マイクの「Hi-Tech Jazz」から影響を受けたことを公言していることで一部のデトロイト・テクノ・ファンにも知られています。この作品は、フォーカス名義でフランスのヴァーサタイルからリリースしたファースト・アルバムで、ディープ・ハウス、ブロークン・ビーツといった得意なジャンルのサウンドを自分流に解釈したバラエティ豊かな内容になっています。冒頭の「Having Your Fun」はクラブで大ヒットしたそうですが、R&Bっぽいポップな曲でごく普通な感じ。キーボードでネイサン・ヘインズが参加した「Find Myself」は、正統派のディープ・ハウス。「China Bumps」は力強いブレイクビーツが印象的。デトロイト派には、12曲目「Hal」がお勧め。吸い込まれるようなコズミック・シンセ・サウンドが結構いい感じです。ウェスト・ロンドン系全般に感じることなのですが、もう少し粘っこさが欲しいような気がします(これが英国流なのだと思いますが…) どうせならマッド・マイクの「Hi-Tech Jazz」路線の影響を受けまくっている(らしい)ベーシック・ソウル名義の「Hi-Line」「Over The Moon」といった曲をCDで聞いてみたいものです(CDでは聞けないようです)

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Funk D'Void - Volume Freak (Soma:SOMA CD 35)

★★★☆☆

▼「Diabla」を大ヒットさせて一躍有名になったソーマの代表的アーティスト、ファンク・ド・ヴォイドのサード・アルバム。前作「DOS」もデトロイト調のスケール感のある音響処理とジャジーな楽曲で評判でしたが、今作も更にその路線を進化させて“グラスゴー流デトロイト・テクノ”とでも呼びたくなるような独自の個性を発揮しています。
▼1曲目「Emotional Content (Funk D'Void Remix)」がとにかくドラマチックで素晴らしい。ファンク・ド・ヴォイドお得意のヘビーなベースと次々に折り重なる美しいシンセ・サウンドが洪水のように押し寄せて、目一杯エモーショナルに聞いている人の感情を揺さぶってくれます。3曲目「Can't Get Enough Of A Bad Thing」は、マーク・ベルという男性ヴォーカルが歌うダンス・トラック。てっきり元LFOのマーク・ベルなのかと勘違いしてしまったのですが、どうやら同姓同名の別人(マーク“ブラックキャット”ベル)のようです。5曲目「Way Up High」と並んでいかにもイギリスらしいポップでドラマチックなテック・ハウスです。6曲目「All That Matters」も、浮遊感のあるシンセと腰の入ったベースがしっかりと躍らせてくれるダンスチューン。「Diabla (Heavenly Remix)」と「Jack Me Off (Old School Remix)」の過去ヒット曲で水増しして売り上げアップを狙っている(?)のはご愛嬌。勿論、どちらも良い曲ですので聴いておいて損は無いですよ(関係ないのですが「Diabla」のミュージックビデオが面白いですよ。チープな映像ですがオチが効いていて楽しめます)。
▼…それにしてもジャケットがひどいのはソーマの伝統なのでしょうか? これだけ素晴らしい内容なのにちゃらけた先入観を持たれてしまいそうな気がしますが…。もっとセンスの良いジャケットにしてアーティストの魅力が素直に伝わるようレーベル側は努力していただきたいものです(アーティスト自身の趣味なのかもしれませんけどね)

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 G 

Galaxy 2 Galaxy - A Hi Tech Jazz Compilation (Submerge:SUBJPCD004)

★★★★★+★

▼アンダーグラウンド・レジスタンスを率いるデトロイト・テクノの代表的アーティスト/プロデューサ、マッド・マイクの集大成「A Hi Tech Jazz Compilation」がついに登場しました(CD化は考えられないと)全てのテクノ・ファン、ハウス・ファンは元よりジャズ、ファンク、ソウルなどブラック・ミュージック好きにも無条件でお勧めできるスペーシーでソウルフルな名曲ぞろい。全曲ハズレなしです。「Nation 2 Nation」「World 2 World」「Galaxy 2 Galaxy」の三部作にプラスして「Millennium to Millennium」収録の「Timeline」とTimeLine名義の「Return Of The Drgons」、さらに新曲「Moma's Basement」「Afro's Arp's And Minimoogs」(シンセマニアはニヤリなタイトルですね)の2曲を収録したマッド・マイクのベスト盤といった内容。どの曲もコメントする必要がないくらい素晴らしいのですが、渋谷WOMBでライブ演奏を披露した「Return Of The Drgons」、女性のボイスサンプルが印象に残る「Somtimes I Feel Like」、生サックスがエモーショナルなハイテック・ジャズの原型「Nation to Nation」、ダイナミックなイントロで宇宙を駆ける「Jupiter Jazz」、男のロマンを感じさせる「Amazon」、瑞々しいイントロとマッド・マイクの手弾きサックスがジャジーなURの代表曲「Hi-Tech Jazz」、ホアン・アトキンスとの共作で故ブルース・リーに捧げた「Journey Of The Dragons」、URの楽曲中、最もロマンティックな「Star Sailing」、感動的なイントロとボコーダーボイスがファンキーな「Timeline」、ファンキーなギターとゴズペル調のヴォーカルがブラック・ミュージックを感じさせる「First Galactic Baptist Church」など、どれか一曲を選ぶのは不可能なくらい名作が揃っています。これと「LBH - 6251876 : A Red Planet Compilation」を持っていればマッド・マイクの素晴らしい仕事をほぼ網羅できますね。まさに2003年ごろから始まったデトロイト・テクノ・ブームの頂点と言えるのではないでしょうか。
▼で、さんざん聞き倒した感想なのですが、1枚目よりは新曲も含んだ2枚目の方が個人的には気に入ってます。1枚目の中では、「Return Of The Dragons」(エレピソロが印象的)、「Body And Soul」(URにしては珍しくインテリジェント系?というか初期のカール・クレイグっぽいロマンチックな曲)、「Nation 2 Nation」(ハイテクジャズに隠れてますが、これもスペーシーなサックスでとにかく気分を高揚させる名曲です)、今は亡きニュー・エレクトロニカのコンピ「Global Technological Innovations Unreleased-1」に収録されていた幻の名曲「A Moment In Time」、「Amazon」(3分弱に入るノイズも忠実再現…。これって原盤に入ってるんでしょうね)あたりが耳に止まりました。2枚目は、「Hi-Tech Jazz」「Journey Of The Dragons」「First Galactic Baptist Church」あたりは別格として、「Windchime」(涼しげなウワモノが印象的)、藤原大輔が参加して注目の「Moma's Basement」は、ちょっと手数が多いかな?と個人的に感じました。マッド・マイクがジミヘンばりにギターをかき鳴らしているのが面白いんですが、余りにもジャズ、ファンク路線により過ぎていてお腹いっぱいな印象。それよりも「Afro's Arp's And Minimoogs」の方がチープなイタロ・ディスコ調で面白いですね。
▼総じて言えることですが、やはりマッド・マイクの曲はイントロがずば抜けてかっこいい! 特に「Jupiter Jazz」「Amazon」「Hi−Tech Jazz」「Timeline」「Inspiration」あたりは、一度聞いたら忘れられないはずです。イントロもアウトロもブツ切りが当たり前のテクノ、ハウスの楽曲としては極めて異色というか、ファンカデリックでベースを担当していたことがあるほどの音楽的素養に満ちたマッド・マイクだけに、単なるベッドルーム・テクノとは一線を画していると言えますね(相変わらずキックだけはTR-909一辺倒ですが。これもまた頑固なマッド・マイクらしいかも)

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Gary Martin - Viva La Difference (Exceptional:EXLPCD0301)

★★★☆☆

▼テクノティカ、ジジ・ギャラクシー名義で強烈な個性を発揮しているゲイリー・マーティンのファーストアルバムが、ススム・ヨコタ、ケン・イシイ、石野卓球など、やたら日本人アーティストの作品をリリースするエクセプショナルから登場。ダンスする女性を“炎”に見立てたジャケットは、ゲイリーの変わらぬダンスミュージックへの情熱を表現しているのでしょうか?
▼全編あいかわらずのミニマル+エキゾチカ&トライバル風味。クラブヒットした「Casa Caugat(Prime Time Mix)」はブレイクで音が止まるところがかっこいい。あからさまなラテンやオリエンタルではなくどこか品のいいところがゲイリー印? …かと思えば「Geisha Supreme」や「Mambo Elektro」など何か勘違いしているようなタイトルの曲も…(これまたいい感じ) 60年代エキゾチカそのまんまな曲も収録。デトロイト・テクノ的なエモーショナルな部分は皆無ですが面白い音を探しているにおすすめします。

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Gary Martin / Mix CD Recorded May 17,2003 (Teknotika Records:?)

★★★★☆

▼何やら出所が怪しげなDJミックスCD。セオ・パリッシュのミックスCD同様にCD-Rで型番は不明。曲名リストもなし! シスコのレビューによるとゲイリー・マーティンが来日した際に自分で持ち込んだものなんだそうで、シスコでしか手に入らなかったらしいです。ペラペラのジャケットとメールアドレスがウェブメール(hotmail)なのが、いかにも手作りっぽい感じでアンダーグラウンド感ありまくり。装丁はチープですが中身は素晴らしい。いかにも彼らしい音圧のあるパーカッシブな曲を緩めのテンポでじわじわ上げて行きます。ポイントで「Casa Caugat」のような自身のヒット曲を持ってくることも忘れていません。後半のエキゾチカでディスコな雰囲気も妖しくて良いです。それにしても、ゲイリー・マーティンというアーティストは、個人的に物凄く気になる存在なのです。あの独特なアートワークや本人も含むテクノティカ所属アーティストの強烈な個性(ピーターみたいなシモーン・スターやジゴロからのリリース経験もあるDJバリウム)、ダークでシリアスなデトロイト勢から一歩引いたような悪ふざけ寸前の曲(Geisha Supremeとか)など、どれも他のデトロイト・テクノ・アーティストに負けない強烈な個性を発揮していると思います。新曲もどんどんリリースしているようなので今後にも大期待(テクノティカのレーベル・サイトがずっと消えたままなのが気になりますが…)

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Glenn Underground - The Jerusalem EP's (Peacefrog:PF066CD)

★★★★☆

▼出す作品すべてハズレなし! シカゴ・ハウスの実力派アーティスト、グレン・アンダーグラウンド(名前までカッコいい!)がピースフロッグからリリースした傑作EP。初期は、ドナ・サマーネタの「I Feel Dub」など、いかにもシカゴっぽいアンダーグラウンドなディスコ・ハウスをリリースしていましたが、キャリアを重ねるうちに生楽器を多用した70年代のファンク・ソウルを彷彿とさせる作風に変化して現在に至っています。この「The Jerusalem EP's」では、横ノリの素晴らしくジャジーでスムーズなディープ・ハウスを披露。幼い頃からキーボードを演奏しているだけあって見事なメロディを奏でており、シカゴ・ハウスにありがちなチープな感じは全くありません(ゲットー・ハウス路線も個人的には好きですが) URの「〜2〜」シリーズや「Return Of The Dragons」が好きなひとに特にお勧めします。

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 H 

Hanna - Contemplating Jazz (Track Mode:TMCD 1002)

★★★★★

▼一時期はドラムンベースに走るなどイマイチ自分の作風を確立できていなかったハナことウォーレン・ハリスが、ニューヨークのディープ・ハウス・レーベル「トラックモード」からリリースした傑作アルバム。レーベルメイトのラリー・ハードの作風にも通じるジャジーなディープ・ハウスは、ビートダウン系のデトロイト・ハウスが好きなひとも大満足のはず(トラックモード自体がデトロイト・ハウスと深い関係にあるレーベルです) 微妙に外したキックの打ちこみとファンキーなチョッパーベース(?)は、元ジャズミュージシャンらしい実力を感じさせる素晴らしさ。1曲目には日本人女性のナカハマイトコさん(友人? 彼女? 奥さん?)も参加しています。そういえば、ダン・カーティンとのユニット「キー・オブ・ソウル」の作品にもヴォーカルとして登場していましたよね。

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Hanna - Exquisite Style (Deep Departures:DEDECD001)

★★★★☆

▼とにかく多作で毎回レーベルを変えるハナの最新アルバム。今回はダン・カーティンやティトントン・デュバンテもリリースしているカナダ・トロントのディープ・ディパーチャから。硬質なベースと広がりのあるフュージョン・テイストのシンセが相変わらず美しいです。イントロは、やはり「Hanna…」のボイスサンプル。何かこだわりでもあるのでしょうか。「Only Love」「Sprinkle Grace」「Intercession, On Behalf」あたりは、もはや「ハナ節」とでも形容できそうな素晴らしいディープ・ハウスです。個人的には「You」が気に入りました。全体にきれいにまとまりすぎていて少し新味も打ち出してほしい気がしますが、デトロイト・テクノから範囲を広げてディープ・ハウス、フューチャー・ジャズ系に手を広げようとしているひとには最適だと思います。特にラリー・ハード好きには堪らないでしょう。

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Hanna - Glamorous (Separe:SEPARECD1)

★★★★☆

▼前作「Contemplating Jazz」がとにかく素晴らしかったハナの新作がドイツのディープ・ハウス・レーベル「セパレ」から登場(毎回違うレーベルからリリースしてますね) ジャジーで大人の色気を感じさせる作風は健在で、とにかくいいアーティストになったなぁと感無量です。ジャケットやタイトルに負けず、内容もセクシーなディープ・ハウス。冒頭が前回と同じく「Hanna〜」というサンプリングなのが笑えますが、2曲目「Copasetic」は相変わらずビートの抜き差しが個性的で面白い。ビートダウンやディープ・ハウス好きは必聴の傑作です。

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Hanna - Severance (Sublime Records:SBLCD5030)

★★☆☆☆

▼勤務先の楽器店にダン・カーティンが来店したことがデビューのきっかけとなったハナことウォーレン・ハリス。当時ダン・カーティンを始めとしてデトロイト・テクノの紹介に熱心だったサブライム・レコードからのデビューアルバムです。いかにもローランド系のDTM音源で作りました…という感じの乾いた音で少々色気が足りませんが、1曲目の「Ghost」あたりは、はつらつとしてデトロイト・フォロワーには珍しい「明るさ」を感じます。元々ジャズミュージシャンとしてキーボードを弾いていた経歴の持ち主なので、まずは「打ちこみの腕試し」といったところでしょうか。

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Heiko Laux - Ornaments (Kanzleramt:KA69CD)

★★★★☆

▼アレクサンダー・コワルスキやディエゴといった才能を輩出するドイツのテクノ・レーベル「カンツェラムト」 「ダークなミニマルをリリースするレーベル」といった印象が強いですが、最近はデトロイト・テクノの影響を受けたと思われるトランシーなダンス・トラックを中心にリリースしています。
▼この作品はレーベルオーナーのハイコ・ラウによる、まるで初期のカール・クレイグが乗り移ったかのような素晴らしいディープ・テクノ・アルバム。ほのかなジャズの感触とエモーショナルなシンセの使い方は、単なるフォロワーでは片付けられない才能を感じさせます。ドイツ人らしい丁寧な作りこみも美点のひとつ。
▼表題曲「Ornaments」は、生サックスのフレーズが印象に残る名曲。映画のワンシーンを連想させるようなドラマチックな展開が胸を打ちます。ハイコ版「At Les」とでも表現したくなる素晴らしい音楽性。これを聞くためにアルバムを買っても損した気分にはならないと思います。
▼タイトルを見てにやりとする4曲目「Making It Detroit」 どうやらこの人もデトロイト病患者のようですね。ファンキー&アシッドなベースラインが耳に残るダンストラックで、後半に挿入される荘厳なパッドがデトロイトしてます。6曲目「Tangoamt」は「カール・クレイグの未発表曲」と言われたら素直に信じてしまいそうなくらい音の使い方が似ています。騙されたと思って聞いてみてください。
▼10曲目「Kick And Kiss」 これもまた初期カール・クレイグ直系の「感情に訴えかける」素晴らしいトラック。ジャジーなベースラインとクールなシンセフレーズは、まさに「永久に残るような」深い音楽性を感じさせます。曲終了後に、8分ほどのインターバル(ハイコが来日した際に東京の街中で録音した雑踏のサンプル)を挟んで、シークレット・トラック「The Silent Bass」収録。これもまた素晴らしいとしか言いようのないデトロイト・トラック。お聞き逃しなく!

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Heiko Laux presents - Offshore Funk (Kanzleramt:KA099CD)

★★★☆☆

▼前作「Ornaments」で素晴らしい音楽性を披露してくれたカンツェラムトのオーナー、ハイコ・ラウとベルリン在住のジャズ・ミュージシャン、テオ・シュルテのユニット「オフショア・ファンク」 いかにもドイツらしい音圧と硬質なシンセ・サウンド、もはやカンツェラムトのお家芸となったデトロイト・テイストのウワモノ、空間を感じさせる素晴らしい音響処理をベースに、ジャズ、ロック、ラテン、ハウスを彼ら独自のフィルターに通して消化した素晴らしい内容。実験的な部分を見せながらもフロア・ユースも忘れないバランス感覚も特筆ものです。
▼印象に残った曲を挙げてみると「Still Lively (Album Mix)」はトランシーなシンセサウンドが印象的。「Offshore Jazz」は、パーカッシブなビートとジャジーなアレンジが楽しい曲。美しくファンキーな「Santa Maria (Album Mix)」は、後半のキックが徐々に聞こえてくるところが素晴らしい。「Best Of All Worlds」はエモーショナルなパッドが90年代初期のデトロイト・テクノを連想させるみずみずしい名曲。壮大な宇宙を感じます。「Palm Cove」はリズムは極太ですがウワモノは穏やかなハウスっぽい曲。これもスペーシー。「Dude Loco」はファンキーでジャジーな曲。生っぽい打ちこみがかっこいい。「Diminuendo」は、アルノ・ズックニックのギターが鳴り響くクールかつディープなダンス・トラック。どこを切り取ってもオリジナルな世界。素晴らしい!

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Hipnotech - Tech-Hop Concepts (Hipnotech:HRCD 2020)

★★★☆☆

▼ヒプノテック・レコーズはアブストラクト・ヒップホップをリリースするURのサブレーベル。レーベルオーナーのダーンナック(ヒプノテック名義でリリース)を中心にデトロイト在住の無名に近いアーティストの作品をマイペースでリリース。レコード裏面のURロゴの下にある「DESCENDANTS OF THE RESISTANCE(レジスタンスの子孫)」というテキストが泣かせます。このCDはヒプノテック「Hip Hop Beats」のvol.1〜5収録の曲に未発表曲を追加したベスト盤です。
▼…悲しいことに、デトロイト・テクノ好きからは「ヒップホップはちょっと…」、ヒップホップ好きからは「テクノ野郎が作ったヒップホップなんて…」と敬遠されて全く注目されていない…ように思えます(あくまで推測ですが) しかもこのアルバムのジャケット、私が持っているCDの中でも1、2を争うひどいデザインです。VESTAXのDJミキサー、AKAI MPC2000、ROLAND MC-505、SL1200MK3(スリップマットはUR)、EMU-SP1200(ヒップホップの定番サンプラー)といった機材の写真を適当に並べてパワーポイントで5分で作ったようなデザイン…。これじゃ売れんわな。
▼しかし内容は素晴らしい! ノンボーカルで徹底的にストイックなブレイクビーツは、DJクラッシュやDJシャドウ、アンクルといったモ・ワックス系のアブストラクト・ヒップホップが好きなひとにはたまらない内容だと思います。荒れてざらついた音質はまさにURそのもの。とにかくかっこいいです。ビートに縛られない聞き方のできるひとに特におすすめします。

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 I 

Ian O'Brien - Desert Scores (Keep Diggin:KEEPCD003)

★★★★☆

▼イアン・オブライエンのファーストアルバムが待望の再発。当初は、ラス・ガブリエルのフェロックス・レーベルからリリースされていましたが、残念ながら同レーベルが活動を休止したため廃盤になっていました(かなり良いレーベルだっただけに残念です) このアルバムは、ジャズテイストが強まった近年の作品に比べると、彼の作品中、最もエレクトロニック色が強くハウス・テクノ寄りの音になっています。フェロックス盤から一部内容が変更になっていて、ジャケット・デザインが「ベドウィン(アラブの遊牧民)」から「サハラの砂虫(?)」に変更(昔に比べると安っぽい…) 「The Man Fron Del Monte (A Fantasy Theme)」→「Monkey Jazz」と収録曲も一部変更されています。
▼マッド・マイクへの愛情をストレートに表現した「Mad Mike Disease」、これまたストレートにURへのリスペクトを表明した「Monkey Jazz」など、デトロイト・フォロワー的な部分が注目されがちな同アルバムですが、これ以外は、ウェザーリポート、ハ−ビ−・ハンコック、チック・コリアといった70年代フュージョンの影響を強く感じさせるダウンテンポな楽曲が多く収録されています(3拍子の曲もアリ) 取り合えず「Monkey Jazz」新録は、デトロイト・テクノ・ファンにとって朗報と言えるでしょう。浮遊感のあるパッドサウンドと手弾きのシンセフレーズが後半に行けば行くほど盛り上がる展開は、余りにも良すぎて感動の涙が出るはず。 ついでに4thウェイブからリリースされた「Tattoo Jazz」(傑作!)も収録してくれれば完璧だったのに…。

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Infiniti - The Infiniti Collection (Tresor:Tresor 048 CD)

★★★★☆

▼ホアン・アトキンスがインフィニティ名義で、トレゾー、ニューエレクトロニカ、ピースフロッグといったレーベルからリリースした作品を集めたベスト盤的なアルバム。この名義ではモデル500に比べるとミニマルっぽい正統派4つ打ちテクノを展開。いかにもデトロイトらしいストレンジなウワモノとヨーロッパ的な硬いビートがクール。どの曲もしっかり踊らせてくれます。
▼後の「I Wanna Be There」に通じる浮遊感が心地よい「Flash Flood」、チープなウワモノがモデル500を彷彿とさせる「Sunlight」、雨音のようなシンセが印象的な「Raindrops」、オーランド・ヴォールンとの共作「Game One」など、後半に行けば行くほど盛り上がるダンス・トラックが満載です。

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Inner City - Big Fun (Virgin Records:2-91242)

★★★☆☆

▼インナー・シティ(ケヴィン・サンダーソン&パリス・グレイ)のデビューアルバム。E-ダンサー、リーズ・プロジェクトなど、様々な名義で活動するケヴィン・サンダーソンですが、このプロジェクトでは最もメジャー寄りな展開を見せています。本作に収録された「Big Fun」「Good Life」「Paradise」は、一時期、UKのヒット・チャートにも登場し、おそらくデトロイト・テクノ(ハウス)史上、最も売れたアルバムだと思われます(実際、中古CD店でも頻繁に見かけますね) ジャケットといいサウンドといい、かなり時代を感じさせますが、ホアン・アトキンスがプロデュースを担当した楽曲は、かなりポップでディープなデトロイト・テクノとは違った魅力を感じます。なぜか、日本ではエイベックス経由で知られるようになったため、「avex dance net'96 in VELFARRE」みたいなCDに、カペラやジョン・ロビンソン(100円中古CDコーナーの常連)と並んで収録されているのが笑えます。

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Inner City - Good Life 99 (Buena Vida) (SONY)

★★★★☆

▼インナーシティは、ケヴィン・サンダーソン&パリス・グレイのデトロイト・ハウス・ユニット。彼らの代表曲「GOOD LIFE」(88年)を長年の盟友トミー・オニックスがリプロダクション。歌詞が全てスペイン語になりラテン度も夏度(?)も大幅アップしました。
▼このCDは2曲入りのマキシシングル。同タイトルの「REMIXES」と称する日本独自企画盤もありますが、最初はこちらをお薦めします(カール・クレイグのリミックスは好きですけどね) なんといっても「GOOD LIFE 99 - BUENA VIDA - (TOMMY ONYX'S SUMMER FIESTA RADIO EDIT)」が最強。哀愁を誘うイントロのギター・フレーズ。BPM速目(130前後)のドラマチックな展開。うねるようなアシッド・ベース。真夏の屋外でこれを聴いたら間違いなく涙…でしょう。ラジオ・エディットなので収録時間が短いのが残念です(フル・バージョンはイントロが地味だし…)
▼カップリングとしてブレイクビーツを使った「WAY OUT WEST RADIO EDIT」(英国人のハウス・ユニットらしいです)というのも収録されていますが、やっぱりトミー・オニックス作の方が熱いなー(悪くは無いんですけどね)

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Inner City - Good Life: The Best of Inner City (KMS:KMS CD4)

★★★☆☆

▼ケヴィン・サンダーソンの代表的プロジェクト「インナーシティ」待望のベスト盤。ポップでソウルフルで泣けて(ややベタでチープな)デトロイト・ハウスを堪能できます。ちなみに“Inner City”を英和辞典で調べてみると「都心部の過密地区、スラム街」との解説が。つまりは彼らが拠点とするデトロイト市の中心部を表したユニット名なのです。
▼デトロイト・テクノ関連のアーティストでは最も有名かつ世界的なヒットを飛ばしただけに、ベスト盤も「Big Fun」、「Good Life」、「Hallelujah」、「Praise」、「One Nation」といったヒット・シングルをほとんど収録。ケヴィン・サンダーソンの才能とパリス・グレイの素晴らしい歌声を堪能できます。特に「Praise」が透明感にある落ち着いたハウスで素晴らしい。必聴です。それにしても契約問題で未だに完成しない新作アルバムはいつ登場するのでしょうか?

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Inner City - Praise (Ten Records:DIXCD 107)

★★★★☆

▼ケヴィン・サンダーソンとパリス・グレイのインナー・シティの(現時点では)最新アルバム。…とはいえ1992年のリリースなので、12年間も新作アルバムをリリースしていないことになります。数年前までは「新作を制作中」との話題(ケヴィン本人がインタビューで語っていた)がありましたが以後全く音沙汰なし…。デトロイト勢にありがちな契約トラブルに巻き込まれてしまったのでしょうか? それはさておき、この「Praise」は、インナー・シティのアルバムの中ではいちばん良いです。特に表題曲「Praise」は、抑えたトーンで静かな力強さを感じさせるハウス。この曲のリミックス「Praise (Mayday Mix)」がさらに素晴らしく、ほとんどステイシー・パレンの手による作品らしいのですが、原曲のボイスサンプルをうまく使ったエモーショナルな傑作でした(残念ながら本作には未収録) 同じ路線の「Hallelujah」もなかなか良いです。ジャケットも渋くてお気に入り。そういえば、発売当時、国内盤もリリースされていましたね。

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 J 

Jamie Anderson - Blue Music (NRK SOUND DIVISION:NRKCD 009)

★★★☆☆

▼自らのレーベル、アートフォームを中心にデイヴ・エンジェルのローテーションやNRKでも活発に活動するジェイミー・アンダーソンのファーストアルバム。彼の作風は往年のデイヴ・エンジェルを彷彿とさせるデトロイティッシュなテック・ハウス。フォロワー特有の「音の軽さ」も感じますがこれはこれで悪くないです。ちなみにCDJでピッチを+10にすると完全にデイヴ・エンジェル化。お試しください。

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Jeff Mills - At First Sight (SMEJ:SRCP-362)

★★★☆☆

▼これまでのハード・ミニマル路線から徐々に音楽的なアプローチを強めてきたジェフ・ミルズの原点回帰作。「The March」に見られるように、ストリングスを多用した初期のデトロイト・テクノを連想させるエモーショナルなトラックを収録。URを脱退後、ニューヨーク、ベルリン、シカゴと拠点を移しながら強固なポリシーに基づいた独自の世界を貫いているジェフ・ミルズですが、ここに来て原点のデトロイト・テクノに戻ってきたという事実は何とも感慨深いものがあります。UR時代の名曲「The Punisher」の続編「Punisher: Last Confession」も聞きどころのひとつです。

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Jeff Mills - Every Dog Has Its Day (SMEJ :7243 8 1055021)

★★★★★

▼ハード・ミニマルな作風で知られるジェフ・ミルズのアナザーサイド。優しく優雅なハウス・トラック集(アンビエント少々?) BPMは110〜130くらい?
▼タイトルを直訳すると「全ての犬にその日が来る」 ここでいう「犬」とは「人間」のメタファーらしい。「全ての人間に(願いがかなう)その日が来る」 ジェフ・ミルズ流元気ソングなのですよ。これは。
▼女性ヴォーカルハウス「NOW IS THE TIME」 この曲が心の琴線に触れた! 流麗なウワモノに素晴らしいヴォーカル。何度聴いても飽きない。聴くたびに希望がわいてくる。ハイテク・ジャズなみの名曲だと個人的には思っているのですが?
▼タイトルどおり渋谷の街頭で収録したサンプル音を使った「SHIBUYA-KU」はちょっと笑ってしまう。聴けば分かると思いますが、これでよかったのか???
▼「PACIFIC STATE OF MIND」は、デリック・メイの「NUDE PHOTO」と同じネタを使ったハウス。これものびやかで心地よい。
▼ハードでダークでミニマルなジェフ・ミルズを期待すると肩すかしを食らうかも。そういった音を求めるひとには本人名義やパーパス・メイカー名義をお薦めします。

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Jeff Mills - Live at The Liquid Room (REACT:REACTCD077)

★★★★★

▼ジェフ・ミルズが新宿リキッドルームで披露したDJプレイをライブ録音した歴史的名盤(歓声つき) デトロイト・テクノファンはもとより全テクノファン必携のMIX-CDです。自らの曲を中心にハード・ミニマルを次々と怒涛のごとくミックスしていく様はド迫力。「ウィザード」の名に相応しい内容です。特に後半の「Strings Of Life」の使い方は何回聞いてもハッとさせられるものがあります。石野卓球監修のDJMIXシリーズ「Mix Up Vol.2」として国内盤が出ていましたが残念ながら現在は廃盤…。こちらのリアクト盤(UK)をおすすめします(ジャケもこっちの方がかっこいいですしね。実は国内盤も裏返すと同じデザインです)

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Jeff Mills - Purposemaker Compliation (REACT:REACT CD 126)

★★★★★

▼ジェフ・ミルズのダンストラックを聞きたいならこのCDがおすすめ。パーパス・メイカー(意思の造物主?)は、DJ向けに特化したダンストラックをリリースするレーベルで、「PURPOSE MAKER COMPILATION」はレーベル初期の名作を網羅したベスト盤的な内容。「THE DANCER」「THE BELLS」「ALARMS」など未だにクラブで使われ続ける名作・ヒット作が満載。デトロイト・テクノ好きなら必ず持っていてほしい必聴盤です。パーパス・メイカーに共通する“手”“腕”のジャケット・アートが意味深で印象的。
▼ハード・テクノ、ミニマル・テクノがかかるクラブに行くと必ず1度は聞けるヒット作ばかりなので、わざわざ解説するのもおこがましいのですが取りあえずご紹介。ざらついた独特の音質、パーカッシブで力強いビート、麻薬的なリフが、パーパス・メイカーからリリースされる作品の共通点。1曲目「THE DANCER」は、大ヒットしたパーパスメイカーの1番から収録。印象的なベースラインと太いリズム。フィルタでいじりまくったトランシーなボイスサンプル。めちゃくちゃカッコいいです。2曲目「CASA」は、レーベルスタートの発端となったアクシス11番「THE PURPOSE MAKER」から収録。あの「MIX-UP VOL.2」でも使われた名作です。これもトライバルっぽいリズムに独創的なタイミングでウワモノが重なる素晴らしい作品。
▼3曲目も「MIX-UP VOL.2」でも使われた大ヒット作「THE BELLS」 力強い4つ打ちキックに“ベル”のようなシロフォンが、不安感と高揚感を同時に誘う麻薬的なミニマル作品です。5曲目「ALARMS」も超名曲(こればかり…) アラームのようなリフが延々と繰り返されるハード・ミニマル・テクノ。シカゴっぽいサンプルと適切な音の抜き差しがあいまって素晴らしくダンサンブル。一瞬、音が止まるところが最高にクールです。6曲目「OUTSIDERS」は「CASA」に似たトライバルなミニマル・テクノ。9曲目「PARADISE」はディスコちっくな音づかい。あの“パラダイス・ガレージ”に捧げた…というのは深読みしすぎでしょうか? 10曲目「MASTERPLAN」は、珍しくブレイクビーツ的なつんのめるリズム。13曲目「TANGO」はタイトル通り、タンゴのサンプルをパーカッションに使ったジェフ・ミルズ版「SALSA LIFE」 ラテン風味にも関わらずちゃんとミニマルしているところはさすが。
▼実質、ジェフ・ミルズのアルバム3枚目といっても良い内容なのに、なぜか国内盤はリリースされませんでした。もったいない…(リアクトは「MIX-UP VOL.2」の海外盤もリリースしているレーベルなんですけどね…) まだ持っていないひとは、ぜひとも輸入盤を見つけて聞いてみてください。

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Jeff Mills - The Art Of Connecting (NEXTERA:ERA 2001CD)

★★★☆☆

▼ニュージーランドのレーベルからリリースされたジェフ・ミルズのベスト盤(相変わらずの放浪癖ですね) 「Gamma Player」、「4 Art」、「Pacific State Of Mind」、「The Bells」、「UFO」など、優雅なハウスからお得意のハード・ミニマルまで新旧問わずバラエティ豊富な内容。とりあえず持っておいて損は無い内容です。ジャケット・デザインがこれまでのグレー系から一新されたのはなぜ?(少し手抜きっぽい感じも…)

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Jeff Mills - The Other Day (SME:SRCS 8291)

★★★★★

▼アクシスの初期作品を集めたベスト盤的アルバム。「Gamma Player」、「I9」、「Growth」、「Man From Tomorrow」、「Spider Formation」、「Humana」といったテクノファンならで1回はクラブ耳にしたことのある名曲が満載。特に「Spider Formation」は彼の作品中ベストといえる名曲。ジェフ・ミルズファンなら必ず持っていたい1枚です。モノトーンのクールなジャケットデザインも素晴らしい。

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Jeff Mills - Waveform Transmission Vol. 1 (TRESOR:Tresor011CD)

★★★★☆

▼ハードコアなミニマル・テクノで世界に衝撃を与えたジェフ・ミルズのファースト・アルバム。1曲目「Phase 4」を初めて聞いたときは「こいつ狂ってる…」と思いました(いまではフツーに聞けますが…) ジェフ・ミルズが最もとんがっていた時代の作品で、ルーク・スレイター、サージョン、オリバー・ホー等々ありとあらゆるミニマル系アーティストに多大なる影響を与えた傑作です。一度聞いたら忘れられない名曲「Changes Of Life」収録。印象的なピアノフレーズは、ヒプノティスト「 The House Is Mine」からのサンプリングです。

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Jeff Mills - Waveform Transmission Vol. 3 (TRESOR:Tresor025CD)

★★★☆☆

▼ウェイブフォーム・トランスミッションシリーズの3枚目。基本的には「Waveform Transmission Vol.1」をさらに進化させた内容。世界中にフォロワーを生み出したハード・ミニマルの最高峰です。「The Extremist」、「Life Cycle」、「Basic Human Design」等の意味深なタイトルからもジェフ・ミルズの世界観がうかがえます。クールなジャケットデザインもかっこいい。このあたりからトレゾーはハード・ミニマル路線を突き進んでいきます。

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Jeff Mills / Exhibitionist(CD) (Axis:AXCD001)

★★★☆☆

▼世界最高のハード・ミニマルDJ、ジェフ・ミルズ待望のミックスCD第2弾。新宿リキッドルームでのDJを収録した「Mix-Up Vol.2」は、何回聞いても震えが来るほど(特に「Strings Of Life」がかかるところ!)素晴らしい内容でしたが、リリースされたのは1996年…。いつの間にか8年も経っていたのですね。今回のミックスはライブではないそうなので、歓声が気に入らなかったひとも安心です(自分は歓声入りの方が好きですが) 内容は同時リリースのDVDに収録される「Exhibitionist Mix」のロング・ヴァージョンだそうです。ジェフ本人の曲はもちろん、オリバー・ホー、サミュエル・L・セッションズ、オクターヴ・ワン、モニカ・クルス、ジョン・アーノルド、ポール・マック、ゲイリー・マーティン、DJラッシュ、DJザンク(!)といった豪華なメンツの楽曲を収録。とどめはアズテック・ミスティック(DJロランド)「Aguila」ですよ! 全45曲。72分。買うしかない!!

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Jeff Mills / Exhibitionist(DVD) (Axis:AXDVD001)

★★★★☆

▼ジェフ・ミルズ初のDVDがついに登場! アクシス、パーパスメイカー、トゥモローの各レーベルをミックスした4種類のDJセットを収録。「露出狂」というタイトルどおり、“ウィザード”の異名を持つ世界最強のミニマルDJのテクニックを余すことなく映像化。さまざな視点から好きなだけ見放題だそうです(手元のアップも可能とか!) しかもジェフ本人へのインタビューやメイキング映像、ランダム・ノイズ・ジェネレーション(430ウエストのレニー・バーデンとローレンス・バーデンの兄弟ユニット)との共演など貴重な映像を240分も収録。もちろん日本語字幕付きです。これは買うしかない!!

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John Beltran - 10 Days Of Blue (PEACEFROG:PF049CD)

★★★★☆

▼デトロイトの“せつなさ”名人ジョン・ベルトランの2作目。前作よりもずっとアンビエント感を増しての登場です(タイトルもジャケットもアンビエントしてますね) 1996年のリリース後、入手困難な状況でしたが、2003年にめでたく再発されました(昔は、ピースフロッグが再発するなんて考えられませんでしたが…)
▼1曲目「Flex」は、いきなりインダストリアルなブレイクビーツで意外な印象。昔のエイフェっクス・ツインっぽいです。2曲目「Collage Of Dreams」は、お得意のラテン・ギターに重厚なパッドがのるダウンテンポ&ノンビートな曲。3曲目「Gutaris Breeze (6000 KM To Amsterdam)」もラテン風味。「ギタリストのそよ風(アムステルダムまで6000キロ)」って…?(ツアー中に作ったのかな?) 4曲目のアルバム表題曲「Tendays Of Blue」は、穏やかなリフが延々と続くアンビエントの傑作。5曲目「Venim And Wonder」は、「Earth And Nightfall」のリメイク風。変則的なビートが印象に残ります。6曲目「Deluge」は、ビートが強めなギターをフィーチャーした曲(「強め」といっても相当控え目ですが…) 8曲目「Soft Summer」は、浮遊感のあるミニマルなアンビエント(?)です。
▼前作に比べると曲ごとのバリエーションが少なくなり、ビートレスな曲の割合も多くなっています。それ故、1曲ごとの印象は弱まりましたが、全体を通して漂う「浮遊感」「哀愁」は相変わらず素晴らしいです。チルアウトしたいときのBGMにおすすめ。

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John Beltran - Americano (EXCEPTIONAL:EXLPCD0201)

★★★☆☆

▼活動拠点をデトロイトからマイアミに移してぐっとラテン濃度を増した内容。「Earth & Nightfall」に比べるとご本人も垢抜けましたね。シングルカットされた「Caboclo」は、ラテンギターとサックスがからむセクシーなディープハウス。その他の曲もラテン&ジャズ風味で統一されています。デトロイト色は薄いですが哀愁のメロディは健在です。

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John Beltran - Earth And Nightfall (R&S:RS 95 072 CD)

★★★★★

▼休日、バス釣りに来たおっさん(45歳、カナダ人)といった風なジャケ写が買う気を萎えさせますが、実はジョン・ベルトランのファーストアルバムかつデトロイト・テクノ史上に残る傑作。なんとなく買うのを敬遠していたひとは今すぐCD屋にダッシュ! 彼のアルバム中もっともビートが強調されていて、ストレートなデトロイト・テクノを展開しています。
▼デトロイト・テクノの“せつなさ”“哀愁”といったセンチメンタルな部分を表現させると、ジョン・ベルトランの右に出る者はいないでしょう。プエルトリカンらしくラテン・ミュージックの影響も感じさせるメロディ(生ギターも多用) ストリングスやパッドの使い方も、デリック・メイやカール・クレイグ以上にエモーショナルです。レトロアクティヴ(カール・クレイグがプラネットEより以前に運営していたレーベル)からのデビューは、だてじゃないですね。
▼1曲目「Blue World」のせつないイントロから、ジョン・ベルトランの世界に引き込まれます。心に染みわたるストリングス…。素晴らしいです。4曲目「Sub-surface」は、波音、海鳥の鳴き声に生ギターの調べが重なる、映画のワンシーンを連想させるような曲です。ビートレスで、すでにテクノの範疇からはみ出しているような気もしますが、とにかく美しい世界観を構築しています。5曲目「Earth And Nightfall」は、かの「The Deepest Shade Of Techno」にも収録された名曲。宇宙を感じさせる壮大な曲です。6曲目「Mutualism」は、「共棲」という意味深なタイトルが気になります。8曲目「Anticipation」は、アンビエントな虫の声(?)と、美しいシンセ・フレーズが重なるエモーショナルな曲。10曲目「Fragile Interlude」は、ビートが強調されていてフロアでも使用可能な正統派デトロイト・テクノです。11曲目「Aquatic」も同様にビートが強調されていますが、一転してサバーバン・ナイト的なダークな世界観。それでもベルトランらしく上品ですが。12曲目「Vienna」は、ウィーンを訪れたときのスケッチ? ホテルの窓から雷鳴鳴り響く雨空を眺めているとクラシックの旋律が…。
▼このアルバムを一文で表現すると「淡く儚い夏の夢」といった感じでしょうか。激しいダンスには向きませんが、チルアウトには最適です。蒸し暑い休日の午後、聞いてみてください。きっと心地よくすごせるはずですよ。

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Joris Voorn - Future History (Sino:SINO101CD)

★★★★☆

▼「Lost Memories Pt.2」収録の「Incident」が大ヒット。オランダの新星、ヨリス・ヴォーンがテクネイジアのサブ・レーベル「Sino」よりリリースした待望のファースト・アルバム。最近には珍しくストレートな「これぞテクノ」といったサウンドで、テクノ初心者からマニアまで万人にお勧めできる素晴らしい内容。デトロイトの影響を強く受けながらもビートはミニマルで力強くまさにテクネイジア直系の音。全20曲がノンストップで収録された統一感のある構成で先行シングル「Missing」「Shining」「Incident」も収録されておりお買い得感も高いです。注目すべきは、やはり4曲目「Incident」で、リーズ・プロジェクト「The Colour Of love(Underground Resistance Radio Mix)」をサンプリングしたピアノ・サウンドが素晴らしくエモーショナル。デトロイト・テクノへのリスペクトをストレートに表明した名曲です。これ以外の曲もエレクトロ・ビートや変則的なブレイク・ビーツ系のリズムを使用したり、巧妙にフィルターを効かせた構成でバラエティ豊か。テクネイジアは勿論、往年のデイヴ・エンジェルや最近のカンツェラムトが好きなひとには特に気に入ってもらえることでしょう。

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Juan Atkins - Deep Space Underground Collection (?:?)

★★★★★

▼2005年のFuse-In会場で販売されていた(らしい)DJミックスCD-R。ディスクユニオンで入手。
▼なぜか同じ内容の「Greatest Hits」、「N Deep Space With ADT」というタイトルのミックスCDも会場で売らられていたのだとか。理由はわからないが、いい加減なところがデトロイトっぽい。ジャケットはカラーコピー。CD-Rにクレジット等は一切なし。手作り感あり過ぎ。
▼フォトショップで適当に合成したようなジャケットのクレジットによると「Featuring Juan Atkins and the new KraftTron」とのこと。収録時間57分。トラックリストはなし。
▼こんな体裁にも関わらず内容は文句なしなのが凄いところ。モデル500の名曲とクラフトワークの名曲が違和感なく見事にミックスされた素晴らしい内容。
▼時おり、日本のラジオ(?)からサンプリングされたと思われる謎のトークが被さってくるのが面白い。さすが親日家。

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Juan Atkins - Juan Atkins 20 Years Metroplex (Tresor:Tresor.216)

★★★★★

▼デトロイト・テクノの真のオリジネイター、ホアン・アトキンスの活動20年を記念したベスト盤。雑誌「GROOVE SPRING 2005」付録のデトロイト音楽100年史ポスターでも、ア・ナンバー・オブ・ネームズと並んで、デトロイト・テクノの創始者とされるホアン・アトキンスですが、デビュー以来、全く途絶えることなくリリースを続けており、最新作「The Berlin Sessions」ではトレゾーのトップDJパコウと共演するなど、相変わらず精力的な活動を行っています。このベスト盤では、自らのレーベル「メトロプレックス」からリリースされた作品から永遠のクラシックとも言える名作ばかりをホアン自身がチョイスして収録。ちなみにこのCDの名称は、表紙では「20 YEARS 1985 - 2005」、背では「JUAN ATKINS 20 YEARS METROPLEX」となっており、どちらが正式名称か分らないのですが取りあえず背表紙に準じたいと思います。
▼クラフトワークの影響をデトロイト流に解釈したエレクトロ・バンド「サイボトロン」の名曲「Clear」「Cosmic Cars」、数多い名義の中でも最も重要なモデル500の初期の名作「No UFO's」「Nightdrive」「Ocean To Ocean」「Chase」、デトロイト・テクノ・ブームに呼応した「Passage」「Flow」「Starlight」、インフィニティ名義でオーランド・ヴォーンと共演した「Game One」、同じく3MBとの共演「Jazz Is The Teacher」など、ホアン・アトキンスの偉大な活動を余すことなく収録。デトロイト・テクノ初心者にも文句無くお勧めできる素晴らしい内容です。

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Juan Atkins - Legends: Volume 1 (OM RECORDS:OM 080)

★★★☆☆

▼ホアン・アトキンスのDJミックス。以前にリリースした「Wax Trax! Mastermix Volume 1」とは趣向を変えて、比較的最近の曲を中心に選曲。イントロは自らの「I Wanna Be There」でスタートしますが、 インディビデュアル・オーケストラ(田中フミヤ)やイゾレ、DJスニークといったアーティストの作品や西海岸系ハウス(?)をファンキーにミックスしています。

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Juan Atkins - The Berlin Sessions (Tresor:Tresor.215)

★★★★☆

▼ホアン・アトキンスがトレゾーのトップ・アーティストであるパコウとベルリンのスタジオで制作した意欲作。御大独特のスペーシーな感覚は健在。ベーチャン+ジェフ・ミルズな作風のパコウと見事に融合。
▼久しぶりに聴いた「ストレートなテクノ」。ジャンルの細分化が極限まで進む中、創始者自らが改めて、テクノとはこういうものだと原点に立ち返ったような新鮮さがある。「Session Four」の疾走感が清々しい。
▼欠点とは言えないかもしれないが、御大の手癖なのか収録曲の尺が10〜15分と長い。ちなみに名曲「I Wanna Be There」は18分50秒もあった。

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Juan Atkins - Wax Trax! Mastermix Volume 1 (TVT RECORDS:TVT 7254-2)

★★★☆☆

▼デトロイト・テクノのオリジネイター、ホアン・アトキンスによるDJミックス。「No UFO's」、「Nude Photo」といったデトロイト・テクノ・クラシックから、シカゴ・ハウス〜ミニマル〜ベーシックチャンネルと一環した流れを感じさせる素晴らしい内容。つなぎは荒っぽいですが選曲が良いので気になりません。

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 K 

K-Led - Tomorrow In The Morning (Force Inc:FIM-1-065 CD)

★★☆☆☆

▼またもや登場した新たなデトロイト病患者! Kレッドは、ベンダッダ・ラリッド(中東系?)のソロユニット。今は無きフォース・インクから初期デトロイト・テクノの影響を受けた「Tomorrow In The Morning」をリリース。曲名に2度も「Detroit」という単語が登場するあたり、かなりの重症患者だと思われます。クリックハウス一色のイメージがあったフォース・インクから、ここまでベタなデトロイト・テクノのアルバムが登場するのは、ちょっと意外な気がしました。
▼1曲目「Detroit City」は、デリック・メイを彷彿とさせるエモーショナルなシンセとビートが本家デトロイト以上にデトロイトらしい作品。「Detroit City」と繰り返すボイスサンプルがストレートすぎて恥ずかしい気もしますが、素直にデトロイトへの愛情を表現している点には好感が持てます。2曲目「Change」3曲目「Time Change The World」は、懐かしさを感じさせるアシッドハウス(後半になるとデトロイトっぽいフレーズも登場しますが) 4曲目「Big Time」も、初期トランスマットテイストのエモーショナルな曲。シンセフレーズがどれも一緒に聞こえるのは気のせい? 音色が「Nude Photo」っぽい、5「The Detroit Style」は、これまたタイトル連呼のオールド・スクール・デトロイト。確かファブリス・リグも「Detroit Style」というサンプルを使っていたような…。7曲目「You Are My One」8曲目「Destination」も完全に80〜90初頭のシカゴ〜デトロイト。まるで当時のデリック・メイのデモテープを聴いているような印象です。
▼全曲に言えることですが、Kレッドの曲はデトロイト・テクノが持つ「陰」の部分がなく表面をストレートに模倣しているだけのような気がしました。また音色にバリエーションが無く変化に欠けるのが難点。それでもデトロイトの模倣から素晴らしいアーティストに成長したイアン・オブライエンのような例もありますので、今後の活動に期待したいところです。

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K.Hand - Detroit History Part 1 (TRESOR:Tresor 168)

★★★☆☆

▼デトロイト・テクノ・シーンの女帝、ケリー・ハンド女史。近年は素晴らしいDJプレイも話題となっている彼女の作品は、シンプルながらグルーヴ感溢れるディスコ・サンプルが特徴のデトロイト・ハウス。このアルバムでは「デトロイトの歴史」を表題としたコンセプチュアルな内容を展開しています(ちなみに彼女の公式ウェブサイトも同名です) 荘厳なインタールードの後に展開されるのは、シカゴ・ハウスに影響を受けたと思われるアッパーなハード・ミニマル・テクノ。これまでのハウシーな作風に比べるとよりDJツールに近づいた内容です。

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Ken Ishii - Future in Light (70DRUMS:IDCK-1001)

★★☆☆☆

▼ケン・イシイが自ら主催する70DRUMSレーベルからのアルバム。彼の原点であるデトロイト・テクノに回帰したダンストラックを収録。冒頭の「Awakening」を始めとして「おっ?」と思わせる曲もありますが、全体としてはなんだか空回りな印象。いまいち“魂”がこもっていないような…。デトロイト・テクノ・フォロワーとしてのケン・イシイは「Jelly Tones」を出した時点で終わっていたのかな…?

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Ken Ishii - Innerelements (R&S:RS 94 038 CD)

★★★★★

▼R&Sからリリースされた曲を収録したケン・イシイのベスト盤。「Garden On The Palm」「Pneuma」などデトロイト・テクノの手法を取り入れながら、独自の感性で作り上げられた日本独自のオリジナル・テクノ・トラック。ビートが弱いのでダンスには向いていませんが、とにかく個性的な音使いは現在の耳で聞いても新鮮です。この当時のケン・イシイはとにかく素晴らしい作品を連発していました。ちょうど日本のテクノ・シーンがブレイクした時期だったこともあり、いろいろと想い出のあるアルバムです。

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Ken Ishii - Mix-Up Vol. 3 (SME:SRCS 8053)

★★☆☆☆

▼石野卓球監修のMix-Upシリーズ第3弾はケン・イシイ。まだライブでのDJに慣れていなかったのか、スタジオでハードディスクレコーディングされたも