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大阪さん弁講座
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私の話し言葉の講座やてー
漫画『あずまんが大王』の登場人物・春日歩(愛称:大阪)の話す言葉について書いています。
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この講座をご利用の際の諸注意
※管理人は言語学素人です。
この講座は管理人自らの判断で、細心の注意を払い作成したものではありますが、
管理人・てらポチは言語に関しまして素人ですので、記載している内容の中に誤りのある可能性は充分にございます。
どうかご容赦下さい。

※この講座をご利用、ご参照下さった事によって起こりましたトラブル等につきまして当方は一切の責任を負いかねます。
予めご了承下さいませ。

※あまり無粋にならないよう気をつけてはおりますが…大目に見てやって下さい。
大阪さん弁のベースは何処の言葉か ちよの父です
いきなり割と核心に迫りますが、大阪さん弁のベースは播州弁です。大阪弁ではありません。
播州は兵庫県南西部・播磨地方の事で、『あずまんが大王』の作者であるあずまきよひこ氏の出身地でもあります。
…というのは、ネット上に数多存在する他所様の「大阪さん弁講座」でも既に書かれているようですが、
やはり基本ですのでうちもまずはここからスタートを。
和歌山出身、神戸・大阪育ち…ですが トマトを食べるんだ
先の通り、大阪さんの言葉は播州弁なのでありますが、この大阪さんこと春日歩嬢。
出身地は和歌山、その後神戸、大阪、そして東京へとやって来た経歴を持っています。
しかし、その言葉の中に和歌山弁的要素、大阪弁的要素はともにそれほど強くありません。
やはり作者・あずま氏の出身地である播州地方の言葉、そしてすぐ東隣の神戸弁の要素が非常に強いと思われます。
大阪さん弁講座・実践編 他に悩みはないかい?
管理人の退屈な語りはこのあたりまでにしまして、実践編へと移ります。
ちゃうねん
4巻13ページ「ちゃうねん」 ちゃうねん
大阪さん弁「ちゃうねん」
大阪弁「ちゃうねん」
共通語「違うの」
大阪さん弁の代表格「ちゃうねん」。大阪弁でも「ちゃうねん」。
大阪さん弁=大阪さんの口癖として考えた場合、これこそ大阪さん弁 OF THE 大阪さん弁なのかもしれません。
売っとぉー
4巻24ページ「空港」 おみやげいっぱい売っとぉー
大阪さん弁「おみやげいっぱい売っとぉー」
大阪弁「おみやげいっぱい売ってる」
共通語「おみやげがいっぱい売っている」
「〜している」を「〜しとぉー」というのは、神戸弁・播州弁の大きな特徴の一つです。
大阪さん弁が播州弁をベースにしている事がはっきりと分かる部分のひとつです。
また、大阪弁では「〜してる」というところを、大阪さんは「〜しとる」を使います。
播州弁は神戸弁と同じく「〜しとぉ」のようですので、
“播州弁+進行形「〜とる」=大阪さん弁”という式が成り立つかもしれません。
言いよぉで
1巻158ページ「フォロー」 サンタもひどい事言いよぉで
大阪さん弁「サンタもひどい事言いよぉで」
大阪弁「サンタもひどい(orえげつない)事言いよるで」
共通語「サンタもひどい事を言いやがるよ」
神戸・播州地域では「〜しよぉ」は「〜している」という意味のはずなのですが、
文脈から判断するに、むしろ大阪弁「〜しよる」での意味である「〜しやがる」をあてた方がしっくり来る気がします。
大阪さん弁の大阪弁要素が垣間見える部分と言えそうです。
やー
3巻106ページ「疑問」 ちよちゃんてやー 誘拐されへんの?
大阪さん弁「ちよちゃんてやー 誘拐されへんの?」
大阪弁「ちよちゃんてなー 誘拐されへんの?」
共通語「ちよちゃんって 誘拐されないの?」
大阪弁では「なー」、東京弁では「さー」のところを、大阪さん弁では「やー」と言います。
おそらく神戸・播州でこういう表現をするのでしょう…が、確認が取れません。管理人も気になっています。
情報お待ちしておりますー(ぉぃ。
こーへん
4巻14ページ「つり」 車の下に猫がおるねんけど出てこーへんねん
大阪さん弁「車の下に猫がおるねんけど出てこーへんねん」
大阪弁「車の下に猫がおんねんけど出てけーへんねん」
共通語「車の下に猫がいるんだけど出て来ないの」
「来ない」の神戸弁・播州弁にあたる「こーへん」は、関西圏の若者言葉としても使われています。
そーなんよ
1巻114ページ「忘れ物大王」 そーなんよ 意外と
大阪さん弁「そーなんよ 意外と」
大阪弁「せやねん 意外と」
共通語「そうなのよ 意外と」
「〜なんよ」は中国・四国・九州東部・関東等で聞かれる言い方ですが、近畿地方では和歌山弁において使用されています。
私の読んだ限りでは、和歌山弁要素はこの部位くらいかと思われます。
かたづけてもた
4巻165ページ「えーんえーん」 やめてゆーてるのにお母さんがコタツをかたづけてもた…
大阪さん弁「やめてゆーてるのにお母さんがコタツをかたづけてもた…」
大阪弁「やめてゆーてんのにお母さんがコタツを直してしもた…」
共通語「やめてと言っているのにお母さんがコタツを片付けてしまった…」
「〜してしまった」にあたる「〜してもた」。
大阪弁では「〜してしもた」や「〜してもうた」というのですが、「〜してもた」とは言いません。
どうやらこれも播州弁・神戸弁での言い方のようです。
ちなみに、大阪さんは作中で何度もこの「もた」を頻繁に使用しています。
ちがってたらええけど
4巻91〜93ページ ピカニャー
大阪さん弁
「榊ちゃーん なにしてんのー?」「あー ピカニャー死んどるー」
「ちがってたらええけど…よくないけど…」
大阪弁
「榊ちゃーん 何してんのん?」「あー ピカニャー死んでるー」
「ちごてたらええけど…よぉないけど…」
共通語
「榊ちゃーん 何しているの?」「あー ピカニャーが死んでいる」
「違っていればいいけど…良くないけど…」
「ピカニャー」…こういった語を大阪さん弁の語彙として考えてみるのも面白いかもしれません。
生粋の、混じり気無しの大阪さん弁。通常の方言ではそうはいきませんからねぇ(笑。
そして「ちがってたらええけど…よくないけど…」ですが、
今までの大阪さん弁ならばきっと「ちごとったらええけど…よーないけど…」となるように感じます。
大阪さん弁に一体何が起きたのでしょうか。この続きは結びで。
結び 〜大阪さん弁は大阪さん弁〜 ハウアーユーファインサンキュー
時の流れは残酷なもので、マイペースな大阪さんも東京暮らしも3年目となれば東京弁化が始まります(苦笑。
「なにしてんのー?」は大阪でも言いますが、今までずっと「〜しとる」を使っていた大阪さんが、
いきなり大阪弁の「〜してる」を使うようになったとは思いにくいです。
ここはやはり周囲の東京弁の「〜してる」の影響を受けたものだと考えるのが自然であると思います。

しかし、大阪さんと同じ“大阪から東京に転校生としてやって来た”私としましては、
大阪さん弁の東京弁化への嘆きよりもむしろ、非常に自然な東京弁化を表現しきっている事への感嘆が先にきます。
おそらくこれも作者・あずま氏の体験が生きているのでしょう(東京に出てきた関西人の必ず通る道、とも言えそうです)。

播州弁や大阪弁の要素を持つ「大阪さん弁」は、新たに東京弁の要素を取り入れ始めた。
「ちがったらええけど」という表現はただそれだけの事なのかもしれません。
あまりに東京弁化が進むとまた違うかもしれませんが、
播州弁をベースとしながら様々な言語の要素をちょこちょこ取り入れ、時に自ら創造していく…
これこそが「大阪さん弁」なのかもしれませんね。
おまけ 「大阪さん弁 THE ANIMATION」 若本ボイスだって?一体何の事だい?
アニメ『あずまんが大王』で大阪さんを演じていらっしゃった声優さん・松岡由貴さんは大阪市出身です。
そのためもあって、非常に上手な大阪弁でした。
(私の話す大阪弁に最も近い大阪弁を話されるため、個人的にネイティブ声優さんの中でも最も耳に馴染みます。)
しかし、“本当の”大阪さんの話す言葉のベースは播州弁。
もしかしたら、兵庫県出身の方が演じた方が言語面から見れば正確な「大阪さん弁」になったのかもしれません
…が、個人的には松岡ボイスが一番しっくりくるような気が致しますので(爆、
ここはひとつ多少の差異は目を瞑るという事で(笑。神戸・播州の皆さん、宜しくお願いします(汗。
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