 |
「始まりました。カリンの大阪弁講座。先生はうち、鶴原花鈴です。
よろしくお願いします」 |
 |
「私が生徒の喜多見遥です…って、これじゃあ生徒っていうより、園児じゃない!?」 |
 |
「似おてるで」 |
 |
「いや、嬉しくないし…」 |
 |
「ほんなら早速やけど、今日の講義内容はこれです」 |
「してなぁ」「してやぁ」「してぇな」「してぇや」を使い分けよう
|
 |
「うーん…いきなり難しいわね。全部同じのように見えるんだけど」 |
 |
「実際につこてみながら、覚えましょう。ほんなら、まず『してなぁ』やけど…
『はよしてなぁ』」 |
 |
「はよしてなぁ」 |
 |
「『早くしてね』ゆう意味です。これはちょっとしたお願いの時に使います」 |
 |
「じゃあ、『はよしてやぁ』になると、どうなるの?」 |
 |
「『はよしてやぁ』やと『早くしてよね』ゆうくらいのニュアンスになって、
『はよしてなぁ』より、もう少し相手を急かす感じになります」 |
 |
「ふーん。じゃあ、もしかしたら、『はよしてぇな』は更に急かすの?」 |
 |
「そうやなぁ。『はよしてぇな』になったら、急かすんもあるけど、
それ以上に、気持ちの面が入ってくんねん。
『早くしてよ』ゆう意味で、こう言うてたら、相手はちょっと怒ってる思た方がええかな」 |
 |
「この順序からして、最後の『してぇや』を使った『はよしてぇや』は
一番強い言い方?」 |
 |
「正解!すごいやん、遥」 |
 |
「いやいやいや。大体想像つくから。ほら、続きを"はよ言ってぇな」 |
 |
「それを言うねんやったら、『はよゆうてぇな』の方がええで。
大阪弁はウ音便の活用をするから」 |
 |
「ハッ!…下手に使うもんじゃないわね」 |
 |
「実際つこていった方が勉強になるから、失敗を怖がらんとつこていってなぁ」 |
 |
「で、『はよしてぇや』は共通語に訳すとするとどうなるの?」 |
 |
「『はよしてぇや』は、『早くしてってば』ゆう感じの意味になって、
これを言うたら、相手は怒ってるし、貴方に対してちょっと呆れてると思た方が
ええかもしれません」 |
 |
「…つまり、語尾を延ばすのと『て』の音を延ばすのでは
後者の方が命令の意味合いが強くなって、
更にその中で『な』を使うのと『や』を使うのがあって、
『や』を使った方が強い口調になるってことね?」 |
 |
「うん。多分それで合うてると思う」 |
 |
「多分…って。"しっかりしてやぁ"」 |
 |
「そうそう!そう使うねん。以上を表にまとめるとこうなります」 |
「してなぁ」=「してね」、「してやぁ」=「してよね」
「してぇな」=「してよ」、「してぇや」=「してってば」
次第に強い依頼(命令)表現へとなっていく
|
 |
「…初めからこれを出したら良かったんじゃない?」 |
 |
「そしたら、このコーナーすぐ終わってまうやん。あ、もう終わりの時間やて。
みなさん。ほんなら、また見たってなぁ」 |
 |
「え。あ。じゃあ、またね」 |