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カリンの大阪弁講座
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その4 「してる」「しとる」「しよる」を使い分けよう
「さて、今回も始まりました。カリンの大阪弁講座。先生の鶴原花鈴です」
「私が生徒の喜多見遥です…はぁ…」
「似おてるで」
「…ありがとう」
「ほんなら早速やけど、今日の講義内容はこれです」

「してる」「しとる」「しよる」を使い分けよう

「大阪弁って言うと『しとる』とか『しよる』とか使うイメージだけど…
 あれ?花鈴は使ってないよね?」
「当然や。『しとる』と『しよる』…ここは結構注意せなあかんとこやで」
「え。何なに。どういう事なの?」
「大阪弁で『しとる』や『しよる』は、東京圏で言う『してやがる』に近い言い方になんねん」
「って事は、下手に『しとる』なんて使ったら一触即発ね」
「まぁ、『してやがる』よりは柔らかいニュアンスやねんけどな。
 そうやなぁ…例えるとしたら、
 『何してるの?』と『何してんだ?』くらいの違いになるやろか」
「『しとる』の方がちょっとぶっきらぼうな印象を与えるって事?」
「そうなるな。せやから、女の子は使わん方がええと思うで」
「なるほどね。確かに、花鈴に『何してんだ』口調は似合わないもんね」
「ただ、『しよる』は普段ぶっきらぼうな人がつこても、
 明らかに喧嘩口調入ってるから、こういう言葉遣いしてる人が近づかん方がええな」
「でも、西日本の人って結構普通に『しよる』や『しとる』って使ってるイメージがあるんだけど…」
「それはな、神戸より西では現在進行形を『しよる(他に"しよう"、"しゆう"etc.)』、
 現在完了形を『しとる(他に"しとう"、"しちょる"、"しちゅう"etc.)』って言う風に
 日常会話でつこてるからやろな。あと、北陸や東海地方でも使われてるで。
 これらの地域の『しよる』や『しとる』には、大阪弁みたいに怖い意味は含まれてへんで」
「ふーん。でも、大阪じゃ意味が変わってくるのね。不思議ねぇ」
「大阪と京都周辺では、『おる』と並行して『居てる』『居る』が使われてきた言うのんが
 関係あるかもしれへんな」
「前回取り扱った『居てる』と『おる』ね。
 『する』と『やる』の使い分けに似てるって言ってた事から考えれば、確かに納得かも」
「そうやな。そう考えてもろたら分かりやすい思うわ」
「あ、でも『しとった』とかは花鈴も使ってるわよね?過去形はまた別なの?」
「うーん…不思議と『しとった』には怖い意味含まれてへんし、
 ぶっきらぼうな言い方でもないねんなぁ。
 …せやけど、『しよった』は乱暴な言い方やで?」
「言葉ってやっぱアナログなものだから、明確な線引きは難しいのかな」
「そうやねんやろなぁ…。以上を表にまとめるとこうなります」

「してる」は共通語「している」であるが、
大阪弁においての「しとる」にはぞんざいなニュアンス、
また「しよる」には若干侮蔑のニュアンスが含まれるので要注意。

しかし、京阪地域周辺を除く、東海北陸から西にかけての地域では
「しよる」や「しとる」、またその派生の形の言葉は
マイナスのニュアンスを一切含まない日常語として機能していることも
覚えておく事が望ましい。

「今回は、大阪弁の枠から飛び出して、西日本全体の話にまでなったわね」
「やっぱり周辺の言葉との関係言うのも見過ごされへんしなぁ。
 あ、もう終わりの時間やて。みなさん。ほんなら、また見たってなぁ」
「じゃあ、またね」
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カリンの大阪弁講座 その4