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message  テーマ3 深く突きつめて考える    考一 外構設計の重要性


 家の設計を始めた段階で、考えておきたいことのひとつに外構があります。建て売り住宅を検討するときも同様です。外構を構成する要素のなかで、絶対にこれだけは考えておきたい基本中の基本を整理します。街を歩けばいたるところにある失敗の紹介です。



外構に含まれるもの

 外構とは耳慣れない言葉かもしれませんが、造園でもなく庭でもなく、ましてガーデンのことでもありません。端的にいえば建物以外すべてです。この外構がうまくできてこそ、庭づくりを楽しめます。時々、「家の外のことは後で考えてなんとでもなる」と言われますが、とんでもない間違いです。

 まず、一般的な個人住宅の外構に含まれるものを思いつくままに列挙してみましょう。門とそのまわり(郵便受け、門灯)、カーポートまわり(ゲート、照明、屋根)、敷地の境界部(石垣、塀、生垣)、アプローチまわり(階段、通路、手すり)、各種設備(下水配管および桝、水道管、ガス管、電線引き込みポール、水栓、各種メーター、コンセント、防犯センサー、浄化槽)、生活関連施設(物置、洗濯物干し、駐輪場)、そしていわゆる修景としての造園です。この最後の造園のなかにガーデニングが入るわけです。要するに、ガーデニングをするエリアを形づくるものが外構だということになります。

 家を入手するとき、門も生垣もできている建売住宅を買う場合と、建物は住宅メーカーや建設業者に発注して門や塀は別の造園業者に頼む場合がありますが、話をわかりやすくするために、後者の場合で考えてみます。



門の位置と形式

 建物を設計するとき、門の位置や形式は当然よく考慮していると思われるかもしれませんが、実は無頓着なことも多いのです。例えば、門と駐車場の位置関係が悪い、つまり門から道路に出なければ駐車場へ行けないというような例は枚挙にいとまがありません。それって不便ですよね。充分に考えられていなかったのです。あるいは連続する宅地をできるだけ均一なプランと価格にするために、宅地ごとの個別の環境要素を無視して設計したからです。

 建物ができて、いざ門をつくろうとすると、思い描いたものができなかったという例はおうおうにしてあるのです。門の位置は、駐車場や前の道路、向かいの家の玄関や家を出ていく方向とも密接に関連して決めるものなのに、設計者がパターン化した形や間取りだけしか考えなかったということです。玄関と敷地との間に余裕がなく、敷地にレベル差(高低差)があるのなら要注意です。アプローチの階段の段数が足りないとか、観音開きの門を考えていたら寸法的に入らないとか、門の真ん中に汚水桝があるとか、近隣のゴミ置き場の正面だとか、電柱がじゃまだとか、後でしまったなあ、ということはいくらでもあります。



配水管や桝

 配水管や桝は曲者です。外構を別の造園業者に発注するときでも、配水管や桝は建物を建てる業者が施工します。でなければ住めませんからね。建物の設計をするときには、最も効率的に配管をまわし、建築側から見て適切と考える位置に桝を設けます。たとえまだ門の位置やアプローチ階段の高さを検討していなくても、です。雨水や汚水の桝は、門やアプローチの真ん中やインターホンの前にあってほしくはないですよね。どんな業者でも、さすがに玄関の前には設けないでしょうが、リビングなどの掃き出し窓の近くにくるとテラスを設けるときにじゃまになります。また、平面的な位置だけでなく、桝の蓋の高さも重要です。少々は調節できますが、門から玄関までのアプローチと、レベル(高さ)がまったく合わないといったことはあり得ることです。同様にメーター類と引き込みポールの位置や高さも重要です。



駐車場・駐輪場

 リビングの正面が駐車場になってしまった家がたくさんあります。屋根を付けるつもりなら、初めから駐車場の場所はよく考えておかないと悲しいことになります。庭の一等地を、車を格納するためだけのスペースに使ってしまってはもったいないですよね。敷地が窮屈だと、出窓やスイング形式の窓を開けるとカーポートの屋根にあたりそうになったり、門まわりのすっきりとさせたいところに屋根の柱がきてしまったり、ということもありがちです。

 駐車場以上に何も考えられていないのが自転車やバイク置き場です。自動車よりも屋根の架かったところに置きたいものですから、これらの配置の方が難しいと言えるかもしれません。

 外構を別の造園業者に注文するときでも、敷地と道路に大きなレベル差がある場合などは、石垣や境界沿いのブロックなどを建築の業者にやってもらうことがあります。デザインはもちろんのこと、門の位置やアプローチルート、駐車場のとり方と関連して、石垣の範囲や高さについてもよく考えておきましょう。住み始めてすぐに、つくったばかりの石垣を壊すということのないように。



早めに外構設計を

 家の設計をするときは部屋の間取りばかりに気をとられてしまうものです。次に内装仕上げや設備のグレードなどに気持ちがいきます。でも、建築の設計が終わりそうになってから外構のことを考え始めても、それまでつめてきた建築のプランは簡単に変更できるものではありません。建築業者は設計変更を嫌がるでしょうし、一から考え直しということにでもなれば、発注者の方が疲れてしまって、「後でなんとかなるか」という気になってしまうからです。

 もっと美しくピシッと自転車を置いておけたり、道にいったん出たり傘をさしたりせずに車に乗れる方がいいと思いませんか。門を開けるといきなり汚水桝の蓋があったら、お客さんもギョッとするでしょうね。その蓋のすぐ下には、アレが生のまま流れているのですよ。






このメッセージはこの本に掲載されています。

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