【第U章】 障害をもつ人への差別禁止と権利に関する基本事項

U−4 利用

 

1 利用に関する権利
 障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、あらゆる商品・施設・便益・販売・接客等のサービスやプログラムの利用において、障害を理由とするいかなる差別も受けることなく、障害をもたない人と同等に利用する権利を有する。

 

2 利用に関する差別禁止
 障害をもつ人の利用に関する差別とは、利用者の特定、不特定、多数、少数を問わず、障害をもたない人と異なる取り扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。
 利用に関する異なる取扱いとは、次のことをいう。

(1) 障害があることを理由にして、利用を制限もしくは拒否されること。

(2) 障害があることを理由にして、障害をもつ人が望まない特別な利用手段を提供されること。および、それに付随した様々な経験を制限されること。

(3) 障害があることを理由にして、サービスやプログラムを利用する機会を制限・拒否されること。および、それに付随した様々な経験を制限されること。

 

3 配慮義務

(1) 国および地方公共団体は、利用に関して、サービス提供事業者が障害をもつ人のニーズに応じた適切な配慮を行うよう、サービス提供事業者に対する監督、指導を行わなければならない。

(2) 事業者は、前記「1 利用に関する権利」において例示しているサービスやプログラムの事業を行う場所の物理的な環境整備が不可能な場合、その障害をもつ人が利用できる方式へ変更するなど代替措置を講じなければならない。

(3) 事業者は、前記(2)の代替措置について、当該サービスやプログラム事業を、障害をもつ人との協議を経て、その詳細を定めなければならない。

(4) 事業者は、前記(3)の協議に当たって、障害をもつ人が第三者の同席、助言を求めた場合、それに応じなければならない。


 補足説明 

 一般的に「○○を利用する」という場合、その範囲は生活全般に及ぶということができます。

 ここでいう「利用」は、本章の「基本事項」で取り上げている地域生活における住宅問題や移動、建物、情報等の各領域のアクセスに関する場面ではカバーできない、様々な個別の消費活動における「利用」の場面(あらゆる商品・施設・便益・販売・接客等のサービスやプログラムの利用)を対象にしています。

 日本では、高度成長期に商品価格を下げるための画一的な効率性第一の大量生産と大量消費の構造が多くの場面でつくられてきました。そのために、障害をもつ人の個別のニーズへの対応は無視されつづけてきました。ファミリーレストランで食事をしようとしても、テーブルに点字のメニューがなくて、視覚障害の人には利用できない。映画館に行っても、車いす利用者の場合、大好きな俳優のポスターが貼っているところは通れずに、別の通路で案内される。または、販売業者の説明不足によって、知的障害をもつ人が不当に高額な商品を購入させられる。各種イベントや商品の問い合わせの際に、FAXやメールなどの案内がないために、聴覚に障害をもつ人は必要な問い合わせができないなど、日常生活において障害を理由に様々な社会的活動への参加を意味する「利用」を制限、拒否している現状は、決して少なくありません。

 事業者等に対しては、このような様々な状況に応じて、ある特定のサービスやプログラムを障害をもつ人が利用する場合、利用する場所の物理的な環境整備が不可能な場合には、障害をもつ当事者との協議を行い、別な方法で利用できるようにすることを義務づける規定を設けることが必要です。

 


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「当事者がつくる障害者差別禁止法〜保護から権利へ」 現代書館 <<【要綱案(第一次案)】掲載