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第二次案 |
第三次案
※書き込みのない部分については第2次案と同じ |
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はじめに
二○○○年十月、ワシントンDCで障害に関する法制と政策をテーマとした注目すべき国際会議が開催された。同会議の報告によると、何よりも驚かされたのは、障害者に対する差別を禁止する法律を制定している国がすでに四○カ国以上に及んでいるということである。
それらは、@刑法に差別を犯罪として処罰する規定を設けている国または、個別の法律中にその法律に違反した場合の罰則を定めている国、A憲法上明文で障害をもつ人の差別を禁止する規定を定めている国、BADA(障害をもつアメリカ人法)を典型とする、民事法で差別を禁止する国、C社会福祉法関連で規定のある国、などに四分類されている。
障害をもつ人に対する差別を禁止する法制は、国際レベルでも、法律を制定している国においては、すでに最低限の文化水準として不可欠の社会システムの一部になっていることが明らかになっている。
一九九○年に制定されたADA(障害をもつアメリカ人法)は、日本の障害者運動の当事者や支援者等に大きなインパクトを与えたが、十余年を経た今日、その現実性は、国際的な動向の中ではっきりと示されている。
また、国連「障害者の一○年」を経て策定された「障害者の機会均等化に関する基準規則」(一九九三年国連総会採択)の各国における実施状況に関するモニタリングが二○○二年で終了し、今後の展開に関連して、二○○一年の国連総会では、所管の委員会において障害者の権利に関する国際条約の必要性について検討するための「特別委員会」の設置が決議された。
その後の同委員会においては、各国のNGOを含む代表者の活発な意見表明と議論が交されるなど、確かな進展をみることができる。
このような局面の中で、障害当事者をはじめとした多くの人々による下からの声と多様な取組みの集積によって、日本における「障害者差別禁止法」の可能性と実現性を具体的に求めていくことが基本的課題になっている。
なぜ障害者基本法の「改正」ではないのか
日本においてこの一○年間、心身障害者対策基本法が障害者基本法(一九九三年)に改められ、ハートビル法や交通バリアフリー法、または契約型の福祉サービスの利用等について定めた社会福祉法などのいくつかの法律が制定された。しかし、いずれも権利の明記とその行使にあたっての国および地方公共団体、民間事業者等への義務規定ならびに差別の定義とそれを違法とする禁止規定がなく、国および地方公共団体の障害者施策の推進を促すことを基本とする努力義務を課す規定にとどまっている。
現行の障害者施策の包括的根拠となる障害者基本法については、主に次の問題を指摘することができる。
@同基本法の第一条(目的)では、旧法(心身障害者対策基本法の第一条)にあった「心身障害の発生の予防に関する施策」が削除(旧の第四条の「国および地方公共団体の責務」が第二六条の二に移行)され、「自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加の促進」が明記された。
しかし、その一方で基本的理念(第三条二項)では「すべて障害者は、……あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる」となっている。つまり、障害者は「参加する機会」が恩恵的に「与えられる」対象とみなされ、障害者の社会参加を「権利として保障する」とはなっていない。
A「更生」と「保護」に基づく旧来からの障害者施策の枠―「施設への入所」(第一○条の二の1項)、「重度障害者の保護等」(第十一条関係)にとどまり、当事者に対して障害の軽減と克服への努力をおしつけ、「自立することの著しく困難な」重度の障害者に対しては、保護の観点から隔離・収容型の施設入所を引き続き推進するという点では、〈脱施設から地域へ〉という明確な方向が打ち出されていない。
B自治体の障害者計画の策定をはじめ、各基本的施策に関する規定が「努力規定」の枠内にとどまり、権利の確立に向けて政策としての実効性をあげていくことには構造的な限界がある。
Cちなみに、二○○一年八月、国連の社会権規約委員会は日本政府に対して包括的な差別禁止法を制定するよう勧告したが、この勧告は障害者基本法が差別を禁止する役割と実効性を有していないとの認識が前提となっていることに注目しなければならない。 |
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個別法との関係
現状の障害者基本法と関連する個別実体法との関係は、基本法が包括的な理念法でありながら、身体・知的・精神障害の各福祉法またはハートビル法や交通バリアフリー法等に対して法的拘束力をもってはいない。その理由は、@前述したように、基本法に国及び地方公共団体、民間事業者等への義務規定ならびに差別の定義とそれを違法とする禁止規定がないこと。A国及び地方公共団体、民間事業者等に対して配慮義務を明記していないために、障害をもつ人への差別的扱いが結果として放置されてもそのことを訴える法的根拠(裁判規範)が存在していないことによる。
障害者差別禁止法を立法化することの意義は、第一に国及び地方公共団体に対して必要な施策義務を課し、障害をもつ人が民間事業者等に対して法的手段に訴えた場合に、事業者側に差別にあたるかどうかの挙証責任を義務づけ、その事案が差別として認定された場合は、加害者に対して作為命令を発することができるという救済効果をもつこと。第二に救済につながる判例や事案の結果を一般的に広げていくことによって、既存の関係する個別法に影響を与え、当該規定を見直し改廃するという法律上の拘束力と波及効果を生み出す現実的な可能性が開かれていくことになる。
障害者差別禁止法が既存の関係個別法を変革していく包括的な拘束力あるものとして創られていくことが、真の差別のない社会に進んでいくための橋頭堡の役割を果していくことになる。 |
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【前文】
すべての個人は生まれながらにして自由であり、固有の尊厳と人権を平等にもっている。
しかし、障害をもつ人は、現在までの社会の諸関係において、身体的・精神的な特徴と理由により、通常の日常生活を営む能力が不当に低く評価され、他の人々と平等な立場で社会生活に参加する機会が奪われ、あるいは制限され、その自由が束縛され、様々な市民的権利が実質上奪われてきた。
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また、この世に生まれてくることすら公然と拒否されていた過去があったし、現在においても、障害をもつ人が家族によって命を奪われる事件は跡を絶っていない。さらに、医療の現場においては、障害をもつ人が生まれてくることを否定するような生命の選別ともいえる生殖医療技術が使われるなど、その尊厳と権利を侵害する事象も生起している。 |
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障害をもつ人は差別されることなく、権利の主体として政治・経済・社会のさまざまな活動分野に平等に参加する、侵されることのない権利をもっている。 |
障害をもつ人は、人として誕生してから、その生涯を終えるまで、障害による差別をされることなく、権利の主体として政治・経済・社会のさまざまな活動分野に平等に参加する、侵されることのない権利をもっている。 |
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障害をもつ人が、人として生まれながらにもつ権利を尊重され、障害による不当な差別的取扱いを受けないために、国と地方公共団体は、包括的な責任を負う。
それとともに、障害をもつ人の完全な参加と平等を阻んでいる法的、制度的、物理的障壁、あるいは、文化・情報、意識における偏見等のさまざまな障壁は取り除かなければならない。また、あらゆる一般施策からすべての障害をもつ人は排除されてはならない。障害をもつ人がおかれている状態を改善するために、特に必要な場合は、一般施策から分断され放置されることなく、経済的措置を含む優先的かつ積極的な差別に対する是正措置がとられるべきである。
この法律に基づいて保障された権利は、障害をもつ人の国籍、人種、信条、性別又は社会的性差、社会的身分又は門地等のいかんにかかわらず、障害をもつ人すべてに与えられる。
この法律は、障害の有無にかかわらず、社会のなかで、人は互いに支え合い、共に生活する関係が尊重されることを通じて、各自がその必要に応じてより幸せな生活を享受する権利をもつことができる「万人のための社会」を実現するために制定する。 |
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【第一章】 総 則
1 目 的
障害をもつ人に対する差別的取扱いの原因が、その障害をもつ人の個人的属性に起因するものではなく、むしろ障害をもつ人を取り囲む社会環境によって規定される障壁に差別の原因が有ること、障害をもつ人がすべての市民と同様に、個人として固有の権利を有し、幸福を追求する主体であることを確認するとともに、国および地方公共団体、事業者、市民による差別を包括的に禁止し、障害をもつ人が社会の平等な構成員として、地域生活のあらゆる場面および分野への参加を保障するための差別を受けない権利を定めることを目的とする。
2 障害の定義
この法律において、障害とは、傷害や病気などを原因とする個人の特性にかかわらず、その個人に対して、ある程度以上の能力や機能を要求する社会的環境との関係で生じる障壁をいう。
3 障害をもつ人の定義
(1) 障害をもつ人とは、長期的または一時的、あるいは将来に予想される障害により、生活上の困難さをもつ、あるいはもちうる状況にある人をいう。また、環境整備なしには、障害をもたない人にくらべて不利益をこうむるか、こうむりうる状況にある人をいう。
(2) 前記(1)の障害の過去の記録あるいは、そのような障害をもつとみなされる人のことをいう。
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1 目 的
障害をもつ人に対する差別的取扱いの原因が、その障害をもつ人の個人的属性に起因するものではなく、むしろ障害をもつ人を取り囲む社会環境によって規定される障壁に差別の原因が有ること、障害をもつ人がすべての市民と同様に、人として誕生してから、その生涯を終えるまで、個人として固有の権利を有し、幸福を追求する主体であることを確認するとともに、国および地方公共団体、事業者、市民による差別を包括的に禁止し、障害をもつ人が社会の平等な構成員として、地域生活のあらゆる場面および分野への参加を保障するための差別を受けない権利を定めることを目的とする。 |
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4 障害をもつ人に対する差別の定義
(1) 障害をもつ人への差別とは、政治的、経済的、社会的、文化的又はその他のすべての生活分野において、身体的・精神的な特徴と理由により、他の人々と平等な立場で社会生活に参加する機会が奪われ、または制限され、その自由が束縛されている状態にあることをいう。ここでいう自由が束縛されている状態とは、虐待、放置、経済的搾取によって、障害をもつ人の生命、身体、財産または精神に対して危害が加えられる恐れのある状態をいう。 |
4 障害をもつ人に対する差別の定義
(1) 障害をもつ人への差別とは、人として誕生してから、その生涯を終えるまでの間において、政治的、経済的、社会的、文化的又はその他のすべての生活分野において、身体的・精神的な特徴と理由により、他の人々と平等な立場で社会生活に参加する機会が奪われ、または制限され、その自由が束縛されている状態にあることをいう。ここでいう自由が束縛されている状態とは、虐待、放置、経済的搾取によって、障害をもつ人の生命、身体、財産または精神に対して危害が加えられる恐れのある状態をいう。 |
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(2) 障害をもつ人への意図しない差別も前記(1)に規定した差別である。障害をもつ人への意図しない差別とは、障害をもつ人に対する無知・無理解・偏見によって、行政機関および公的あるいは私的団体、個人が権利侵害の事実を認めない、または、障害の特性やニーズを踏まえた適切な配慮を行わないことによって、そのために結果として障害をもつ人が何らかの不利益をこうむり、不当な取扱いを受けている状態にあることをいう。
5 差別を受けない権利
障害をもつ人は、すべての生活分野とその社会的関係において、身体的・精神的な特徴と理由により、差別的取扱いを受けない権利を有する。
6 国および地方公共団体、事業者の義務
(1) 国および地方公共団体、事業者は、障害をもつ人へのあらゆる差別を撤廃し、市民への理解を促す包括的方策を、適切な手段によりすみやかに実行しなければならない。
(2) 国および地方公共団体は、国および地方公共団体が、この法律公布後に策定する法令・例規等は、障害をもつ人に保障された差別を受けない権利の実現に資するものでなければならず、障害を理由として行動制限を設けたり、資格等の取得に制限を設けたり、利用や参加を制限したり、等の効果をもつものを制定してはならない。また現に効力を有する法令・例規は、早急に改正または廃止あるいは無効とするために必要な、実効的措置をとらなければならない。
(3) 国および地方公共団体は、障害をもつ人に対するあらゆる差別の発生を予防し、撤廃する観点から政策・施策一般を見直し、必要な改定措置をとらなければならない。また、この法律公布後に策定される政策・施策は、障害をもつ人に保障された差別を受けない権利の実現に資するものでなければならない。
(4) 国および地方公共団体は、事業の認可等に際し、障害をもつ人への配慮をその許認可等の条件としなければならない。
(5) 事業者は、障害をもつ人個人、障害をもつ人の集団または公益団体に対する差別的行為または慣行に対して、従事または関与してはならない。
7 障害をもつ人への積極的改善策の実施
障害をもつ人の自由と平等の権利を実質的に保障することを目的としてとられる積極的改善策は、その目的が達成されるまでの間、障害をもつ人への差別とはみなさない。
8 加害者に対する挙証責任の義務づけ
権利侵害事案が発生した場合において、障害をもつ人が被害救済の申立をした場合、被申立て人側が「差別ではない」と主張する場合には、前記「4 障害をもつ人に対する差別の定義」の(1)と(2)項に基づいて、被申立て人が、その挙証責任を負う。
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9 手話と点字に関する権利
(1) 日本手話は、独立した言語として日本語と同等のものとして認められる。
(2) 発声を伴う手話は、日本語として扱われる。
(3) 聴覚に障害をもつ人は、以上のいずれをも自己の必要に応じて使用する権利を有する。
(4) 点字は日本語の書記手段の一つである。
(5) 視覚に障害をもつ人は点字を使用する権利を有する。
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10 自己決定権の保障すべての障害をもつ人は、法律上の手続きによる場合を除いて、障害をもつ人自身の生活全般に関する意思決定に関し、適切な情報の提供を得て、自ら選択し、決定する権利を有し、自己の利益にも不利益にも、他人の関与を受けない権利を有する。 |
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【第二章】障害をもつ人への差別禁止と権利に関する基本事項
一 地域生活
1 地域生活に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、障害をもたない他の人と同等に、いかなる差別も受けることなく、地域で一市民として生活を営む権利を有する。
2 地域生活に関する差別禁止
障害をもつ人の、地域生活に関する差別とは次に掲げるものの他、障害をもたない人と異なる扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。
(1) 本人の意に反した施設生活を強いられること。
(2) 障害をもつことを理由に、公営、民間住宅への入居を拒否すること。
(3) 障害をもつことを理由に、様々な社会的活動の参加を拒否すること。
(4) 障害をもつことを理由に、恋愛・婚姻・子育てを制限されること。
(5) 障害をもつことを理由に、親としての権利を制限されたり、剥奪されたりすること。
3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、前記「地域生活に関する差別禁止」2・(1)(2)に定めるもののほか、障害をもつ人の地域生活を可能にするために十分な、所得および介助を保障する必要な施策を実施しなければならない。
(2) 国および地方公共団体は、障害をもつ人の親になる権利を制限することなく、かつ子育てに必要な援助に関する施策を実施しなければならない。
(3) 事業者は、国および地方公共団体が定めた施策に基づき、障害をもつ人の親になる権利を制限することなく、かつ子育てに必要な援助に協力しなければならない。
二 移 動
1 移動に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、障害をもたない他の人と同等に、いかなる差別も受けることなく、自由に移動する権利を有する。
2 移動に関する差別禁止
障害をもつ人の移動に関する差別とは、次に掲げるものの他、障害をもたない人と異なる扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。
(1) 障害をもつ人の円滑な移動、および利用を疎外する、以下に掲げる事項の設計、建築、施工。@
道路、および歩道。A公共交通機関(駅舎、バスターミナル、空港、船着き場、鉄軌道、バス、タクシー、航空機、船舶等)。
(2) 障害を理由とした自由な移動、および利用の制限および拒否。
(3) 障害を理由とした特別な移動経路、および手段の提供。
3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が、安全かつ円滑に移動できる道路、および公共交通機関の整備に関する基準を策定しなければならない。
(2) 事業者は、国および地方公共団体が定めた基準に基づいて、道路および公共交通機関の設計、建築、施工を行わなければならない。
(3) 事業者は、前記「2 移動に関する差別禁止」の(1)の基準に基づく整備が完了するまでの間、障害をもつ人の安全かつ円滑な移動、および利用を確保するため、効果的な代替策を実施しなければならない。
(4) 事業者は、前記「2 移動に関する差別禁止」の(2)(3)の差別を防ぐために必要な策を講じなければならない。
(5) 事業者は、既存の施設およびサービスにおいて、前記「2 移動に関する差別禁止」の差別が存在する場合は、一定の期限を定めた改善計画をたて、これを実施しなければならない。
三 建 物
1 建物に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、建物の利用・居住において、障害を理由とするいかなる差別も受けることなく、障害をもたない人と同等の権利を有する。この場合の建物とは、私有・公有にかかわらずすべての建物を指す。
2 建物に関する差別禁止
障害をもつ人の建物に関する差別とは、利用者の特定、不特定、多数、少数を問わず、障害をもたない人と異なる取扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。建物に関する異なる取扱いとは、次のことをいう。
(1) 障害があることを理由にして、建物の、賃貸・販売・利用・居住を制限もしくは拒否されること。
(2) 障害があることを理由にして、特別な利用経路・手段を提供されること。この場合は単に建物内だけでなく、当該建物と外部をつなぐ敷地内通路の利用をも含むこととする。
3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、建物に関して、円滑な利用に関する整備基準を定め、建築確認の要件とする。
(2) 建物所有者は、前記「2 建物に関する差別禁止」の(1)に定める基準を実施しなければならない。但し、既存建築物において所有者が、過度な負担を証明した時はその限りではない。
(3) 国および地方公共団体は、障害をもつ人の建物の売買、賃借、改修等の契約に際し、援助のための必要な施策を実施しなければならない。
(4) 事業者は、障害をもつ人の建物の売買、賃借、改修等の契約に際し、国および地方公共団体が実施する援助のための施策に協力しなければならない。
(5) 事業者は、障害をもつ人の建物の売買、賃借、改修等の契約に際し、障害をもつ人が、第三者の同席、助言を求めた場合、これに応じなければならない。
四 利 用
1 利用に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、あらゆる商品・施設・便益・販売・接客等のサービスやプログラムの利用において、障害を理由とするいかなる差別も受けることなく、障害をもたない人と同等に利用する権利を有する。
2 利用に関する差別禁止
障害をもつ人の利用に関する差別とは、利用者の特定、不特定、多数、少数を問わず、障害をもたない人と異なる取り扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。利用に関する異なる取扱いとは、次のことをいう。
(1) 障害があることを理由にして、利用を制限もしくは拒否されること。
(2) 障害があることを理由にして、障害をもつ人が望まない特別な利用手段を提供されること。および、それに付随した様々な経験を制限されること。
(3) 障害があることを理由にして、サービスやプログラムを利用する機会を制限・拒否されること。および、それに付随した様々な経験を制限されること。 |
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3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、利用に関して、サービス提供事業者が障害をもつ人のニーズに応じた適切な配慮を行うよう、サービス提供事業者に対する監督、指導を行わなければならない。
(1)の2 国は工業標準化法に定める工業標準の改定など実効性のある方法によって、障害をもつ人の製品の円滑な利用に資する措置をとらなければならない。また、地方公共団体は、国に準じて、必要な措置をとらなければならない。
4利用・第二次案補足説明 |
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(2) 事業者は、前記「1 利用に関する権利」において例示しているサービスやプログラムの事業を行う場所の物理的な環境整備が不可能な場合、その障害をもつ人が利用できる方式へ変更するなど代替措置を講じなければならない。
(3) 事業者は、前記(2)の代替措置について、当該サービスやプログラム事業を、障害をもつ人との協議を経て、その詳細を定めなければならない。
(4) 事業者は、前記(3)の協議に当たって、障害をもつ人が第三者の同席、助言を求めた場合、それに応じなければならない。 |
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五 情報とコミュニケーション
1 情報とコミュニケーションに関する権利
(1) 障害をもつ人は、自らが選択する方法により、あらゆる種類の情報を利用し、享受し、また表現する権利をもつ。その利用及び享受に際しては、必要に応じて、情報の提供形態を変換することを妨げられない。(2) 障害をもつ人は、前項の権利の実現を図るために、国および地方公共団体に環境整備を求める権利を有する。
2 情報とコミュニケーションに関する差別禁止
前記「1 情報とコミュニケーションに関する権利」の(1)(2)の権利を、障害を理由として制限されること、あるいは次項以下の手段等の保障を怠ることは差別であり、禁止される。
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3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、行政施策に関わる事項の公表にあたっては、常に、以下に例示するような障害に対応した措置をとらなければならない。
@印刷物は、点字印刷および音訳での利用を可能とする。
A音声によるものは、文字への変換や手話への翻訳を行う。
B映像や画像によるものは、音声や触覚による認識も可能なようにする。
C文章によるものは、平易な用語や文体を用いた版も作成する。
(2) 前記@〜Cの措置をとられたものの利用・入手に際しては、そうした措置がとられていないものの利用・入手に際して必要な手間・対価以上の負担を障害をもつ人に課してはならない。議会や司法機関もまた同様の義務を負う。
(3) 国および地方公共団体は、放送事業者や電気通信事業者等情報の提供や利用に関わる事業の事業者に対し、障害をもつ人が円滑に利用できるように、設備等の整備を支援しなければならない。
(4) 国および地方公共団体は、前記(3)の事業者の各事業が国および地方公共団体の免許・許可等に係るものであるときは、その免許・許可等の条件に障害をもつ人への適切な整備を含めなければならない。 |
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(5)国および地方公共団体は、総則9に掲げる各手段の円滑な利用及び障害をもつ人それぞれに使いやすい補償を講じなければならない。
(6) 放送事業者・電気通信事業者・出版社・新聞社等情報の提供や利用に関わる事業者は、国および地方公共団体に準じ、障害をもつ人の情報を利用・享受あるいは表現する権利の実現のために必要な対応をとらなければならない。
(7) 前記(1)〜(6)の各対応の実施要領については、国および地方公共団体と事業者の代表および障害をもつ人の代表による協議機関を設置して作成しなければならない。 |
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(8)事業者は、総則9に掲げる各手段の円滑な利用及び障害をもつ人それぞれに使いやすい保障手段を講じなければならない。 |
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六 教 育
1 教育に関する権利
(1) 障害をもつ人は、生涯のどの段階においても同世代の障害をもたない人と統合された教育を受ける権利を有する。但し、ろう児は集団での手話、盲ろう児は集団での効果的なコミュニケーションによる教育を受ける権利を有する。
(2) 障害をもつ人は、生涯のどの段階においても前記(1)の教育を受ける上で、その個々人に応じた個別的支援を受ける権利を有する。
(3) 障害をもつ人およびその代理人は、個別支援策定に関し、その過程に参加して意見を述べ、また、策定された個別支援の内容に関して説明を受け、異議を述べる権利を有する。
2 教育に関する差別禁止障害をもつ人の教育に関する差別とは、次に掲げる場合をいう。
(1) 原則として、統合的な環境のもとで障害をもたない人とともに教育を受ける機会を提供しないこと。
(2) 前記(1)にかかわらず、ろう学校において手話による教育をしないこと。
(3) 必要な個別的支援をしないこと。
(4) 障害をもつ人もしくはその代理人が希望する教育に必要な環境と支援を受けるための、十分な情報を提供しないこと。
3 配慮義務
(1) 教育を提供する事業者は、障害をもつ本人の合意のもと、その本人にとって必要な個別支援の内容をともに作成し、それに基づいた支援を提供しなければならない。
(2) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が教育を受けるために必要な環境と支援に関する情報を提供し、また、提供されている教育環境や支援の内容について異議を申し立て、是正請求する権利を確保するための具体的制度を創設しなければならない。
(3) 国および地方公共団体は、統合された教育およびろう学校における手話教育を推進するために必要な総合的施策と、それに必要な移行手段のための施策を実施しなければならない。
七 就 労
1 就労に関する権利
(1) 障害をもつ人は、いかなる差別的な処遇も受けることなく、社会のあらゆる分野において働く権利を有する。
(2) 障害をもつ人は、職場環境や人的援助など、職業に就き、就労を維持するために必要な支援を受ける権利を有する。
2 就労に関する差別禁止
障害をもつ人に対する就労に関する差別とは次に掲げる場合をいい、これを禁止する。
(1) 障害を理由に採用を拒否、または解雇すること。
(2) 採用、賃金、昇進等の労働条件あるいは労働環境において、障害を理由に不利益な取り扱いをすること。
(3) 障害をもつ人が就労する上で障壁となっている、欠格条項や最低賃金適用除外など、法制度上、障害を理由とした差別的な条項を放置すること。
(4) 障害をもつ人が、自らの希望と特性を踏まえて職業を選択するために、必要な職業相談、職場斡旋、就労を維持するための支援等の公共サービスを提供しないこと。
3 配慮義務
(1) 事業者(国及び地方公共団体を含む、「7 就労」において以下同様)は、障害をもつ人の特性が円滑に発揮できるように業務を確保し、職場における最善の支援体制を整えなければならない。
(2) 事業者は、障害をもつ人の就労拡大と職場定着に資するために、雇用関係にある従業員すべてに対して、障害をもつ人たちへの否定的な態度と偏見を克服するための人権教育・啓発にかかわる職場研修を、関係行政機関や非営利の民間関係団体等との協力のもとに実施しなければならない。
(3) 国および地方公共団体は、障害をもつ人の雇用を進めようとしない事業所に対しては、罰則をともなった措置を講じなければならない。また、障害をもつ人が事業者による不当な行為によって権利を侵害された場合、障害当事者の状況に配慮した救済制度と支援機関を設置しなければならない。
(4) 国および地方公共団体は、障害をもつ人を雇用しようとする事業者および障害をもつ事業者に対して、職場環境の物的改善、人的支援等の情報提供や積極的な財政支援策を講じなければならない。
(5) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が一般就労の場に就くことを積極的に支援するために行動計画を策定しなければならない。当該行動計画には、下記の方策が含まれなければならない。
@職場環境を多様な障害をもつ人が利用できるように設計し、あるいは障害をもつ人のニーズに応じて改善する方策。
A新技術の利用と補助具・機器の開発と生産への支援を行い、障害をもつ人の就労の獲得と維持を可能にするために、障害をもつ人が補助具・機器を入手しやすくする方策。
B適切な訓練と配置、人的援助や通訳サービス等の継続的な支援。
C障害をもつ労働者への否定的な態度と偏見を克服するための人権教育・啓発キャンペーンを提唱し支援するための方策。
D公平な雇用昇進政策・雇用条件・給与・けがと損傷を予防するための職場環境の改善方策 。
(6) 国および地方公共団体は、福祉的就労に就いている人々を、本基本事項7で目指す一般就労に円滑に移行させるために必要な施策を行うこと。その移行期間においては、福祉的就労に関係労働法規をすみやかに適用すること。
八 医療およびリハビリテーション
1 医療とリハビリテーションに関する権利
(1) 障害をもつ人は、心身の体調を自らの意思で良好に保ち、自らの望む日常生活と社会参加を果たすために自らが求める医療およびリハビリテーション(以下「医療等」と称す)を受ける権利を有する。
(2) 自ら望まない医療等の提供は、これを拒否する権利を有する。
2 医療等に関する差別禁止
障害をもつ人に対する医療等に関する差別とは次に掲げる場合をいい、これを禁止する。
(1) 障害をもつ人の存在を否定したり、その個人としての尊厳を傷つけるような不当な医療行為を行うこと。または、医療の名のもとに強制的に隔離的な環境に閉じ込めること。
(2) 精神医療における医療従事者数等、他科との格差を設けるなど、劣悪な医療環境を放置すること。
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(3)
慢性疾患における必要な医療を、疾患の種別や、支払い能力等を理由に提供しないこと。 |
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3 配慮義務
(1) 医療等を提供する事業者は、障害をもつ人に対して、提供すべきサービス内容に関して、理解できる情報伝達手段による十分な説明を提供し、その同意と選択を保障しなければならない。 |
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(2)
医療等を提供する事業者は、障害を理由として、治療のレベルをさげたり、治療の打ち切りを強制してはならない。
(3)
医療等を提供する事業者は、妊娠に際し、障害に関わる治療・検査の実施前に、その内容と結果の対応について、第三章に定める「障害者人権委員会」が策定するガイドラインに基づく情報を提供し、その援助をしなければならない。 |
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(2) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が自らの意思と選択に基づいた医療を社会サービスとして提供できるような施策を実施しなければならない。 |
(4) |
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(3) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が安心して医療を受けられるように、適切な情報提供を保障し、医療関係機関の体制を拡充しなければならない。特に、精神医療における従事者数の特例等は、他科の基準と同等に設定しなければならない。 |
(5) |
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(4) 国および地方公共団体は、障害をもつ人が受けた医療の内容に異議を申し立てたり、損害を受けたりした場合に、当事者や代理人によって法的措置を含めた救済を求めることができる制度を創設しなければならない。また、そのために障害をもつ人が必要な支援を受けることができる施策を実施しなければならない。 |
(6) |
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(5) 国および地方公共団体は、医療を提供する事業者が障害を理由に診療および治療を拒否したり、不当な医療行為を提供したり、劣悪な医療環境を放置したり、障害をもつ人の存在を否定し、その人間としての尊厳を傷つけるような医療行為が行われた場合には、速やかな指導・告発を行い、その情報を公開し、相当な罰則をともなった法的措置を実施しなければならない。 |
(7) |
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(6) 国および地方公共団体は、精神医療受診者が社会的不利益を受けるような、偏見と差別を除去する啓発活動を積極的に進めなければならない。 |
(8)
八 医療およびリハビリテーション
第二次案補足説明 |
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九 出生
1 出生に関する権利
(1)障害をもつ人は、出生において差別を受けない権利を有する。
(2)妊娠、出産に際し、いかなる障害をもつ人も生きる権利を有する。
2 出生に関する差別禁止
(1)すべての人は、妊娠に際し、障害を排除するための治療・検査を強制されてはならない。
(2)すべての人は、障害を理由とした選択的中絶をしてはならない。
3 配慮義務
国、地方公共団体は、障害をもつ人の出生にあたり、その親に対して、妊娠、出産、子育てに関する情報を提供し、必要な援助に関する施策を実施しなければならない。
9出生・第二次案補足説明 |
九 出生 (削除) |
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十 性 |
九 性 |
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1 性に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、障害をもたない人と同様に性を有する個人として尊重され、何人からも恋愛や性的関係を制限もしくは強制されず、妊娠、出産をする権利を有する。
2 性に関する差別禁止
障害をもつ人の性に関する差別とは、障害をもつことを理由に、前記「1 性に関する権利」を否定されたり、あるいは、以下のような扱いを受けることをいう。
(1) 障害をもつことを理由に、性的関係を制限あるいは強制されること。
(2) 障害をもつことを理由に、避妊、中絶を強要され、子どもを産む機会をとり上げられること。
(3) 障害をもつことを理由に、子宮摘出および断種などの生殖機能を奪うこと。
3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、障害をもつ人への不当な子宮摘出、断種をなくすための施策を実施しなければならない。
(2) 国および地方公共団体は、障害をもつ人の妊娠、出産に必要な援助に関する施策を実施しなければならない。
(3) 事業者およびいかなる個人も、障害をもつ人の不当な子宮摘出、断種に関与してはならない。
(4) 事業者は、国および地方公共団体が定めた施策に基づき、障害をもつ人の、妊娠、出産に関する必要な援助に協力しなければならない。
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十一 政治参加 |
十 政治参加 |
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1 政治参加に関する権利
障害をもつ人は、その種別、程度にかかわらず、政治参加において、障害を理由とするいかなる差別を受けることなく、障害をもたない人と同等の権利を有する。
2 政治参加に関する差別禁止
障害をもつ人の政治参加に関する差別とは、利用者の特定、不特定、多数、少数を問わず、障害をもたない人と異なる取り扱いを受けた場合をいい、これを禁止する。政治参加に関する異なる取扱いとは、次のことをいう。
(1) 障害をもつことを理由に、投票の機会が制限されるか、失われること。
(2) 障害をもつことを理由に、障害をもつ人が望まない特別な手段や場所による投票しかできないこと。
(3) 障害をもつことを理由に、選挙に関する情報が公平に提供されないこと。
(4) 障害をもつことを理由に、被選挙権、およびそれに付随する選挙活動が、事実上制限されるか奪われること。
(5) 障害をもつことを理由に、国および地方公共団体における市民としての発言・提案の機会が制限される、あるいは奪われること。
(6) 障害をもつことを理由にして、国および地方公共団体に関わる職務に就くことが制限されるか、拒否されること。
(7) 障害をもつことを理由に、議員としての活動が、事実上制限されるか奪われること。
(8) 障害をもつことを理由に、国および地方公共団体に関わる情報が公平に提供されないこと。
3 配慮義務
(1) 国および地方公共団体は、選挙・投票に関する情報を、あらゆる障害をもつ人のニーズに対応して伝えなければならない。そのために必要な情報の円滑な利用に関する整備基準を策定しなければならない。 |
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(1)の2 候補者届出政党及び候補者は、政見放送や街頭演説などの選挙運動に際しては、あらゆる障害をもつ人への対応を図らなければならない。 |
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(2) 国および地方公共団体は、投票所におけるアクセスを、建物の円滑な利用に関する整備基準に遵守させる義務を有するのに加えて、多様な障害をもつ人々のニーズに合致した情報提供と、投票方法を実践しなければならない。
(3) 国および地方公共団体は、国および地方公共団体に関する情報を、多様な障害をもつ人のニーズに合致した方法で、公開しなければならない。
(4) 国会および地方議会は、その議員および職員の活動が、障害をもつことを理由として、制限されることのないよう、適切な配慮を提供しなければならない。
11政府参加・第二次案補足説明 |
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十二 司法手続 |
十一 司法手続 |
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1 司法手続に関する権利
障害をもつ人は、その種類、程度にかかわらず、司法手続に関する憲法以下の実定法に定める諸権利について、障害を理由としていかなる差別も受けることなく、障害をもたない人と同等に保障される権利を有する。同等に保障されるとは、障害を理由とした事実上の不利益を取り除くために必要とされるすべての配慮を受けることを意味する。(障害をもつ人は、司法手続に関する権利が侵害された場合、その配慮義務の履行を請求する権利をもつ。)
2 司法手続に関する差別禁止
障害をもつ人の司法手続に関する差別とは、司法機関等が提供すべき下記に例示するような配慮を受けられず、または、障害をもつ人が自らの権利を保全するための下記に例示するような固有の権利を制限されることをいい、これを禁止する。
(1) 司法機関等が配慮すべき事項
@手続きに用いられる書面およびこれに類する意思伝達手段については、点字および音訳によって利用可能なものとすること。
A音声によるものについては、文字への変換や手話への翻訳によって利用可能なものとすること。
B映像や画像によるものについては、音声や触覚によって認識可能なものとすること。
C文章については、平易な用語や文体を用いて容易に理解可能なものとすること。
D建物の構造については、障害をもつ人の利用に支障のないように改造すること。
E障害をもつ人に対する事情聴取・取り調べ・尋問等については、その障害特性に配慮した手段、方法、形態とすること。
(2) 障害をもつ人の司法手続における固有の権利
@視覚に障害をもつ人、聴覚に障害をもつ人、盲ろう者等が自己の感覚機能を補完するために必要な疎通手段や補助者を利用することはその者の固有の権利であり、いかなる場面(傍聴も含む。以下同じ)においてもその利用を制限されない。 |
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A障害をもつ人が自己の理解を助け、あるいは心理的安定を保持するために補助者を利用することは、その者の固有の権利であり、いかなる場面においてもその利用を制限されない。
B補助具を利用している障害をもつ人が補助具を利用することは、その者の固有の権利であり、いかなる場面においてもその利用を制限されない。
3 配慮義務
(1) すべての司法機関(裁判所、検察庁、行刑施設、弁護士会、警察署、海上保安庁等)および準司法機関(労働委員会、公正取引委員会、児童相談所等)は、障害に基づく事実上の不利益を除去するための、「前記2・(1)司法機関等が配慮すべき事項」に例示するような必要な措置を講じるため、人的・物的な整備を図らなければならず、そのための費用を負担しなければならない。
(2) 裁判官、検察官、弁護士、警察職員等の前記(1)の対象機関の職員は、定期的に障害をもつ人の特性とその配慮に関して、研修を受けなければならない。
【第三章】 実施および救済機関
1 組織体制
(1) この法律を実効性あるものにするために、その実施機関として障害をもつ人への差別禁止と権利に関する委員会(仮称「障害者人権委員会」)を設置する。 |
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(2)「障害者人権委員会」の理事会は、過半数以上の障害をもつ人、権利擁護に関する学識経験者、弁護士、検察官等から構成され、かつ行政から独立した組織とする。 |
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(3)「障害者人権委員会」のもとに、以下の課題別専門部会を設ける。
1 地域生活
2 移 動
3 建 物
4 利 用
5 情報とコミュニケーション
6 教 育
7 就 労
8 医療とリハビリテーション
9 出生
10 性
11 政治参加
12 司法手続
(4) 専門部会は、課題ごとに問題の実態を類型化し、何が差別であるのかの解釈指針を作成し、かつ本法を具体的に実施するための細則を作成する。
2 実施機関としての役割この委員会の実施機関としての職務および権限は、以下のとおりとする。
(1) 障害をもつ人のおかれている現状を調査して、我が国の差別の実態を明らかにすること。
(2) 本法の施行に向けて、差別の定義、配慮義務等の解釈指針を策定し、これを広報すること。
(3) 本法により策定されるべき国の施策の大綱を作成し、これに基づいて国が策定した施策の内容、実施状況について調査・監視し、定期的にその調査結果とそれに対する意見を内閣に提出すること。
(4) 本法の改正、関連法令の改廃・制定に関し、提言を内閣に提出すること。
(5) 本法の実施に関する相談窓口を開設し、情報の提供、権利擁護に関する教育を実施すること。
(6) 構造的な差別に関しては、勧告ないし、是正命令を発すること
3 救済機関としての役割この法律に基づく権利を侵害された場合の救済機関として障害をもつ人に対する差別禁止委員会(仮称「障害者差別禁止委員会」)を中央ならびに都道府県を一つの単位として地方に設置する。この委員会の救済機関としての職務および権限は、以下のとおりとする。
(1) 障害者差別禁止委員会は、複数の救済委員を任命する。
(2) 障害者差別禁止委員会は、申立てを受けると、まず、任意の調査をしなければならない。任意の調査によって事案が明らかにならない場合でかつ事案の解明が必要と思料される事件に関しては、職権による立ち入りも含めた調査を実施する。
(3) 調査の結果、差別・虐待等の行為が明らかに存在しないと思料する場合を除いて、救済委員が被害の回復に向けた調停を開く。
(4) 調停が不調に終わった場合で、かつ差別行為が認定されるときには、事案の重大性、緊急性に応じて、是正命令、警告、勧告、要望、公表等の処分をなす。
@被害者の救済に必要な場合、緊急一時保護等により、被害者を保護しなければならない。
Aまた、行為が犯罪にわたると認定したときには、告発をしなければならない。
B事案の重大性、被害の広範性に鑑み、訴訟を提起しなければ、根本的な救済にならないと思料するときには、自ら訴訟を提起し、又は、被害者が起こした訴訟に参加することができる。被害者が提起した訴訟において、証拠資料の開示を求めた場合、これに応じなければならない。
4 国の責務
国は、司法および準司法救済に関して、裁判所および「障害者差別禁止委員会」等の準司法機関が実効性ある救済手段を持ち得るよう、事案の特性にあった調停、裁判等の所定の手続、差別を是正するために必要とされる積極的な作為命令等に関する法律を整備しなければならない。 |
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(新)【第四章】 団体訴権の付与
1 障害をもつ人の権利擁護を目的とする団体による是正、差止請求
(1)障害をもつ人の権利擁護を目的とする団体は、本法に基づき差別に該当すると思料する事実につき、その是正を行為者に対し請求できる。
(2)障害をもつ人の権利擁護を目的とする団体は、本法に基づき差別に該当すると思料する行為をなし、またはなされようとしているときに、行為者に対し、その行為の差し止めを請求できる。
2 障害をもつ人の権利擁護を目的とする団体の要件
(1)50人以上で構成されている法人または団体。
(2)定款等で目的として、障害をもつ人の権利擁護活動を規定し、現実にその目的に沿った活動をしていること。
(3)理事会など運営機関の構成員の過半数が障害をもつ人であること。
(4)第五章に定める障害をもつ人のための支援機関である「障害者権利擁護センター」
3 判決の効果(要検討)
第4章・団体訴権の付与補足説明 |
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【第五章】 障害をもつ人のための支援機関
1 組織体制
(1) 国は障害をもつ人の権利に関して障害をもつ人の立場に立ち、相談を受け、若しくは代理人として、任意の交渉や行政救済手続、司法手続により問題を解決する機関として、都道府県を一つの単位として障害をもつ人のための権利擁護機関(仮称「障害者権利擁護センター」)を設置する。
(2)「障害者権利擁護センター」は、公益法人とし、その理事会は、障害をもつ人、権利擁護に関する学識経験者、弁護士、福祉専門職等から構成される。
2 職務および権限
(1) 障害者権利擁護センターは、障害をもつ人、弁護士、福祉専門職、学識経験者を職員として配置し、障害をもつ人の立場に立ち、障害をもつ人および関係者の相談に応じる。
(2) 障害者権利擁護センターは、相談を受けたうえで、問題解決に必要な場合、相手方ないしは関連機関に対して、任意および職権に基づく強制調査を行う権限を有する。
(3) 調査の結果、問題解決に必要であれば、代理人として相手方との任意の交渉、行政救済手続、司法救済手続を通じた問題解決を図る。
(4) 以上の手続は、無料でなければならない。但し、問題解決により、障害をもつ人が実際に金銭的利益を得た場合、一定の基準により報酬を得ることができる。
3 国の責務
(1) 国は、障害者権利擁護センターを各都道府県に一つの割合で、その資質を有する公益法人に委託し、障害をもつ人および専門家を複数職員として配置できる予算を割り当てなければならない。
(2) 国は、同センターの理事および職員の選任、解任、同センターの運営等に関与し、その独立性を侵してはならない。 |
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(新) 【第六章】 人権教育・啓発
1 定義
人権教育・啓発活動とは、障害をもつ人の権利に関する意識の高揚を目的として、研修、情報提供、広報その他の活動を行う総合的な過程である。
2 基本計画の策定
国及び地方公共団体は、障害をもつ人の尊厳をあらゆる社会の領域で確立していくために、次の事項について、人権教育・啓発の対象と手段並びにその推進体制に関する施策を定めた基本計画を策定しなければならない。
(1)対象国及び地方公共団体は、本要綱案第2章の「障害をもつ人への差別禁止と権利に関する基本事項(1〜12)」の配慮義務において掲げられている国及び地方公共団体の関係職員及び事業者等に対し、各基本事項において提示されている障害をもつ人の権利と差別禁止の当該規定に基づき、人権教育と啓発を適切に行わなければならない。
(2)手段国及び地方公共団体は、障害をもつ人の人権教育と啓発に関する情報の収集及び提供を行うとともに、調査研究並びに参加体験型の学習教材、手法の開発を推進しなければならない。
(3)推進体制国及び地方公共団体は、障害をもつ人の人権教育と啓発に関する基本計画を策定し推進する推進会議を障害当事者が委員の半数以上を占めて設置しなければならない。
3 自治体への財政措置
国は、地方公共団体が実施する障害をもつ人の人権教育と啓発に関する施策を支援するため、必要な財政上の措置を行わなければならない。
4 年次報告
国及び地方公共団体は、毎年、国会及び当該の地方議会に障害をもつ人の人権教育と啓発に関する基本計画の実施状況に関する報告を行い、その内容を公表しなければならない。
第6章・人権教育・啓発補足説明 |
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