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法律相談集 男女トラブルと示談書・契約書

期限の利益喪失条項


 相手の経済状況が厳しいので、100万円を毎月10万円ずつ10回払いで支払うという示談書あるいは契約書を交わ
した。しかし、それでも支払が遅れるのでこの際、残金を一括請求したい……

 示談書・契約書があるので一見安心のように思えますが、実はそうではありません。このような示談書・契約書を交
わしてしまうと、支払期限が未到来の金額分についてはそれぞれの期限が来るまで支払わなくてもよいという「期限の
利益」を債務者に与えたことになります。ですから、1回の約束違反で残金を一括請求することはできなくなります。たと
えば、3ヶ月滞納しているときは、このケースでは3回分、つまり30万円までしか請求できないことになります。これでは
法的手段を使って回収しようとする場合でも、すべての支払い期限が到来するのを待つか、そうでないなら支払い期限
ごとに何回も訴訟や強制執行の手続きをしないといけなくなります。相手の支払い能力が悪化しているときなどにこの
ような悠長な対応をしていれば、回収不能になってしまいます。
 そこで、支払いを1回でも怠った場合は期限の利益を失い、残金を一括して返済しなければならないという特約をつ
けておきます。そうすれば、分割払いの約束をしていても、相手が1回でも滞納したらその時点で残金を全額請求でき
るようになります。 


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