〜その時、巨大なダムは白い要塞と化した〜




WHITE OUT






【ホワイトアウトとは】

気象上の用語。吹雪で発生したガス、舞い上がった雪、雪表面や雲の乱反射、
主にそれらが原因で空間が白光で満ちた言わば“白い闇”となり、
高低や方向・距離が分からなくなる現象。





<STORY>


日本最大6億トンの貯水量を誇り、
150キロワットの電力を発電する巨大ダム、新潟県・奥遠和ダム。

ある吹雪の日、ダムの職員達は雪山に遭難者を発見する。

職員の中のひとりの男が、遭難救助は専門外であるにも関わらず、友人と
共に助けに向かった。 無事に遭難者は救われたが、男の友人は遭難者を
助けに行ったがために、命を落としてしまう・・・。

そんな事があった数日後、ダムが10人足らずのテロリスト集団、『赤い月』に占拠されるという事件が起こる。テロリスト達の目的は50億円。
そのためにダムの職員を人質にする。
制限時間は24時間、拒否すれば人質を殺し、ダムを爆破すると通告する。
ダムが決壊すれば、下流域の住民20万世帯は一瞬のうちに激流にのみこまれてしまう。
さらに、猛吹雪と豪雪のため、外部からダムへの侵入は不可能に。

「雪に閉ざされた要塞だ・・・」

長見署の所長は呟く。

同僚がテロリストに射殺される中、ただひとり逃げおおせ、人質になる事をまぬがれていた男がひとりいた。
その男は、数日前遭難救助に行き、友人を失ってしまった男だった。
警察にダムの状況を伝えようと、男は連絡が取れる場所まで移動を試みるが、唯一の一本道の途中にあるトンネルが、すでにテロリスト達によって
爆破されていた。
そんな時、男は友人の婚約者までもがテロリストの手に落ちている事を知る。 男は死ぬ前の友人と交わした約束を思い出す。

「俺に何かあったら彼女を守ってくれ」

もうヤツらから逃げてはいられない。
仲間と住民を救う。
そして、亡き友と交わした約束を果たさなくてはならない。
男はたったひとりでテロリスト達と戦う事を決意する。

「このダムは、絶対お前達の好きにはさせない!」

制御室のモニターに映されたその様子を見ながらテロリストのボスは呟く。

「ただのダム職員じゃなかったようだな」

男は敵の銃を奪い、熟知したダムの中、次々と容赦なく襲い掛かる
テロリスト達の攻撃をくぐり抜け、あるいは倒してゆく。 戦ううちに、
だんだんと逞しく、野生味を帯びてくる男。
テロリストのボスに男は言う。

「またお前らの仲間が一人死んだぞ!
次は誰が殺されたい!?
死にたいヤツからこっちに下りて来い!」

「正直、君がここまでやるとは思わなかったよ。だが・・・」

テロリストの凶弾に倒れていく職員達。
威信をかけて、本格的に動き出す警察。
そして、テロリストのボスの思惑。
男の・・・・・
富樫のたったひとりの孤独な戦いは、まだ始まったばかりだった・・・・・・





テロリスト集団【赤い月】とは

正式名称「反帝国主義武装戦線=赤い月派=」
彼らの最終目的は世界同時革命であり、その革命戦争の主要敵を「世界帝国主義」と位置づける。
そしてソ連、東欧のスターリン主義崩壊後の世界を「世界帝国主義」の確立ととらえ、
今こそ世界同時革命の前段階として各国に世界革命拠点を建設し、文字通りの世界同時革命に突き進まなければならないと主張する。
その戦いの第一歩が爆弾を武器としたゲリラ闘争であり、その手始めが日本電力本社ビルの爆破だった。
その事件で4人の犠牲者を出し、逮捕されたメンバー5人は現在も服役中。
リーダーの宇津木弘貴は逮捕を免れたが、半身不随の重傷を負ったことが確認されている。
そして今回の奥遠和ダムジャックは、同志の奪還と共に海外に脱出し、調達した資金で世界革命拠点作りを目的としていると考えられている。





制限時間は24時間、身代金は50億、人質は20万世帯
史上最大最悪の犯罪に、
ひとりの男が立ち上がった!!




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